異世界妖魔大戦〜転生者は戦争に備え改革を実行し、戦勝の為に身を投ずる〜

金華高乃

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第2部 戦間期に歩むそれぞれの道 第14章 戦間期編1

第19話 リシュカにとって南方蛮族との戦いは実証実験でしかなく

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 ・・19・・
 6の月12の日
 午後1時半前
 パキスタニア首長国・首都パキスターニャ近郊
 妖魔帝国軍パルティラッテ方面攻略軍改めパキスタニア方面攻略軍移動司令部


 アカツキ達アルネシア連合王国が皇女・ココノエ達の亡命を受け入れ、極秘勅令のもとに防諜体制を進め亡命者達の衣食住の保障を整えていた頃、遥か南東の地、南方蛮族地域では妖魔帝国軍の怒涛の進撃が続いていた。
 パキスタニア首長国は最重要拠点パルティスタッチャにおいて大敗北を喫してから、ギリギリの均衡を保っていた状況は崩れ、パキスタニア首長国軍は瓦解した。
 妖魔帝国軍の弱点たる兵站面を克服し、リシュカに指揮権が移譲してからというものの、妖魔帝国軍の進撃は凄まじかった。
 元よりパルティスタッチャを失陥すれば首長国首都パキスターニャまで遮るものは何も無い。支配地域が広がるにつれて薄く伸びる防衛線対策に、リシュカは本国へ出立前から援軍を寄越す事を伝えてあり、五の月下旬には駐屯兼後方予備軍二個師団が到着。パキスタニア東部から進撃していた別方面軍も勢いに乗じて大進撃を開始。
 ついに六の月六の日にはリシュカが指揮するパルティラッテ方面攻略軍改めパキスタニア方面攻略軍と合流。
 パキスタニア首長国首都パキスターニャには、妖魔帝国軍五個師団が包囲体制を構築せんとしていた。
 相対するは最早滅亡必須のパキスタニア首長国軍三個師団と、住民までかき集めて構成された民兵二個師団の約五〇〇〇〇人。
 パキスターニャを一望できる丘に司令部を設置したリシュカは、パラソルを置きテーブルによく冷えたコーヒーが入ったグラスを手にしながらまるで観劇を楽しむかのように優雅に戦場を眺めていた。

「リシュカ様」

「はいはい、どうしたのオットー准将」

 聞きなれた声が耳に入ったリシュカは、振り返るとオットー准将が紙片を片手に近付いていた。
 リシュカの周辺だけ戦場離れしている光景とはいえ、テーブルにはちゃんと戦況図が置かれている。彼女はオットー准将から紙片を受け取ると読み込みながら彼の話を聞く。

「定期報告です。第五十五師団と五十六師団が前方に展開、東部方面の五十七師団と五十八師団が後方にも展開しパキスターニャの包囲が完了致しました。首長国軍は市民まで含めて死にものぐるいで抵抗していますが、一週間と持たないでしょう」

「上々じゃない。東部方面の指揮官は尊敬の眼差しで従うし、一ヶ月ちょっとでパキスタニアの首都まで来れちゃうし色々あっさりし過ぎじゃない?」

「パルティスタッチャであのような鮮やかな手腕を見せつければ当然かと。東部方面の指揮官、ドルゴルフ少将は現場志向の軍人です。当初こそリシュカ様の事を何故中央の人間がわざわざここまでと思われていたでしょうが、僅か一週間でパルティスタッチャを陥落させてみせたのです。これまで補給面に不安があったものの、リシュカ様が采配されたお陰で解消。いいことづくしですからね」

