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第2部 戦間期に歩むそれぞれの道 第14章 戦間期編1
第15話 リシュカの片鱗垣間見る妖魔帝国軍現地司令官
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・・15・・
同日
午後2時20分
パルティラッテ
妖魔帝国軍パルティラッテ方面攻略軍司令部
南方蛮族諸国家が一つ、パキスタニアを攻略せんが為に置かれた妖魔帝国軍パルティラッテ方面攻略軍の将兵が忙しなく動き回っていた。
それも当然である。辺境の地の侵略を担当する師団司令部に、皇帝の紋章ひらめく旗の近衛師団が援軍としてやってきたからである。それも指揮官は半年前に公表され、常識的には余程でない限り帝都から出てこない皇帝の特別相談役。智謀だけでなく魔法能力者としても有能と言われているリシュカ・フィブラ。
故に攻略軍二個師団の指揮官である四十代後半の見た目であり短い暗めの金髪で、やや痩せ身のノイエフ・ソリューコフ少将は、前線において許す限りの歓待をしようと追われていた。元々はもう少し体重はあったのだが、予定よりやや遅れている攻略による心労と元来の若干神経質な性格、妖魔帝国人にとっては堪える南方の暑さにやられて少しとはいえ痩せたのである。
「ノイエフ少将閣下、リシュカ中将相当官閣下が司令部に到着されました。この部屋にご案内の途中にございます」
「ご苦労。くれぐれも失礼のないように」
「はっ」
伝達役の将校は速やかに要件を伝えると、ノイエフ少将がいる司令官室を後にしていった。
彼は将校が出ていくと、ふぅ、と小さく息をつく。
「よもや皇帝陛下が直々に命じて近衛師団を援軍としてお送り下さるとは思わなかったが、まさか指揮官がかの特別相談役たるリシュカ閣下とはとつくづく思う……」
「しかも近衛師団は一般的な師団を凌駕する火力を保有する近衛の名に相応しい重火力師団です。完全充足の歩兵・砲兵・魔法能力者部隊、砲弾薬は通常の二倍、糧食も十分。さらには通常の倍の定員の新設召喚士飛行隊に、この方面攻略軍保有する倍の数のゾズダーニア。リシュカ中将相当官閣下からの通信で『私が来る前の前土産として兵士達が満足するだけの補給物資も送る』と突然送られ、先々週本当に今までで一番充実した補給物資が来ました。一体あのお方は何者なのでしょうね……」
左手に持つ第八近衛師団の資料を見ながら未だ驚きを隠せていない様子なのは、副司令官のシャーコフ・モロゾード准将。レオニードが巻き起こした粛清の嵐の対象にならなかった有能な軍人の一人とはいえ、今回の援軍についてはどういった理由があるのか、彼にとってもまったく読めなかった。送られてきたのが近衛師団で装備は最新、練度の高い兵達で構成され兵站に弱点を抱える妖魔帝国軍にしては十分過ぎる程の作戦物資を携えやってきたのだから尚更だった。
「本来特別相談役は帝都から出ず皇帝陛下をお支えするお役目。まして皇帝陛下にとっては幼馴染に等きお方にも関わらずこのような辺境地にお越しになるなどゆめゆめ思ってもいなかった」
「皇帝陛下より賜りしお言葉には、リシュカ閣下が考案なされた作戦を、閣下直々に実現する為に作戦指揮にやってきたとのこと。つまりは、我々はリシュカ閣下の指揮下になるわけですが……」
「腹が痛くなる……。私は失態を犯して、いや確かに作戦は計画より遅延しているが、あぁ、腹が痛い……」
「ご心配なさらず、ノイエフ少将閣下。皇帝陛下は決して閣下に失望したわけでなく、苦戦しているようだから援軍を送ったと仰っておられました。それが証拠に帝都から腹痛に効く薬と滋養のある食べ物が送られてきたではありませんか」
「だから不気味なのだ……。てっきりついに私も粛清かと思いきや、全く反対の意味だった。陛下より心配のお言葉があるとは思わんだろう……」
