異世界妖魔大戦〜転生者は戦争に備え改革を実行し、戦勝の為に身を投ずる〜

金華高乃

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第13章 休戦会談と蠢く策謀編

第21話 フィリーネの手紙

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 ・・21・・
 拝啓、アカツキ・ノースロード様。
 私はフィリーネ・リヴェット。ロンドリウム協商連合の軍人で少将でした。今や全てを奪われ、ただの一市民でしかありませんが。

 さて、おそらくは私と同じ世界に生きていたおそらくは日本にいたであろうもう一人の転生者さん。きっと貴方は、この世界で振るわれた手腕からして軍事的知識もしくは歴史的知識に富んだ者か、そうでなければ軍人でしょう。ただの素人が最前線で臆する事なくあんなにも戦えるはずがありませんからね。もし貴方が軍人だとしたら、もしかしたらどこかでであっているかもしれませんね。
 何故ならば、私も軍人でしたから。

 思い返せば、私は不幸と血と硝煙の世界で生きてきた前世でした。
 かつての私はただのお金持ちの家に産まれた、ただの女の子でした。裕福であった以外はそこらへんにいる女の子。学校に通い、友達と遊び、両親や兄と過ごす。取り留めのない、けれどもかけがえのない普通の人生を送ってきました。
 けれど、両親と兄は事故で喪いました。その後立ち直って大切な人を得ましたが、テロで死にました。

 以後、私は強くならねば大切な人を守れないと軍に入りました。たまたま秘めていた才能があったからか、若くして中佐にまで上り詰めました。部下も沢山いたんですよ。私。

 でも、また裏切られたんです。端から愛国心なんて持ち合わせていませんでしたが、それでも大切な人達の為に尽くしてきたつもりです。
 だけど、国に、軍に裏切られた。最終的に、私は唯一の肉親になった祖父と共に暗殺されました。
 創作では転生というと時間軸にズレがあるでしょうから、貴方が二十一世紀前半から半ばの人物で無ければ私が誰かは分からないかもしれません。でも、ほぼ同じ時代を生きていて私よりあとに死んだのならば知っているかもしれません。

 如月家の二人と傍系がテロで諸共死んでしまった凄惨な事件を。

 しかし、私は死んだかと思いましたが転生しました。
 それがフィリーネ・リヴェットです。今の私なのです。

 私はこの世界で生きることになってから、さらに力を求めました。今度は、何もかも寄せ付けない、反対する連中すら捩じ伏せる力を。
 都合良くこの世界には魔法があり、私はまたしても家柄と才能に恵まれましたから様々なことをしてきました。それについては貴方も知る事実でしょうから、割愛しましょう。

 でも。
 でも。また。私は裏切られました。この世界の召喚武器の副作用故に自覚はありました。しかし、私に部下を殺すつもりなんて毛頭ありませんでした。
 それでも、人間は残酷で、怖くて、すぐに掌を返す生き物だと今度こそ痛感しました。
 結局私は全てを失い、今度に至っては部下達にすら裏切られました。
 そう、私の前には誰もいなくてなんにも無くなってしまったんです。
 だから私は決めたんです。
 私を裏切ったクソッタレ野郎共へ、この世界に生きる全ての者達へ、私は絶望と怨嗟と憎悪と、ありとあらゆる恨みを遺して死んでやろうと。

 ねえ、アカツキ・ノースロード。
 私と同じように改革を成し遂げて、前線にて戦い大切な人を守ろうとしたアカツキ・ノースロード。
 同じ道を歩んでおきながらお前だけ権力と名声と、幸せと大切な人達に囲まれて生きる人生は楽しいか、と。

 さそがし楽しいでしょう。さぞかし幸せでしょう。それはもう、生き甲斐を感じているでしょう。

 私はお前が憎くて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて仕方ありません。

 なんでお前だけが。どうしてお前だけが。
 私だって、この世界で戦争が起きるであろうことを予期して行動したのに。大切な人を守る為に同じ事をしてきたのに。戦ってきたのに。

 どうしてお前は権力を日増しに得たのに私は全てを奪われ。
 どうしてお前は部下達に慕われ、部下達に囲まれ、時には部下達に守られて生きているのに、私は部下達に裏切られ一人ぼっちになったのか。

