Think about you

てらだりょう

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みのりさんの実家のリビング。

「みのりさん、ごめんなさいっ!」

二人で頭下げてみのりさんに事情話した。

「ホント、すみません。コイツがバカだから」

「ごめんなさいっ!先輩、悪くないです!」

みのりさんは笑って。

「二人ともいいから。まあ、ちょっと尊に反省させたかっただけやから」

「反省?」

なんの反省だ。

「ん、こっちの話。んで尊なにしてんの?」

尊さんの事言ったら。

みのりさんが大笑いした。

みのりさんの車、俺の運転で三人尊さんのところに戻る。

リビングで踞ってた尊さんがみのりさん見て。

泣きそうな顔で。

そんな顔、今までの付き合いで初めて見た。

尊さんは。

他人に弱味なんか絶対見せねえ人だが。

みのりさんにだけはやっぱ違うんだな。

「わっ!」

尊さんがみのりさんにキスして。

バカが変な声出す。

俺も見てるワケにもいかねえし。

眼逸らしたらバカと眼が合って。

バカは真っ赤なってるし。

気まずいし。

「俺、そろそろ仕事行きます」

まだ時間は早いが。

一回帰んねえと。着替えねえとだし。

「おう。稼いでこいよ」

言いながらソファーでみのりさん抱き締めて動かねえ尊さん。

バカが玄関までついて来る。

「鍵ちゃんとかけとけよ」

「うん…」

バカがなんか言いたそうな顔する。

「なんだ」

「あ、いや。その…」

赤くなるバカ。

まあ、あの二人が目の前じゃ居心地悪いだろな。

あてられっぱなしじゃな。

「その…今日は帰りは…?」

「俺ん家帰るけど。変な時間に来たら申し訳ねえだろ」

「あっ、そうだよね」

困った顔で笑うんじゃねえよ。

「明日お前の着替えとか持って来てやるから」

俺が言ったら。

「うんっ、待ってるね!」

そんな嬉しそうな顔して。

待ってるとか言うな。

「兵藤くん?」

つい、バカのほっぺたに手が伸びて。

額に唇当てた。

「ちゃんと大人しくしてろ」

バカが赤い顔で頷いた。

なにしてんだ、俺は。

俺もあの二人に。

あてられたかな。

そんだけ。

だよな。



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