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第17章 ムィトゥーラウの戦い編
第3話 地球世界機甲部隊の如く、ゴーレム搭乗魔法兵部隊は戦場にその名を轟かせる
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・・3・・
午前11時25分
ネィツォク市西6.5キーラ地点・最前線
「座標E10、座標F18からソズダーニア銃砲兵が各50が進軍中のゴーレム搭乗魔法兵及び能力者化師団部隊とエンゲージしました!」
「E8付近に展開の敵歩兵師団と法国軍師団部隊も間もなく衝突!」
「全線戦は敵第一防衛線まであと三キーラ!」
「既に敵火砲射程圏内!」
「警告、敵火砲統制射撃間もなく。……開始。来ます。着弾まで約二〇秒」
「魔法障壁最大展開を!」
『了解!!』
僕達が敵第一防衛線まであと約三キーラになった時点で、待ち構えていたかのように妖魔帝国軍の火砲とソズダーニア銃砲兵の銃砲が火を噴く。
非常に統制のとれた突撃に次々と砲弾が着弾していく。周りからは反撃と言わんばかりに友軍の野砲が、後方のカノン砲と『L1ロケット』が放たれ、魔法銃の射程に入るとゴーレム搭乗魔法兵の攻撃手が射撃を開始した。
僕やリイナがいるのは最も敵の防衛が分厚い防衛線中央。直進すればネィツォク市中心街に到達する部分だ。
既に射程圏内。距離は二九〇〇だろうか。敵の砲撃や法撃に銃撃を魔法障壁で防ぐと、ハンドサインも混じえて僕は。
「目標前方行進間射撃! 三〇秒後に統制射撃せよ! 属性、遠距離用風属性付与爆発系火属性!」
「サー、マスター。本部付大隊及び直轄一個大隊向け全体通信送信を開始。終了」
「素晴らしいよ、エイジス」
僕の命令はすぐさまエイジスを通して魔法無線装置によって伝わる。周りにいるゴーレム搭乗魔法兵部隊の兵士達からは了解の旨のハンドサインが送られてきた。
今の通信は二個大隊向けだけど、実はゴーレム搭乗魔法兵部隊だけは全部隊に様々な通信が届けられている。
ちなみに、これらの通信は今回はエイジスの力を借りているんだよね。
今までは通信兵に伝えたりしているけれど、僕が乗っている巨体は高さ約一五メーラの土人形王だ。他のゴーレムのような三メーラ程度であれば随伴歩兵にいる通信兵の声も届くだろうけど、土人形王の肩からではけたたましい音が響く戦場では届かない。何せマンションの五階と地上で会話するようなものだからだ。それに一々地上に降りての通達は出来ないし、恐らくこれからそんな暇はない。
本来であればこれまでの戦いと同様に作戦の根幹はともかく細かい判断は各部隊に任せるのが適切。
しかし、ゴーレム搭乗魔法兵は急造部隊。殆ど訓練する時間は無かったからとてもじゃないけど普通であれば統制の取れた行動は期待出来ない。簡単な隊列行進は出来るけれど、乱戦ともなれば精彩の欠く行動が目立つだろう。
よって採用したのがゴーレム搭乗魔法兵部隊のみは全て僕の――正確にはエイジスの――完全指揮下に置いた。
能力者化師団はともかく、ゴーレム搭乗魔法兵部隊にノウハウは皆無だ。軽戦車の役目となる能力者化師団は訓練を積んだからマニュアル化されているけれど、ゴーレム搭乗魔法兵部隊にそんなものはないからね。
なのでエイジスの力を借りることにした。
これは彼女曰く、
「提案。能力者化師団全部隊を指揮下に置いて的確な命令を出すのは不可能です。演算能力がパンクしますので。しかし、ゴーレム搭乗魔法兵部隊程度の数であれば索敵リソースか攻撃リソースの一部を割く、通称コマンドモードであれば全指揮下に置くことは可能です」
とのこと。
僕は、今回は頼むと即答した。
少なくとも各部隊がゴーレム搭乗魔法兵部隊の使い方が身につくまでは補助が無いと的になるだ。
軍隊は良くも悪くもマニュアルで動くもの。
