倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

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第十三章

459 ブラックヴァイパー ⑪

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「どうぞこの先へとお進みください」

 係りの者が部屋にある扉を開くと、そこには長い廊下が続いている。俺はそこを歩き続けた。

 一応試合では手加減をするつもりだが、瞬殺しないように注意しよう。最低でも、三十分は持たせる必要がある。 

 また俺は剣主体の聖属性魔法も使える魔法剣士という触れ込みなので、それに沿った戦い方をする必要があった。

 なのでこのまま擬剣パンドラソードを使う予定だが、正直この剣は強すぎる。しかしこの剣がなければ、剣技系スキルが使えないのも事実なので、そこはもう上手くやるしかない。

 ちなみに擬剣パンドラソードの鑑定内容は、たしかこんな感じだったはずだ。


 名称:剣パンドラソード
 説明
 ・この擬剣はあらゆる剣に擬態することが可能であり、性能を偽って表示させる。また鑑定系スキルなどを無効化する。
 ・この擬剣は一日に一時間だけ、あらゆる剣の性能に擬態することも可能とする。
 ・この擬剣に宿る属性を、基礎属性の中から自由に切り替えることを可能にする。

 ・この擬剣に認められた者にしか使用できず、念じると手元に戻ってくる。
 ・この擬剣は、時間と共に修復される。
 ・この擬剣は以下のスキルを内包している。
【偽装擬態】【超級鑑定妨害】【七属剣技】
【中級スキル郡(剣)】【属性耐性(小)】
【斬撃強化(中)】【技量上昇(中)】
【身体操作上昇(中)】


 一応一日に一時間だけ性能を弱くすることも可能だが、流石にそこまでする必要はないだろう。

 それとこの中で俺が中級までの基本剣技を使用できるようになるのが、【中級スキル郡(剣)】である。

 また【七属剣技】は、剣の属性を剣技スキルに上乗せして発動し、更に強化もできるスキルだ。

 ただしそれを可能とするのは、無、火、水、風、地、光、闇の七属性だけである。故に名称が、【七属剣技】なのだ。

 それと擬剣パンドラソードはみずからこの七属性を、自由に切り替えてまとうことができる。

 なので上手い感じに、効果内でシナジーが生まれている感じだった。

 故にやろうと思えば、火属性を纏ってファイアスラッシュとかも可能なのである。

 相手によって属性を切り替えられると考えれば、それだけで破格の能力だ。

 まあ、それを使うような相手は、中々現れないだろうけどな。

 そうして長い廊下を抜けると、いよいよ闇闘技場内へと辿り着く。土の地面の周囲には壁があり、その上を観客席が円を描くように囲んでいた。

 加えて地下空間ということもあり、天井には照明となる魔道具がいくつも埋め込まれており、昼間のように明るい。

 また観客席には、何らかの魔道具によるバリアーのようなものが展開されていた。

 ちなみに金持ち用の席は、一般の観客席の上部に存在している。見れば強化ガラスのような何かに、しっかりと守られていた。

 その内側には食べ物が並べられたテーブルがあり、幾人もの金持ちがワイングラスを片手にこちらを覗いている。

 レフやヴィレッタ、ポッチたちもその中で確認することができた。

 するとヴィレッタに抱きかかえられていたレフは、よほど俺が現れたのが嬉しいのだろう。ガラスを両足で何度も擦って、俺へと必死にアピールをしている。

 更にポッチも、一発ぶちかましてやれといった風に、殴ったようなジェスチャーをした後に、力こぶを作っていた。

 どちらも俺の返事に期待しているような気がしたが、こちらから何かすることは無い。

 仮に返事をするような動きを見せれば、流石に他の客から見たら滑稽こっけいに見えるだろう。

 なので俺はレフたちのアピールをスルーして、何事もなかったかのように先へと進む。

 そうして前方に意識を向ければ、闇闘技場の中央には既に二人の男が待っていた。

 どうやら相手の選手は、先に入場していたらしい。

 まずその一人目は、目が血走っている魔法職のような装備をした、三十代の男。手には長い杖を持っている。

 次に二人目は、胡散うさん臭い笑みを浮かべた三十代の細身の男であり、剣士であろうことが窺えた。抜き身の両手剣を、既に構えている。

 ふむ。容姿から推測するのは悪いが、奴隷として闇闘技場に出てきても、おかしくなさそうな者たちだな。

 その容姿からは、ガラの悪さがかもし出されていた。

 すると俺がそう思っていると、周囲に荒々しい男の声で、アナウンスが流れる。

『待たせたなぁ! 本日のメインイベントの始まりだぁ! まず今回急遽きゅうきょ現れた挑戦者は、ブラックヴァイパー荒事部門所属のモブメッツだぁ! 
 あのゴブリオックの強者を二名倒したという噂だが、その真実やいかに! 事前情報では、剣技と希少な聖属性魔法を使う魔法剣士みたいだぁ!
 更にモブメッツは、この試合に勝った後にもう一試合を控えているぞぉ!』

