4 / 4
神様
しおりを挟む
目の前の少女は、私の声を聞き、そっと目を細めて笑った。
「かなちゃん」
鈴を転がしたような可愛らしい声に、子どもなのに大人びた笑みを浮かべる姿を見て、ゆきちゃんなのだと理解する。それと同時に誰もいなかったはずの所へ突然現れたことで、さっき言われた言葉が急に現実味を帯びてきて私はおそるおそる尋ねた。
「本当に、ゆきちゃんは雪女なの……?」
「……ごめんね、かなちゃん」
ゆきちゃんは、はっきりとは返事をしなかった。代わりに、そっと佳奈の手に触れる。
その手は、明らかに人のものではないほど冷たかった。
そこで初めて、ぞっとした。
人じゃない。人ではない存在と、遊んでたのだ。
身体が震えた。
あの日、寝込んだ後散々叱られた。生きていたからよかったものの、あんな寒いところにずっといたら死んでいたかもしれなかったと。
あの日私が帰ろうと言い出さなかったら、一体どうなっていたのだろう。
すっと身体が冷えていく。私の顔を見て、はっとしたようにゆきちゃんは手を離した。それから、そっと微笑む。
「たくさん遊んでくれてありがとう。楽しかったわ」
「あ……」
「水を差すようで悪いが」
言葉を失った私に、黒崎が温かいお茶を渡す。戸惑いながら佳奈はそれを受けとる。冷え切った手に熱が伝わる。
「これで、信じたか」
「……は」
「そのお茶を渡せばお前と雪女の縁は切れる。古典的なやり方だが、効果はあるだろう。雪女、文句はあるか」
「……ないわ」
ゆきちゃんは、寂しげに笑いながら答える。二人のやりとりを佳奈は半ば放心しながら見ていた。一気に情報が入ってきて混乱しているのと、突然今まで知らなかった世界を見せられていて、訳がわからない。うれしさもあったはずなのにそれを上回る恐ろしさで心が塗りつぶされている感覚だった。
ゆきちゃんが再度こちらを向く。その笑顔は、子どものはずなのにまるで子を見る親のように温かい。そっとゆきちゃんの手が私の方へとへと伸ばされ、私は身を固くした。
伸びてきた手は、そっと私の頭を撫でた。
「お茶を渡して頂戴。そうしたら、おしまい。あなたを怖がらせる私はどこにもいなくなるわ」
「え……」
「ごめんなさい。あなたともう一度、遊べなくて」
「たくさんの幸せが、あなたに降るよう、祈っているわ」
優しい笑みを、彼女は浮かべていた。
そっとゆきちゃんは、私の手からお茶をもらおうとした。はっとして佳奈は自分の手を引く。ゆきちゃんがその目を丸く見開くのを見ながら、ぐい、とお茶を一気に飲んだ。
「……っ、あっつー!」
「何してんだ、火傷するぞ⁉ というか、雪女に渡すための茶を飲み干すな!」
「ゆきちゃん!」
黒崎の呆れた様な声を聞きながら、私はお茶の熱さで僅かに涙目になった瞳を、真っ直ぐと彼女へ向けた。ゆきちゃんは、と言えば、呆けたような顔をしていた。
「友達になってくれてありがとう!」
叫ぶように私は言った。
先ほどまでは、恐ろしいしか思わなかった。もしかしたら死んでいたかもしれないという思いと、人じゃないものを初めて見た恐怖で、埋め尽くされていた。
だけど、ゆきちゃんはそんな目を向けられても、私の幸せを祈ってくれたのだ。
人じゃないのがなんだというのだろう。ひとりぼっちだった私に優しくしてくれた最初の存在なのだ。
ずっと、会いたかった。
「ゆきちゃんのおかげで私、変われたの! あの日ゆきちゃんと遊べてよかった!」
「かなちゃん……」
「あと、約束、破ってごめん!」
言い切って、それからすう、と大きく息を吸った。すがすがしい気分だった。
目の前のゆきちゃんは、目線を泳がせていた。それから意を決したように口を開く。
「かなちゃん、あのね――」
「お前は約束、破ってないぞ」
黒崎の低い声が、その言葉を遮った。
「会っていたが、お前には見えなかっただけだ。いくら人間らしくてもこいつらは怪異だからな。約束を破っていれば、容赦ない罰がある」
「罰……」
「あぁ。昔話や伝承は大概そうだろう。約束を守れば、褒美があって、破れば罰だ」
ただ、と黒崎は続ける。
「今回ばかりは中途半端な叶え方になったせいで、良くも悪くもお前と雪女の縁は切れなかった。それを、あるべき形に戻さなきゃならない」