ゴーレム全てにC4I(情報処理システム)が搭載されていればいいんだけど、流石のアレゼル大将閣下のゴーレムでもそんな便利機能は無い。だいたい約八〇のゴーレムを自律で動かせた上で細かい操作までこなす事自体がチートと言えるんだし。
ということで、情報処理システムに関しては主にエイジスの演算で。補助として僕とリイナとで請け負うことにしたわけだ。
だから今もエイジスは凄まじい速度で各部隊に最適な行動を送り続けていた。
補足だけど、ゴーレム搭乗魔法兵部隊は一個小隊は三。一個中隊で一二。一個大隊で四八だ。今後を踏まえても指揮能力の限界もあるから、定数は機甲部隊各隊定数の約半分にした。とはいってもこの戦場にいる総数は四八〇。計一〇個大隊に情報をエイジスが一手に引き受けているんだからとんでもないの一言に尽きるよね。
「エイジス、大丈夫かい?」
「サー。問題ありません。ワタクシですから。ただし演算はあくまでこれまでの情報蓄積を基にしているだけなので細かい判断はマスターやリイナ様がよろしくお願いします」
「了解。今ですら十分に働いてくれているからね。お陰で急造組成部隊とは思えない動きが出来てるからね」
「今回が初陣故、非常に有難いです」
僕の発言に、隣にいる召喚士ゴーレムに搭乗している本部付き大隊大隊長が率直な感想を述べる。
「本当にエイジス様々ね。私達も全力で戦わないとね。敵はどうやらなんでゴーレムがこんなに沢山いて、人が乗っているのか戸惑っているみたいよ」
「少数ならともかく、こんなのは初めて見るからだろうねリイナ。そろそろ三〇秒だ。大隊統制射撃、てぇぇぇ!!」
三〇秒経ったタイミングで大隊統制射撃が行われる。続けて能力者化師団の魔法兵達も統制射撃等を行う。
魔法銃の銃弾が一斉に放たれ、突撃を仕掛けてくるソズダーニア銃砲兵に向かった。能力者化師団は随伴歩兵を、ゴーレム搭乗魔法兵部隊はソズダーニア銃砲兵を主目標とした作戦だからだ。
「弾着、今。命中は少数。至近弾少数」
「距離二二〇〇だから脅しになればそれでいいよ。直轄大隊、修正射撃を一分後に。本部付大隊はどこかに当てるくらいでいいから三〇秒後に射撃」
「サー、送信開始」
「旦那様、距離二〇〇〇。敵の火勢が強くなっているわ」
「今回は僕達がどこにいるかがいつもより把握されているからね。火線をこっちに集中させるつもりなんだろう。上等だ」
平常であれば地上にいるから、エイジスのような高探知レーダーを持っていない妖魔帝国軍は僕を探すには魔力探知しかない。けれど今日は土人形王に乗っているから見つけやすい。何せ高さ一五メーラで戦場でも頭一つ飛び抜けて大きいからね。
しかし、だからといって簡単には殺られない。魔法障壁が尽く防ぐからだ。
三〇秒が経過して、友軍の射撃が行われる。どこかを狙う訳では無い広範囲の射撃だから命中弾は少ないけれど、それでも魔法障壁を抜いて当たるのも少々だけどあった。
「マスター、距離一五〇〇です。敵野砲の複数がこちらに向けられています。優先目標に定められています」
「構わないよ。その分、他への火力が弱まる。エイジス、距離八〇〇になったら十一時方向から一時方向への広範囲多重魔法攻撃を。優先目標ソズダーニア銃砲兵」
「サー、マスター」
「リイナ、距離一〇〇〇で『アブソリュート・デュオ』を」
「了解したわ。続けて、距離八〇〇で『氷槍惨禍』を放つわ。エイジスと協同攻撃になるから、直後に本部大隊と直轄大隊の効力射はどうかしら」
「おっけー。エイジス、今の情報を本部大隊と直轄大隊に送信。加えて、後方の砲兵隊に君の任意でいいから突撃支援射撃を要請」
「サー」
リイナによる提案を承諾してエイジスに送信を依頼する頃には、直轄大隊による行進間射撃が行われる。
魔法障壁によって防がれる攻撃が多いものの、徐々にあちらの障壁を削れている。障壁回復はされるだろうけど完全ではないだろう。
距離一〇〇〇を切ってからが本番だ。
「エイジス、他の大隊はどう?」
