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終章 人類諸国の英雄と終焉の堕天戦乙女
第7話 約束された奇跡は起きた
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・・7・・
僕とリイナ、互いの左手が強く光り輝いた瞬間と爆風が届いたのはほぼ同時だった。
僕やリイナは焼かれ、蒸発すら有りうる運命だったはずだけど、そうはならなかった。
爆発が終わり煙が晴れると、そこには呆然としていた皆がいた。当然だ。素人でも分かるくらいに、死は決まっていたはずなのに、無傷でいたのだから。
そんなのだから、僕の口から出たのは随分と情けない、
「え……」
という声だった。
リイナも「え、え……?」とポカンといる様子。エイジスも自身の魔法障壁は全て割れていたから戸惑っていた。
ただ、流石は自動人形というべきか、僕の相棒と言うべきか、すぐに要因は割り出していた。
「マ、マスター。超高密度の魔法障壁の展開により、無事だったようです。恐らくはお二人の指輪、魔法光石かと……」
「ま、魔法光石。あ、ああああ……、これかぁ……」
確かに僕の左手薬指にある魔法光石は割れて無くなっていた。
いくら数えるのも諦めるくらいに命を懸けた戦いに身を投じた僕でも、無事と分かると、その場にへたり込んでしまった。
アレン大佐やココノエ陛下に将兵達が駆け寄ってくるのと、僕達が無傷だったことで大歓声が上がるのはほぼ同時だった。
「まさか、これに救われるとはね……」
「えぇ……、まさに命拾いだったわ……」
「良かった、良かったのじゃ!! もう、もう終いかと……!! 命の恩人が、死んでしまうのではないかと……!!」
「陛下、すみませ、わぷっ!?」
感極まった陛下は僕に抱きついてきた。そりゃそうか。あれは誰が見ても死んだと思うだろうし。
「ご心配おかけ致しました。この通り、無事でございますから」
「わ、分かっておるわ……! 少しはこうさせい! もう、誰かを失うのは沢山なのじゃから……」
「はい、申し訳ありません」
「謝罪は、いらぬ……」
「はい」
ココノエ陛下の感極まった様子に、リイナもこれは仕方ないわね。といった様子だった。
ココノエ陛下が立ち直るのは早かった。ここが戦場でまだ敵が潜んでいるか分からないからだ。
「すまぬ……、取り乱した……」
「いえ、大丈夫です。陛下こそ、大丈夫ですか……? ほら、爆発の威力はあれが物語っていますし……」
切り替えが早い周りの士官クラスが矢継ぎ早に指示を飛ばして、爆発で一部故障したり吹き飛んだりした司令部機能の回復に動こうとする中で、僕は爆心地を指さす。
そこにあるのは小さいとはいえ、一つのバケモノが爆発したには十分すぎる大きさのクレーターだった。爆発の衝撃力や威力を思わせるものだった。
「妾達はある程度の距離があったから無事じゃ。それでも、かなり魔法障壁を破られたがの」
「良かったです……。心が落ち着いてきてようやく周りが見えて気づきましたが、ごく一部とはいえ司令部機能がやられたくらいですから」
「影響する程ではなかろう。死傷者はいくらか出てしまったが、あの爆発規模を思えば少ない方じゃしの」
「ええ……、本当に……。私もこれに救われていなければリイナやエイジス共々、王立墓地の墓標に名を刻むところでしたから……」
「死んで二階級特進しマーチス元帥と同位になるなど縁起でもない……。と、とにかく、お主やリイナにエイジスが無事で良かった……」
「ココノエ陛下の仰る通り、今回ばかりかは自分もダメかと思いました……。ご無事で何よりです、アカツキ中将閣下」
アレン大佐から差し出された手を掴み、僕は立ち上がりながら言う。
「心配かけたね、アレン大佐。早速で悪いけど、この状況だから司令部周辺の警戒は厳として警備行動に最低一個中隊を割くように。もしかしたら今回の件で潜り込んでいるヤツがまだいるかもしれないからね」
「了解致しました。既にいくらかを充ててますが、一個中隊を振り分けます。アカツキ中将閣下はいかがなさいますか?」
「司令部機能の完全回復と事態収拾だね。前線には本件も伝わっているだろうから、僕の名前で事態解決を伝えて戦闘が続行出来るように士気回復も同時に行うよ。他にも色々やることがあるけれど、まずは立て直しからだ。大隊については、先の一個中隊を除いて君に一任するよ」
「はっ!」
アレン大佐に命令を伝えてから、僕はリイナの方に向く。
「リイナ、司令部の方に向かおうか。生きてて良かったと心底ほっとしていたいところだけど、僕達の責務を果たさないとね」
「ええ。切り替えましょ。やるべき事は沢山あるでしょうから何でも言ってちょうだい」
「了解。じゃあまずは――」
・・Φ・・
アカツキとリイナの二人が婚約の際に交換した結婚指輪にある魔法光石はその機能に恥じぬ、いや十二分に過ぎる役目を果たした。これが無ければ二人は間違いなくここで戦死となっていたし、アカツキの言うように王立墓地の墓標にリイナと共にその名を刻むことになっていたであろう。
しかし、そうはならなかった。約束されていた奇跡が起きた。二人は死ななかったのである。
だからこそであろうか。
