You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

文字の大きさ
81 / 160
そのじゅうに

そのじゅうに

しおりを挟む
尊は優しい。

えっちする時はドSやけど。

「みのりさん?どうしてほしいか言って?」

今日もそうやって、あたしを苛める。

尊は恥ずかしい事ばっかりあたしに言わせる。

あたしの反応をいちいち。

「可愛い…みのりさん」

て言って喜ぶ。

だけどあたしはMやないぞっ!!

…と、思う。

尊と付き合い出してから、自分で感度が良くないとか思ってたのが嘘みたいな気がする。

尊、えっち上手いし。あたしの事大事にしてくれるし。あたしも尊の事大好きやし。

そう言うので全部纏めて、尊とするの気持ち良いんだと思う。

前までどんな風にしてたんだか、あんま思い出せないくらい。

尊に染められてる、あたし。

尊が。

「みのりさん以外とはしたくない」

って言うように、あたしだって尊以外とはしたくない。

コトを終わらせて、眠ってしまった尊を起こさない様に。

そおっと尊の腕から抜け出してベッドから出た。

服を着て、リビングで仕事でもすっかあ、て思った時、携帯にメールが着信した。

開くと、fromは見慣れた名前。

遠藤くん

表示されてる。

タイトルには。

今月号読みました!

そして、内容には感想が書かれてる。

あたしの小説が商業誌に掲載される様になってから。

掲載される度に、欠かさず送られてくる感想文。

純粋に読者としての。

あたしにとっては嬉しいメール。

尊は読んだ感想とか言ってくれんし。

そもそも読んで無いと思うし。

活字嫌いやし。

時事ネタはネットで仕入れておられる。

雑誌もたまに部屋に置いてあるのは時計とかのヤツやし。

いや、読めとは言わんよ?

小説なんて自分の頭ん中さらけだしてるみたいなもんでさ。

恥ずかしいとこあるしさ。

遠藤くんの感想は、ほめるだけやなくて、ここがちょっとね、みたいな指摘も入ってる。

熱心に読んでくれてるんやな。

いつもありがたい。

だけど。尊には内緒のメール。

来月も楽しみにしてるね!

その言葉で締めるのに今日のは違った。

来週そっちに帰ります。久しぶりに会いたいです。

遠藤くんは横浜に住んでる。

転勤で横浜に行った。

そして、遠藤くんとあたしは。

付き合ってた。

あたしには他人に語るべきほどの恋愛経験は無い。

だから恋愛小説書くのは苦手だ。

今までと言えば。

高校の時に彼氏が一人。

キスしかしたことない。

それから大学入ってから一人。

遠藤くん。

18の時から25まで。おお。考えてみると。

七年も一緒に。

いたんだな。

大学に入ってからすぐの頃、高校から一緒の涼香の後をちょろちょろ、金魚のフンみたいにくっついて回ってた。

気になった人にはすぐ自分から声をかける涼香のおかげで、友達も出来た。

その中に遠藤くんもいて、サークルに遊びにおいでと誘われた。

それは、モータースポーツ研究会と言うもので。

ま、車転がして遊んでるだけなんやけど。

藤原豆腐店てペイントしてあるハチロクを大事にしてるとこから、おのずと活動内容も知れてる。

恭平もサークルにいた。その頃は涼香とは付き合ってなかったけど。

週末になるとサーキット行って草レースして。

車のイベントあると見に行ったり。

ちょっと遠くのサーキットまでF3のレース見に行ったり。

アクティブやったな。あの頃のあたし。

あたしが免許取って車買う時もみんなであーだこーだ言って。

中古車雑誌載ってる車を夜中にいきなり見に行こう!とか言って中古車店に不法侵入とかもしたな。

若気の至りですよ。

みんなであちこち行く時、いつの間にかあたしは遠藤くんの助手席に乗る様になってた。

それは後から聞いたら、遠藤くんがあたしの事好きやったから周りがわざとそうしてたらしいけど。

なんかのイベントの時、遠藤くんの車のタイヤ交換手伝ってた。

「みの」

遠藤くんはあたしをそう呼ぶ。

「付き合おっか」

あまりにさりげなく言われて。

「うん」

て、返事した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【完結】指先が触れる距離

山田森湖
恋愛
オフィスの隣の席に座る彼女、田中美咲。 必要最低限の会話しか交わさない同僚――そのはずなのに、いつしか彼女の小さな仕草や変化に心を奪われていく。 「おはようございます」の一言、資料を受け渡すときの指先の触れ合い、ふと香るシャンプーの匂い……。 手を伸ばせば届く距離なのに、簡単には踏み込めない関係。 近いようで遠い「隣の席」から始まる、ささやかで切ないオフィスラブストーリー。

処理中です...