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第19章ドエニプラ攻防戦2編
第6話 チョスカー少将達の最期の抵抗
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・・6・・
「警告。対象、チョスカー少将は推定A+ランク能力者相当の魔力を保有。なお現在の感情から察するに数値以上の実力を発揮すると思われます」
「一言で表すなら、危険だね」
「サー、マスター。周辺にいる魔力反応の強い士官クラスも同様。チョスカー少将と共に拡大マップへマークします」
「視覚化されると厄介さが際立つわね……。旦那様、どうしましょ?」
「相手の出方を見たいけど、そんな余裕は無さそうか……」
今目の前にいるチョスカー少将を始めとする部隊はかなり広い大通りに公園のようになっているラウンドアバウトを挟んで、約二個中隊。後方にはもう二個中隊の反応もある。さらに外側にはこっち側と交戦中の敵部隊が幾つかあって、そう広くない範囲に大隊定員がやや欠ける程度の複数部隊がいる。それらの合計が一個連隊だ。能力者化部隊にゴーレム搭乗魔法兵も投入しているから友軍の戦線を崩されることは無いだろう。
しかし、目の前にいるのは別だった。少なくとも僕やリイナにエイジス、アレン中佐達じゃないと破られる。
なにせ、僕を殺す気満々の高位能力者なのだから。
「アカツキ・ノースロード!! 貴様さえいなければ、貴様さえいなければこんな事にはならなかったっっ!!」
「ああそう。これは戦争だからね。勝つ者がいれば、負ける者がいる。それだけでしょ」
「き、きっさまァァァ!!」
チョスカー少将は激怒し阿修羅のような顔つきになると、詠唱を始める。現れたのは黒い魔方陣だった。
「警告。高密度魔力反応。モード・ディフェンス。魔法障壁を最大展開します」
「――死ねぇぇぇぇ!!」
「闇属性主体火属性付加魔法を検知」
「防げる」
「サー、マスター」
余裕綽々といった様子のエイジスは魔法障壁を即時展開した瞬間に次々と魔方陣から黒炎球が放たれる。
魔法障壁は三割ほど破壊されたけど、当然こちらは無傷だった。
市街地という関係上、あちらもだけどこちらも公園も兼ねているラウンドアバウトでは二個中隊で交戦するのが限界だ。距離も相対で五〇〇メーラ程度。
白兵戦になるのが普通だけど、チョスカー少将を筆頭に強力な魔力反応を持つ士官クラスなどを除いた有象無象はなるべく多く潰しておきたい。
…………そろそろタイミングかな。
「ちぃ、やはりあの死へと誘う黒人形が鬼門か……。致し方ない。貴様等、全滅覚悟で時間を稼ぐぞ!! 総員突撃ぃぃ!!」
「おっと、敵から白兵戦を仕掛けてきたか。だけど、残念だね」
「黒人形がいるからと余裕ぶりやがって!! 先に取り巻きを片付けてやる!!」
「ふぅん、取り巻きね。」
「一々癪に障――」
「近付けるものならね?」
僕が口の端を曲げて笑った瞬間、多数の飛来音が聞こえる。
「くそっ!! 魔法障壁再展開しろ!!」
「遅いよ」
飛来音の正体は航空隊が航空優勢を確保した上で精密な座標を送られた砲兵隊とロケット砲隊による重火力攻撃。大爆音と爆風がこの区域を支配する。
もちろんこれだけで終わるはずがない。
「総員、突撃」
「了解、旦那様」
「サー、マスター」
僕は抜剣しつつアレン中佐達に命じると、全員が一斉にまだ爆煙が残るチョスカー少将がいる方へ突っ込んでいく。
「つくづく鬱陶しい! 損害確認、いや、こうなったら捨て身でもいい! 突撃し――」
「だから一手遅いんだって」
「なぁぁ!?」
チョスカー少将が部下達に命令を下す頃にはもう僕は彼の目の前にいた。
加速して勢いを増し、身体を回転させてツイン・リルをチョスカー少将へ叩き込む。