「いずれの大隊も順調に進軍。隊列に若干の乱れがありますが距離一〇〇〇切る前なので損害報告はありません」
「攻撃されてもゴーレム搭乗魔法兵部隊はソズダーニア銃砲兵に比べて防御力が高いからね。あっちは随伴歩兵の魔法障壁しかないけれど、こっちは召喚士と攻撃手の魔法障壁がある。個体差はあるけれど、ゴーレムそのものの防御力もあるし」
「ソズダーニア銃砲兵は元が生体だからいくら防御力が高いと言ってもゴーレム程では無いわ。加えてソズダーニア自体に魔法障壁を展開する能力はないもの。その点では急造ながらゴーレム搭乗魔法兵の方が全体的な防御力は上回るものね」
「そういうこと。さあ、そろそろ距離一〇〇〇だ。リイナ、準備を」
「了解。任せなさいな、旦那様。土人形王、悪いけれど速度を少しだけ落としてくれるかしら?」
土人形王にリイナは話しかけると、彼は頷いて若干速度を落とす。
ありがとう。とリイナが言った直後、彼女は抜剣すると流麗な動作で剣を自身の正面に向けて詠唱を始めた。
「銀世界、極地をも凍てつかせる二対の光をここに! 『アブソリュート・デュオ』!』
リイナが正面にアブソリュートを向けると青白い発光と甲高い音と共に二本の絶対零度光線が放たれる。
『アブソリュート・デュオ』の攻撃力は魔法障壁を容易く貫く。ソズダーニア銃砲兵二体に命中すると、凍結し、貫通した先にいた妖魔帝国兵の命も凍らせた。
「エイジス、属性氷属性」
「サー、マスター。目標に多重照準。目標数、六四。」
「エイジス、準備はいいかしら?」
「サー、リイナ様」
「なら行くわよ!」
距離八〇〇になった所で、リイナとエイジスが同時に詠唱。そして。
「降り注ぎなさい。『氷槍惨禍』」
「氷剣、発射」
頭上に浮かぶは多数の魔法陣。
放たれるは氷槍と氷剣。
アブソリュートによって空いた防御には降り注ぎ、百近い数のそれらが衝突する事によって初撃こそ魔法障壁が身代わりになるもののその次は防げない。
この時点で正面の妖魔帝国兵とソズダーニア銃砲兵数体が骸と化す。
だが、まだだ。
「大隊長、あと一〇秒」
「了解しました! 大隊行進間射撃よぉぉぉぉいぃ!!」
本部付大隊大隊長が腕を上げると。
十秒経過ちょうどで。
「斉射っっ!!」
僅かなズレこそあるものの、再び大隊規模による斉射。先程と同じ、爆発系火属性魔法射撃だ。
未だ魔法障壁の建て直しが終わっていない敵戦列に五〇近い火の銃弾が降り注ぎ爆発する。
敵兵の損害はさらに拡大するけど、追い討ちだ。
「次は僕だ。――小火球よ降り注ぎ、爆ぜよ。『集束小火球』」
詠唱を終えると同時に僕の頭上にある魔法陣からやや大きい火球が出現し敵目がけて飛んでいく。
すると敵の頭上付近まで飛来した時点で分裂。一つあたり一〇シーラ程度の小さい火球が三〇程度になると、上空五メーラを切ったあたりで一斉に爆発した。
爆発地点は既に魔法障壁の多くが破壊されているんだから、やられた側はたまったもんじゃない。一気に複数の敵兵が火だるまになった。
「クラスター式、いいね。乱戦にならなければ使える」
『集束小火球』は新しく魔法研究所と僕が編み出した魔法。開発したのは休戦が終わる年の一の月だ。
原理はそう難しくない。火球が分裂術式によって小火球になって爆発するというもの。クラスター爆弾みたいな攻撃魔法と言えばイメージしやすいかな。
オディッサの戦いでは乱戦が多かったのと、『集束小火球』自体が分裂術式も伴う事で従来の中級魔法より上級魔法ほどではないにしても消費魔力の故に使用を控えていたけれど、開けた場所かつ今は乱戦前。なおかつオディッサより僕は指揮中心になるから使ってみた。
効果は期待通り。ただ、視覚共有にある残存魔力の減り方を考えると乱発は出来ないね。
さて、敵の距離は六〇〇だ。ゴーレム搭乗魔法兵は戦車の役割を担うから白兵戦には向かない。
そろそろ行進転換かな。