二人が生きている事こそが、大戦の結末が確定されたといっても過言では無かった。
戦争の終わりはもう目の前に迫っている。
僕とリイナ、互いの左手が強く光り輝いた瞬間と爆風が届いたのはほぼ同時だった。
僕やリイナは焼かれ、蒸発すら有りうる運命だったはずだけど、そうはならなかった。
爆発が終わり煙が晴れると、そこには呆然としていた皆がいた。当然だ。素人でも分かるくらいに、死は決まっていたはずなのに、無傷でいたのだから。
そんなのだから、僕の口から出たのは随分と情けない、
「え……」
という声だった。
リイナも「え、え……?」とポカンといる様子。エイジスも自身の魔法障壁は全て割れていたから戸惑っていた。
ただ、流石は自動人形というべきか、僕の相棒と言うべきか、すぐに要因は割り出していた。
「マ、マスター。超高密度の魔法障壁の展開により、無事だったようです。恐らくはお二人の指輪、魔法光石かと……」
「ま、魔法光石。あ、ああああ……、これかぁ……」
確かに僕の左手薬指にある魔法光石は割れて無くなっていた。
いくら数えるのも諦めるくらいに命を懸けた戦いに身を投じた僕でも、無事と分かると、その場にへたり込んでしまった。
アレン大佐やココノエ陛下に将兵達が駆け寄ってくるのと、僕達が無傷だったことで大歓声が上がるのはほぼ同時だった。
「まさか、これに救われるとはね……」
「えぇ……、まさに命拾いだったわ……」
「良かった、良かったのじゃ!! もう、もう終いかと……!! 命の恩人が、死んでしまうのではないかと……!!」
「陛下、すみませ、わぷっ!?」
感極まった陛下は僕に抱きついてきた。そりゃそうか。あれは誰が見ても死んだと思うだろうし。
「ご心配おかけ致しました。この通り、無事でございますから」
「わ、分かっておるわ……! 少しはこうさせい! もう、誰かを失うのは沢山なのじゃから……」
「はい、申し訳ありません」
「謝罪は、いらぬ……」
「はい」
ココノエ陛下の感極まった様子に、リイナもこれは仕方ないわね。といった様子だった。
ココノエ陛下が立ち直るのは早かった。ここが戦場でまだ敵が潜んでいるか分からないからだ。
「すまぬ……、取り乱した……」
「いえ、大丈夫です。陛下こそ、大丈夫ですか……? ほら、爆発の威力はあれが物語っていますし……」
切り替えが早い周りの士官クラスが矢継ぎ早に指示を飛ばして、爆発で一部故障したり吹き飛んだりした司令部機能の回復に動こうとする中で、僕は爆心地を指さす。
そこにあるのは小さいとはいえ、一つのバケモノが爆発したには十分すぎる大きさのクレーターだった。爆発の衝撃力や威力を思わせるものだった。
「妾達はある程度の距離があったから無事じゃ。それでも、かなり魔法障壁を破られたがの」
「良かったです……。心が落ち着いてきてようやく周りが見えて気づきましたが、ごく一部とはいえ司令部機能がやられたくらいですから」
「影響する程ではなかろう。死傷者はいくらか出てしまったが、あの爆発規模を思えば少ない方じゃしの」
「ええ……、本当に……。私もこれに救われていなければリイナやエイジス共々、王立墓地の墓標に名を刻むところでしたから……」
「死んで二階級特進しマーチス元帥と同位になるなど縁起でもない……。と、とにかく、お主やリイナにエイジスが無事で良かった……」
「ココノエ陛下の仰る通り、今回ばかりかは自分もダメかと思いました……。ご無事で何よりです、アカツキ中将閣下」
アレン大佐から差し出された手を掴み、僕は立ち上がりながら言う。
「心配かけたね、アレン大佐。早速で悪いけど、この状況だから司令部周辺の警戒は厳として警備行動に最低一個中隊を割くように。もしかしたら今回の件で潜り込んでいるヤツがまだいるかもしれないからね」
「了解致しました。既にいくらかを充ててますが、一個中隊を振り分けます。アカツキ中将閣下はいかがなさいますか?」
「司令部機能の完全回復と事態収拾だね。前線には本件も伝わっているだろうから、僕の名前で事態解決を伝えて戦闘が続行出来るように士気回復も同時に行うよ。他にも色々やることがあるけれど、まずは立て直しからだ。大隊については、先の一個中隊を除いて君に一任するよ」
「はっ!」
アレン大佐に命令を伝えてから、僕はリイナの方に向く。
「リイナ、司令部の方に向かおうか。生きてて良かったと心底ほっとしていたいところだけど、僕達の責務を果たさないとね」
「ええ。切り替えましょ。やるべき事は沢山あるでしょうから何でも言ってちょうだい」
「了解。じゃあまずは――」
・・Φ・・
アカツキとリイナの二人が婚約の際に交換した結婚指輪にある魔法光石はその機能に恥じぬ、いや十二分に過ぎる役目を果たした。これが無ければ二人は間違いなくここで戦死となっていたし、アカツキの言うように王立墓地の墓標にリイナと共にその名を刻むことになっていたであろう。
しかし、そうはならなかった。約束されていた奇跡が起きた。二人は死ななかったのである。
だからこそであろうか。
二人が生きている事こそが、大戦の結末が確定されたといっても過言では無かった。
戦争の終わりはもう目の前に迫っている。
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