「ぐぬぅぅぅぅ……!!」
チョスカー少将は腰に据えていた片手剣を抜刀し受け止める。
「これを止めるんだ。じゃあ――」
「ちっ、手数だけは一人前に!」
「手数だけじゃないけどね」
「くっ……!! 体術まで……!! だが、当たらん!!」
「私達を忘れてもらっては」
「困りますね」
「くぅ、次から次へと……!」
アレン中佐達がチョスカー少将の取り巻きの部下達と交戦し、リイナやエイジスは僕の援護に回ってチョスカー少将へ猛攻を仕掛けていく。
驚くべきことに、チョスカー少将は一対三の形勢不利の中で浅い傷は負いながらも致命傷は受けていなかった。
「頭が切れるだけじゃなく近接戦もこなすとはな! だが、負けん……!」
「意気込みは結構だけど、いつまで持つかな?」
「元より命など惜しくもない! 時間が稼げればいいのだ!」
「ああそう。じゃあ遠慮なく」
「ぬぅ!! まだまだ!!」
チョスカー少将は僕のツイン・リルとリイナのアブソリュートによる剣戟を交わし、時には剣で受け、格闘術も紙一重で回避していく。こいつ、相当に腕が立つ。将官になっても鍛えているんだろう。シェーコフ大将の副官だけあってやはり有能だね。
でも、ジリ貧だ。アレン中佐達は有象無象は難なくと、強力な魔力を持ち接近戦もこなす敵の精鋭を一人ずつ確実に潰していく。彼等はチョスカー少将に加勢しようとするもアレン中佐達が許さず彼等が討ち漏らしてもエイジスが涼しい顔で返り討ちにしていった。
僕は彼と戦いつつもエイジスが送り続ける戦況を把握する。
連隊規模の突撃で一時押されていた友軍も、予備部隊の投入や連合王国が誇る能力者化師団によって衝撃力は吸収され、これ以上は進めなくなっていた。元より消耗しきった奴等だ。もう限界だろう。それはしばらくの間近接戦を繰り広げてから一度間合いを作ったチョスカー少将とて同じだった。
僕がツイン・リルでの斬撃の直後に繰り出した風魔法を回避した時に彼は一瞬の隙が生まれた。リイナは当然見逃す訳もなく氷属性を付与した攻撃を食らって彼の左腕は半分ほど凍結したんだ。左脚もツイン・リルの風属性付与攻撃で傷が開いている。彼は激しく息切れをしていた。
「チョスカー少将、もう終わりだ。気力だけで戦ってるだろ」
「ハァ……、ハァ……。…………黙れ!! 黙れ黙れ黙れ!! 俺が、俺達が一秒でも長く戦えばシェーコフ大将閣下は生き延びる! 我々帝国軍に希望を見いだせるんだ!!」
「興味無いね。僕達が勝つ。それだけだ。エイジス、終いにしよう」
「サー、マスター。第一解放を起動します」
エイジスは光に包まれるとサイズは人間大になり、第一解放用の黒剣を構える。
「執行開始」
「黒人形めが……!! 貴様もかかってこい!!」
「言われなくとも」
エイジスは一気に間合いを詰める。人ではないからこそ、自動人形だからこそ実現可能な速度でチョスカー少将の眼前に迫る。
振り上げられる剣は圧倒的な力でチョスカー少将の右腕を切り飛ばした。
「がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「マスターに仇なす者よ、死になさい」
一歩下がったエイジスは再度前へ。
そして、彼女の剣はチョスカー少将の身体を貫いた。
「か、はっ……」
「チョスカー少将閣下!?」
「そんな!?」
「チョスカー少将閣下ァァァ!!」
「ぐ、う……、まだ、ま、だぁ……」
「させるわけありません」
エイジスは黒剣を抜くと、叫び声を上げる彼の部下達の目の前で斜めにチョスカー少将を斬った。
「く、そ……」
ドサッ、とエイジスの目の前で倒れるチョスカー少将。勝負は決した。
「チョスカー少将が……」
「終わりだ……」
「あぁ……、あぁぁ……、チョスカー少将……」
