モンスターのいない世界で私の作るゴーレムだけがモンスター扱いでした。仲間だけレベルアップさせ巣立たせたら仲間達が世界の頂点に立っちゃいました

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第四十九話 訪問のわけ

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「ふぁああーー、レイカ姉、おはよぉーう」

 やっと家のお寝坊さんが起きてきました。
 イサちゃんですね。
 まだ相当眠そうです。

「おはようございます」

「のわあぁーーーー、すごいご馳走ー!! みんなーー!! 朝からなぜかご馳走だぞぉーー!!」

 私のおはようも聞こえたかどうだか。
 イサちゃんが皆を呼びにパタパタ走って行きました。

「ふふふ、懐かしいなあこの感じ」

 トウカちゃんがしみじみ言いました。

「本当に」

 イクちゃんは少し涙ぐんでいます。
 本当にいい子達です。

「レイカ姉、食べていいですか?」

 イサちゃんが朝の準備を終わらせてやって来ました。

「どうぞ」

「レイカ姉、おはよー」

 続いて、チマちゃんとシノちゃんが来ました。

「れいかねぇー、おふぁよう」

 シノちゃんにおんぶされて、ヒジリちゃんが言いました。
 昨日の魔力切れが尾を引いているようですね。
 体調が悪いみたいです。

「ヒジリちゃん。大丈夫ですか?」

「ふぁい、らいじょうぶですぅ。いたらきますぅ」

 ヒジリちゃんは「いただきます」を言うと、すごい勢いで料理を食べ始めました。
 どうやらカロリー切れだったみたいです。大丈夫そうですね。
 皆、脇目も振らず料理を食べています。
 しばらくは、そっとしておきましょう。

「ああ、イオ様がいるーー」

 イサちゃんは、今頃気が付いたようです。
 他の子供達も食べ物からイオちゃんに視線を移しました。

「うふふ、皆さん、おはようございます」

 イオちゃんも満腹になったようです。
 笑顔で答えました。

「イオちゃん。そろそろ、ご用件を伺っても良いかしら」

「はい。もちろんです。実は相談があって参りました」

 イオちゃんは姿勢を正しました。
 結構重要な内容なのかしら。
 私も姿勢を正しました。

「はい。では、うけたまわります」

「相談とは、陛下より重要な使者の役目を承りました」

「使者ですか」

「はい。フト国へ停戦の使者です。今なら戦争がサイシュトアリ国の方に歩があります。この機会にフト国に停戦を申し入れたいと」

「なるほど、それは良い考えですね」

「はい。そこで、フト国の王様に面識のあるレイカ姉様に同行を御願いしたいと」

「うふふ、それならイクちゃんの方が適任ですね」

「ぶーーっ!! いやいや、無理ですよ。敵国の王女様と一緒には帰れませんよ」

 イクちゃんが、口の物を吹き出しそうになりながら言いました。

「そうですか。じゃあ、私が同行しましょう。でも私で役に立つのかしら」

「何をおっしゃるのですか。ゾングさんの話ではフト国の国王様がレイカ姉様を探していると聞きました」

「ゲンシン様がレイカ姉を捜している??」

 トウカちゃんとイクちゃんが同時に言って首を傾けています。

「ああ、そうでした。ゲンシン様が探しておられるのは正確にはレンカ様です。でも、それはレイカ姉様の事ですよ」

 イオちゃんが言い終わると。

「えええぇーーーっ!!!!」

 トウカちゃんとイクちゃんがすごい驚きようです。

「ままま、まさか、フト国の恩人とまで言われるレンカ様が、レイカ姉のことだってーー!!!!」
「あの、天下の名刀、レンカの宝刀がレイカ姉の作った刀だってーー!! だってあれ、レイカ姉の作にしては作りが雑だから別人の作ったものだと思ったー!!」

 トウカちゃんとイクちゃんがまた同時に言いました。

「そっちーー!!」

 イオちゃんが驚いています。

「た、たしかに。あの刀は適当に雑に作りました。でも、仕方が無かったのです。時間が無かったからー」

「レンカの宝刀を時間が無くて適当に作ったものですってーー!! ハア、ハア、ハァァーーハアハア!!」

 イオちゃんが驚き過ぎて過呼吸になっています。大丈夫でしょうか?

「そういえば、ゲンシン様の横にはいつも鉄人がいる。あんなのレイカ姉にしか作れないよ」

 トウカちゃんが言いました。

「本当だ。でも、全然気がつけなかった」

 イクちゃんが真剣な表情で言いました。

「レイカ姉」
「レイカ姉様」
「すごすぎだよーー!!」

 トウカちゃんとイクちゃん、イオちゃんまでが同時に言いました。

「なにを言っているのさ。そんなのがすごいと言っていたら、笑っちまうぜ。今のレイカ姉はもっとすごくなっているぜ」

 イサちゃんがニヤニヤしながら言いました。

「なんだって??」

「ふふふ、鉄人は魔法が使えるようになっている。それにレンカの宝刀をたやすく切断する大和紫龍剣が作られている。鉄人を超えるスーパー鉄人、青い鉄人リルと赤い鉄人ハルの存在だ」

「ななな、なんだってーー!! ハア、ハア、ハァァーーハアハア!!」

 今度はトウカちゃんとイクちゃんが同時に過呼吸です。大丈夫でしょうか。

「俺達は、既に鉄人を一刀両断できるほど強くなっている。そして、青き鉄人リルも倒せる」

「ななな、なんだってーー!! ぐわあぁーー、ごえぇーー、ぐええぇぇぇーーーー!!!!」

 すでに、トウカちゃんとイクちゃんは驚き過ぎてせっかく食べたご馳走をはきそうになっています。

「もう、イサちゃんあんまり驚かさないであげて、せっかく食べたご飯が全部出てしまいそうです」

「でも、全部事実だし、トウカちゃんとイクちゃんには知っておいてもらわないと」

「そうね。トウカちゃんにはここに残ってもらって、鉄人くらいは楽々倒せるようになってもらわないと。その上でリルちゃんは、倒せるようにならないといけませんね」

「ええっ、それってまさか、アサちゃん……サイシュトアリ国の騎士団長アーサー殿は出来るということですか?」

「そうね。出来るようになっています。最近卒業しました。フト国の神将ドウカンさんでもイグザンさんでも、アーサーさんには、どうあがいても勝つことは出来ないでしょう」

「そうなのか」

 トウカちゃんとイクちゃんが同時に言って下を向きました。

「だからこそ、トウカちゃんがここで修行を再開するのです。それが終わればイクちゃん、続いてライちゃんとマイちゃんがここで修行です」

「する!!」
「します!!」

 またまたトウカちゃんとイクちゃんが同時に返事をします。
 2人はとても仲がいいようですね。

「でも、同時ではゲンシン様が困ります。順番ですよ」

「わかった。まずは俺からですね」

 トウカちゃんが言いました。

「そうね。今日から始めましょう。イサちゃん協力を御願いします」

「はい。わかりました」

「わたし達は、フト国へ行きますので、後はよろしくね」

「えーーっ!! ちょっと待って。俺は留守番ですかーー」

 イサちゃんが泣きそうな顔で言いました。

「うふふ、冗談です。トウカちゃんだけで大丈夫でしょう。赤い鉄人ハルをサポートに置いていきます。ハルは話す事が出来ないだけで普通の人間と変りありません。料理もそれ以外だって、なんでも私と同等に出来ますからね」

 トウカちゃんは笑顔でうなずきました。
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