「それだけ陛下は南方蛮族共の侵略に熱心なのです」
「まあ良い。粛清の可能性は無く、閑職行きでもない。皇帝陛下のお傍に仕えるリシュカ閣下の指揮下になるのならば私の負担も軽くなるだろう。リシュカ閣下については、先に届いた作戦書からして評判通りだと感じたが人格面に関しては実際にお会いしてどのようなお人なのか見てみないと判断しかねるが……」
「この地にいると情報が限られますからね……。話によると、戦場が似合わない可憐なお方だとか」
二人はわざわざ遥か南方にまでやってきたリシュカの事を話していたが、結論は実際に話してみないと分からないというありきたりなものだった。
そうして時間が経つ内に、部屋の外からノックの音が聞こえる。
「ノイエフ少将閣下、リシュカ中将相当官閣下をお連れ致しました!」
「了解した。リシュカ中将相当官閣下、どうぞ中へお入り下さい」
「分かったわ」
外から聞こえてきた、まるで子供のような可愛らしい声音にノイエフ少将は耳を疑った。続けて扉が開いた先にいた体躯の女性、いや少女と言った方がずっとしっくりくる姿に次は目を疑った。
そこにいたのは妖魔帝国軍の南方用特別仕様の軍服を身に纏い中将相当官を表す階級章を両肩に付けているが、背丈は一四〇シルラと少し程度。手入れが良くされている絹のように滑らか黒の長髪で、学校に通っている方が納得するような童顔だった。陶磁器のような白い肌の細い首には黒いチョーカーもある。装飾も無いから個人的な持ち物だろうか。
確かに可憐だという噂は耳にしていた。だが、いくらなんでもこんなに小さいとは思わなかったのだ。隣にいる副師団長であろう男が長身である為に少女にしか見えない女性の小ささを殊更強調されていた。瞳が随分黒く濁っているような気がするが、その程度は外見の事を思えばどうでもいいものだった。
とはいえ、ノイエフ少将も長い間妖魔帝国で軍人として生きてきた身である。動揺は一片も見せずに挨拶を始めた。
「ようこそパルティラッテへお越しくださいました、リシュカ中将相当官閣下。私の名は、ノイエフ・ソリューコフ。階級は少将、パルティラッテ方面攻略軍の司令官を務めさせて頂いております」
「シャーコフ・モロゾードであります。階級は准将。副司令官を務めさせて頂いております」
「歓迎ご苦労さま、ノイエフ少将、シャーコフ准将。リシュカ・フィブラよ。階級は中将相当官。半年前から皇帝陛下より特別相談役に就かさせて頂き、この度は陛下直々の勅命でパルティラッテ方面攻略軍援軍として近衛師団の指揮官に就任しました。よろしくね?」
「リシュカ様が師団長を務めておられる第八近衛師団副司令官のオットー・デゴルスキーです。階級は准将です。しばらくの間、どうぞよろしくお願い致します」
妖魔帝国式の敬礼をするノイエフ少将とシャーコフ准将に、軍人たるオットー准将はともかく視線の先にいるリシュカは見事な返礼をする。僅かな時間でノイエフはまた驚かされた。特別相談役で中将相当官だから返礼は何度がするだろうが、まるで長い事軍人として歩んできたような理想的な返礼だったからだ。
「小官の耳にも既に入っておりますが、リシュカ閣下はパルティラッテ方面攻略軍の指揮をなさるとのこと。喜んで指揮権を閣下にお譲り致します」
「快く受け入れてくれて感謝するよ。ちなみにだけど、このペンダントが示す通り私は皇帝陛下の代理としてパルティラッテに来ました。ここには陛下がおられると思って尽くすように。とは言っ――」
「そ、それは権限の一部とはいえ陛下が自身の代理として認めた者にしかお貸しなさらないペンダント……!! こ、このノイエフ身を粉にして閣下の下で尽力致しますっっ!!」
「じ、自分も身を尽くし作戦にあたらさせていただきます、リ、リシュカ閣下っ!!」
ノイエフ少将とシャーコフ准将は人生で最も驚愕した瞬間を味わった。生きてきた中で話でしか聞いたことの無いペンダント、皇帝代理に等しい権利の象徴が眼前にあるからだ。