「ふうん。てっきり反抗の一つや二つされると思ったのにね。ま、そっちの方が楽でいいけどー。んー、よく冷えてて美味しいっ」

 コーヒーを口につけて微笑みを見せるリシュカに、周りにいた軍人達は顔を綻ばせる。
 彼等にとってみればリシュカは有能な指揮官だった。
 突如指揮官になった頃には不審がっていたものだし辺境まで飛ばされるのに辟易としていたものの、この地にいても食糧の不安はない。休息は程々に取れるし、数少ない娯楽に対しても配慮をしてくれる。それだけでも妖魔帝国軍の指揮官としては優良だというのに、勝利の美酒にまで酔わせてくれる。言うことなしだった。
 あとは単純に容姿も影響しているだろう。高級将校によっては娘と変わらぬ外見なのに、前線に立ち勇猛果敢に戦う。可憐にして、しかし魔性的な魅力もある。前世と同じくして、最早彼等は彼女の魅力に取り憑かれ、信奉者に等しい存在になっていた。
 閑話休題。
 頬を緩ませていたリシュカはしかし、更新されていく戦況図と視線の先に広がる戦場を見つめると顔つきは少し真面目なものになる。

「オットー准将」

「はっ。リシュカ様」

「パキスターニャの城壁は三つあるのよね。で、今は空爆でぶっ飛ばしつつあって、残しておいたゾズダーニアで突破口を形成。あとは魔法と一般の複合火力で押すだけと」

「はい。至極順調に進んでいます。少なくとも陽が落ちる前までには一つ目の城壁までは食い込めるかと」

「大変よろしい。皇帝陛下からはパキスタニアの首長と一族は生きて捕まえろと厳命されているから、命令は徹底させるように。間違っても戦場の血と至上主義に酔いしれて殺すなんて無いように。首長と一族は高い魔法能力者だからいい素材になるだろうって研究所の研究員も言っていたし」

「全軍の兵には厳命が布告されております。少なくとも殺すことはないかと」

「ならよし」

(流石に首長と正室、子供あたりは手は出さないだろうけど一族は怪しいかも。ああ、これだから識字率が低い、学の無い本能だけで動く連中が多い国の軍隊は嫌だね……)

 表面上は満足気に頷きながらも、リシュカは内心命令が厳守されない可能性があることに辟易としていた。
 現在、パキスターニャを攻略するにあたって妖魔帝国軍は本国中央軍並かそれ以上の統制力を持って作戦にあたるよう命令がなされている。今回の作戦内容は包囲戦にて敵の首都を陥落させろという極めて単純な内容だからいいものの、これがもし複雑な作戦だったらどうなるのだろうとリシュカは不安視していた。
 近代化された軍は兵科も多岐に渡り、兵科が多岐に渡ればそれだけ戦術の幅は広がる。しかし、作戦は複雑化し緻密な動きを求められるのだ。
 それだけではない。近代化された軍は武装も進化するが故に学がないと取り扱えない。ライフルだって整備が必要だからマニュアルがいる。砲に至っては発射にあたり数学的知識も求められる。
 すなわち、近代化軍は末端に至るまで学問が広く浸透していないといけないのである。作戦命令から、武器の取り扱いに至るまでである。
 ところが、妖魔帝国は識字率が低い。士官や下士官のいくらかはともかく、特に軍の大部分を担う兵士層が深刻な水準で低い。武器の扱い程度は下士官や古参兵がカバー出来るが、作戦命令一つ伝えるのにも理解させるのにもリシュカは苦労したのだ。何せ字が読めないのだから口で伝えるしかない。記憶するしかないから再確認の際に齟齬が出かねない。文字が読めれば作戦指示書で確認が取れるがこれか通じない。
 この問題についてはリシュカの第八は近衛師団の名を冠するだけあって大分マシではあった。リシュカの精密な作戦を遂行出来たし、故にそれでも連合王国軍の通常編成師団に若干及ばないのだが。

(連合王国軍や協商連合軍が初動の改革や近代化軍に速やかに移行できたのも識字率が高かったから。その点、レオニードは学問の重要性に気付いていたから中央からとはいえ改善しているからいいけれど、まだ改革に対して下の下までは浸透しきっていないね……。もしアイツが行動をしていなかったと考えたらゾッとするよ……)

