麻布先輩は俺のもの

rin of the chanchan

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邂逅

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「…わかったよ、わかったから手ェ離してくんない?」

二人組のうち、茶髪でスラっとした体型のヤツが言った。

「…ああ、すみません」

奴らの肩に乗せていた手をパッと離し、ニッコリ微笑んで言った。

「キモ」
「てか誰だよ」
「1年だろ」
「何だよいきなり、クソうぜぇな」

コソコソと、といっても故意にかはわからないが、耳を澄まさずとも聞こえる音量だった。

「あの、何でウソコクとかしたんすか?」

今度はニコリ顔が少しばかり引きつった。
自分でも、何でこんなに突っかかっているのかわからなかった。

本当はこんな事が聞きたいのではない。コイツらがどんな馬鹿馬鹿しいことをしてようが、その理由など本当にどうでも良かった。

ただ、思ったよりも、怒りに自制が効かない。自分でも驚いていた。

単に男子のおふざけ。

よくある事だ。俺だって、ウソコクではないけれど、ふざけて冷やかしたりドッキリ仕掛けたり、普通によくやる。

それと同じじゃないか。

それでも、麻布先輩がそれを嘘だと知ったとき、どんな思いだったか考えると、どうも。

「いや、別に…単に遊びだけど。つか何?え、何なのお前?」

ふと、最初の言葉が蘇る。



『麻布って気持ち悪いよな』



気持ちわるかねーよ。



『あのタイプ得意な奴いねーだろ』



じゃあこんなとこまで追っかけてきてる俺は何なんだよ、おい。

おかしい。何で皆、麻布先輩の可愛さがわからないのか。



悔しい。



あんなに可愛いのに。

ああ麻布先輩。



「俺は大好きですよ、麻布先輩」



二人が目を見開いたのがわかった。

やばい。

何口走ってんだ、俺。

それでも俺は止まれなかった。

「あーあ、先輩達可哀想だなー。本当の麻布先輩を知らないからそんなこと言えるんですよ」

いやまてまてまて俺。

何だよ本当の麻布先輩って。
俺「緊張してる?」「あ、はい少し」しか会話してねーだろ。そもそも麻布先輩俺のことなんて覚えてねーよ!

二人は依然としてポカンとして話を聞いている。

「あーんなに可愛いのになあ、麻布先輩。…ま、俺にしか見せないけどね?」



ああ。

もうお前誰だよ。

何やってんだ俺………



「こんにちは」

透き通ったような声だった。振り返って見ると、そこには、綺麗な肩までの髪を黒ピンで留め、ニッコリと笑っている人がいた。







そ。



「ごめんね。どこかで会ったことあるっけ」
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