唯一の支えだったチョスカー少将が目の前でやられた姿を見て、帝国軍の兵士達は戦意を喪失した。武器を地に落とし、膝をつく者もいた。
「お疲れ様、エイジス」
「サー、マスター。チョスカー少将の生命反応は極めて微弱。放置してもすぐに死にますが」
「いや、最期の一撃なんてあったら困る。トドメを刺そう」
「サー」
エイジスはゆっくりとチョスカー少将に近付く。
すると、彼は微かな声でこう言った。
「きさま、らが……、ここで、勝とうとも……、戦争は……、終わらん。ていこ、く、に、えいこ、う、あ…………」
「チョスカー少将、生命反応消失」
「そう」
「これで決着ね」
「うん。勝利だ。――帝国軍将兵に告ぐ! チョスカー少将は死んだ! 速やかに降伏しろ! もし抵抗すれば、一人たりとも逃さない!!」
僕は拡声魔法を用いてこの戦域にいる全員に投降を呼びかける。通信要員も各所へチョスカー少将戦死の報告を送信していた。
「チョスカー少将閣下は仰っていた……」
「もし自分が死んだ後は好きにしろ、と……」
「生き残ったのなら、命を無駄するな、とも……」
「…………降伏しよう」
「あぁ……」
どうやらチョスカー少将は、勝敗が決した後は玉砕しろとまでは部下達に命じていなかったらしい。彼等は次々と武器を捨てて降伏の意思を示した。
「良かった。これで抵抗されたら面倒だったし」
「最低限の線引きは予めしていたみたいね」
「うん。僕だって降伏した相手への虐殺は好きじゃないし、絶対しない。休戦時の条約に則って捕虜にしよう」
「ええ」
「チョスカー少将戦死の報告は全軍に成されています。じきにドエニプラ市街の戦闘も終結するでしょう」
ドエニプラ市街戦はチョスカー少将が率いる決死隊の最期の抵抗、そして彼の戦死で終わった。ドエニプラの戦いは想定より長引いたけれど、僕達統合軍の勝利だ。
けど、シェーコフ大将を戦死ないし捕虜に出来なかったのは統合軍にとって一つの誤算だった。
戦いがまだまだ続くのは間違いない。とはいえ僕達がやることは変わらない。
戦いはまだまだ続くのだから。
「警告。対象、チョスカー少将は推定A+ランク能力者相当の魔力を保有。なお現在の感情から察するに数値以上の実力を発揮すると思われます」
「一言で表すなら、危険だね」
「サー、マスター。周辺にいる魔力反応の強い士官クラスも同様。チョスカー少将と共に拡大マップへマークします」
「視覚化されると厄介さが際立つわね……。旦那様、どうしましょ?」
「相手の出方を見たいけど、そんな余裕は無さそうか……」
今目の前にいるチョスカー少将を始めとする部隊はかなり広い大通りに公園のようになっているラウンドアバウトを挟んで、約二個中隊。後方にはもう二個中隊の反応もある。さらに外側にはこっち側と交戦中の敵部隊が幾つかあって、そう広くない範囲に大隊定員がやや欠ける程度の複数部隊がいる。それらの合計が一個連隊だ。能力者化部隊にゴーレム搭乗魔法兵も投入しているから友軍の戦線を崩されることは無いだろう。
しかし、目の前にいるのは別だった。少なくとも僕やリイナにエイジス、アレン中佐達じゃないと破られる。
なにせ、僕を殺す気満々の高位能力者なのだから。
「アカツキ・ノースロード!! 貴様さえいなければ、貴様さえいなければこんな事にはならなかったっっ!!」
「ああそう。これは戦争だからね。勝つ者がいれば、負ける者がいる。それだけでしょ」
「き、きっさまァァァ!!」
チョスカー少将は激怒し阿修羅のような顔つきになると、詠唱を始める。現れたのは黒い魔方陣だった。
「警告。高密度魔力反応。モード・ディフェンス。魔法障壁を最大展開します」
「――死ねぇぇぇぇ!!」
「闇属性主体火属性付加魔法を検知」
「防げる」
「サー、マスター」
余裕綽々といった様子のエイジスは魔法障壁を即時展開した瞬間に次々と魔方陣から黒炎球が放たれる。
