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しおりを挟む「あーっ!天気良いから気持ち良いねっ」
砂浜でバカがはしゃぐ。
「お前海入んなよ!車汚れっから!」
「わかったあ!あっ、わんこ!」
散歩してるどっかの犬と遊び出す。
別に。バカがいなくなったら俺は元の生活に戻るだけで。
それ以上も以下もねえ。
「お前、乗る前にちゃんと砂落とせよ」
服バタバタさせてっけど。
「お前、シート座れ。バカ、まだ足車に入れんじゃねえ」
汚したらみのりさんに申し訳ねえからな。
バカの足の砂、手で落としてやった。
「ありがとう…ごめんね、兵藤くん」
立ち上がろうとする俺の袖握る。
「なんだ」
なに泣きそうな顔してんだ。
「……好きだよ」
バカ。それはお前の勘違いだ。
俺が色々してやったから。だから。
「…ホントは高校の時もずっと好きだったよ」
あの頃は俺は。
いつも笑ってるお前見てて。
俺はなんで見てたんだろう。
「…わかったから。泣くな」
心配で眼が離せなくて放っとけなくて。なんて言う気持ちなんだろな。
バカの頭抱きながらみのりさんの言葉思い出した。
バカを尊さん家に送り届けて、いつもの様に店入る。
「龍二さん」
ボーイがひきつった顔で呼びに来た。
「あれ、玄誠会の三代目っすよ」
ボックス行くと。
「座れや」
男が三人。真ん中のは俺とたいして変わらなそうな歳っぽい。
「なんか俺に用すかね」
「なかなか度胸据わってんな、お前」
真ん中のヤツが言う。
「まりな、どこ隠した?」
面倒だな。
「お前ん家いたのはわかってんだよ。俺がちょっと忙しくしてる間に男んとこ転がり込みやがって」
なるほどな。拘留でもされてたのか。
なんで俺ん家が長い事バレなかったのか不思議だったんだが。
「アイツどこだ?お前痛い目見たくねえなら吐けよ」
コイツがバカを自分の女にしようとしてるとか。
ムカつくな。
「言えないっすね」
「なんだと?」
「あれは」
「なんだあ?」
「俺の女すからね。手引いて下さい」
お前みてえなヤツにヤらせるか。
「てめえ、こら!」
威嚇されてもどって事ねえんだよ。
三代目の携帯が鳴る。
「おう、なんだ?水原って家?」
やべえ。バレたのか。
「んじゃ、俺はこれで」
三代目が電話切らねえうちに席立つ。
「ちょっ、待て、こらっ」
追いかけてこようとするのを無視して逃げる。
「龍二さん?どこ行くのお?」
通りすがったユウの腕引っ掴んで。
「ユウ、お前も来い」
「えー、やだなあ。暴力はんたあい」
ウソつけ、チャラ男のふりして空手の段持ってるだろが。
尊さんがいるから。
大丈夫だろうが。
バカが泣くと困るから。
早く。行ってやろう。
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