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オキシトシン
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しおりを挟むDVDプレーヤーにさりげなく。
いや、別に誰かに見られてるとかじゃないんだけどっ。一人部屋なんだけどっ。
さりげなく、あ、口笛まで出てるし。イヤホンをジャックに差し込んで。
いや、違うんだよ?もっとデカい音で聴きてえとかじゃねえんだよっ!
この喘ぎ声とかがね、ちょ。なにこれ。
こんなありえねえ様なのって、マジで!?
に、兄ちゃんの気持ちがちょっと理解出来る。
ヤバ。アニメで勃たつとかっ!
戻れ、俺っ!俺は健康な成人男子だ!
ちいさんとセックスするのが好きだ!
「ちいさんとしたい!」
あ、思わずでけえ声で言っちゃった。
やっぱ俺は、三次元でちいさんと。でも、せっかくだからもうちょっと観よかな。
エロアニメにすっかりハマリ込んじゃったから。
ほっぺたのすぐ近くに体温感じるまで気がつかなくて。
はっとして横向いたら。
眉ひそめて画面観るちいさん。
げっ!!
「あっ!あははっ、ちょっと暇つぶしでっ」
慌てて画面閉じる。
「子供なら子供らしいアニメ観なさい」
「ちがっ!これはっにいちゃんが勝手に置いてったヤツでっ!俺は別にっ」
焦る俺の頭をちいさんが撫でた。
「具合はどう?」
「うん…」
頭撫でてくれるのが気持ち良いからそのままちいさんの肩におでこ乗せる。
「ちいさん…会いたかったよ…」
「忙しかったからね。気にはしてたんだけど」
そうか。気にしてくれてたのか、良かった。忙しくて俺の事忘れてるのかと思った。
「ちいさん、キスして良い?」
久しぶりだし。誰もいねえし。
「あら。等身大の美少女フィギュアの方が良いんじゃないの?」
「ちっ!違うってばあっ!」
ちいさんが笑って。
「もう…俺はちいさんが良いの」
キスしたら、ヤバいよな。ホント。
「あ…」
唇が離れてちいさんが俺のほっぺた撫でた。
俺はもっとしてたいのに。つうか、誰もいないからその続きも。
「祐輔…退院したら家に来る?」
え?ちいさん、なんて言った?
「私のせいで怪我させてしまったし。しばらくは一人じゃ不便でしょ」
あ、これなんて言うの?こう言うの。怪我のなんちゃら?
怪我したおかげで。
夢の同棲生活パート2だあっ!!
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