 どうしてお前には大切な人がいるのに愛しく思われているのに、私には誰もいないのか。

 どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。

 私は、お前が憎くて、殺したくて、奪い尽くしたくて仕方がないよ。
 お前が守るべきと思う国を滅ぼし。
 お前が愛しくて愛しくてたまらない大切な人を目の前で殺してやりたい。
 嫌だと絶望し、助けてと泣き叫び、やめろとお前が喚く様を愉悦に浸りながら殺してやりたい。奪ってやりたい。

 だから。
 だから私は、死んでまた蘇ってやる。
 今度は亡霊としてお前の目の前に現れ、呪い殺してやろう。
 必ず私は、怨霊として、てめえの前に現れてやる。

 追記
 もう一枚手紙があるよね?
 それにも目を通しておきなさい。


 うん、これを見たってことはちゃんともう一枚を見てくれたわけだ。
 そんなお前に、最期に一つ答えを教えてあげよう。
 なんで私がお前を日本人と特定出来たか教えてやろう。
 お前が写っていた、とある一枚の写真で確信に至ったんだよ。
 街で売られていた英雄と称されるお前の絵の素振りでも分かったんだよ。辿り着いたんだよ。
 はにかみ笑いと、照れくさそうに頬を指でかくその姿。
 それは私がよく知っていた人物がしていた、癖みたいなもので、笑い方もよぉく覚えている。
 なあ、お前さ。
 お前さ、『高槻亮』だろ?
 三三三以降散り散りになり、死んだ高槻大尉。
 私が三日三晩犯された時に助けに来なかった愚か者。
 まあ助けに来なかったのはどっちでもいい。もしかしたらどこかで救出作戦に従事していたかもしれないし負傷したかもしれないからそれは許してやる。
 でもさあ、ねえ、大尉?
 私を差し置いて、次の世界で幸福に包まれて生きる気分はどうだ?
 そりゃもう、幸せだろうな? たまんないだろうな?
 私は死ぬけれど、せいぜい再び訪れるであろう戦争を生き抜くことだね。
 大切な人を喪うかもしれないだろうけど、頑張るこった。
 でも私は、お前の無事を祈らないし、まして生き延びる事は願わない。
 だからさ、かつては守るべき者の一人だと思っていたお前にこの言葉を送るよ。

 クソッタレの英雄に、災いあれ。
 ってね。

 フィリーネ・リヴェットこと、如月莉乃。
 憎しみをお前に込めて。



 ・・Φ・・
 見覚えのある、女性らしくもありながら達筆な筆跡。
 前世の数々の悲惨な過去。
 そして、如月という苗字。
 繋がってしまったんだ。

「そんな、そんなそんなそんなそんなそんなそんなそんなそんなそんなそんなそんなそんな……!! あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 口から言葉が漏れる。
 誰にも聞かれたくないから、聞かせてはならないからと、この状況でよくもまあ声を抑えられたと思う。
 確信には至っていたけれど、けれどもどこかで嘘であってほしいと願っていた。
 だけど、僕の予測に違いは無かったんだ。
 フィリーネ元少将は、やっぱり、あの中佐だったんだ……!!
 如月中佐だったんだ……!!
 つまり。

「僕は、僕は中佐を、見殺しにしたも同然だ……!」

 そうだろうと影が濃くなる頃にはもうとっくに手遅れだった。
 だって、違うだろうと心のどこかで信じていたかったから。
 協商連合の事だからと手出ししにくかったからと、だから僕は全力を尽くさなかった。
 でも結果はどうだ?
 僕が凱旋に至る時にあの人は絶望の暗闇に叩き落とされていて。
 F調査室を立ち上げた頃にはこの世の全てを恨んでいて。
 きっと、僕がリイナと休暇に出た頃にはとっくに今に至る道を決意していたに違いない。
 前世で僕を守ってくれていた中佐を、僕はこの世界で守らなかった。
 そうして至った末が、これだ。
 かつての上官は前世で死に、今世でも死んだ。
 再び世界に絶望と憎悪を遺して。僕に向けて恨みと怨嗟をぶちまけて死んだ。