リシュカが言葉を続けようとしたにも関わらず、極度の緊張から直立不動で敬礼し言葉を発した二人に対し、対照的にリシュカは悠々とした様子で苦笑い混じりに微笑んでみせる。
ノイエフは驚愕を越え、畏怖の念すら抱く。余裕のある笑みに底知れない何かも感じた。あえて言うなれば、出征前に謁見した妖魔帝国の頂点に立つレオニードのような雰囲気のようであった。
「まあまあそんなに畏まらなくてもいいよ。これの効果が絶大なのは知っているけれど、かといって遠慮されても困るの。あくまで一上官として接してください」
「は、はっ!」
「かしこまりました!」
「うーん……。ねえ、オットー准将」
「諦めてください、リシュカ様。貴女が首から提げるペンダントはそういうものなのです」
「そう……。――気を取り直して、ノイエフ少将、シャーコフ准将。早速だけど作戦の話に移っていいかな?」
「ぎょ、御意に!」
「私が机に用意致します!」
シャーコフ准将は司令官室にある大きなテーブルの上に置かれた作戦書などを片付けてスペースを作る。
「ありがと。オットー准将、鞄の中身を出して」
「御意。ノイエフ少将閣下、シャーコフ准将閣下。既に届けられていると思いますが、こちらがリシュカ様が陛下の御前にて机上演習で披露なされ、最終修正を加えられたパルティスタッチャ方面攻略作戦、『毒霧と火による浄化作戦』になります」
オットー准将がテーブルの上に広げた大きめの地図に描かれていたのは、あの時の机上演習で実演したものに手を加え『毒霧と火による浄化作戦』と命名されたパルティスタッチャ方面攻略作戦の全体概要図だった。
細かい点――兵員数や兵器の弾薬等を考慮して微修正がされている――を除き、レオニードの前でリシュカが発表していた作戦内容をオットー准将は説明していく。
「――以上のように、正面からゾズダーニア主体の陽動攻撃を仕掛けた後に主戦力を手薄な東側から迂回させ横撃。後方たるパルティスタッチャを奇襲する事で敵の連絡線を遮断。東側攻撃開始と同時に北西側の熱帯林地帯の隙間へ一個師団を展開させることによって敵は完全に包囲される事になるでしょう。戦線が崩壊してしまえば後は容易く、我が軍は本作戦を持ってパルティスタッチャを占領。という流れになります」
「初めて目にした時は大胆でありながら緻密に組み立てられた作戦と感じましたが、なるほど、先に到着した魔法無線装置や作戦物資があれば実現は可能だと思います。これまでは兵站の問題から難しかったですが、充実した物資弾薬がありリシュカ閣下がおられる今なら必ずや作戦は成功するかと」
「これが成功すれば、全戦線の中央部たるこの地に突出部が形成されます。敗残兵共の処理には苦労するかもしれませんが、パルティスタッチャはパキスタニアの蛮族にとっては最要衝。ここが陥落すれば東部と分断が可能になってきますからいかようにもなりましょう」
改めて説明を受け、ノイエフ少将とシャーコフ准将の順に感想を述べる。
現在、南方蛮族諸国家が一つのパキスタニア首長国は保有している正規戦力の半数をパルティスタッチャ方面に集結させている。対して妖魔帝国軍は中央戦線のパルティラッテに二個師団、東部戦線に二個師団――首長国側は正規軍一個師団民兵二個師団で抵抗しており、ハラスメント攻撃によってこちらも計画遅延を起こしている――を配置していた。西側に戦線がないのは熱帯林地帯が広すぎて攻勢にそぐわないのが理由だ。
よって戦線は二つ。主戦線は中央戦線のこの地であり、シャーコフ准将が言うようにパルティスタッチャは首長国側にとって絶対防衛拠点であるため、対パキスタニア首長国戦の趨勢はパルティスタッチャで決すると言っても過言ではないのだ。
「ありがと。でも、作戦を成功させる為に不可欠な要素があるんだよね」
「おお! それはどのような作戦なのですかリシュカ中将相当官閣下」
「ん? 単純明快な話だよ。東側の攻撃を担当する第八近衛師団たる私はずっと最前線にいればいいだけ」