 どうやら今のは俺の紹介のようであり、それを聞いた観客たちが、思い思いに様々な反応をし始めた。

「なんだあのひょろいのは!」
「本当にゴブリオックの強者を二名倒したのか?」
「というか、ブラックヴァイパーの荒事部門に、あんなやついなかっただろ。いや、印象が薄すぎて、気づかなかっただけかもな!」
「俺は大穴に賭ける! 勝ってくれ! これで二連勝してくれなければ、俺はお終いなんぁだ!」
「なんか弱そうじゃね?」
「あんなやつなら、俺でも勝てそうだぜ」

 聞こえてくるのは、主に否定的なヤジばかりだ。しかしその中には、俺の二連勝に賭けている者もいるみたいである。

 まあ俺は負ける気は無いので、俺に賭けたやつは安心してくれ。稼がせてやろう。

 そしてアナウンスは、次に相手の選手についての紹介を始めた。

『それに対する二人は元Cランク冒険者、この会場ではお馴染みの二人だぁ! まずはこの男! 火属性と地属性の大技を得意とする、火山のマタリネッゾだぁ!』
「ふひひっ、私の高威力魔法は最強だ!」

 アナウンスの紹介と共にそう言ったのは、目が血走っている魔法職の男だ。こいつが火山のマタリネッゾなのだろう。

『続いて紹介するのはこの男! その細い見た目に反して、なんと大剣で岩をも両断する剛力の持ち主、爆砕のヨシサッギだぁ! 
 また二人は実の兄弟であり、お互いに高威力の技を得意としていることから、爆山ばっか兄弟という異名を持っているのは、有名な話だあぁ!』

 馬鹿兄弟? いや、爆山《ばっか》兄弟か。まあ、偶然だろう。

 そんなどうでもいい感想を俺が抱いている時も、アナウンスの言葉は続く。

『更に兄弟ならではの、たくみな連携を得意としているぞぉ! 果たしてそのコンビネーションで、挑戦者のモブメッツをねじ伏せることができるのであろうかぁ!』
「くっくっく、俺の容姿に騙されたやつは、いつもミンチになるんだよなぁ。くっくっく」

 この胡散うさん臭い笑みを浮かべた三十代の細身の男が、爆砕のヨシサッギのようだ。

 確かに細身、いやひょろガリと言える体格なので、騙される者も多いかもしれない。おそらく筋力に関する、何かしらのスキルを所持しているのだろう。

 それとここまで聞いて思ったのは、観客のためもあるのだろうが、ずいぶんと色々な情報をアナウンスするんだな。まあ、事前にそれを言うのは聞いていたから、別に構わないが。

 あとアナウンスしている者だが、おそらくこの爆山ばっか兄弟を贔屓ひいきしているような感じがする。

 たぶんだが、二人のファンなのだろう。それか俺が勝てるとは、そもそも思ってはいないのかもしれない。

「マタリネッゾ! やっちまえ! 焼き殺せ!」
「ヨシサッギ! その大剣で叩き潰しちまえ!」
「殺せ!」
「さっさと始めろ!」
「爆山兄弟に全財産と嫁と息子と親父を賭けたぜ! これで大金持ちだ!」
「やっちまえ!」

 すると観客席も、どうやら爆山兄弟の方を応援しているみたいだった。それと一人ヤバイ賭け方をしているやつがいるが、果たして大丈夫だろうか? 普通に俺が勝つぞ?

 ちなみに金持ち用の観覧席は、その特殊なガラスもあって外部に声が漏れないようだ。

 なので聞こえる汚い言葉を吐いているのは、全て一般の観客たちだ。まあ実際ガラスの向こうで、俺を罵っている者もいるかもしれないが。

 けどそれについては、どうでもいいか。ただレフが暴れないか、少しだけ心配ではあるけどな。

 しかし現状では何も起きていないので、これについては大丈夫だと信じるしかない。レフも流石に、その程度なら我慢してくれるだろう。

 そうして粗方アナウンスの紹介も終わったみたいなので、いよいよ試合が始まる。

『それじゃあてめえら、準備はいいかぁ!? これより挑戦者モブメッツ対、爆山兄弟との試合を開始するぅうう! レディー、ファイッ!』 

 その宣言と共に、試合が始まった。

 さて、最低でも三十分。どうやって遊んでやろうか。
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