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しおりを挟むアフター終わって。
陽が上りかけた繁華街を歩いて帰る。
家は繁華街から近い。
家賃はそれなりするけど。
交通費考えたら高くても近い方が良い。
いつも酔いざましに歩く。
いつも通りの行動、なんだが。
「あーあ、バカがいるよ」
店の後輩のユウが鬱陶しそうに言う。
道の真ん中に。
大の字で寝る。女。
「死んでねえだろうな」
爪先で脇腹つついてみた。
髪ぐしゃぐしゃだけど一応セットしてて。
でも服はジーンズだからキャバだな。
「龍二さん、ほっときましょうよお。関わると面倒くさいよお」
うん。なんだけどな。
つけまつげ取れかかった寝顔。なんとなく誰かに似てんだよな。
「う…うーん…」
眼え開けた。
「…石倉?」
「んー…」
薄目開けたその顔。
記憶にある。
しゃがんでもっとよく顔見てみた。
やっぱり、記憶にある顔。
「おい、お前石倉か!?」
「うーん…」
寝てる石倉の方掴んで肩揺すって。
「おいっ、石倉?」
「はあい。石倉莉緒でえす」
ヘラヘラすんなよ。酔っ払いが。
「起きろっ!こんなとこで寝んなっ」
石倉が少しだけ身体起こした。
「はあい…」
寝返りうって。
また寝やがった。
「龍二さん知ってるコ?」
「ああ、まあ…同級生」
高校の。
三年間同じクラスだったけど。
話した記憶は。あんま。
無い。
んだけど。
「どうしますう?交番連れてくう?」
「うん…」
交番まではかなり戻んねえとなんねえな。
「ほら!起きろって!」
肩担いで。
寝てやがるから重いな。
コイツ引き摺って交番まで。
疲れるな。
面倒くせえ。
「あれ?龍二さん、交番行かないの?」
「戻るのだりぃから家帰る」
「しょうがねえなあ」
ユウが反対側担いでくれたから楽になった。
石倉引き摺りながら家まで帰って。
石倉を俺のベッドに転がした。
「ねー龍二さん」
「なんだ」
「喰うの?」
「喰うか、バカ」
こんなドロドロな女ヤったって面白くもクソもねえ。
「んじゃ俺帰りますう」
「ああ、手伝ってくれてサンキュ」
「なんか奢って」
「なにを。メシ奢るほどじゃねえだろ」
「ウコンでいっすよう。明日買って」
「ハイハイ」
ユウが帰って。
どうしたもんかな。
他に布団ねえし。
まあ、いいか。
着替えて。
寝かせた石倉の隣、ベッド入って。
石倉が邪魔くさい。
石倉がキャバやってるなんてな。
高校ん時はどっちかつうと勉強出来る系の感じで。
何があったんだか。
俺にはまあ、関係。
ねえけど。
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