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忌み子とチャラ男と雪見だいふく
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「ねぇ、大丈夫?」
当然声がした。
上を向くと男の子がこちらを心配そうに覗いている。
同い年くらいだろうか、金髪とピアスのせいで大人っぽく見える。
「えっ、、あっ、、、」
私が困っていると彼がぐいっ、と顔を近づけて尋ねる。
「ねぇ、大丈夫?」
さっきよりも落ち着いたトーンで話しかけられた。
私は頬を少し赤くしながらコクン、と頷いた。
「あっ、そうだ!」
何かを思いついた彼は、手に持っているビニール袋を漁り出し、
「これ、食べる?」。
彼が取り出した"雪見だいふく"をじっと見つめる。
何しろこれまで村から出た事がなかったので"雪見だいふく"なんて見た事が無い。
「よく分からないものは食べない方が……。」
なんて考えているうちに「ぐぅ~」とお腹が鳴った。
彼は少し笑いながら"雪見だいふく"の封を開ける。
白い大福が顔を出した。
「ほれ、口開けてみ」
と、彼が私の口元に"雪見だいふく"を持って来たので、口を開けた。
もちもちの大福の中に濃厚な甘さの冷たい何かが美味しい。
初めて食べた雪見だいふくの美味しさに感動した。
と同時に、初めて人に優しくしてもらった事で感情が溢れ出した。
涙が頬を伝う。
「なんだ?泣くほど美味かったか?」
彼は雪見だいふくを咥えながら、私に笑いかけた。
雪も降らない都会の寒空の下、冷たい筈の雪見だいふくがどこか温かく感じた。
完
当然声がした。
上を向くと男の子がこちらを心配そうに覗いている。
同い年くらいだろうか、金髪とピアスのせいで大人っぽく見える。
「えっ、、あっ、、、」
私が困っていると彼がぐいっ、と顔を近づけて尋ねる。
「ねぇ、大丈夫?」
さっきよりも落ち着いたトーンで話しかけられた。
私は頬を少し赤くしながらコクン、と頷いた。
「あっ、そうだ!」
何かを思いついた彼は、手に持っているビニール袋を漁り出し、
「これ、食べる?」。
彼が取り出した"雪見だいふく"をじっと見つめる。
何しろこれまで村から出た事がなかったので"雪見だいふく"なんて見た事が無い。
「よく分からないものは食べない方が……。」
なんて考えているうちに「ぐぅ~」とお腹が鳴った。
彼は少し笑いながら"雪見だいふく"の封を開ける。
白い大福が顔を出した。
「ほれ、口開けてみ」
と、彼が私の口元に"雪見だいふく"を持って来たので、口を開けた。
もちもちの大福の中に濃厚な甘さの冷たい何かが美味しい。
初めて食べた雪見だいふくの美味しさに感動した。
と同時に、初めて人に優しくしてもらった事で感情が溢れ出した。
涙が頬を伝う。
「なんだ?泣くほど美味かったか?」
彼は雪見だいふくを咥えながら、私に笑いかけた。
雪も降らない都会の寒空の下、冷たい筈の雪見だいふくがどこか温かく感じた。
完
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