 リシュカは続々と届く報告に指示を飛ばしながら、今後の課題について思考を張り巡らさせていた。
 識字率の改善、軍隊の徹底したマニュアル化。それに伴い、少なくとも命令を文書で把握出来る下士官の育成と、簡単でいいから理解出来るようになる兵の育成。情報面を扱う下士官や兵士の高度育成。
 どうやらやるべき事は山積みのようである。

「リシュカ中将相当官閣下、失礼致します」

「どうしたのかしら、トチムキン情報参謀」

 空になったグラスに冷却機能のある魔導具ポットでコーヒーを注いで貰っていると、トチムキン情報参謀がリシュカのもとへやってきた。

「判明した分の地下坑道の出口を爆破して塞ぎ、部隊を張り付かせました」

「私が目星を付けた所は全部終わった?」

「とりあえずは。八箇所もあるのには少々驚きましたが、首都でありますからこんなものかと」

「恐らくその八箇所は見つけやすいだけ。あと一箇所か二箇所あるから引き続き探索させなさい」

「承知致しました。それと、五十六師団から要請です。正面の抵抗が激しく、可能であれば近衛の力を借りたいと」

「連中はもう後がないからね。その為の後方予備よ。第八近衛から第二旅団の一個連隊を向かわせなさい。疲弊した部隊があれば、無理はさせずに引かせるようにも言って」

「はっ」

「そうだ、攻撃飛行隊は?」

「休息を十分に取らせ控えさせている部隊が一個飛行隊あります」

「じゃあそれも向かわせなさい。蛮族相手でも私は出し惜しみしないわ」

「承知致しました。五十六師団も心強い援軍に喜びましょう。前線にお伝え致します」

「よろしく」

 トチムキン情報参謀は敬礼すると、リシュカは返礼し彼は司令部設置の情報管理本部へ戻っていく。
 リシュカの命令は魔法無線装置で速やかに届けられ、第八近衛の一個連隊は意気揚々に前進を開始。ソリューコフ少将からはすぐさま駆けつけた援軍に対する感謝の報告が入った。
 ただでさえ質の面で凌駕していた妖魔帝国軍はリシュカの手腕によってかつてない程に機能している。一個連隊が到着した事により、攻勢はさらに激しくなった。

「ま、実験としてはいいんじゃないかな」

「実験ですか。リシュカ様はよく口にされていますが」

「ええ、オットー准将。ブカレシタの生き残りから聞いたけれど、人類諸国軍の、特に連合王国軍の火力はこんなもんじゃないらしいよ」

「私には蛮族相手に過剰な火力投入に思います。本国中央軍でもこれ程の火力を出す師団は多くありません。今も城壁は見るも無惨な姿に成り果てておりますし」

「オットー准将、いくら皇帝陛下の御命令とはいえ私がわざわざこんな辺境まで理由は知ってるでしょ?」

「ええ。道中、リシュカ様にはご教授頂いておりましたから」

「なら話は早いよね。人類諸国軍にぶつけても十分戦える近衛師団を陛下より預かったのも、本国中央軍以上の作戦物資を持ってきたのも、今の妖魔帝国軍がどれだけやれるかを実証実験をするのにやってるの。つまり今後の課題の洗い出し。賢いアナタなら理解しているでしょうけど、妖魔帝国軍は質の面で連合王国軍にはまだまだ劣ってる。作戦機構システムから魔力を除く兵士一人一人の質に至るまでね」

「悔しい事ではありますが、仰る通りです。リシュカ様が目の敵にしているアカツキ・ノースロードを擁する連合王国軍には質では勝てないでしょう。この第八近衛ですら、せいぜいが法国より少し上回るくらい。魔法無線装置の通信網については協商連合並にはなっておりますが」

