2 / 6
二話
しおりを挟む
その日の夜部屋で増やされた宿題をやっていると扉がノックされた。
「晴花ちゃん、今いい?」
「雨音、どうしたの?」
雨音が不安そうにやってきたので何かあったのかと思いすぐに部屋に招き入れる。
「宿題の途中だったのね…ごめんね。出直すよ」
「ううん!いいの。もうすぐ終わりそうだし気にしないで!」
だからどうぞとふわふわのクッションの元へと促す。
ありがとうと腰を下ろすと口を開いたり閉じたりと不思議な行動をしている。
何か言いたいことがあるのだろうか。
「えっと、どうしたの?言いたいことがあるなら遠慮なく言って」
「あ、あのね…。わ、私歩夢くんの事が好き…なの」
「え!?」
突然の告白に驚いて大きな声を出してしまった。それにビクッと雨音が驚く。
「ご、ごめん」
驚かしたことに謝る。私に明かしてきたという事はその事で何かお願いがあるのだろうか。すると雨音は申し訳なさそうに口を開く。
「も、もしかして晴花ちゃんも歩夢くんが好きだったりする?」
「え?わ、私は…」
私は歩夢の顔を思い浮かべる。
小さい頃から姉の雨音ちゃんは可愛いけど晴花ちゃんはなんていうか元気なだけよね…と言われ続けてきた。元気でいいじゃないかと思うが、か弱そうな雨音は守ってあげなきゃとみんな雨音に視線がいく。
さらに雨音はなんでも出来て両親からもとても可愛がられてきた。もちろん私のことも愛してはくれていたが何かと雨音を優先された。行きたい場所はある?と言われれば私は遊園地!と答えても雨音が疲れちゃうからと美術館になったりする。美術館もいいが私はもっと走り回りたかった。
別に雨音は病弱というわけではないのに。
そんななか唯一ちゃんと私をみてくれたのが歩夢だ。
「お前の元気なところがいい!その明るい笑顔とかな!」
笑顔は大事だぞ!と励ましてくれた。
私はそんな歩夢が大好きだ。
思い返すと胸が温かくなる。きっと私のこの好きもきっと恋なんだろう。
でも…雨音が悲しむのも見たくない。
雨音のことも大好きなのだ。今まで雨音ちゃんは雨音ちゃんはと言われ続けてきた。羨ましいとも思った。でも雨音にとってそれが苦しみだった。雨音なら出来て当然だよねと期待されるのが辛かったのだ。
お互いを羨ましがりながらも悲しい時も楽しい時もずっと一緒にいたのだ。
一緒に泣いて笑いあった雨音も大好きだ。
「もし、そういう好きじゃなかったらその…二人きりにしてほしいの!」
いつになく真剣な雨音に私は…
「わかった。登下校は別々にしよう!でも完全にのけものにされたら寂しいからたまには遊んでね?」
「ありがとう!」
私は雨音の嬉しそうな顔をみてホッとした。自分の気持ちに蓋をして正解だったのかもしれないと思うくらい素敵な笑顔を見せてくれた。
私は新しい友達を作るのもありだと前向きに考えることにした。
「晴花ちゃん、今いい?」
「雨音、どうしたの?」
雨音が不安そうにやってきたので何かあったのかと思いすぐに部屋に招き入れる。
「宿題の途中だったのね…ごめんね。出直すよ」
「ううん!いいの。もうすぐ終わりそうだし気にしないで!」
だからどうぞとふわふわのクッションの元へと促す。
ありがとうと腰を下ろすと口を開いたり閉じたりと不思議な行動をしている。
何か言いたいことがあるのだろうか。
「えっと、どうしたの?言いたいことがあるなら遠慮なく言って」
「あ、あのね…。わ、私歩夢くんの事が好き…なの」
「え!?」
突然の告白に驚いて大きな声を出してしまった。それにビクッと雨音が驚く。
「ご、ごめん」
驚かしたことに謝る。私に明かしてきたという事はその事で何かお願いがあるのだろうか。すると雨音は申し訳なさそうに口を開く。
「も、もしかして晴花ちゃんも歩夢くんが好きだったりする?」
「え?わ、私は…」
私は歩夢の顔を思い浮かべる。
小さい頃から姉の雨音ちゃんは可愛いけど晴花ちゃんはなんていうか元気なだけよね…と言われ続けてきた。元気でいいじゃないかと思うが、か弱そうな雨音は守ってあげなきゃとみんな雨音に視線がいく。
さらに雨音はなんでも出来て両親からもとても可愛がられてきた。もちろん私のことも愛してはくれていたが何かと雨音を優先された。行きたい場所はある?と言われれば私は遊園地!と答えても雨音が疲れちゃうからと美術館になったりする。美術館もいいが私はもっと走り回りたかった。
別に雨音は病弱というわけではないのに。
そんななか唯一ちゃんと私をみてくれたのが歩夢だ。
「お前の元気なところがいい!その明るい笑顔とかな!」
笑顔は大事だぞ!と励ましてくれた。
私はそんな歩夢が大好きだ。
思い返すと胸が温かくなる。きっと私のこの好きもきっと恋なんだろう。
でも…雨音が悲しむのも見たくない。
雨音のことも大好きなのだ。今まで雨音ちゃんは雨音ちゃんはと言われ続けてきた。羨ましいとも思った。でも雨音にとってそれが苦しみだった。雨音なら出来て当然だよねと期待されるのが辛かったのだ。
お互いを羨ましがりながらも悲しい時も楽しい時もずっと一緒にいたのだ。
一緒に泣いて笑いあった雨音も大好きだ。
「もし、そういう好きじゃなかったらその…二人きりにしてほしいの!」
いつになく真剣な雨音に私は…
「わかった。登下校は別々にしよう!でも完全にのけものにされたら寂しいからたまには遊んでね?」
「ありがとう!」
私は雨音の嬉しそうな顔をみてホッとした。自分の気持ちに蓋をして正解だったのかもしれないと思うくらい素敵な笑顔を見せてくれた。
私は新しい友達を作るのもありだと前向きに考えることにした。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる