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そのじゅうよん
そのじゅうよん-19
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「…よしっ」
尊が車のエンジン止めて気合い入れる。
「行くよっ!みのりさん!」
「お、おうっ!」
連られて気合い入る。
産婦人科のドアの前。
尊があたしの手がっつり握ってドアに踏み出す。
ガラスの自動ドアを颯爽と開けた。
受付で。
「本日はどうされました?」
お姉さんに笑顔で聞かれて。
なんて言ったらいいんやろ。
て考えてたら。
「妊娠してると思うんで診て下さいっ!」
きっぱり。
尊が答えた。
「では、こちらご記入お願いします」
問診票を笑顔で渡すお姉さんに、思わず赤くなるあたし。
改めて考えるとさ。
いかにも、えっちしてますよ、て言ってるみたいで。
は、恥ずかしいな。
なんでそんな。
堂々としてんだ、この男は。
尊は会社休んだ。
朝瞳子さんに電話して。
「赤ちゃん出来たから病院行ってくる!」
まんま報告してた。
瞳子さんがなんか言ったのか。
「今度は間違いないから!いいって来なくて!後で電話するからっ」
とか言ってた。
待合室でニコニコしながら妊婦さん眺める尊。
前もあったな。こんな事。
んで、また尿検査して。
「尊、あんまり人じろじろ見ない!」
向かい側にはお腹の大きな妊婦さん。
尊に見られて苦笑い。
「だって。みのりさんもあんな風になるのかなあ、と思って」
あたしのお腹見る。
「でもみのりさん、ちっちゃいから。お腹大きくなったら大変かも」
なんか聞いた事あるな、そのセリフ。
んで、また内診あって。
「内診てなにするの?」
「いや、まあ。お腹みたり」
なんかデジャブなやり取り。
そんでまた。
別の診察室に呼ばれた。
診察室入ると。
普通のベッドに寝かされた。
なんか機械がある。
お腹出して寝っ転がってると先生が来て。
「エコーでお腹診てみましょうね。ちょっと冷たいですよ」
なんかひんやりしたもん塗られた。
前は無かったな。
なんやろ。
なんかお腹の上ぐりぐりされて。
「これ、わかりますか?」
先生が機械の画面指した。
なんかよくわからん。
わからんけど。
「まだ形になってないけど、これが」
けど。
「赤ちゃんですよ」
診察室出て尊の顔見たら。
なんか涙がぽろぽろ出てきた。
「…みのりさん?」
心配そうな顔であたしの肩抱く。
「泣かないで…みのりさん。そのうちまた」
「赤ちゃんいた」
「え」
「まだ赤ちゃんの形してないけど。お腹ん中に赤ちゃんいた」
尊があたしのほっぺた手で拭って。
「うん」
って言って。
そおっとあたしを。
抱き締めた。
病院とかで。人が見てるとこで。
恥ずかしいな、もう。
「二宮さあん。こちらへどうぞ」
また呼ばれた。
一人で入ろうとしたら。
「ご主人もどうぞ」
って言われて尊も一緒入った。
二人で先生の前座ったら。
先生が微笑んで。
「おめでとうございます。6週目ですね。二ヶ月目ですよ」
「あ…」
尊があたし見て。
「…やったあ。みのりさん、凄いっ!!」
あたしの手握り締めた。
もう。痛いってば。
バカ。
さっきのエコーの写真とかで先生の話聞いて。
まだなんか全然、実感ないけど。
赤ちゃん。凄いな。
あたしのお腹に。
いるんだな。
「先生、質問あるんですけど」
尊が口開いた。
あら。早くもパパの自覚か?
「妊娠中って」
なんか嫌な予感。
なに聞くつもりだ、このヤロウ。
「セックスしても大丈夫ですか!?」
尊は真顔で先生に聞いた。
この。
えろ大魔王がああああああ!!
尊が車のエンジン止めて気合い入れる。
「行くよっ!みのりさん!」
「お、おうっ!」
連られて気合い入る。
産婦人科のドアの前。
尊があたしの手がっつり握ってドアに踏み出す。
ガラスの自動ドアを颯爽と開けた。
受付で。
「本日はどうされました?」
お姉さんに笑顔で聞かれて。
なんて言ったらいいんやろ。
て考えてたら。
「妊娠してると思うんで診て下さいっ!」
きっぱり。
尊が答えた。
「では、こちらご記入お願いします」
問診票を笑顔で渡すお姉さんに、思わず赤くなるあたし。
改めて考えるとさ。
いかにも、えっちしてますよ、て言ってるみたいで。
は、恥ずかしいな。
なんでそんな。
堂々としてんだ、この男は。
尊は会社休んだ。
朝瞳子さんに電話して。
「赤ちゃん出来たから病院行ってくる!」
まんま報告してた。
瞳子さんがなんか言ったのか。
「今度は間違いないから!いいって来なくて!後で電話するからっ」
とか言ってた。
待合室でニコニコしながら妊婦さん眺める尊。
前もあったな。こんな事。
んで、また尿検査して。
「尊、あんまり人じろじろ見ない!」
向かい側にはお腹の大きな妊婦さん。
尊に見られて苦笑い。
「だって。みのりさんもあんな風になるのかなあ、と思って」
あたしのお腹見る。
「でもみのりさん、ちっちゃいから。お腹大きくなったら大変かも」
なんか聞いた事あるな、そのセリフ。
んで、また内診あって。
「内診てなにするの?」
「いや、まあ。お腹みたり」
なんかデジャブなやり取り。
そんでまた。
別の診察室に呼ばれた。
診察室入ると。
普通のベッドに寝かされた。
なんか機械がある。
お腹出して寝っ転がってると先生が来て。
「エコーでお腹診てみましょうね。ちょっと冷たいですよ」
なんかひんやりしたもん塗られた。
前は無かったな。
なんやろ。
なんかお腹の上ぐりぐりされて。
「これ、わかりますか?」
先生が機械の画面指した。
なんかよくわからん。
わからんけど。
「まだ形になってないけど、これが」
けど。
「赤ちゃんですよ」
診察室出て尊の顔見たら。
なんか涙がぽろぽろ出てきた。
「…みのりさん?」
心配そうな顔であたしの肩抱く。
「泣かないで…みのりさん。そのうちまた」
「赤ちゃんいた」
「え」
「まだ赤ちゃんの形してないけど。お腹ん中に赤ちゃんいた」
尊があたしのほっぺた手で拭って。
「うん」
って言って。
そおっとあたしを。
抱き締めた。
病院とかで。人が見てるとこで。
恥ずかしいな、もう。
「二宮さあん。こちらへどうぞ」
また呼ばれた。
一人で入ろうとしたら。
「ご主人もどうぞ」
って言われて尊も一緒入った。
二人で先生の前座ったら。
先生が微笑んで。
「おめでとうございます。6週目ですね。二ヶ月目ですよ」
「あ…」
尊があたし見て。
「…やったあ。みのりさん、凄いっ!!」
あたしの手握り締めた。
もう。痛いってば。
バカ。
さっきのエコーの写真とかで先生の話聞いて。
まだなんか全然、実感ないけど。
赤ちゃん。凄いな。
あたしのお腹に。
いるんだな。
「先生、質問あるんですけど」
尊が口開いた。
あら。早くもパパの自覚か?
「妊娠中って」
なんか嫌な予感。
なに聞くつもりだ、このヤロウ。
「セックスしても大丈夫ですか!?」
尊は真顔で先生に聞いた。
この。
えろ大魔王がああああああ!!
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