ほら、ともう一度温かなお茶を渡された。佳奈はそれを手に持つ。そしてぽつりと呟いた。
「本当に、縁を切らなきゃいけないんですか……?」
「……あぁ。人と怪異は深く関わるべきじゃない。今回はラッキーだっただけだ。お前が約束を破っていれば、命を取られていてもおかしくなかった」
雪女とは、そう言う怪異だ。
黒崎の言葉を聞きながら、私はちらりとゆきちゃんの方を見た。
彼女は、能面のような笑みを浮かべていた。
その姿に再びぞっとし、それから深く息を吐く。黒崎の言葉は多分正しいのだろう。
「ゆきちゃん」
「なぁに」
そっと、温かいお茶を差し出す。
「ありがとう」
「かなちゃん」
そして、彼女はそれを受け取った。
「バイバイ」
次の瞬間だった。
室内なのに何故か強い風が吹いた。思わずぎゅっと目を閉じる。
目を開けたときには、ゆきちゃんはもう消えていた。
「あ……」
「これで終わり、だな」
「よかったねぇ、会えて」
「はい。ありがとうございました。黒崎さん、しろさき、さ……」
二人にお礼をしようとして、私は言葉を詰まらせた。何度か目を擦る。
「あ、れ?」
「どうかしたのか」
黒崎が怪訝そうに佳奈を見る。
「なんか白崎さんにしっぽ? 白いしっぽみたいなものが、見えるんですけど……」
「は……」
「あららぁ、見えるようになっちゃったかぁ」
息を吞んだような表情をする黒崎に対して、白崎は相変わらずのんびりとした様子だった。ずい、と黒崎が身を乗り出す。
「お前、見えてるのか?」
「へ?」
「シロの姿だ! 蛇の!」
「やっぱり血かなぁ。おばあちゃんが拝み屋って言ってたもんねぇ」
「拝み屋⁉ シロ! なんでそう言う大事なことを言わないんだ!」
「ごめんってぇ」
黒崎が白崎の胸ぐらを掴みながらゆさゆさ揺する。知っていたら許可出さなかったのに! と黒崎は怒っているが、まったく響いていないようだった。
「どうするんだよ⁉ 俺は誰かの人生の責任まではとれないぞ!」
「あ、あのお」
「あ⁉」
おそるおそる声をかけた私に、黒崎のぎろりとした視線が向けられた。状況もよくわからないまま、私は尋ねる。
「白崎さんって、一体」
「あのねぇ、僕、神様なの」
「は?」
助けを求めるように私は黒崎の方を見た。彼はふーっ、と怒りをしずめるように息を吐くと言った。
「……今こいつが言ったとおりだ。シロはうちの御祭神の白蛇が人の形をとった姿。つまりこいつも怪異だ」
「えっ……えー⁉」
「それで、だ!」
驚く私を遮るように、黒崎は大きな声で続ける。
「こいつの力を借りてお前でも雪女が見えるようにした結果、どうやら、怪異が見えるようにしてしまったらしい」
「えぇ」
「すまない。主に悪いのはこいつだが」
「痛い痛い! 耳引っ張らないでよぉ」
ぎろりと黒崎は白崎を睨む。それからはぁ、と深く溜息をついた。
「それが一過性のものかは俺にはわからん。だが、きっと不都合もあるだろう。だから一応名刺を渡しておく。何かあったらここに連絡しろ。力になれるかもしれん。ここの社務所に来てもいい」
「あ、はい……」
差し出された名刺には、シンプルに名前と、この神社の住所のようなものが書いてあった。そして怪異専門探偵、と書いてある。
「怪異専門探偵……」
「一応、な。じゃあ今日はもう営業終了だから。ほらほら、早くお前ら出ろ」
「えっ⁉」
黒崎の勢いに押されるように私も白崎も社務所を出る。プレハブ小屋のような小さな社務所の戸締まりを黒崎はあっという間に済ませると、じゃあなといいながら石段を下っていく。
「まってよぉ、しょうちゃーん! じゃあまたね、佳奈ちゃん!」
「えっ、あ、はい!」
そして、日の傾き始めた神社には、佳奈が一人、取り残された。
「えー……」
なんだか、あっという間の出来事で頭が追いついていないような気がする。だが手の中には確かに名刺があって、そこには彼の名前がある。
夢じゃない。
「帰ろうか」
なんだかすがすがしい気分で、私は石段を降りていった。
「かなちゃん」
鈴を転がしたような可愛らしい声に、子どもなのに大人びた笑みを浮かべる姿を見て、ゆきちゃんなのだと理解する。それと同時に誰もいなかったはずの所へ突然現れたことで、さっき言われた言葉が急に現実味を帯びてきて私はおそるおそる尋ねた。
