倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

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第十三章

441 シルダートを目指して

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 あけましておめでとうございます。
 第十三章を始めます。
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 セマカのダンジョンを出た俺とレフは、あれからシルダートを目指して、旅を続けていた。

 移動手段は徒歩であり、ゆっくりと進んでいる。この移動自体も、俺たちは楽しんでいた。

 ちなみに途中で一度、ジンジフレ大陸(旧アンデッドの大陸)に戻り、今回の出来事の報告も行っている。

 目印となる配下をこの場に召喚しておけば、戻ってくることも可能だ。なので気軽に、大陸を越えての移動ができたのである。

 それと城に戻れば、やはりあのハンスの時の出来事で城下町は、大変なことになったようだった。

 当時はまさにお祭り騒ぎであり、その日はジンジフレが初めて全ての信者に声を届けた日として、祝日になったらしい。

 あと祝日といえば俺の目覚めた日や、赤い煙を倒した日も祝日のようだ。

 そのほかには残してきた配下たちの相手をしていたら、元の場所に戻るのに数日を要してしまった。

 なお残留組は引き続き、そのまま置いていく。当然騒がしかったが、まだ俺が旅に出て一週間も経っていない。

 手持ちを変えるのは、まだ早いだろう。

 そうして女王たちからも色々渡されつつ、元の場所へと戻ってきたのである。

 また三回目の大陸間の移動となれば、座標のずれは初回時よりは小さかった。あと数回繰り返せば、そのズレもほぼ無くなるだろう。

 ちなみに二回目については、ジンジフレ大陸に戻った際である。城から結構離れた場所に出た感じだ。

 そんなことを思い出しつつも、俺はシルダートを目指して旅を続けていたのである。

 道中はとても平和であり、街道の整備もしっかりとされていたからか、モンスターともほとんど遭遇していない。

 おそらく定期的に、見回りもされているのだろう。

 またカード化したのもゴブリンが6枚、ホーンラビットが3枚という感じである。

 一応グレイウルフも出てきたが、既に30枚持っているので、見送った。

 弱いモンスターは切りの良い枚数を所持してれば、それで十分だと思っている。
 
 旅を続けていれば所持カードはどんどん増えていくので、こうしてある程度ルールを決めなければ、無秩序に増えていく。

 正直いくら増やしてもそこまでマイナス要素は無いので、これは俺の好みの問題かもしれない。

 なんというか、端数がバラバラだと嫌なのだ。可能な限り、切りのいい数字にしたい。

 であれば100枚でもいいのかもしれないが、大量入手の機会がなければ、Dランク以下は基本10枚~30枚程度で十分だと思っている。

 とりあえずは以前から続けていた習慣的なことなので、このままでいいという感じだ。

 そんなことを思いながら進んでいると、日が沈み始めていたので、俺は野営をすることにした。

 ちょうど近くに野営地があり、そこにはどうやら先客がいるようである。

 特に関わる必要は無いので、距離を離して野営の準備を始めた。

 これが商人などが引き連れた集団なら、確認のために挨拶を向こうからしてくることがある。

 だがこれが冒険者同士なら警戒をしつつも、野営地では無暗に関わることは少ない。

 これは冒険者には色々な者がおり、話しかけるだけでもめごとに発展することもあるからだ。

 なのでそういうこともあるため、話しかけると余計に警戒されて面倒なのである。

 結果として暗黙の了解により、冒険者同士ならあまり野営地では、見ず知らずの他人と関わることはしないのだ。

 ちなみにこれは、数日前に覚えた。野営地で他の冒険者に一応挨拶したらとても警戒されつつも、教えてくれたのである。

 俺の見た目は十五歳の少年なので、F~Eランクの冒険者だと思われたのかもしれない。

 そのランクなら発行された領内であれば、移動することが可能だ。これがなったばかりのGランクだと、発行した村や町の出入りにしか使えなかったりする。

 またそのときに冒険者から、案の定シルダートに続く街道で比較的安全だとはいえ、ソロは危険だから気をつけた方がいいと言われてしまった。

 そんな出来事を思い出しつつも、俺はストレージから完成済みのテントを取り出しておく。

 加えて椅子と焚き火に使う木も取り出して、火をつけた。これで野営の準備は完了である。

 するとそんな時だった。先にいた者たち二人が、なにやらこちらに近づいてきた。

「おっ、やっぱり一人か。いや、猫も一緒みたいだな」
「おい、よく見れば別嬪べっぴんだ。へへ、お嬢ちゃん、こんなところで一人だと、危ないぜ?」

 そんな風に声をかけてきたのは、うだつの上がらなさそうな、三十代くらいの冒険者らしき男二人である。

 少し暗くなっていたからか、中性的な見た目の俺を女と勘違いしたようだ。

 というか無暗むやみに話しかけてこないのが、野営地の暗黙の了解だったはずだが……。

