You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうよん

そのじゅうよん-21

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「みのりさん、朝ご飯出来たよ」

「うーん…」

尊に朝起こされる。

「みのりさん。おはよう」

尊が寝起きからディープなキスするから嫌でも眼覚める。

キッチンのカウンターには朝ご飯。

今朝はプレーンオムレツか。

今朝の尊は鼻歌まじりで機嫌がよろしい。

昨日したからな。えっち。

今までみたいに一日何回もやっとられんので。

週二日、いっかいずつ。

赤ちゃんが安定期にはいるまで。

と、決めた。

尊は最初この世の終わりみたいな顔した。

あたしは。

週一回、って言ったんだけどな。

尊は三回て言って。

間とって二回になった。

しかし。

えっちするかしないかでこうも機嫌が変わるもんかね。

だいたいさあ。

回数減らしたら減らしたで。

一回の時間が長いんだよ。

どんだけしたいんだよっ。

「みのりさん、コーヒーはダメっ!」

ちぇ。

変わりにオレンジジュース。

禁カフェイン&アルコールの生活。

自分ん家帰っても尊がおかんに徹底させてるから。

紅茶すら飲めん。

仕事中にコーヒーは欠かせんのに。

しょうがないけどね。

赤ちゃんの為。

尊も大好きなえっち我慢してるしな。

「そろそろ行くよ」

はいはい。

尊はこないだ車買った。

あたしが運転してなんかあったらどうすんだ、と。

朝尊があたし送って会社行って。

仕事終わったら迎えに来る。

一緒住めばいんだけどさ。

「家族増えるんだからここじゃ狭いしあんま環境良くないし」

環境は確かに悪い。繁華街の近くやし。

「どうせなら新しく買っちゃお」

なんと。今の部屋も尊の持ち物やったらしい。

「ここ売って頭金にして…一戸建てとマンションどっちがいいかな」

このブルジョアめ。

んでまあ、新しいお家決まったら一緒に引っ越しって事で。

二宮みのり改め。

水原みのり。

入籍いたしました。




まあ。

赤ちゃん出来たし。

順番は違うけど。

あたしは尊のお嫁さんなった。

あたしが嫁にいくなんて。

自分でも信じられん。

役所行って届けだして。

「今日からみのりさんは俺の奥さん。これでみのりさんはホントに俺だけのもの」

にっこり笑ってあたしを抱き締めた。

なんかいっぺんに色んな事が起こって。

ふわふわした夢ん中にいるみたい。

免許証の書き換わった名字見ては嬉しいんだか恥ずかしいんだか。

じたばたするあたし。

「じゃあお昼前に迎え来るから。ランチしようね」

今日はお昼から結婚式の打ち合わせ。

結婚式ですよ、けっこんしき!

尊とあたしの!

まだ信じらんない。

ってもう籍入ってるし!

「んじゃね」

「みのりさんっ」

あたしん家着いて車降りようとしたらむくれる尊。

はいはい。わかりましたよ。

「行ってらっしゃい」

尊の唇にちゅってしたら。

頭の後ろ押さえられて舌入れられた。

「アンタらはもう、朝っぱらから」

おかんに見られたか。

にゃあん 

「てっちゃあんっ」

最近のあたしに不満があるとしたら。

てっちゃんと一緒に寝れない事。

自分ん家帰って真っ先に。

振り回す黄色い猫じゃらし。

あたしとてっちゃんの逢瀬を邪魔する携帯の着信音。

「……天海でございます」

『……おはようございます』

朝からトーン低いな。

『原稿の進み具合はいかがですか、先生』

「順調ですっ」

『………』

「………」

『…嘘、でしょう?』

「…締め切りまでには必ず」

松本氏がはーっ、とため息ついた。

『スケジュール管理はちゃんとしましょうね。ストレスはためない様に。胎教に悪いですからね。今までみたいに徹夜したりしたらいけませんよ。わかってますか、先生?』

「重々承知しております…」

松本氏は最近小舅みたいになって。あれこれ口煩い。

『一番大事なのは体調管理ですからね。妊娠初期にストレスは大敵ですよ。仕事でストレスためない様にちゃんとスケジュール立てて』

松本氏はちょっと笑って。

『妊婦さんをカンヅメには出来ませんからね』

て言った。
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