「僕は、僕は……」

 敬愛する上官を喪ったも同然だ。
 クリス大佐と同じだ。いいや、もっと酷いかもしれない。

「守れ、なかった……ッッ!!」

 手紙を掴み、けれど、投げられなかった。
 前世の繋がりある唯一の人の手紙だったから。
 けれど、もういない。
 もう、いないんだ。
 フィリーネ元少将は、如月中佐は、自殺したんだから。
 彼女がこうなってしまってからの自身の行動を振り返る。
 自分がどうしていた時、彼女はあの人はどう思っていたのか。どんな気持ちだったのか。
 だとするのならば、あんな言葉の羅列をぶつけられても仕方ないだろう。
 自覚した瞬間に、吐き気が込み上げてきた。
 慌ててホテルの部屋にある洗面所へ駆け込んだ。

「うぅ、おぇ、げぇぇぇぇぇ……!」

 吐き出した。何度も吐いた。
 それでも出し尽くしても、現実は覆らない。
 もう、取り戻せない。知らず間に、掌から零れ落ちていたのだから。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 ようやく吐き終え、ほんの少しだけ落ち着いた頃に、背後を振り返るとそこには人間大のサイズのままのエイジスがいた。

「エイ、ジス……」

「マスターの異常を感知。精神・肉体両面に平常値を大きく超える変調がありました。一体、どうしたんですか?」

「なんでもない……、飲みすぎただけ……」

 心配そうな表情のエイジスに、未だ嘔吐感を抱きながらもなんとか返す。

「とてもそれだけのようには思えないのですが、マスター」

「なんでもないから……。ごめん、放っておいて……」

 僕は洗面所に撒き散らした吐瀉物を魔法で水を発生させて洗い流し、すぐにリビングに向かう。
 手紙の中身を見せられないからだ。テーブルの方に戻ると、握った事により少しくしゃくしゃになっていた手紙を封筒に戻して鞄に押し込み閉めた。

「質問。今仕舞われたのはなんですか、マスター」

「いいから。何も触れないで。お願いだから……。これは、命令だ……」

「しかし、マスターはフィリーネ元少将が自殺した一件からクリス大佐に会われて精神変調が顕著に現れています。明らかにマスターの様子はおかしいと思われますが」

「いいから……! 放っておいてくれよ……! 命令だ……!」

「…………サー、マスター」

 思わず叫んでしまった。
 エイジスは何にも悪くないのに八つ当たりをしてしまった。今の声でリイナが起きなかったのは幸いだろう。ここがスィートルームで広く、防音性に優れている上に寝室から離れているお陰だろう。
 途端に湧いて出る罪悪感に、僕はエイジスの目を見ることなく。

「…………ごめん。でも本当に、しばらくでいいからそっとしておいて。夜が明けるまででいい。明けたらまた元通りにするから。お願い、だから……」

「…………ワタクシは、マスターがどうして今そうなっているのか分かりません。ですが、感情を得てから今なら理解できます。マスターは、大切な人を喪ったかのように思えます」

 すると、エイジスはそっと僕を抱き締めた。まるで、子供を慰める母親みたいに。
 これじゃあどっちが主か分かったもんじゃなかった。
 エイジスは、僕が落ち込んだ時にリイナがするように優しく頭を撫でながら、

「リイナ様にも言えない何かがあるのでしょう。マスターにとってリイナ様が愛しい人だからこそ言えない何かがあるのでしょう。隠したい事が、あるのでしょう。それをワタクシは、無理をして告解しなくてもいいと思います」

「うん……」

「ただ、どうか一人で抱え込まないでください。話せるようになったら、いつでも話してください。それが誰にも話せない真実だとしても、せめてリイナ様とワタクシにだけでも、お話ください」

「ごめん……」

「謝らないでください、マスター」

「…………ありがとう」

「提案。マスター、寝不足は禁物です。寝れないでしょうが、横になるだけでもいいです。ベッドに行きましょう」

「分かった」

「ワタクシは一度元の姿に戻りますが寝ずの番をします。お傍にいますから、ごゆっくり身体をお休めください」

 エイジスは優しく微笑むと、ベッドまで連れていってくれた。
 横になると、精神的に擦り切れていたのか眠気はすぐにやってくる。でも、瞳の裏にあの人が過ぎって寝られない。
 それでもエイジスは暖かい言葉をかけてくれた。

「おやすみなさい、マスター。貴方に安寧があらんことを」

 その後、ようやく眠りにつけたのは夜が明ける頃で、目を覚ましたのは昼前になってからだった。
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