「いや、気にしないでくれ。一人で大丈夫だ」

 俺がそう返事をすると、男二人はニヤニヤと笑みを浮かべながら、話しを続ける。

「何言ってんだよ、俺たちがいるから野営をしているんだろ? これって寄生だぜ?」
「そうだ。小金貨一枚か、一晩相手をしてくれるなら見逃してやるよ!」

 どうやら声の質も中性的なので、男だと気づかれなかったようだ。

 はぁ、これは面倒なことになったな。……ん? なんだか以前にも、似たようなことがあったような……。

 そんなことを思いつつも、俺は反論をしておく。

「払わないし、相手もしない。それに気が付いていないようだが、俺は男だ」

 するとそれを聞いた男二人の態度が、一変する。

「なっ!? 騙しやがったな! このカマ野郎!」
「ふざけんじゃねえぞ!」

 更に二人が騒いだからか、奥から残っていた面々が追加でやってきた。その数は四人。今いる二人と足して、合計六人である。

「なに騒いでんだよ? って女か!」
「お前ら、もしかして振られたのか?」
「んだよ。遠目でも一人って分かってたんだから、さっさと済まそうぜ」
「へへへ、上玉じゃねえか……ん? さっきカマ野郎とか聞こえたな。へへ、だが俺は男でも顔が良けりゃイケるから、全く問題ねえ」

 状況が掴めない男たちはそう言うと、俺とレフのことを取り囲んできた。

「うるせえ、コイツは男。つまりはカマ野郎だ!」
「俺たちを騙した罪は重いぞ!」

 直後にそうして俺が男だと判明すると、一人を除いてこちらをにらみつけてくる。

 すると後から来た男の中にリーダ格の者がいたのか、代表して俺にこう言ってきた。

「ったく、寄生カマ野郎かよ! 俺と仲間の繊細せんさいな心が傷ついたぜ! だから有り金全部と装備、あとはそこの毛並みの良さそうな猫で許してやる。分かったらさっさと寄越せ!」

 そんな男の言葉に、俺はため息が出た。

 ここまでくると、盗賊と変わらないな。なんだか慣れている感じだし、似たようなことを繰り返しているのだろう。

 たぶん相手が弱そうで数が少なければ、こうして恐喝きょうかつをしているのかもしれない。

 だとすればここでこいつらを処理しておくことが、世のためか。

 それと今思い出したが昔野営地で、全く同じことで恐喝されたことがあったな。

 こうしたやからの思考は、似たり寄ったりなものなのかもしれない。

 確か以前は、ゴブリン軍団で襲わせたんだったか。

 それを思い出し、俺は茂みの奥にゴブリンを30体ほど召喚すると、こちらにやってこさせる。

「なっ!? ゴブリン!」
「おいおい! 武器を持っているやつもいるぞ!」
「数も尋常じんじょうじゃねえ!」
「はぁ!? なんでこんな安全な野営地に!!」
「やべえぞ! 近くに巣ができたのかもしれねえ!
「お、おい! こんな時だ、お前も戦えよ!」

 男六人はそう言ってあせりながらも、武器を抜く。

 だがうだつの上がらない冒険者には、この数のゴブリンは驚異的なようだ。見れば恐怖で怯えている者が多い。

 そんなんじゃ、生き残れないぞ?

 俺はそう思いつつも、四つ足の鉄網台を焚火の上に設置する。ちなみにこれはセマカのダンジョンで使ったのとは別の、小型サイズのものだ。

 その鉄網台の上に、肉やら野菜やらなどを乗せていく。

「お、おまっ! こんな時になにしてやがる!? 狂ってるのか!?」
「所詮はゴブリンだ! 六人なら……ぐあっ!」
「こ、こいつらゴブリンのクセに強いぞ!」
「た、助け!」
「死にたくない!」
「に、逃げ……か、囲まれてやがる!!」

 男たちはそう言って生き残るためにあらがうが、俺のスキルでバフされている上に、連携するゴブリン軍団に対して成す術がない。

 故に結局男たちはゴブリン軍団に蹂躙じゅうりんされて、全滅するのだった。

「おっ、肉が焼けたぞ~」
「にゃぁん!」

 ふむ。昔以上に、人を殺しても何とも思わないな。普通にこうして、人が死んだ目の前で肉だって食える。

 とりあえずゴブリンたちに必要な物を剥ぎ取らせて、死体を遠くに破棄させておく。男たちの野営していた場所も、同様だ。

 そして剝ぎ取らせた中から、冒険者証であるドッグタグを手に取る。

 う~ん。Eランク冒険者か。あの年齢でEランク程度では才能が無く、こうして盗賊行為に及ぶ程度の者たちだったのだろう。

 加えてその所持品もショボかったので、ゴブリンたちがもってきた物もほとんどは破棄したり、ゴブリンたちに渡したりした。

 また生活魔法の清潔で血や汚れなどを片付けて、ゴブリンたちもカードへと戻す。

 後は食事を終えて暗くもなってきたので、寝る前の準備を済ませると、そのままテントで眠ることにした。

 もちろんそのときは、レフを大型犬サイズに変化させて、枕にする。いつも通りの、良いふわふわ具合だ。

 一応周囲には夜の番として、ハイレイスを数体隠れるように配置しておく。

 正直何者かが近づけば先にレフが気がつくだろうし、俺も目が覚めるだろう。

 なのでハイレイスの配置は、本当に念のためである。

「それじゃあ、おやすみ」
「にゃぁあん」

 そうして俺は先ほどのことが何もなかったかのように、ぐっすりと眠りにつくのであった。
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