「エイジス、以下送信を。距離四〇〇でゴーレム搭乗魔法兵部隊は行進転換。他大隊は任意の転換を。本部付と直轄大隊は三時方向に転換し、一旦停止後に、敵部隊突撃に対して突撃破砕射撃。距離二五〇を切ったら後退。敵との距離を開けたら再度射撃」
「サー、マスター。送信を開始」
「アカツキ中将閣下! 我々はこれより脆弱になった正面へ吶喊します!」
「了解したよアレン中佐! 武運を!」
「はっ!!」
地上にいるアレン中佐に敬礼をすると、彼は部下達と共に勇敢に向かっていく。
「マスター、距離四五〇です。注意、やはり火線はワタクシ達に集中しています」
「なら、集中させている連中を中心に切り刻もう」
「サー、マスター。後方砲兵隊の突撃支援砲撃が三〇秒後に着弾予定です。直後に風属性魔法を展開します」
「よろしく。リイナ、エイジスの攻撃と同時に僕達もやるよ」
「了解したわ、旦那様」
距離四〇〇になった時点で、行進転換。アレゼル大将はエイジスが送った進行予定を完璧に実行する。
僕とリイナはアレン中佐達の突撃支援法撃を行う為に詠唱をする。
「――『集束小火球』!」
「――『氷槍惨禍』!」
妖魔帝国軍の兵士達は度重なる攻撃によってなぎ倒れていく。
彼等は心底ゴーレム搭乗魔法兵部隊の脅威を感じているだろうし、恐怖しているだろう。
何せ、生体兵器の『ソズダーニア銃砲兵』には魔法障壁が無いし、統率力にも欠ける。理性の殆ど無い生体兵器故の弱点だ。
対してゴーレム搭乗魔法兵部隊は両肩に乗る二人が魔法障壁を展開出来るし、そこに随伴歩兵の魔法障壁も加わる。統率力の面についてはC4Iの役目を果たしているエイジスがいるから段違いだ。同じ魔法無線装置を介してだけど、性能が格段に違うんだから。SSランク召喚武器は伊達じゃない。
「本部付大隊、直轄大隊は距離五〇〇まで下がりましたマスター。ここからは突撃した友軍の支援中心でよろしいかと」
「小隊規模での支援に回れればいいけど、それはまだ難しいかな。中隊規模での支援にしよう。距離三〇〇までの接近は認めるけれど、それより先は禁止としようか」
「サー、マスター。送信します」
戦場は一瞬の絶え間もなく砲音と銃声が響き渡る。味方の方のが多くなってきたし、僕達を狙う火線も減ってきた。
ソズダーニア銃砲兵対策は効果覿面だと言えるだろう。統制の取れた動きに不安があったけれど、これならまずまずだ。制式採用しても問題ないだろう。
ただ、絶対数の少なさという課題は残るだろう。こればかりはどうしようもない。
「ここまでのゴーレム搭乗魔法兵部隊の損害、全体で八ですマスター。内、召喚士の死亡が二。負傷六」
「八なら上々ね。戦死した数が二で負傷が六なら尚更。ゴーレム搭乗魔法兵部隊、華々しい初陣と言ってもいいわね」
「うん。オディッサの司令部にもいい報告が出来そうだよ」
戦死した二人の召喚士には鎮魂を送りたい。彼等の活躍あってこその今の展開なのだから。
けれどもすぐに思考を切り替える。戦争を数字で考えるのが僕の役目だからだ。
「マスター、アレン中佐の部隊が敵戦列を食い破りました。既に後続の部隊が突破口を拡大しています。さらに各部隊突出部を形成しつつ、包囲を企図する迂回を開始。これならば日が沈むまでに敵を川向うまで追いやれるかと」
「素晴らしい戦果だよ。エイジス、通信兵。総員向け通達。貴官等の奮闘、大変結構。このまま敵を川まで追い落とせ。とね」
「サー」
「了解しました!」
それからの戦闘も妖魔帝国兵からすると新兵器に思えるゴーレム搭乗魔法兵部隊と、速力に勝る能力者化師団の優れた連携。兵士達による活躍によって日没まで有利な展開が続いた。
この日までに僕達人類諸国統合軍ムィトゥーラウ侵攻軍は大きく前進。一部の部隊はボドノヴ川左岸にまで到達し、妖魔帝国軍の第一防衛線部隊は多くが川向うへ撤退。ネイツォク市周辺を防衛する一個師団は残ったものの、翌日から間違いなく苦しい戦闘を行わざるを得ない状態となった。もしかしたら夜の内に撤退するかもしれない。
対ソズダーニア銃砲兵戦術、ゴーレム搭乗魔法兵部隊の初陣は僕達だけでなくオディッサにいるマーチス元帥達にとっても期待以上だった。