「な!? 師団司令部におられるのではなく、閣下自ら最前線に立たれるのですか!?」
てっきり第八近衛師団司令部にずっといると思っていたノイエフ少将は大きく困惑し声を大にする。
「ノイエフ少将閣下、自分も反対したのですがリシュカ様は司令部に籠るのなんて愚策だと一歩も引き下がら無かったのです……。驚くべき事にリシュカ様は就任後僅かな期間で参考となる人類諸国の雄、アルネシア連合王国を多角的視点で研究されておりました。本作戦は敵国ながら優れた戦法を実現させたあの国の手口から発想を得たとの事で、だからこそ――」
「一般的な師団に比べれば魔法無線装置を多く持ってきたとは言っても、あの連合王国と比較すれば妖魔帝国軍の情報通信網は貧弱なのは否定出来ないでしょ? 速攻が命のこの作戦では命令が遅れれば作戦に支障が出かねません。けど、私が陣頭指揮すれば解決。ほら、簡単でしょ?」
「いや、しかし、簡単とは、ええ……」
「何かご不満かしら、ノイエフ少将?」
「い、いえっ、とんでもございません!」
一瞬だけ眼光が鋭くなるのを感じたノイエフ少将は慌てて自分の発言を訂正する。常識外れかつ末恐ろしい存在がやってきたのだと彼は身をもって体感した。
しかし次のリシュカの発言も、ノイエフ少将の想像を遥かに超えるものであった。
「これからはノイエフ少将は私の副司令官になってもらいます。だから、もし私の作戦に不備があったら気軽に進言してちょうだい。だってこの作戦はいつかやってくる対人類諸国への絶滅戦争の実験場なのだから。知恵は多くあった方がいいでしょう?」
「じ、実験場……」
ノイエフ少将は戦慄し耳を疑った。
今、目の前にいる人物は時代遅れの装備と弱兵ながらも頑強な抵抗をする敵軍との戦争を実験場と言ってのけたのだ。
恐らく、彼女は首長国兵を数字としてしか認識していない。我々悪魔族は長年魔人至上主義を根拠に主要種族と一部の種族を除き格下と蔑視して見下してきた。しかし、一応はヒトガタの形をした奴隷なり自身達の繁栄の糧なり形として認識している。
ところが彼女はどうだ。最早相手を生物としてすら見ていないのではないだろうか。自分ですらこの手を使うのかと感じた毒物兵器の使用にせよ、作戦名の浄化作戦にせよ、生きる者を数字で捉える言動。
それはまるで、粛清帝レオニードのようであった。
(ああ、なるほど。だからリシュカという者はレオニードの特別相談役になられたのだろう。彼女もまた、我々とは隔絶した戦争狂なのだろうな。)
ノイエフ少将は心の内で眼前にいるリシュカに対して一つの答えに行き着いた。
そしてこうも思った。
絶対に、敵に回していけない、反抗してはいけない相手だと。
「というわけで作戦については以上。作戦決行は兵達に十分な休息を与え、今一度作戦を熟考した上でそうだね、三日後にしよっか。ノイエフ少将、事前準備は終わってるでしょ?」
「はっ。はい。完了しております」
「ならよし。じゃ、そういうことで」
こうして交流と作戦会議を兼ねた対談は終わり三日後の十日朝、『毒霧と火の浄化作戦』は実行に移される事となったのである。
同日
午後2時20分
パルティラッテ
妖魔帝国軍パルティラッテ方面攻略軍司令部
南方蛮族諸国家が一つ、パキスタニアを攻略せんが為に置かれた妖魔帝国軍パルティラッテ方面攻略軍の将兵が忙しなく動き回っていた。
それも当然である。辺境の地の侵略を担当する師団司令部に、皇帝の紋章ひらめく旗の近衛師団が援軍としてやってきたからである。それも指揮官は半年前に公表され、常識的には余程でない限り帝都から出てこない皇帝の特別相談役。智謀だけでなく魔法能力者としても有能と言われているリシュカ・フィブラ。