「本当に、ゆきちゃんは雪女なの……?」
「……ごめんね、かなちゃん」
ゆきちゃんは、はっきりとは返事をしなかった。代わりに、そっと佳奈の手に触れる。
その手は、明らかに人のものではないほど冷たかった。
そこで初めて、ぞっとした。
人じゃない。人ではない存在と、遊んでたのだ。
身体が震えた。
あの日、寝込んだ後散々叱られた。生きていたからよかったものの、あんな寒いところにずっといたら死んでいたかもしれなかったと。
あの日私が帰ろうと言い出さなかったら、一体どうなっていたのだろう。
すっと身体が冷えていく。私の顔を見て、はっとしたようにゆきちゃんは手を離した。それから、そっと微笑む。
「たくさん遊んでくれてありがとう。楽しかったわ」
「あ……」
「水を差すようで悪いが」
言葉を失った私に、黒崎が温かいお茶を渡す。戸惑いながら佳奈はそれを受けとる。冷え切った手に熱が伝わる。
「これで、信じたか」
「……は」
「そのお茶を渡せばお前と雪女の縁は切れる。古典的なやり方だが、効果はあるだろう。雪女、文句はあるか」
「……ないわ」
ゆきちゃんは、寂しげに笑いながら答える。二人のやりとりを佳奈は半ば放心しながら見ていた。一気に情報が入ってきて混乱しているのと、突然今まで知らなかった世界を見せられていて、訳がわからない。うれしさもあったはずなのにそれを上回る恐ろしさで心が塗りつぶされている感覚だった。
ゆきちゃんが再度こちらを向く。その笑顔は、子どものはずなのにまるで子を見る親のように温かい。そっとゆきちゃんの手が私の方へとへと伸ばされ、私は身を固くした。
伸びてきた手は、そっと私の頭を撫でた。
「お茶を渡して頂戴。そうしたら、おしまい。あなたを怖がらせる私はどこにもいなくなるわ」
「え……」
「ごめんなさい。あなたともう一度、遊べなくて」
「たくさんの幸せが、あなたに降るよう、祈っているわ」
優しい笑みを、彼女は浮かべていた。
そっとゆきちゃんは、私の手からお茶をもらおうとした。はっとして佳奈は自分の手を引く。ゆきちゃんがその目を丸く見開くのを見ながら、ぐい、とお茶を一気に飲んだ。
「……っ、あっつー!」
「何してんだ、火傷するぞ⁉ というか、雪女に渡すための茶を飲み干すな!」
「ゆきちゃん!」
黒崎の呆れた様な声を聞きながら、私はお茶の熱さで僅かに涙目になった瞳を、真っ直ぐと彼女へ向けた。ゆきちゃんは、と言えば、呆けたような顔をしていた。
「友達になってくれてありがとう!」
叫ぶように私は言った。
先ほどまでは、恐ろしいしか思わなかった。もしかしたら死んでいたかもしれないという思いと、人じゃないものを初めて見た恐怖で、埋め尽くされていた。
だけど、ゆきちゃんはそんな目を向けられても、私の幸せを祈ってくれたのだ。
人じゃないのがなんだというのだろう。ひとりぼっちだった私に優しくしてくれた最初の存在なのだ。
ずっと、会いたかった。
「ゆきちゃんのおかげで私、変われたの! あの日ゆきちゃんと遊べてよかった!」
「かなちゃん……」
「あと、約束、破ってごめん!」
言い切って、それからすう、と大きく息を吸った。すがすがしい気分だった。
目の前のゆきちゃんは、目線を泳がせていた。それから意を決したように口を開く。
「かなちゃん、あのね――」
「お前は約束、破ってないぞ」
黒崎の低い声が、その言葉を遮った。
「会っていたが、お前には見えなかっただけだ。いくら人間らしくてもこいつらは怪異だからな。約束を破っていれば、容赦ない罰がある」
「罰……」
「あぁ。昔話や伝承は大概そうだろう。約束を守れば、褒美があって、破れば罰だ」
ただ、と黒崎は続ける。
「今回ばかりは中途半端な叶え方になったせいで、良くも悪くもお前と雪女の縁は切れなかった。それを、あるべき形に戻さなきゃならない」
ほら、ともう一度温かなお茶を渡された。佳奈はそれを手に持つ。そしてぽつりと呟いた。
「本当に、縁を切らなきゃいけないんですか……?」
「……あぁ。人と怪異は深く関わるべきじゃない。今回はラッキーだっただけだ。お前が約束を破っていれば、命を取られていてもおかしくなかった」
雪女とは、そう言う怪異だ。
黒崎の言葉を聞きながら、私はちらりとゆきちゃんの方を見た。