だけど、ムィトゥーラウの戦いはまだ始まったばかりだ。
午前11時25分
ネィツォク市西6.5キーラ地点・最前線
「座標E10、座標F18からソズダーニア銃砲兵が各50が進軍中のゴーレム搭乗魔法兵及び能力者化師団部隊とエンゲージしました!」
「E8付近に展開の敵歩兵師団と法国軍師団部隊も間もなく衝突!」
「全線戦は敵第一防衛線まであと三キーラ!」
「既に敵火砲射程圏内!」
「警告、敵火砲統制射撃間もなく。……開始。来ます。着弾まで約二〇秒」
「魔法障壁最大展開を!」
『了解!!』
僕達が敵第一防衛線まであと約三キーラになった時点で、待ち構えていたかのように妖魔帝国軍の火砲とソズダーニア銃砲兵の銃砲が火を噴く。
非常に統制のとれた突撃に次々と砲弾が着弾していく。周りからは反撃と言わんばかりに友軍の野砲が、後方のカノン砲と『L1ロケット』が放たれ、魔法銃の射程に入るとゴーレム搭乗魔法兵の攻撃手が射撃を開始した。
僕やリイナがいるのは最も敵の防衛が分厚い防衛線中央。直進すればネィツォク市中心街に到達する部分だ。
既に射程圏内。距離は二九〇〇だろうか。敵の砲撃や法撃に銃撃を魔法障壁で防ぐと、ハンドサインも混じえて僕は。
「目標前方行進間射撃! 三〇秒後に統制射撃せよ! 属性、遠距離用風属性付与爆発系火属性!」
「サー、マスター。本部付大隊及び直轄一個大隊向け全体通信送信を開始。終了」
「素晴らしいよ、エイジス」
僕の命令はすぐさまエイジスを通して魔法無線装置によって伝わる。周りにいるゴーレム搭乗魔法兵部隊の兵士達からは了解の旨のハンドサインが送られてきた。
今の通信は二個大隊向けだけど、実はゴーレム搭乗魔法兵部隊だけは全部隊に様々な通信が届けられている。
ちなみに、これらの通信は今回はエイジスの力を借りているんだよね。
今までは通信兵に伝えたりしているけれど、僕が乗っている巨体は高さ約一五メーラの土人形王だ。他のゴーレムのような三メーラ程度であれば随伴歩兵にいる通信兵の声も届くだろうけど、土人形王の肩からではけたたましい音が響く戦場では届かない。何せマンションの五階と地上で会話するようなものだからだ。それに一々地上に降りての通達は出来ないし、恐らくこれからそんな暇はない。
本来であればこれまでの戦いと同様に作戦の根幹はともかく細かい判断は各部隊に任せるのが適切。
しかし、ゴーレム搭乗魔法兵は急造部隊。殆ど訓練する時間は無かったからとてもじゃないけど普通であれば統制の取れた行動は期待出来ない。簡単な隊列行進は出来るけれど、乱戦ともなれば精彩の欠く行動が目立つだろう。
よって採用したのがゴーレム搭乗魔法兵部隊のみは全て僕の――正確にはエイジスの――完全指揮下に置いた。
能力者化師団はともかく、ゴーレム搭乗魔法兵部隊にノウハウは皆無だ。軽戦車の役目となる能力者化師団は訓練を積んだからマニュアル化されているけれど、ゴーレム搭乗魔法兵部隊にそんなものはないからね。
なのでエイジスの力を借りることにした。
これは彼女曰く、
「提案。能力者化師団全部隊を指揮下に置いて的確な命令を出すのは不可能です。演算能力がパンクしますので。しかし、ゴーレム搭乗魔法兵部隊程度の数であれば索敵リソースか攻撃リソースの一部を割く、通称コマンドモードであれば全指揮下に置くことは可能です」
とのこと。
僕は、今回は頼むと即答した。
少なくとも各部隊がゴーレム搭乗魔法兵部隊の使い方が身につくまでは補助が無いと的になるだ。
軍隊は良くも悪くもマニュアルで動くもの。
ゴーレム全てにC4I(情報処理システム)が搭載されていればいいんだけど、流石のアレゼル大将閣下のゴーレムでもそんな便利機能は無い。だいたい約八〇のゴーレムを自律で動かせた上で細かい操作までこなす事自体がチートと言えるんだし。