故に攻略軍二個師団の指揮官である四十代後半の見た目であり短い暗めの金髪で、やや痩せ身のノイエフ・ソリューコフ少将は、前線において許す限りの歓待をしようと追われていた。元々はもう少し体重はあったのだが、予定よりやや遅れている攻略による心労と元来の若干神経質な性格、妖魔帝国人にとっては堪える南方の暑さにやられて少しとはいえ痩せたのである。
「ノイエフ少将閣下、リシュカ中将相当官閣下が司令部に到着されました。この部屋にご案内の途中にございます」
「ご苦労。くれぐれも失礼のないように」
「はっ」
伝達役の将校は速やかに要件を伝えると、ノイエフ少将がいる司令官室を後にしていった。
彼は将校が出ていくと、ふぅ、と小さく息をつく。
「よもや皇帝陛下が直々に命じて近衛師団を援軍としてお送り下さるとは思わなかったが、まさか指揮官がかの特別相談役たるリシュカ閣下とはとつくづく思う……」
「しかも近衛師団は一般的な師団を凌駕する火力を保有する近衛の名に相応しい重火力師団です。完全充足の歩兵・砲兵・魔法能力者部隊、砲弾薬は通常の二倍、糧食も十分。さらには通常の倍の定員の新設召喚士飛行隊に、この方面攻略軍保有する倍の数のゾズダーニア。リシュカ中将相当官閣下からの通信で『私が来る前の前土産として兵士達が満足するだけの補給物資も送る』と突然送られ、先々週本当に今までで一番充実した補給物資が来ました。一体あのお方は何者なのでしょうね……」
左手に持つ第八近衛師団の資料を見ながら未だ驚きを隠せていない様子なのは、副司令官のシャーコフ・モロゾード准将。レオニードが巻き起こした粛清の嵐の対象にならなかった有能な軍人の一人とはいえ、今回の援軍についてはどういった理由があるのか、彼にとってもまったく読めなかった。送られてきたのが近衛師団で装備は最新、練度の高い兵達で構成され兵站に弱点を抱える妖魔帝国軍にしては十分過ぎる程の作戦物資を携えやってきたのだから尚更だった。
「本来特別相談役は帝都から出ず皇帝陛下をお支えするお役目。まして皇帝陛下にとっては幼馴染に等きお方にも関わらずこのような辺境地にお越しになるなどゆめゆめ思ってもいなかった」
「皇帝陛下より賜りしお言葉には、リシュカ閣下が考案なされた作戦を、閣下直々に実現する為に作戦指揮にやってきたとのこと。つまりは、我々はリシュカ閣下の指揮下になるわけですが……」
「腹が痛くなる……。私は失態を犯して、いや確かに作戦は計画より遅延しているが、あぁ、腹が痛い……」
「ご心配なさらず、ノイエフ少将閣下。皇帝陛下は決して閣下に失望したわけでなく、苦戦しているようだから援軍を送ったと仰っておられました。それが証拠に帝都から腹痛に効く薬と滋養のある食べ物が送られてきたではありませんか」
「だから不気味なのだ……。てっきりついに私も粛清かと思いきや、全く反対の意味だった。陛下より心配のお言葉があるとは思わんだろう……」
「それだけ陛下は南方蛮族共の侵略に熱心なのです」
「まあ良い。粛清の可能性は無く、閑職行きでもない。皇帝陛下のお傍に仕えるリシュカ閣下の指揮下になるのならば私の負担も軽くなるだろう。リシュカ閣下については、先に届いた作戦書からして評判通りだと感じたが人格面に関しては実際にお会いしてどのようなお人なのか見てみないと判断しかねるが……」
「この地にいると情報が限られますからね……。話によると、戦場が似合わない可憐なお方だとか」
二人はわざわざ遥か南方にまでやってきたリシュカの事を話していたが、結論は実際に話してみないと分からないというありきたりなものだった。
そうして時間が経つ内に、部屋の外からノックの音が聞こえる。
「ノイエフ少将閣下、リシュカ中将相当官閣下をお連れ致しました!」
「了解した。リシュカ中将相当官閣下、どうぞ中へお入り下さい」
「分かったわ」
外から聞こえてきた、まるで子供のような可愛らしい声音にノイエフ少将は耳を疑った。続けて扉が開いた先にいた体躯の女性、いや少女と言った方がずっとしっくりくる姿に次は目を疑った。
