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第四十九話 魔王正規軍
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「反乱軍共ーー。私が相手になってやる。かかってこーーい!!」
混戦する兵士の中に、ぽっかり空いた空白地が出来ていた。
そこに全身金色のフルプレートの甲冑を着けた戦士が立っている。
最も近くにいるのは、猛将オウブさんでした。
棍を脇に抱えると、金色の戦士に向って走ります。
素早さ強化のエリクサーを飲んでいるのでしょうか、恐ろしく速い。
「うおおおおーーーっ」
オウブさんは棍を突き出しました。
金色の戦士はそれを、消えたかと思えるほどの速さでかわすと、棍をつかんでオウブさんを付けたまま、強烈な勢いで一回転しました。
そして、ピタリと止ると、オウブさんは地面と水平に、凄い勢いで飛んで行きました。
数百メートル飛んだところで、地面につくと、ゴロゴロ転がります。
砂煙を大量に巻き上げ、止った時には、失神してしまったようです。
「ニャー――」
ものすごい勢いで猫のような声を上げて、突進してくる猫耳の子供がいます。
金色の戦士は、猫耳の子供の攻撃を軽くかわすと、尻尾を無造作につかむと、地面にビッタンビッタン、叩き付けました。
口や鼻から血を吹き出し動かなくなると、ぽいと脇に投げ出しました。
その様子をシュブさんは驚いた表情で見ています。
「来なさい!!」
金色の戦士がシュブさんを手招きします。
「うわーーあ!!」
シュブさんが拳を突き出すと、それを横から受け止めて、オウブさんの横へ投げ飛ばしました。
投げ終った金色の戦士に、スザクが二十人襲いかかります。
金色の戦士は、スザクの目で追える速さを超えて移動しながら、一体一体拳を入れていきます。
一瞬で巨大な魔石が二十個地面に転がります。
人間がまばたきをするほどの時間で、スザクが二十人倒されてしまいました。
「くそーーーっ、突っ込めーー」
兵士の中から、声が出ました。
「止まれーーい、動くなーーー」
金色の戦士が声を上げた。
そして、僕を見てうやうやしく、そしてゆっくり一礼をする。
僕は、岩の上から金色の戦士の前に移動した。
混戦で戦っていた兵士達は、敵も味方も手を止めこちらを見ている。
兵士達は敵も味方も金色の戦士が誰なのかとザワザワしている。
「行きます」
金色の戦士が、僕に向ってきます。
パーーーーーーーン!!!
金色の戦士の拳を僕は手のひらで受けました。
たったそれだけですが、弾けた空気と音が大地を振るわし、風で兵士達が数メートル吹き飛びました。
「フォリスさん、今ので、どの位の力ですか」
「うふふふ、五十五パーセントでしょうか」
ダンジョンの時の二倍くらいの攻撃力に感じました。
五パーセント増やすと倍になるって……。
百パーセントなら、僕の手は吹き飛ぶのでは無いでしょうか。
僕は、手を前に出すと、スザク達の魔石を宙に浮かせます。
浮かせた魔石を、手を握るのと同時に収納して消しました。
そして、手を開くのと同時に、スザクを二十人ダンジョンから目の前に移動させました。
おおおおーーー、兵士達の間から、どよめきが起ります。
兵士達は、呆然とする敵兵から武器を取り上げ始めました。
これだけの事を目の当たりにして逆らう者はいないようです。
スザクは、倒してもダンジョンの中で再生しますので、どれだけ倒しても大丈夫です。
シュザクも同じですが、フォリスさんはオウブさんのお気に入りのシュザクのシュブさんは、倒さなかったようです。優しいですね。
「オウブさん、敵の力量が分からない時は、むやみに突っ込まないでください」
そう言いながら、フォリスさんは甲冑の頭を外し、顔を出しました。
シュブさんに支えられながらオウブさんは、頭を掻いています。
「そして、兵士の皆さんは、勝てそうも無い敵にあった時は、全員逃げてください。命を大切にしてください」
フォリスさんは、さっき突撃しようとした兵士達に向って声をかけました。
僕は、さっきまで乗っていた岩を横に移動させた。
そして、フォリスさんに痛めつけられた子猫をつまみ上げた。
「治癒、回復」
「ニャーーー!! 許さないニャー!!」
暴れ出したので、ギュッと抱きしめてやった。
結構力があるようだが、僕の力にはあらがえ無いようだった。
動けないようにして、頭をワシワシ撫でてやった。
そして、胸から腹にかけて、なでなでしてやった。
猫はこうすると喜ぶはずだ……
犬だったかなーー?