ということで、情報処理システムに関しては主にエイジスの演算で。補助として僕とリイナとで請け負うことにしたわけだ。
だから今もエイジスは凄まじい速度で各部隊に最適な行動を送り続けていた。
補足だけど、ゴーレム搭乗魔法兵部隊は一個小隊は三。一個中隊で一二。一個大隊で四八だ。今後を踏まえても指揮能力の限界もあるから、定数は機甲部隊各隊定数の約半分にした。とはいってもこの戦場にいる総数は四八〇。計一〇個大隊に情報をエイジスが一手に引き受けているんだからとんでもないの一言に尽きるよね。
「エイジス、大丈夫かい?」
「サー。問題ありません。ワタクシですから。ただし演算はあくまでこれまでの情報蓄積を基にしているだけなので細かい判断はマスターやリイナ様がよろしくお願いします」
「了解。今ですら十分に働いてくれているからね。お陰で急造組成部隊とは思えない動きが出来てるからね」
「今回が初陣故、非常に有難いです」
僕の発言に、隣にいる召喚士ゴーレムに搭乗している本部付き大隊大隊長が率直な感想を述べる。
「本当にエイジス様々ね。私達も全力で戦わないとね。敵はどうやらなんでゴーレムがこんなに沢山いて、人が乗っているのか戸惑っているみたいよ」
「少数ならともかく、こんなのは初めて見るからだろうねリイナ。そろそろ三〇秒だ。大隊統制射撃、てぇぇぇ!!」
三〇秒経ったタイミングで大隊統制射撃が行われる。続けて能力者化師団の魔法兵達も統制射撃等を行う。
魔法銃の銃弾が一斉に放たれ、突撃を仕掛けてくるソズダーニア銃砲兵に向かった。能力者化師団は随伴歩兵を、ゴーレム搭乗魔法兵部隊はソズダーニア銃砲兵を主目標とした作戦だからだ。
「弾着、今。命中は少数。至近弾少数」
「距離二二〇〇だから脅しになればそれでいいよ。直轄大隊、修正射撃を一分後に。本部付大隊はどこかに当てるくらいでいいから三〇秒後に射撃」
「サー、送信開始」
「旦那様、距離二〇〇〇。敵の火勢が強くなっているわ」
「今回は僕達がどこにいるかがいつもより把握されているからね。火線をこっちに集中させるつもりなんだろう。上等だ」
平常であれば地上にいるから、エイジスのような高探知レーダーを持っていない妖魔帝国軍は僕を探すには魔力探知しかない。けれど今日は土人形王に乗っているから見つけやすい。何せ高さ一五メーラで戦場でも頭一つ飛び抜けて大きいからね。
しかし、だからといって簡単には殺られない。魔法障壁が尽く防ぐからだ。
三〇秒が経過して、友軍の射撃が行われる。どこかを狙う訳では無い広範囲の射撃だから命中弾は少ないけれど、それでも魔法障壁を抜いて当たるのも少々だけどあった。
「マスター、距離一五〇〇です。敵野砲の複数がこちらに向けられています。優先目標に定められています」
「構わないよ。その分、他への火力が弱まる。エイジス、距離八〇〇になったら十一時方向から一時方向への広範囲多重魔法攻撃を。優先目標ソズダーニア銃砲兵」
「サー、マスター」
「リイナ、距離一〇〇〇で『アブソリュート・デュオ』を」
「了解したわ。続けて、距離八〇〇で『氷槍惨禍』を放つわ。エイジスと協同攻撃になるから、直後に本部大隊と直轄大隊の効力射はどうかしら」
「おっけー。エイジス、今の情報を本部大隊と直轄大隊に送信。加えて、後方の砲兵隊に君の任意でいいから突撃支援射撃を要請」
「サー」
リイナによる提案を承諾してエイジスに送信を依頼する頃には、直轄大隊による行進間射撃が行われる。
魔法障壁によって防がれる攻撃が多いものの、徐々にあちらの障壁を削れている。障壁回復はされるだろうけど完全ではないだろう。
距離一〇〇〇を切ってからが本番だ。
「エイジス、他の大隊はどう?」
「いずれの大隊も順調に進軍。隊列に若干の乱れがありますが距離一〇〇〇切る前なので損害報告はありません」
「攻撃されてもゴーレム搭乗魔法兵部隊はソズダーニア銃砲兵に比べて防御力が高いからね。あっちは随伴歩兵の魔法障壁しかないけれど、こっちは召喚士と攻撃手の魔法障壁がある。個体差はあるけれど、ゴーレムそのものの防御力もあるし」