そこにいたのは妖魔帝国軍の南方用特別仕様の軍服を身に纏い中将相当官を表す階級章を両肩に付けているが、背丈は一四〇シルラと少し程度。手入れが良くされている絹のように滑らか黒の長髪で、学校に通っている方が納得するような童顔だった。陶磁器のような白い肌の細い首には黒いチョーカーもある。装飾も無いから個人的な持ち物だろうか。
確かに可憐だという噂は耳にしていた。だが、いくらなんでもこんなに小さいとは思わなかったのだ。隣にいる副師団長であろう男が長身である為に少女にしか見えない女性の小ささを殊更強調されていた。瞳が随分黒く濁っているような気がするが、その程度は外見の事を思えばどうでもいいものだった。
とはいえ、ノイエフ少将も長い間妖魔帝国で軍人として生きてきた身である。動揺は一片も見せずに挨拶を始めた。
「ようこそパルティラッテへお越しくださいました、リシュカ中将相当官閣下。私の名は、ノイエフ・ソリューコフ。階級は少将、パルティラッテ方面攻略軍の司令官を務めさせて頂いております」
「シャーコフ・モロゾードであります。階級は准将。副司令官を務めさせて頂いております」
「歓迎ご苦労さま、ノイエフ少将、シャーコフ准将。リシュカ・フィブラよ。階級は中将相当官。半年前から皇帝陛下より特別相談役に就かさせて頂き、この度は陛下直々の勅命でパルティラッテ方面攻略軍援軍として近衛師団の指揮官に就任しました。よろしくね?」
「リシュカ様が師団長を務めておられる第八近衛師団副司令官のオットー・デゴルスキーです。階級は准将です。しばらくの間、どうぞよろしくお願い致します」
妖魔帝国式の敬礼をするノイエフ少将とシャーコフ准将に、軍人たるオットー准将はともかく視線の先にいるリシュカは見事な返礼をする。僅かな時間でノイエフはまた驚かされた。特別相談役で中将相当官だから返礼は何度がするだろうが、まるで長い事軍人として歩んできたような理想的な返礼だったからだ。
「小官の耳にも既に入っておりますが、リシュカ閣下はパルティラッテ方面攻略軍の指揮をなさるとのこと。喜んで指揮権を閣下にお譲り致します」
「快く受け入れてくれて感謝するよ。ちなみにだけど、このペンダントが示す通り私は皇帝陛下の代理としてパルティラッテに来ました。ここには陛下がおられると思って尽くすように。とは言っ――」
「そ、それは権限の一部とはいえ陛下が自身の代理として認めた者にしかお貸しなさらないペンダント……!! こ、このノイエフ身を粉にして閣下の下で尽力致しますっっ!!」
「じ、自分も身を尽くし作戦にあたらさせていただきます、リ、リシュカ閣下っ!!」
ノイエフ少将とシャーコフ准将は人生で最も驚愕した瞬間を味わった。生きてきた中で話でしか聞いたことの無いペンダント、皇帝代理に等しい権利の象徴が眼前にあるからだ。
リシュカが言葉を続けようとしたにも関わらず、極度の緊張から直立不動で敬礼し言葉を発した二人に対し、対照的にリシュカは悠々とした様子で苦笑い混じりに微笑んでみせる。
ノイエフは驚愕を越え、畏怖の念すら抱く。余裕のある笑みに底知れない何かも感じた。あえて言うなれば、出征前に謁見した妖魔帝国の頂点に立つレオニードのような雰囲気のようであった。
「まあまあそんなに畏まらなくてもいいよ。これの効果が絶大なのは知っているけれど、かといって遠慮されても困るの。あくまで一上官として接してください」
「は、はっ!」
「かしこまりました!」
「うーん……。ねえ、オットー准将」
「諦めてください、リシュカ様。貴女が首から提げるペンダントはそういうものなのです」
「そう……。――気を取り直して、ノイエフ少将、シャーコフ准将。早速だけど作戦の話に移っていいかな?」
「ぎょ、御意に!」
「私が机に用意致します!」
シャーコフ准将は司令官室にある大きなテーブルの上に置かれた作戦書などを片付けてスペースを作る。
「ありがと。オットー准将、鞄の中身を出して」
「御意。ノイエフ少将閣下、シャーコフ准将閣下。既に届けられていると思いますが、こちらがリシュカ様が陛下の御前にて机上演習で披露なされ、最終修正を加えられたパルティスタッチャ方面攻略作戦、『毒霧と火による浄化作戦』になります」
オットー准将がテーブルの上に広げた大きめの地図に描かれていたのは、あの時の机上演習で実演したものに手を加え『毒霧と火による浄化作戦』と命名されたパルティスタッチャ方面攻略作戦の全体概要図だった。
細かい点――兵員数や兵器の弾薬等を考慮して微修正がされている――を除き、レオニードの前でリシュカが発表していた作戦内容をオットー准将は説明していく。
「――以上のように、正面からゾズダーニア主体の陽動攻撃を仕掛けた後に主戦力を手薄な東側から迂回させ横撃。後方たるパルティスタッチャを奇襲する事で敵の連絡線を遮断。東側攻撃開始と同時に北西側の熱帯林地帯の隙間へ一個師団を展開させることによって敵は完全に包囲される事になるでしょう。戦線が崩壊してしまえば後は容易く、我が軍は本作戦を持ってパルティスタッチャを占領。という流れになります」
「初めて目にした時は大胆でありながら緻密に組み立てられた作戦と感じましたが、なるほど、先に到着した魔法無線装置や作戦物資があれば実現は可能だと思います。これまでは兵站の問題から難しかったですが、充実した物資弾薬がありリシュカ閣下がおられる今なら必ずや作戦は成功するかと」
「これが成功すれば、全戦線の中央部たるこの地に突出部が形成されます。敗残兵共の処理には苦労するかもしれませんが、パルティスタッチャはパキスタニアの蛮族にとっては最要衝。ここが陥落すれば東部と分断が可能になってきますからいかようにもなりましょう」
改めて説明を受け、ノイエフ少将とシャーコフ准将の順に感想を述べる。
現在、南方蛮族諸国家が一つのパキスタニア首長国は保有している正規戦力の半数をパルティスタッチャ方面に集結させている。対して妖魔帝国軍は中央戦線のパルティラッテに二個師団、東部戦線に二個師団――首長国側は正規軍一個師団民兵二個師団で抵抗しており、ハラスメント攻撃によってこちらも計画遅延を起こしている――を配置していた。西側に戦線がないのは熱帯林地帯が広すぎて攻勢にそぐわないのが理由だ。
よって戦線は二つ。主戦線は中央戦線のこの地であり、シャーコフ准将が言うようにパルティスタッチャは首長国側にとって絶対防衛拠点であるため、対パキスタニア首長国戦の趨勢はパルティスタッチャで決すると言っても過言ではないのだ。
「ありがと。でも、作戦を成功させる為に不可欠な要素があるんだよね」
「おお! それはどのような作戦なのですかリシュカ中将相当官閣下」
「ん? 単純明快な話だよ。東側の攻撃を担当する第八近衛師団たる私はずっと最前線にいればいいだけ」
「な!? 師団司令部におられるのではなく、閣下自ら最前線に立たれるのですか!?」
てっきり第八近衛師団司令部にずっといると思っていたノイエフ少将は大きく困惑し声を大にする。
「ノイエフ少将閣下、自分も反対したのですがリシュカ様は司令部に籠るのなんて愚策だと一歩も引き下がら無かったのです……。驚くべき事にリシュカ様は就任後僅かな期間で参考となる人類諸国の雄、アルネシア連合王国を多角的視点で研究されておりました。本作戦は敵国ながら優れた戦法を実現させたあの国の手口から発想を得たとの事で、だからこそ――」
「一般的な師団に比べれば魔法無線装置を多く持ってきたとは言っても、あの連合王国と比較すれば妖魔帝国軍の情報通信網は貧弱なのは否定出来ないでしょ? 速攻が命のこの作戦では命令が遅れれば作戦に支障が出かねません。けど、私が陣頭指揮すれば解決。ほら、簡単でしょ?」
「いや、しかし、簡単とは、ええ……」
「何かご不満かしら、ノイエフ少将?」
「い、いえっ、とんでもございません!」
