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第十三章
442 国境の街シルダートに到着
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あれから旅は続き、道中は様々なハプニングに巻き込まれた。
たとえば盗賊の襲撃や、馬車の車輪が溝にハマって動けない者などは序の口だ。
道中の村では冒険者に絡まれたり、その村の駆け出し冒険者を助けたりもしたのである。
他にも病気の母のために一人で森に入っていったという少女を、救出したりもした。
そのいずれも、俺にとっては簡単な内容である。
この世界にやってきたばかりの時であれば、多少は苦戦したこともあったかもしれない。
しかし神候補になりカードの種類も豊富な現状、失敗する方が逆に難しいくらいだ。
それと道中に手に入れたカードは、追加でゴブリンが42枚、ホーンラビットが7枚ほど入手している。
なので以前の分も足してセマカからの旅では、全体でゴブリンが48枚、ホーンラビットが10枚増えた感じだ。
他は既に足りているモンスターなどが出たくらいで、特に面白みは無い。
ちなみにホーンラビットが10枚なのは、アロマがランクアップモンスターではなく、フュージョンモンスターだからである。
なので追加で、ホーンラビットを集める必要が無いのだ。
10枚カード化したのは、元々アロマが最初に進化した時に、0枚になったからに他ならない。あとはコレクション用である。
なおホーンラビットをカード化しても、布団がわりにはしなかった。なんとなくそれをすると、アロマが怒る気がしたのである。たぶんレフも、それを認めないだろう。
そうしていくつかのハプニングを乗り越えた俺は、こうして旅を続けて、ようやく目的地へと辿り着いたのである。
俺とレフの目の前には、大きな街壁が見えていた。
「どうやら、着いたようだな」
「にゃん!」
そう。俺とレフは、国境の街シルダートへと、ようやくやってきたのだ。
ちなみに国境の街という名称は、近くに国境門があるからこそ、ついた名称らしい。
以前も聞いたことがあったかもしれないが、道中にそうした事を出会った人たちに教えてもらっていた。
そうして俺とレフは、街門の前にある行列へと並ぶ。人が多く、入るために順番待ちをしているようだ。
また待っている間は暇だったが、その間に以前この街にやってきた時のことを思い出していると、あっという間に順番が回ってくる。
「次」
門番がそう口に出したので、俺は冒険者証のドックタグを取り出してそれを見せる。
「むっ、その年でDランクか。通ってよし!」
冒険者証を見て、門番は感心するようにそう言った。冒険者証には名前とランクしか刻まれていないので、俺のことを十五歳くらいだと思ったのだろう。
そういえば以前Fランクだったときは、別の門番に鼻で笑われたんだよな。あの門番の姿は見えないが、どうなったのだろうか。まあ、どうでもいいか。
ふとそんなことを思い出しながら、俺はシルダートの街へと入る。
ちなみにレフについては、軽い確認程度で特に何もなかった。モンスターではなく、単なる猫だと思われたのかもしれない。
なつかしいな。
そうして街に入ると石畳が続く街並みを見て、初めて来たときの事を思い出して懐かしむ。
すると完全にお上りだと思われたのか、人も多いこともあってスリたちがやってくる。
当然俺はそれに気がついていたので、その手首を軽く叩いてやり過ごした。
ちゃんと手加減をしているので、スリの手首が千切れるようなことはない。不殺のスキルが無ければ、大変なことになっていたことだろう。
それでも相当の痛みを与えたのか、スリたちは悲痛の声を漏らして、そのつど逃げるように去っていく。
また以前にもいたが、俺の尻を触ろうとしてきた者もいた。それについては、手首を折ってやる。
財布を狙われるよりも、個人的にはこちらの方が不快だったのだ。
それと、そもそも俺は財布を持ってはいない。現金については、そのままストレージに収納していた。
なので端からスリたちの行動は、無意味なのである。
