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しおりを挟む尊さんは高校出てすぐこの世界入って。
他人になめられたりすんの大嫌いな人だし。
てっぺん取らなきゃ気が済まねえ人だし。
最初はずいぶん苦労したみてえだけど。
たまに会うと奢ってくれたり。
その頃は正直、大学生でバイトしてる俺の方が金持ってんじゃねえか?って感じだったけど。
しばらく間空けて会うと、いつの間にか高え時計つけてたり、ブランドもんの服着てたり。
すげえな。
会う度に思った。
仕事誘われた時は尊さんはもうナンバーワンに届きそうなとこにいて。
俺はホントは。
女とちゃらちゃら酒飲んでられっかよ。
って思った。
体入の日。
とりあえず尊さんについてまわれって言われて。
元々女に囲まれてんのは慣れてる人だし、黙ってても女が寄って来る人だったし。
ホストなんてその延長線でやってんだろう。
思ってたら違った。
尊さんの営業は基本的にはツンデレなんだが。
そう言いながらも話題は豊富だし客を飽きさせねえ。
ガンガン酒も飲むけど。
「俺シャンパンで乾杯したい気分」
とかの一言で10万以上する酒を客が注文しやがる。
指名被って客から離れる時も。
「ちゃんと良いコにして待ってろよ?ヘルプのヤツ苛めんじゃねえぞ?」
ってそんだけで客はヘルプと大人しく尊さんが戻って来んの待ってる。
どんだけ惚れさせてんだ。
俺には無理だろ。
「キャラ作りゃ良いんだよ。龍二はにっこりすりゃ優しそうに見えっから、癒し系でいけば?」
「いや、無理っすよ。俺は」
断ろうとしたけど。
「近いうちに俺がこの店のてっぺん取ってやるぜ」
その一言で。
尊さんがてっぺん取るの見てえな。
気持ちが決まった。
そうして俺もホストの世界に入った。
夜職もやったことねえのに、今思うと無茶苦茶だな。
まあ、尊さんは。
今は奥さんになったみのりさんと出逢って。
それまでの尊さんからは想像出来ねえほど。
一途にみのりさんの事想って。
たまに暴走してたけど。
たった一人の女を好きで好きでたまんねえくれえ好きになって。
あんなに深く強く想えるなんてすげえよな。
みのりさんの為にあっさり水商売から足洗って会社員になった。
尊さんとみのりさん。
ちょっと二人に憧れる。
あんな風に一人のひとを愛して愛されて。
俺には無理だけど。
あんな風に恋愛とか出来ねえだろうな。
思うけど。
あの二人見てたら。
誰かを好きになる。
って気持ちなってみてえな、とは思う。
みのりさんは最初キャッチで来た客で。
実は俺も。
可愛い人だな。とは思った。
そん時俺がついたけど。
もし俺がみのりさんの事好きになってたら。
尊さんどうしてたかな。
時々、意地悪い事考えてみたりして。
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