彼女は、能面のような笑みを浮かべていた。
その姿に再びぞっとし、それから深く息を吐く。黒崎の言葉は多分正しいのだろう。
「ゆきちゃん」
「なぁに」
そっと、温かいお茶を差し出す。
「ありがとう」
「かなちゃん」
そして、彼女はそれを受け取った。
「バイバイ」
次の瞬間だった。
室内なのに何故か強い風が吹いた。思わずぎゅっと目を閉じる。
目を開けたときには、ゆきちゃんはもう消えていた。
「あ……」
「これで終わり、だな」
「よかったねぇ、会えて」
「はい。ありがとうございました。黒崎さん、しろさき、さ……」
二人にお礼をしようとして、私は言葉を詰まらせた。何度か目を擦る。
「あ、れ?」
「どうかしたのか」
黒崎が怪訝そうに佳奈を見る。
「なんか白崎さんにしっぽ? 白いしっぽみたいなものが、見えるんですけど……」
「は……」
「あららぁ、見えるようになっちゃったかぁ」
息を吞んだような表情をする黒崎に対して、白崎は相変わらずのんびりとした様子だった。ずい、と黒崎が身を乗り出す。
「お前、見えてるのか?」
「へ?」
「シロの姿だ! 蛇の!」
「やっぱり血かなぁ。おばあちゃんが拝み屋って言ってたもんねぇ」
「拝み屋⁉ シロ! なんでそう言う大事なことを言わないんだ!」
「ごめんってぇ」
黒崎が白崎の胸ぐらを掴みながらゆさゆさ揺する。知っていたら許可出さなかったのに! と黒崎は怒っているが、まったく響いていないようだった。
「どうするんだよ⁉ 俺は誰かの人生の責任まではとれないぞ!」
「あ、あのお」
「あ⁉」
おそるおそる声をかけた私に、黒崎のぎろりとした視線が向けられた。状況もよくわからないまま、私は尋ねる。
「白崎さんって、一体」
「あのねぇ、僕、神様なの」
「は?」
助けを求めるように私は黒崎の方を見た。彼はふーっ、と怒りをしずめるように息を吐くと言った。
「……今こいつが言ったとおりだ。シロはうちの御祭神の白蛇が人の形をとった姿。つまりこいつも怪異だ」
「えっ……えー⁉」
「それで、だ!」
驚く私を遮るように、黒崎は大きな声で続ける。
「こいつの力を借りてお前でも雪女が見えるようにした結果、どうやら、怪異が見えるようにしてしまったらしい」
「えぇ」
「すまない。主に悪いのはこいつだが」
「痛い痛い! 耳引っ張らないでよぉ」
ぎろりと黒崎は白崎を睨む。それからはぁ、と深く溜息をついた。
「それが一過性のものかは俺にはわからん。だが、きっと不都合もあるだろう。だから一応名刺を渡しておく。何かあったらここに連絡しろ。力になれるかもしれん。ここの社務所に来てもいい」
「あ、はい……」
差し出された名刺には、シンプルに名前と、この神社の住所のようなものが書いてあった。そして怪異専門探偵、と書いてある。
「怪異専門探偵……」
「一応、な。じゃあ今日はもう営業終了だから。ほらほら、早くお前ら出ろ」
「えっ⁉」
黒崎の勢いに押されるように私も白崎も社務所を出る。プレハブ小屋のような小さな社務所の戸締まりを黒崎はあっという間に済ませると、じゃあなといいながら石段を下っていく。
「まってよぉ、しょうちゃーん! じゃあまたね、佳奈ちゃん!」
「えっ、あ、はい!」
そして、日の傾き始めた神社には、佳奈が一人、取り残された。
「えー……」
なんだか、あっという間の出来事で頭が追いついていないような気がする。だが手の中には確かに名刺があって、そこには彼の名前がある。
夢じゃない。
「帰ろうか」
なんだかすがすがしい気分で、私は石段を降りていった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
人間嫌いの狐王に、契約妻として嫁いだら溺愛が止まりません
由香
ファンタジー
人間嫌いで知られる狐族の王・玄耀に、“契約上の妻”として嫁いだ少女・紗夜。
「感情は不要。契約が終われば離縁だ」
そう告げられたはずなのに、共に暮らすうち、冷酷な王は彼女だけに甘さを隠さなくなっていく。
やがて結ばれる“番”の契約、そして王妃宣言――。
契約結婚から始まる、人外王の溺愛が止まらない和風あやかし恋愛譚。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる