モンスターのいない世界で私の作るゴーレムだけがモンスター扱いでした。仲間だけレベルアップさせ巣立たせたら仲間達が世界の頂点に立っちゃいました

覧都

文字の大きさ
48 / 50

第四十八話 初対面

しおりを挟む
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」

 翌朝、起きてくるなりイクちゃんとトウカちゃんが大声を出しています。
 昨日の二人は疲れていたのか、お風呂に入るなり眠ってしまいました。
 まあイクちゃんは、徒歩で山道を何日も歩いたので相当疲れていたのでしょう。
 トウカちゃんは、きっと痛みで熟睡出来ていなかったのかも知れません。

「な、何事ですか??」

「久しぶりのレイカ姉のご飯だーーーー!!!!」

「泣くほどの事ですか」

 二人の目はウルウルしています。
 でも、そこまで喜んでもらえれば当然私もうれしいです。

「泣くほどの事です!! 夢に見るほど食べたかったのですからー!!」

 トウカちゃんが言うと、イクちゃんがしきりにうなずきます。
 しかし、二人ともちょっと見ない間に、すっかりいい男になっています。
 きっと、フト国ではモテモテでしょうね。可哀想に。

「もう食べていいのでしょうか?」

 どうやら、お腹がペコペコの様です。

「うふふ、今日だけは特別です。どうぞ」

 普段は当然、全員がそろって「いただきます」をしてからなのですが今日は許可しました。

「いただきまーーす!!!!」

「なにか、食べたい物があれば言ってください。すぐに作ります」

「うふふ、レイカ姉!! 全部そろっています」

 二人の声がうれしそうにそろっています。

「それは、よかったわ」

 私も、二人の顔を見ることが出来てうれしくてつい作りすぎました。



「レイカ姉様ーー!!!! レイカ姉様ーーーー!!!!!!」

 空から声がします。

「この声は、イオちゃんね」

「イオちゃんとは、誰ですか?」

 トウカちゃんが、口一杯に唐揚げを放り込んで言いました。

「うふふ、サイシュトアリ国の王女様ですよ」

「えええーーーっ、す、すごい!! レイカ姉はそんなすごい人といつの間に知り合いになったのですか??」

 イクちゃんと、トウカちゃんがそろって驚いています。

「二人はそのまま食べていてください。お出迎えに行ってきます」

 玄関から出ると、イオちゃんが丁度降りてくるところでした。
 イオちゃんの鉄人レイには、専用のゴンドラを作りました。
 丁度観覧車のゴンドラの様な物です。
 少しスピードは出なくなりますが、運ばれるイオちゃんが楽に来られるように作りました。
 運ぶレイもこの方が楽そうですね。

「レイカ姉様、おはようございます」

 鉄人とゴンドラが大勢の人に見られるのは困るので、夜中に出発をお願いしているので到着がこの時間になったようです。

「うふふ、おはようございます。今日は一人で来たのですか?」

「はい。レイがいてくれるので、一人でお忍び行動が出来る様になりました。実は今日は……」

「お話は中でお伺いします。丁度合せたい人が朝食をしています。一緒に朝食でもどうですか」

 私が言うと、イオちゃんのお腹が盛大に鳴りました。

「すすすす、すみません」

 イオちゃんが真っ赤になっています。
 かわいいですね。

「お、おはようございます」

 イオちゃんが入ってくると、満腹になったのか、それとも待っていてくれたのか、イクちゃんとトウカちゃんが、箸を置いてあいさつをしてくれました。
 少し緊張しているみたいです。

「は、初めまして、おはようございます。私はサイシュトアリ国の王女イオと申します」

 イクちゃんとトウカちゃんはイオちゃんのあいさつを聞くと、あわてて立ち上がり名乗り始めました。

「はっ、申し遅れました。わたくしはフト国のイグザンと申します。お見知りおきを」

「わたくしは、フト国のドウカンと申します」

「えええええぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」

 イオちゃん、少し驚きすぎですよ。

「はわわわわ、ドドドド、ドウカンさん!!!! まさかあのフト国の四神将朱雀のドウカンさんですか? はわわわわわ、まさか、イイイイ、イグザンさんは四神将の一人玄武のイグザンさんですよね。なななな、なぜいるのですかーーーー!!!!」

「ふふっ、何故ってここがオレ達の家だからですよ」

 イクちゃんが答えました。

「でえええええぇぇぇぇーーーーーーー!!!! ここが家ーーーー!!!! レレレ、レイカ姉様ーーーーどどど、どういうことですかーーーー」

「うふふ、本当にどういうことでしょう。私も昨日知りました。そんなことより、イオちゃん、おなかがすいているでしょう、食べて食べて!!」

「そ、そんな事よりって、これをそんな事と言えるのはレイカ姉様だけですよー。ってなんで朝から、こんなにご馳走なのですかーー??」

「うふふ、イオちゃんが来ると思って用意しておきました」

「ああああーーーっ!! そ、そ、そ、そう言えばドウカンさんの左手と左足がーーーー!! はえています」

「あーーっ、それもヒジリちゃんが治しました」

「はあぁぁーー、ヒジリさん……も……とんでもなくすごい。アーサー様の時もすごかったけど、切れて無くなってしまった手足まで治してしまわれるなんて……す、すごい」

「ア、アーサーとは、アーサー騎士団長のことですか?」

 トウカちゃんが不思議そうな顔をします。
 まだ、知らないのでしょうか。

「アーサー騎士団長は、うちのアサちゃんよ」

「えええええーーーーーーーーーっ!!!!」

 こんどは、イクちゃんとトウカちゃんが驚いています。

「だから、あんなに強かったのかーー」

 トウカちゃんがなんだか納得しています。

「イオちゃん、そう言えばお話とは何ですか?」

「……は、はい」

 イオちゃんが口を押さえて赤くなりました。
 美女が恥ずかしがっている仕草はとても可愛いですね。

「ごめんなさい、少し後でいいですよ」

 イオちゃんは丁度、ご飯を口に入れたところだったので、少し食事をしてから聞こうと思います。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...