「まだまだ足りないね。私の予測ではあのチビ英雄は、そのうち小隊レベルにまで導入すると思うよ」

「しょ、小隊ですか……。となると管理も大変でしょう。取り扱いに携わる兵士も一筋縄には――」

「連合王国の識字率って何パルラか知ってる? 陛下お抱えの情報機関が手に入れた情報にあったでしょ。さあ、連合王国のそれは妖魔帝国の何倍かしら?」

「貴族階層等はともかく中流階級で約四倍、農民や貧民層に至っては比べるべくもない、ですね……」

「でしょ。こっちとあっちでは隔絶した差があるわけ。しばらく世俗から離れていたから知った時はこんなにもって驚いたけど、ああそれは勝てないわけだって納得したわ。妖魔帝国軍は主な人的資源供給層の農民たる末端兵の読み書きからなんとかしないといけないのに、連合王国は半分は不必要。もうこの時点で手間が違うの。一昔前の戦争ならともかく、今はもう違う。確かに皇帝陛下は聡明であらせられるわ。でもね、国全体が追いついてないのよ」

「前皇帝陛下の治世と、至上主義の悪習によって。ですか」

「そういうこと。教育面一つとってもこうなの。となれば、私達が人類諸国軍に勝つために取るべき行動は一つ。この戦いで得たデータを元に妖魔帝国軍の課題を探り、改善へと活かす。少なくとも協商連合軍と同じくらいの水準にするには何をすべきかを見つけ出す。だから実証実験なの」

「…………リシュカ様の慧眼、恐れ入ります」

 オットー准将は、これだからリシュカの隣にいるのがたまらないのだと強く実感する。
 硬直化していた妖魔帝国軍において、あの人類諸国の英雄アカツキ・ノースロードに引けを取らない皇帝陛下のかつての幼なじみ。今や皇帝陛下の相談役となり側近となった、小さい体躯にとてつもない知識と魔力を秘めている、兵力を人的資源と捉える恐ろしくも先進的な頭脳。
 現皇帝になってようやくマトモに機能し始めたものの、それでも自分にとっては上官が浅ましく低脳に思えた。
 だがリシュカ直々に指名されてから、まだたった半年と少しであるが激変した自身の環境。皇帝陛下の側近という立場でありながらも、常に自分に意見を求め時には採用する。自らにとっては新鮮かつ大胆、時代の先を行く知識を惜しみなく授けてくれる彼女を、オットー准将は皇帝陛下と同じ位、いやそれ以上に崇めていた。
 准将クラスの軍人にとって至上の名誉である、最高の上官に仕えることを。何故ならばそれは、出世の道にもなるのだから。
 最も、リシュカにとってはオットー准将など復讐を遂げる為のそれなりに有能な駒の一つでしかないのだが、それを知らない方がオットー准将にとっては幸せであるだろう。

「オットー准将、私の傍で見ておきなさい。あくまで南方蛮族の浄化なんて、私にとっては目的に至るまでの生贄でしかないの。真の目的はたった一つ。人類諸国を蹂躙し、皇帝陛下の願いを叶えること。そのために、オットー准将。貴方は私に尽くしなさい」

「仰せのままに、リシュカ様」

(ま、私にとってレオニードの願いなんてどーでもいいけどね。私の目的は人類諸国を阿鼻叫喚に包ませ、私の目の前であのクソ英雄の断末魔を聞くこと。その日までの為なら、いくらでも力を貸してあげるよ。ひひひひひっ)

 秘めたる思いを胸に、凶悪に嗤うリシュカ。
 魔性の堕天戦乙女を手にした妖魔帝国軍は死体の山を築いて築いて築いて、遠くない内にアカツキ擁する連合王国軍に肩を並べる精強な軍隊へと変貌を遂げるであろう。
 五日後の六の月十七の日。ついにパキスタニア首長国首都パキスターニャは陥落。為政者たる首長とその一族は逃亡叶わず捕えられレオニブルクへ移送。統治する血族が根こそぎいなくなったパキスタニア首長国は滅亡し、一部のゲリラを除いて抵抗する者はおらず全土が占領された。
 なお、首長と一族のその後の行方はレオニブルク到着以降一切不明となった。
 南方蛮族地域主要国の一つが滅亡したことで、半島に残された諸国家も遠くない内に同じ運命を辿るであろう。
 しかし、リシュカにとってはそれもあくまで通過点の一つに過ぎなかった。
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