一瞬だけ眼光が鋭くなるのを感じたノイエフ少将は慌てて自分の発言を訂正する。常識外れかつ末恐ろしい存在がやってきたのだと彼は身をもって体感した。
しかし次のリシュカの発言も、ノイエフ少将の想像を遥かに超えるものであった。
「これからはノイエフ少将は私の副司令官になってもらいます。だから、もし私の作戦に不備があったら気軽に進言してちょうだい。だってこの作戦はいつかやってくる対人類諸国への絶滅戦争の実験場なのだから。知恵は多くあった方がいいでしょう?」
「じ、実験場……」
ノイエフ少将は戦慄し耳を疑った。
今、目の前にいる人物は時代遅れの装備と弱兵ながらも頑強な抵抗をする敵軍との戦争を実験場と言ってのけたのだ。
恐らく、彼女は首長国兵を数字としてしか認識していない。我々悪魔族は長年魔人至上主義を根拠に主要種族と一部の種族を除き格下と蔑視して見下してきた。しかし、一応はヒトガタの形をした奴隷なり自身達の繁栄の糧なり形として認識している。
ところが彼女はどうだ。最早相手を生物としてすら見ていないのではないだろうか。自分ですらこの手を使うのかと感じた毒物兵器の使用にせよ、作戦名の浄化作戦にせよ、生きる者を数字で捉える言動。
それはまるで、粛清帝レオニードのようであった。
(ああ、なるほど。だからリシュカという者はレオニードの特別相談役になられたのだろう。彼女もまた、我々とは隔絶した戦争狂なのだろうな。)
ノイエフ少将は心の内で眼前にいるリシュカに対して一つの答えに行き着いた。
そしてこうも思った。
絶対に、敵に回していけない、反抗してはいけない相手だと。
「というわけで作戦については以上。作戦決行は兵達に十分な休息を与え、今一度作戦を熟考した上でそうだね、三日後にしよっか。ノイエフ少将、事前準備は終わってるでしょ?」
「はっ。はい。完了しております」
「ならよし。じゃ、そういうことで」
こうして交流と作戦会議を兼ねた対談は終わり三日後の十日朝、『毒霧と火の浄化作戦』は実行に移される事となったのである。
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魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
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【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
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ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
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異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
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社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
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その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
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一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
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