「ソズダーニア銃砲兵は元が生体だからいくら防御力が高いと言ってもゴーレム程では無いわ。加えてソズダーニア自体に魔法障壁を展開する能力はないもの。その点では急造ながらゴーレム搭乗魔法兵の方が全体的な防御力は上回るものね」
「そういうこと。さあ、そろそろ距離一〇〇〇だ。リイナ、準備を」
「了解。任せなさいな、旦那様。土人形王、悪いけれど速度を少しだけ落としてくれるかしら?」
土人形王にリイナは話しかけると、彼は頷いて若干速度を落とす。
ありがとう。とリイナが言った直後、彼女は抜剣すると流麗な動作で剣を自身の正面に向けて詠唱を始めた。
「銀世界、極地をも凍てつかせる二対の光をここに! 『アブソリュート・デュオ』!』
リイナが正面にアブソリュートを向けると青白い発光と甲高い音と共に二本の絶対零度光線が放たれる。
『アブソリュート・デュオ』の攻撃力は魔法障壁を容易く貫く。ソズダーニア銃砲兵二体に命中すると、凍結し、貫通した先にいた妖魔帝国兵の命も凍らせた。
「エイジス、属性氷属性」
「サー、マスター。目標に多重照準。目標数、六四。」
「エイジス、準備はいいかしら?」
「サー、リイナ様」
「なら行くわよ!」
距離八〇〇になった所で、リイナとエイジスが同時に詠唱。そして。
「降り注ぎなさい。『氷槍惨禍』」
「氷剣、発射」
頭上に浮かぶは多数の魔法陣。
放たれるは氷槍と氷剣。
アブソリュートによって空いた防御には降り注ぎ、百近い数のそれらが衝突する事によって初撃こそ魔法障壁が身代わりになるもののその次は防げない。
この時点で正面の妖魔帝国兵とソズダーニア銃砲兵数体が骸と化す。
だが、まだだ。
「大隊長、あと一〇秒」
「了解しました! 大隊行進間射撃よぉぉぉぉいぃ!!」
本部付大隊大隊長が腕を上げると。
十秒経過ちょうどで。
「斉射っっ!!」
僅かなズレこそあるものの、再び大隊規模による斉射。先程と同じ、爆発系火属性魔法射撃だ。
未だ魔法障壁の建て直しが終わっていない敵戦列に五〇近い火の銃弾が降り注ぎ爆発する。
敵兵の損害はさらに拡大するけど、追い討ちだ。
「次は僕だ。――小火球よ降り注ぎ、爆ぜよ。『集束小火球』」
詠唱を終えると同時に僕の頭上にある魔法陣からやや大きい火球が出現し敵目がけて飛んでいく。
すると敵の頭上付近まで飛来した時点で分裂。一つあたり一〇シーラ程度の小さい火球が三〇程度になると、上空五メーラを切ったあたりで一斉に爆発した。
爆発地点は既に魔法障壁の多くが破壊されているんだから、やられた側はたまったもんじゃない。一気に複数の敵兵が火だるまになった。
「クラスター式、いいね。乱戦にならなければ使える」
『集束小火球』は新しく魔法研究所と僕が編み出した魔法。開発したのは休戦が終わる年の一の月だ。
原理はそう難しくない。火球が分裂術式によって小火球になって爆発するというもの。クラスター爆弾みたいな攻撃魔法と言えばイメージしやすいかな。
オディッサの戦いでは乱戦が多かったのと、『集束小火球』自体が分裂術式も伴う事で従来の中級魔法より上級魔法ほどではないにしても消費魔力の故に使用を控えていたけれど、開けた場所かつ今は乱戦前。なおかつオディッサより僕は指揮中心になるから使ってみた。
効果は期待通り。ただ、視覚共有にある残存魔力の減り方を考えると乱発は出来ないね。
さて、敵の距離は六〇〇だ。ゴーレム搭乗魔法兵は戦車の役割を担うから白兵戦には向かない。
そろそろ行進転換かな。
「エイジス、以下送信を。距離四〇〇でゴーレム搭乗魔法兵部隊は行進転換。他大隊は任意の転換を。本部付と直轄大隊は三時方向に転換し、一旦停止後に、敵部隊突撃に対して突撃破砕射撃。距離二五〇を切ったら後退。敵との距離を開けたら再度射撃」
「サー、マスター。送信を開始」
「アカツキ中将閣下! 我々はこれより脆弱になった正面へ吶喊します!」