やはり人が多いと、こういう手合いも増えるみたいだな。
国境の街シルダートは、ダンジョンと近くに国境門があるため、冒険者や兵士の関係者などが多いのかもしれない。
冒険者には荒くれ者などが少なからずいるので、治安はそのぶん悪くなるようだ。
だがそれもあって見回りの衛兵も多いので、大通りは比較的安全のようである。
いてもスリ程度であり、大きな犯罪を犯すものは比較的に少なそうだ。
ただ容姿が優れていた場合、路地裏に引きずり込まれる可能性もあるので、注意が必要だろう。
まあ俺にそれをした場合、その者はこの世から消えることになる。
さて、以前は宿屋探しに苦戦したんだよな。確か宿代も高かったはず。
最悪の場合は街の外で野宿しても構わないが、一応先に探しておこう。
そういえば、プリミナとジェイクが経営している店は、宿屋もしていたと聞いたな。もし部屋に空きがあれば、そのまま泊まるのもいいかもしれない。
俺はそう思い二人が経営している店、【幸運の蝶】を探すことにした。
詳しい場所までは知らなかったので、その辺の人に訊いてみる。すると意外と有名な店だったのか、すぐにその場所が判明する。
場所は街の東地区にあるらしい。ダンジョンも東地区にあるので、冒険者に人気の店のようだ。
ちなみにシルダートの街は大きく四つに区分けされており、まず北地区には俺が入ってきた街門がある。また商店街や住宅も多い。
次に南地区にも街門があり、その先に進むと国境門の方へと続いている。また職人街となっており、武器屋や防具屋などもあるようだ。
そして西地区には高級住宅街があり、領主であるゴートレール辺境伯もその地区にいるらしい。警備が厳しく、一般人はあまり近づかないようである。
最後はダンジョンのある東地区であり、冒険者関連の店や、冒険者ギルドもここにあった。
また冒険者が泊まる宿屋や食事処の飲食店も多く、幸運の蝶の店もこの地区にあるらしい。
あとは街壁の外側や街の北東や東南の端の方には、スラム街もあるようだ。特に行く理由は無いので、近づかないことにする。
そうして俺とレフは、幸運の蝶の店を目指して東地区へと向かう。
やはりダンジョンがある地区だからか、冒険者の数が多い。至る所に装備を身に着けた者たちが歩いている。
中には装備からして高ランクの冒険者の姿もあり、周囲からは羨望の眼差しを向けられていた。
他にも、ジンジフレ教の信者もいるようだ。見ればサーヴァントを引き連れている。
意識すれば繋がりを感じるので、テイマーやサモナーでないのは、間違いない。
どうやらシルダートにまで、既にジンジフレ教が広がっているみたいだ。
おそらく今は亡きハンスが、手下に命じて広めたのだろう。
集中して感覚を研ぎ澄ますと、この街に多くの信者とサーヴァントがいることが分かる。
サーヴァントはとても有用だし、冒険者たちがそれに気づかないことは無いということだろう。
ただ信者数はとても多いが、実際にサーヴァントを獲得している者は少なそうだ。
やはり、軽い気持ちで信者になった者が多いのだろう。サーヴァントを得るには、まずそれなりに俺のことを信仰している必要がある。
あとは素養や運など細かいことが重なることで、サーヴァントを得ることができるのだ。
けどまあ、そのうちサーヴァントを得る者も増えていくことだろう。そんな気がする。
死んでも復活する配下とか、普通に優秀だからな。
そんなことを考えている間に、俺は目的地に辿り着く。
ふむ。ここが、幸運の蝶か。
大通りからは少し外れているが、二階建ての大きな木造の建物だった。少々年季があるものの、立派な建物である。
出入口は大きな両開きの扉になっており、軒先の上には蝶を模した大きな看板があった。その看板には【幸運の蝶】と刻まれている。
この看板は比較的新しく見えるので、あとから設置したのだろう。
さて、二人はいるだろうか。
ちなみにベックたちは繋がりからして、ここにはいないことは分かっている。おそらくダンジョンにいるのだろう。
だがプリミナとジェイクにはカードを渡しておらず、またどうやら信者でも無いみたいなので、繋がりからいるかどうかは不明という訳である。
