『カード召喚学園 〜異能力の無駄遣いで美少女が実体化した件〜

霧島

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3-1 カードバトル学園開幕!

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3-1 カードバトル学園開幕!

 

――学園。
そこは平和で、少しだけ異様な空気に満ちていた。

校門をくぐると、グラウンドで生徒たちが大声を上げながらカードを掲げている。
カードが光を放ち、映し出された幻影同士がぶつかり合う。

> 「俺の《ドラゴン・ストーム》でとどめだぁぁぁ!」
「うわあっ、くっそ、俺の《ナイト・メイデン》がぁ!」



勝者のカードが光り輝き、敗者のカードが消える。
まるで魔法のような光景――だが、これがこの学園の日常だった。

> 「……どうしてこうなったんだろうな。」



カイはため息をつきながら呟いた。
隣を歩く真白が苦笑する。

> 「あんたが“カードを実体化できる”ってバレたせいじゃない?」
「だから言ったろ! バラしたくなかったって!」
「でもSNSでバズったでしょ? “実体化の男”って。」
「あれは事故だ! 全部トヨタのせいだ!!」



 

ことの発端は――学園の生徒会が、彼の“異能”を公式に認定したことだった。
以来、学園では「召喚能力者による公式バトルイベント」が始まり、カイは半ば強制的に参加させられることになったのだ。

> 「主、戦の匂いがします!」



そう言って、堂々と校門に立つ銀髪の女騎士ルナ。
彼女の姿は校内でも完全に有名人となっており、通り過ぎる生徒たちがざわめく。

> 「あれが噂の女騎士だ……!」
「昨日も購買でパンを買ってたらしいぞ!」
「“主に仕える”とか言ってた!」



カイは頭を抱えた。

> 「頼む、目立たないでくれ……」
「無理だと思うよ。」(真白)



彼女がそう言う間にも、ルナはすでに校庭中央に立っていた。
周囲の視線を一身に集め、堂々と宣言する。

> 「私は、主の名代・ルナ! 本日の戦、受けて立ちます!」
「戦わなくていいぃぃぃ!!!」



 

そこへ現れたのは、金髪でナルシスト気味の男子生徒。
彼の名は相楽(さがら)レオン。
カード部の部長であり、自称「学園最強のカード使い」。

> 「やあやあ、君が噂の“実体化能力者”かい?」
「いや、違う。俺はただの――」
「フッ、謙遜は不要さ。君が持つ力、試させてもらう!」



言うが早いか、レオンはカードを取り出す。
背後には観客の生徒たちが集まり、あっという間に人垣ができた。

> 「うわっ、もうギャラリーが……」
「まるで公開試合ね。」(真白)



ルナが剣を構えた。
冷気を纏う銀の刃が太陽の光を反射し、レオンのカードからは紅蓮の炎が立ち上る。

> 「出でよ、《炎帝フェニクス》!」
「主、私が相手します!」
「ちょ、ちょっと待てって!」



だが、もう止まらない。
ルナが踏み出した瞬間、風が巻き起こり、校庭の砂が舞い上がる。
フェニクスの幻影とルナの剣がぶつかり合い、轟音が鳴り響く。

> 「おいおい、これ学校行事のレベル超えてんぞ!」
「すげぇ、本物みたいだ!」
「本物なんだよぉぉぉ!!!」



 

カイは慌てて制御しようとするが、ルナの戦闘本能が完全に覚醒していた。

> 「主、この炎の鳥、強敵です! だが、我らの絆に敵うものなし!」
「いや戦うなってばぁぁ!!!」



剣と炎がぶつかり合い、爆風が走る。
真白が叫ぶ。

> 「あんた、早く止めなさいよ!」
「止め方わかんねぇんだよぉぉぉ!!!」



だが、次の瞬間、ルナの瞳が光り、剣がフェニクスの胸を貫いた。

> 「炎よ、鎮まれぇぇぇ!!!」



爆光。
その眩しさの中で、フェニクスが霧のように消えていく。
沈黙――。

そして、歓声。

> 「すっげえ! 本当に勝ったぞ!」
「女騎士つよっ!」
「相楽先輩が負けた!」



ルナは剣を納め、涼しい顔で一礼した。

> 「主の威光、ここに示せました。」
「いや、示さなくていいの!!!」



 

レオンは地面に膝をつきながらも、笑っていた。

> 「……はは、見事だ。まさかここまでとは。」
「もういいだろ、な?」
「いや、ますます興味が湧いた。君の“力”をもっと見せてほしい。」
「やめろ、そのフラグ立てるな!」



真白が小声で呟く。

> 「あんた、もう普通の生徒じゃいられないね。」
「わかってるよ……」



ルナが満足そうに微笑む。

> 「主、これでまた一歩、“征服”に近づきましたね。」
「なにを征服する気だ!!!」



 

その日の昼休み、学園内ではすでに“実体化能力者カイ”の噂が駆け巡っていた。

> 「見た? 本物のバトルだって!」
「女騎士、マジで剣から光出てた!」
「次は生徒会長が挑むらしいぞ!」



カイは机に突っ伏したまま、現実逃避する。
真白はその横でジュースを飲みながら、にやにやと笑う。

> 「ねぇ、“主”?」
「やめろ、その呼び方。」
「どうするの? このままだと学園のヒーローよ?」
「俺はただ静かにカード眺めてたいだけなのに……」
「そんな奴が、カードの女騎士実体化させて、バトルして、バズってるって、
 ――どんなギャップ萌えよ。」



> 「そんな萌えいらねぇぇぇ!!!」



 

そして、放課後。
生徒会長から届いた呼び出しの紙。

> 『放課後、特別召喚試験に参加してもらう。
 ――君の力、正式に調べたい。』



カイは紙を見つめながら、頭を抱えた。

> 「終わった……完全にフラグ立った……」
「頑張れ、“主”♡」



真白がニヤリと笑う。
その横で、ルナは嬉しそうに剣を掲げる。

> 「主、次なる戦、いつでも準備万端です!」
「やめてくれぇぇぇ!!!」



――こうして、学園全土を巻き込む「カード召喚トーナメント」が幕を開けた。
それが後に、“最強の実体化使い”伝説の始まりとなることを、
この時のカイはまだ知らなかった――。


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