「了解したよアレン中佐! 武運を!」
「はっ!!」
地上にいるアレン中佐に敬礼をすると、彼は部下達と共に勇敢に向かっていく。
「マスター、距離四五〇です。注意、やはり火線はワタクシ達に集中しています」
「なら、集中させている連中を中心に切り刻もう」
「サー、マスター。後方砲兵隊の突撃支援砲撃が三〇秒後に着弾予定です。直後に風属性魔法を展開します」
「よろしく。リイナ、エイジスの攻撃と同時に僕達もやるよ」
「了解したわ、旦那様」
距離四〇〇になった時点で、行進転換。アレゼル大将はエイジスが送った進行予定を完璧に実行する。
僕とリイナはアレン中佐達の突撃支援法撃を行う為に詠唱をする。
「――『集束小火球』!」
「――『氷槍惨禍』!」
妖魔帝国軍の兵士達は度重なる攻撃によってなぎ倒れていく。
彼等は心底ゴーレム搭乗魔法兵部隊の脅威を感じているだろうし、恐怖しているだろう。
何せ、生体兵器の『ソズダーニア銃砲兵』には魔法障壁が無いし、統率力にも欠ける。理性の殆ど無い生体兵器故の弱点だ。
対してゴーレム搭乗魔法兵部隊は両肩に乗る二人が魔法障壁を展開出来るし、そこに随伴歩兵の魔法障壁も加わる。統率力の面についてはC4Iの役目を果たしているエイジスがいるから段違いだ。同じ魔法無線装置を介してだけど、性能が格段に違うんだから。SSランク召喚武器は伊達じゃない。
「本部付大隊、直轄大隊は距離五〇〇まで下がりましたマスター。ここからは突撃した友軍の支援中心でよろしいかと」
「小隊規模での支援に回れればいいけど、それはまだ難しいかな。中隊規模での支援にしよう。距離三〇〇までの接近は認めるけれど、それより先は禁止としようか」
「サー、マスター。送信します」
戦場は一瞬の絶え間もなく砲音と銃声が響き渡る。味方の方のが多くなってきたし、僕達を狙う火線も減ってきた。
ソズダーニア銃砲兵対策は効果覿面だと言えるだろう。統制の取れた動きに不安があったけれど、これならまずまずだ。制式採用しても問題ないだろう。
ただ、絶対数の少なさという課題は残るだろう。こればかりはどうしようもない。
「ここまでのゴーレム搭乗魔法兵部隊の損害、全体で八ですマスター。内、召喚士の死亡が二。負傷六」
「八なら上々ね。戦死した数が二で負傷が六なら尚更。ゴーレム搭乗魔法兵部隊、華々しい初陣と言ってもいいわね」
「うん。オディッサの司令部にもいい報告が出来そうだよ」
戦死した二人の召喚士には鎮魂を送りたい。彼等の活躍あってこその今の展開なのだから。
けれどもすぐに思考を切り替える。戦争を数字で考えるのが僕の役目だからだ。
「マスター、アレン中佐の部隊が敵戦列を食い破りました。既に後続の部隊が突破口を拡大しています。さらに各部隊突出部を形成しつつ、包囲を企図する迂回を開始。これならば日が沈むまでに敵を川向うまで追いやれるかと」
「素晴らしい戦果だよ。エイジス、通信兵。総員向け通達。貴官等の奮闘、大変結構。このまま敵を川まで追い落とせ。とね」
「サー」
「了解しました!」
それからの戦闘も妖魔帝国兵からすると新兵器に思えるゴーレム搭乗魔法兵部隊と、速力に勝る能力者化師団の優れた連携。兵士達による活躍によって日没まで有利な展開が続いた。
この日までに僕達人類諸国統合軍ムィトゥーラウ侵攻軍は大きく前進。一部の部隊はボドノヴ川左岸にまで到達し、妖魔帝国軍の第一防衛線部隊は多くが川向うへ撤退。ネイツォク市周辺を防衛する一個師団は残ったものの、翌日から間違いなく苦しい戦闘を行わざるを得ない状態となった。もしかしたら夜の内に撤退するかもしれない。
対ソズダーニア銃砲兵戦術、ゴーレム搭乗魔法兵部隊の初陣は僕達だけでなくオディッサにいるマーチス元帥達にとっても期待以上だった。
だけど、ムィトゥーラウの戦いはまだ始まったばかりだ。
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