Think about you

てらだりょう

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携帯で呼び出そうとして。

そう言や番号もアドレスも知らねえな。

店ん中見て回る。

通路狭くてごちゃごちゃしてる上に。

抱えた布団が邪魔くせえ。

イラつく。

迷子の呼び出しでもしてやるか。

店内一回りして。

出入口の外に薄茶色の髪。

あんなとこにいやがった。

勝手にうろちょろすんな。

ムカつく。

しかも。

ヤンキーに絡まれてやがる。

バカ。

「遊び行こうってえ」

「いや、ツレがいるし」

「うそつくなよお」

布団を。

「うわっ!」

ヤンキーに投げた。

「なんだよっ!てめえっ」

「俺のツレになんか用ですかあ?」

「あっ、いやっ!すいませんっ」

ヤンキーが逃げた。

俺のメンチも衰えてねえな。

「…石倉ぁ…」

手はグー。

「ごっごめんなさいっ!」

「俺に面倒かけんなって言ったよなあ?」

「そのっ、店の中空気悪くて気分悪くなって」

「あ?」

「ちょっと外の空気吸おうかなと思ってっ…わざとじゃないですっ」

そう言やちょっと。

顔色良くねえな。

「帰るぞ」

「あっ、うんっ」

タクシー乗ったら。

「お金もったいないよ」

また言いやがった。

「荷物あんだろが」

「いや、まあ…そうだけど」

ああ。忘れるとこだった。

「石倉、携帯出せ」

「うん?」

石倉の携帯に俺の番号送ろうとしたら。

「なに?」

「俺の番号、登録しとけ」

「え!?教えてくれるの?」

何当たり前の事言ってんだ。

「あっ!兵藤くん、それ仕事用のでしょ!?」

そうですけど?

「あっ、あの…出来たらプライベートので…」

別に良いけど。

プライベートの番号とアドレス送ってやったら。

「…ありがとう」

石倉が赤くなった。

例えば尊さんとかは。

昔は女に関してはすんげえ適当で。

女の方から寄って来るし。

そん中からその日の気分で、みたいな感じで。

それでも女の方は喜んでついて行ってた。

学校の女だけじゃなくてOLとかもいたな。

本気でコクる女がいても。

「犯すぞ。てめえ」

って、鬼畜か。

「誰のものにもなんないとこが良い」

とか女どもが言ってた。

俺はと言えば。

別に付き合った女がいねえワケじゃねえけど。

中学ん時はいた。

初めて寝た女は違うけど。

けどなんつうか。

嫌いじゃねえけど、いつも一緒にいてえとか相手の事ずっと考えてるとか、そんな風にはなれなくて。

俺は独りでいてえのに、そう言う気分邪魔されたりとか。

独占欲とか。

そんなんが面倒で嫌になった。

俺もそこそこ女には不自由しなかったし。

尊さんほどじゃねえけど適当だったな。

あんま女が好きじゃねえってのは逆に言や、今の仕事には向いてんだろな。

客を冷静に見れるしな。

ユウにしたって。アイツチャラいけど本気で女好きになった事ねえっつってたもんな。

だからな。

俺は。

好きだとかなんだとか。

そう言うのは面倒くせえんだよ。

自惚れてるワケじゃねえんだよ。

頼むからそう言う事言うんじゃねえぞ。

俺に面倒かけんなよ。

「俺同伴だから。そろそろ出る」

「あ、うん。行ってらっしゃい」

「お前もだ」

「あたしお店八時からだもん」

「俺が出んだからお前も出ろ」

グリグリ。

「ぎゃあっ!わかったっ!わかりましたっ」

お前に家の鍵なんぞ渡すか、バカ。

「帰りどうしたら良いの?」

「どっかで待ってろ。仕事終わったら連絡する」

石倉が寂しそうな変な顔した。

俺は。

面倒は嫌いだ。




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