魔法障壁は三割ほど破壊されたけど、当然こちらは無傷だった。
市街地という関係上、あちらもだけどこちらも公園も兼ねているラウンドアバウトでは二個中隊で交戦するのが限界だ。距離も相対で五〇〇メーラ程度。
白兵戦になるのが普通だけど、チョスカー少将を筆頭に強力な魔力反応を持つ士官クラスなどを除いた有象無象はなるべく多く潰しておきたい。
…………そろそろタイミングかな。
「ちぃ、やはりあの死へと誘う黒人形が鬼門か……。致し方ない。貴様等、全滅覚悟で時間を稼ぐぞ!! 総員突撃ぃぃ!!」
「おっと、敵から白兵戦を仕掛けてきたか。だけど、残念だね」
「黒人形がいるからと余裕ぶりやがって!! 先に取り巻きを片付けてやる!!」
「ふぅん、取り巻きね。」
「一々癪に障――」
「近付けるものならね?」
僕が口の端を曲げて笑った瞬間、多数の飛来音が聞こえる。
「くそっ!! 魔法障壁再展開しろ!!」
「遅いよ」
飛来音の正体は航空隊が航空優勢を確保した上で精密な座標を送られた砲兵隊とロケット砲隊による重火力攻撃。大爆音と爆風がこの区域を支配する。
もちろんこれだけで終わるはずがない。
「総員、突撃」
「了解、旦那様」
「サー、マスター」
僕は抜剣しつつアレン中佐達に命じると、全員が一斉にまだ爆煙が残るチョスカー少将がいる方へ突っ込んでいく。
「つくづく鬱陶しい! 損害確認、いや、こうなったら捨て身でもいい! 突撃し――」
「だから一手遅いんだって」
「なぁぁ!?」
チョスカー少将が部下達に命令を下す頃にはもう僕は彼の目の前にいた。
加速して勢いを増し、身体を回転させてツイン・リルをチョスカー少将へ叩き込む。
「ぐぬぅぅぅぅ……!!」
チョスカー少将は腰に据えていた片手剣を抜刀し受け止める。
「これを止めるんだ。じゃあ――」
「ちっ、手数だけは一人前に!」
「手数だけじゃないけどね」
「くっ……!! 体術まで……!! だが、当たらん!!」
「私達を忘れてもらっては」
「困りますね」
「くぅ、次から次へと……!」
アレン中佐達がチョスカー少将の取り巻きの部下達と交戦し、リイナやエイジスは僕の援護に回ってチョスカー少将へ猛攻を仕掛けていく。
驚くべきことに、チョスカー少将は一対三の形勢不利の中で浅い傷は負いながらも致命傷は受けていなかった。
「頭が切れるだけじゃなく近接戦もこなすとはな! だが、負けん……!」
「意気込みは結構だけど、いつまで持つかな?」
「元より命など惜しくもない! 時間が稼げればいいのだ!」
「ああそう。じゃあ遠慮なく」
「ぬぅ!! まだまだ!!」
チョスカー少将は僕のツイン・リルとリイナのアブソリュートによる剣戟を交わし、時には剣で受け、格闘術も紙一重で回避していく。こいつ、相当に腕が立つ。将官になっても鍛えているんだろう。シェーコフ大将の副官だけあってやはり有能だね。
でも、ジリ貧だ。アレン中佐達は有象無象は難なくと、強力な魔力を持ち接近戦もこなす敵の精鋭を一人ずつ確実に潰していく。彼等はチョスカー少将に加勢しようとするもアレン中佐達が許さず彼等が討ち漏らしてもエイジスが涼しい顔で返り討ちにしていった。
僕は彼と戦いつつもエイジスが送り続ける戦況を把握する。
連隊規模の突撃で一時押されていた友軍も、予備部隊の投入や連合王国が誇る能力者化師団によって衝撃力は吸収され、これ以上は進めなくなっていた。元より消耗しきった奴等だ。もう限界だろう。それはしばらくの間近接戦を繰り広げてから一度間合いを作ったチョスカー少将とて同じだった。
僕がツイン・リルでの斬撃の直後に繰り出した風魔法を回避した時に彼は一瞬の隙が生まれた。リイナは当然見逃す訳もなく氷属性を付与した攻撃を食らって彼の左腕は半分ほど凍結したんだ。左脚もツイン・リルの風属性付与攻撃で傷が開いている。彼は激しく息切れをしていた。
