エリート先輩はうかつな後輩に執着する

みつきみつか

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番外編17 リクエストなどなど3

第二部で記憶を失ったのが和臣だったら?

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 ゴンッ

「うわっ、すごい音しましたけど、大丈夫ですか!? 頭打ってません!?」
「え、タキくん!? ……えっ、ここどこ? 俺なにしてたんだろ? ごめん、なんだか頭がぼんやりして……」
「ここどこって……」
「俺の部屋じゃないよね。タキくんの部屋? ごめん、何も思い出せない……」
「ま、まさか、記憶が……?」
「たぶん……タキくんはわかるけど……なんだろ。髪切った? 大人びたね」
「あのっ、あの、あの! 俺たち一緒に住んでて…恋人同士で……」

 しーん

「えっ、えっ!? 何? 夢? ドッキリ!? 天国? 俺、まさか死んだ?」
「違います!」

 ちゅー。
 ふらぁ……

「かっ、和臣さん!」
「夢なら覚めないで……二度と目覚めなくていい。タキくんと恋人同士の世界で、俺は死にたい」

 ぱたり

「だから、夢じゃないですって! 死んでない!」
「にわかには信じられない……証拠は?」
「しょ、証拠!? あっ、これ、見てください。お揃いの指輪! 同じリングでしょ? 裏のとこ、俺のほうがダイヤモンドで、和臣さんはアクアマリンで、これ、相手の誕生石で……去年ふたりで買いにいって交換して、俺はずっとつけてて……」
「ペ、ペアリング……!?」
「あとこれ、二人で撮った写真! ……ふつうの写真だな。あっ、ここ二年、和臣さん、タイに海外赴任してて、遠距離恋愛で、あっ、和臣さんは毎月帰ってきてたけど、俺も四回バンコク行って……」
「タキくんが……?」
「はい! 二年目は全然帰ってこなくて会えなくて寂しかったけど、昨日帰ってきてくれて」
「……寂しかった……?」
「この部屋の契約も二人でして、これから、ずっと一緒にいようねって……」
「ずっと一緒……!?」
「付き合って三年目なんです。せっかく今日から二人で暮らし始めるのに、こんなの……」

 ふらぁ

「か、和臣さん! どうしたんですか! 頭打ったせいですか!?」
「タキくんが……俺と付き合って三年目? 二人暮らし?」
「そうです」
「タキくんと恋人?」
「はい」
「タキくん、俺のこと好きなの?」

 照

「……はい」
「ジョーク?」
「違いますよ! 和臣さん、あっ、そっか、いま俺、カズ先輩のこと、和臣さんって呼んでて……。和臣さんのこと、好きです……よ……」
「!?!?!?」

 ぎゅー

「せっかく、やっと帰ってきてくれて、二人きりなのに記憶喪失なんて……」
「こんなの、絶対に夢……」
「信じてないんですか?」
「信じられるわけない。タキくんがどうやって俺のことを好きになるっていうの? 想定してない。でも……」
「でも?」
「……なんでもいい……俺、タキくんが大好きで……」
「はい」
「後輩としてじゃなくて、男だけど、君が好きで……恋で」
「ええ」
「叶うはずないって思って、見てるだけだった」
「はい」

 ぎゅー

「遠慮しなくてもいいの?」
「…………はい。和臣さんって、俺に遠慮したことなんかないですよ」
「???…………付き合って三年目ってことは、さっきみたいに、キスしたり、その、タキくんと、愛し合ったり……したのかな……」

(このひと、記憶なくてもやること変わらないな……)

「……えっと、今夜は、俺のこと可愛がってくれるって……約束してて……」

 !?

「久しぶりに会えて、俺も会いたくて、その、愛し合いたいです……お互い、気が済むまでしましょ……?」




 ~HAPPY END~
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