サーヴァント自体は優秀で欲しがる者も多いかもしれないが、ハンスが直接迷惑をかけていたらしいので、その反発で二人は信者になっていないのかもしれない。
これもある意味、ハンスの置き土産だろう。
そんなことを思いながら俺は軽く息を吐くと、一歩踏み出してその扉を開くのだった。
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道中の村では冒険者に絡まれたり、その村の駆け出し冒険者を助けたりもしたのである。
他にも病気の母のために一人で森に入っていったという少女を、救出したりもした。
そのいずれも、俺にとっては簡単な内容である。
この世界にやってきたばかりの時であれば、多少は苦戦したこともあったかもしれない。
しかし神候補になりカードの種類も豊富な現状、失敗する方が逆に難しいくらいだ。
それと道中に手に入れたカードは、追加でゴブリンが42枚、ホーンラビットが7枚ほど入手している。
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ちなみにホーンラビットが10枚なのは、アロマがランクアップモンスターではなく、フュージョンモンスターだからである。
なので追加で、ホーンラビットを集める必要が無いのだ。
10枚カード化したのは、元々アロマが最初に進化した時に、0枚になったからに他ならない。あとはコレクション用である。
なおホーンラビットをカード化しても、布団がわりにはしなかった。なんとなくそれをすると、アロマが怒る気がしたのである。たぶんレフも、それを認めないだろう。
そうしていくつかのハプニングを乗り越えた俺は、こうして旅を続けて、ようやく目的地へと辿り着いたのである。
俺とレフの目の前には、大きな街壁が見えていた。
「どうやら、着いたようだな」
「にゃん!」
そう。俺とレフは、国境の街シルダートへと、ようやくやってきたのだ。
ちなみに国境の街という名称は、近くに国境門があるからこそ、ついた名称らしい。
以前も聞いたことがあったかもしれないが、道中にそうした事を出会った人たちに教えてもらっていた。
そうして俺とレフは、街門の前にある行列へと並ぶ。人が多く、入るために順番待ちをしているようだ。
また待っている間は暇だったが、その間に以前この街にやってきた時のことを思い出していると、あっという間に順番が回ってくる。
「次」
門番がそう口に出したので、俺は冒険者証のドックタグを取り出してそれを見せる。
「むっ、その年でDランクか。通ってよし!」
冒険者証を見て、門番は感心するようにそう言った。冒険者証には名前とランクしか刻まれていないので、俺のことを十五歳くらいだと思ったのだろう。
そういえば以前Fランクだったときは、別の門番に鼻で笑われたんだよな。あの門番の姿は見えないが、どうなったのだろうか。まあ、どうでもいいか。
ふとそんなことを思い出しながら、俺はシルダートの街へと入る。
ちなみにレフについては、軽い確認程度で特に何もなかった。モンスターではなく、単なる猫だと思われたのかもしれない。
なつかしいな。
そうして街に入ると石畳が続く街並みを見て、初めて来たときの事を思い出して懐かしむ。
すると完全にお上りだと思われたのか、人も多いこともあってスリたちがやってくる。
当然俺はそれに気がついていたので、その手首を軽く叩いてやり過ごした。
ちゃんと手加減をしているので、スリの手首が千切れるようなことはない。不殺のスキルが無ければ、大変なことになっていたことだろう。
それでも相当の痛みを与えたのか、スリたちは悲痛の声を漏らして、そのつど逃げるように去っていく。
また以前にもいたが、俺の尻を触ろうとしてきた者もいた。それについては、手首を折ってやる。
財布を狙われるよりも、個人的にはこちらの方が不快だったのだ。
それと、そもそも俺は財布を持ってはいない。現金については、そのままストレージに収納していた。
なので端からスリたちの行動は、無意味なのである。
やはり人が多いと、こういう手合いも増えるみたいだな。
国境の街シルダートは、ダンジョンと近くに国境門があるため、冒険者や兵士の関係者などが多いのかもしれない。