「チョスカー少将、もう終わりだ。気力だけで戦ってるだろ」
「ハァ……、ハァ……。…………黙れ!! 黙れ黙れ黙れ!! 俺が、俺達が一秒でも長く戦えばシェーコフ大将閣下は生き延びる! 我々帝国軍に希望を見いだせるんだ!!」
「興味無いね。僕達が勝つ。それだけだ。エイジス、終いにしよう」
「サー、マスター。第一解放を起動します」
エイジスは光に包まれるとサイズは人間大になり、第一解放用の黒剣を構える。
「執行開始」
「黒人形めが……!! 貴様もかかってこい!!」
「言われなくとも」
エイジスは一気に間合いを詰める。人ではないからこそ、自動人形だからこそ実現可能な速度でチョスカー少将の眼前に迫る。
振り上げられる剣は圧倒的な力でチョスカー少将の右腕を切り飛ばした。
「がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「マスターに仇なす者よ、死になさい」
一歩下がったエイジスは再度前へ。
そして、彼女の剣はチョスカー少将の身体を貫いた。
「か、はっ……」
「チョスカー少将閣下!?」
「そんな!?」
「チョスカー少将閣下ァァァ!!」
「ぐ、う……、まだ、ま、だぁ……」
「させるわけありません」
エイジスは黒剣を抜くと、叫び声を上げる彼の部下達の目の前で斜めにチョスカー少将を斬った。
「く、そ……」
ドサッ、とエイジスの目の前で倒れるチョスカー少将。勝負は決した。
「チョスカー少将が……」
「終わりだ……」
「あぁ……、あぁぁ……、チョスカー少将……」
唯一の支えだったチョスカー少将が目の前でやられた姿を見て、帝国軍の兵士達は戦意を喪失した。武器を地に落とし、膝をつく者もいた。
「お疲れ様、エイジス」
「サー、マスター。チョスカー少将の生命反応は極めて微弱。放置してもすぐに死にますが」
「いや、最期の一撃なんてあったら困る。トドメを刺そう」
「サー」
エイジスはゆっくりとチョスカー少将に近付く。
すると、彼は微かな声でこう言った。
「きさま、らが……、ここで、勝とうとも……、戦争は……、終わらん。ていこ、く、に、えいこ、う、あ…………」
「チョスカー少将、生命反応消失」
「そう」
「これで決着ね」
「うん。勝利だ。――帝国軍将兵に告ぐ! チョスカー少将は死んだ! 速やかに降伏しろ! もし抵抗すれば、一人たりとも逃さない!!」
僕は拡声魔法を用いてこの戦域にいる全員に投降を呼びかける。通信要員も各所へチョスカー少将戦死の報告を送信していた。
「チョスカー少将閣下は仰っていた……」
「もし自分が死んだ後は好きにしろ、と……」
「生き残ったのなら、命を無駄するな、とも……」
「…………降伏しよう」
「あぁ……」
どうやらチョスカー少将は、勝敗が決した後は玉砕しろとまでは部下達に命じていなかったらしい。彼等は次々と武器を捨てて降伏の意思を示した。
「良かった。これで抵抗されたら面倒だったし」
「最低限の線引きは予めしていたみたいね」
「うん。僕だって降伏した相手への虐殺は好きじゃないし、絶対しない。休戦時の条約に則って捕虜にしよう」
「ええ」
「チョスカー少将戦死の報告は全軍に成されています。じきにドエニプラ市街の戦闘も終結するでしょう」
ドエニプラ市街戦はチョスカー少将が率いる決死隊の最期の抵抗、そして彼の戦死で終わった。ドエニプラの戦いは想定より長引いたけれど、僕達統合軍の勝利だ。
けど、シェーコフ大将を戦死ないし捕虜に出来なかったのは統合軍にとって一つの誤算だった。
戦いがまだまだ続くのは間違いない。とはいえ僕達がやることは変わらない。
戦いはまだまだ続くのだから。
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