冒険者には荒くれ者などが少なからずいるので、治安はそのぶん悪くなるようだ。
だがそれもあって見回りの衛兵も多いので、大通りは比較的安全のようである。
いてもスリ程度であり、大きな犯罪を犯すものは比較的に少なそうだ。
ただ容姿が優れていた場合、路地裏に引きずり込まれる可能性もあるので、注意が必要だろう。
まあ俺にそれをした場合、その者はこの世から消えることになる。
さて、以前は宿屋探しに苦戦したんだよな。確か宿代も高かったはず。
最悪の場合は街の外で野宿しても構わないが、一応先に探しておこう。
そういえば、プリミナとジェイクが経営している店は、宿屋もしていたと聞いたな。もし部屋に空きがあれば、そのまま泊まるのもいいかもしれない。
俺はそう思い二人が経営している店、【幸運の蝶】を探すことにした。
詳しい場所までは知らなかったので、その辺の人に訊いてみる。すると意外と有名な店だったのか、すぐにその場所が判明する。
場所は街の東地区にあるらしい。ダンジョンも東地区にあるので、冒険者に人気の店のようだ。
ちなみにシルダートの街は大きく四つに区分けされており、まず北地区には俺が入ってきた街門がある。また商店街や住宅も多い。
次に南地区にも街門があり、その先に進むと国境門の方へと続いている。また職人街となっており、武器屋や防具屋などもあるようだ。
そして西地区には高級住宅街があり、領主であるゴートレール辺境伯もその地区にいるらしい。警備が厳しく、一般人はあまり近づかないようである。
最後はダンジョンのある東地区であり、冒険者関連の店や、冒険者ギルドもここにあった。
また冒険者が泊まる宿屋や食事処の飲食店も多く、幸運の蝶の店もこの地区にあるらしい。
あとは街壁の外側や街の北東や東南の端の方には、スラム街もあるようだ。特に行く理由は無いので、近づかないことにする。
そうして俺とレフは、幸運の蝶の店を目指して東地区へと向かう。
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他にも、ジンジフレ教の信者もいるようだ。見ればサーヴァントを引き連れている。
意識すれば繋がりを感じるので、テイマーやサモナーでないのは、間違いない。
どうやらシルダートにまで、既にジンジフレ教が広がっているみたいだ。
おそらく今は亡きハンスが、手下に命じて広めたのだろう。
集中して感覚を研ぎ澄ますと、この街に多くの信者とサーヴァントがいることが分かる。
サーヴァントはとても有用だし、冒険者たちがそれに気づかないことは無いということだろう。
ただ信者数はとても多いが、実際にサーヴァントを獲得している者は少なそうだ。
やはり、軽い気持ちで信者になった者が多いのだろう。サーヴァントを得るには、まずそれなりに俺のことを信仰している必要がある。
あとは素養や運など細かいことが重なることで、サーヴァントを得ることができるのだ。
けどまあ、そのうちサーヴァントを得る者も増えていくことだろう。そんな気がする。
死んでも復活する配下とか、普通に優秀だからな。
そんなことを考えている間に、俺は目的地に辿り着く。
ふむ。ここが、幸運の蝶か。
大通りからは少し外れているが、二階建ての大きな木造の建物だった。少々年季があるものの、立派な建物である。
出入口は大きな両開きの扉になっており、軒先の上には蝶を模した大きな看板があった。その看板には【幸運の蝶】と刻まれている。
この看板は比較的新しく見えるので、あとから設置したのだろう。
さて、二人はいるだろうか。
ちなみにベックたちは繋がりからして、ここにはいないことは分かっている。おそらくダンジョンにいるのだろう。
だがプリミナとジェイクにはカードを渡しておらず、またどうやら信者でも無いみたいなので、繋がりからいるかどうかは不明という訳である。
サーヴァント自体は優秀で欲しがる者も多いかもしれないが、ハンスが直接迷惑をかけていたらしいので、その反発で二人は信者になっていないのかもしれない。
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