「にゃはははは。やめるニャー。やめるニャー」
ばたばた、涙目で暴れる。
「やめちゃあダメなのかい、じゃあ……」
もっと、わしわししてやった。
フォリスさんが凄く驚いた顔をしている。
「にゃははははは……」
「あっ」
この子猫赤い顔をして、よだれを垂らして、目が半目になって、静かになった。はあはあ、言っているし。
取りあえず、この子猫を抱っこしたまま、岩の上に上がった。
「全員、魔王様の御前です。控えなさい」
フォリスさんが声を上げました。
「ひかえろーーー」
「ひかえろーーー」
兵士達が頭を下げていきます。
敵兵の中にも控える人がいますが、立ったままの人もいます。
「皆さんは、今日この時より、魔王正規軍を名乗ってください」
僕は立っている人を無視して声をかけました。
「うおおおおおおーーーーー」
歓声が上がりました。
「敵兵の皆さんは、我軍に合流するもよし、このまま帰ってもらっても、追い打ちはかけません、のんびりお帰りください」
とぼとぼ、大勢の兵士が移動を始めた。
混戦する兵士の中に、ぽっかり空いた空白地が出来ていた。
そこに全身金色のフルプレートの甲冑を着けた戦士が立っている。
最も近くにいるのは、猛将オウブさんでした。
棍を脇に抱えると、金色の戦士に向って走ります。
素早さ強化のエリクサーを飲んでいるのでしょうか、恐ろしく速い。
「うおおおおーーーっ」
オウブさんは棍を突き出しました。
金色の戦士はそれを、消えたかと思えるほどの速さでかわすと、棍をつかんでオウブさんを付けたまま、強烈な勢いで一回転しました。
そして、ピタリと止ると、オウブさんは地面と水平に、凄い勢いで飛んで行きました。
数百メートル飛んだところで、地面につくと、ゴロゴロ転がります。
砂煙を大量に巻き上げ、止った時には、失神してしまったようです。
「ニャー――」
ものすごい勢いで猫のような声を上げて、突進してくる猫耳の子供がいます。
金色の戦士は、猫耳の子供の攻撃を軽くかわすと、尻尾を無造作につかむと、地面にビッタンビッタン、叩き付けました。
口や鼻から血を吹き出し動かなくなると、ぽいと脇に投げ出しました。
その様子をシュブさんは驚いた表情で見ています。
「来なさい!!」
金色の戦士がシュブさんを手招きします。
「うわーーあ!!」
シュブさんが拳を突き出すと、それを横から受け止めて、オウブさんの横へ投げ飛ばしました。
投げ終った金色の戦士に、スザクが二十人襲いかかります。
金色の戦士は、スザクの目で追える速さを超えて移動しながら、一体一体拳を入れていきます。
一瞬で巨大な魔石が二十個地面に転がります。
人間がまばたきをするほどの時間で、スザクが二十人倒されてしまいました。
「くそーーーっ、突っ込めーー」
兵士の中から、声が出ました。
「止まれーーい、動くなーーー」
金色の戦士が声を上げた。
そして、僕を見てうやうやしく、そしてゆっくり一礼をする。
僕は、岩の上から金色の戦士の前に移動した。
混戦で戦っていた兵士達は、敵も味方も手を止めこちらを見ている。
兵士達は敵も味方も金色の戦士が誰なのかとザワザワしている。
「行きます」
金色の戦士が、僕に向ってきます。
パーーーーーーーン!!!
金色の戦士の拳を僕は手のひらで受けました。
たったそれだけですが、弾けた空気と音が大地を振るわし、風で兵士達が数メートル吹き飛びました。
「フォリスさん、今ので、どの位の力ですか」
「うふふふ、五十五パーセントでしょうか」
ダンジョンの時の二倍くらいの攻撃力に感じました。
五パーセント増やすと倍になるって……。
百パーセントなら、僕の手は吹き飛ぶのでは無いでしょうか。
僕は、手を前に出すと、スザク達の魔石を宙に浮かせます。
浮かせた魔石を、手を握るのと同時に収納して消しました。
そして、手を開くのと同時に、スザクを二十人ダンジョンから目の前に移動させました。
おおおおーーー、兵士達の間から、どよめきが起ります。
兵士達は、呆然とする敵兵から武器を取り上げ始めました。
これだけの事を目の当たりにして逆らう者はいないようです。
スザクは、倒してもダンジョンの中で再生しますので、どれだけ倒しても大丈夫です。
シュザクも同じですが、フォリスさんはオウブさんのお気に入りのシュザクのシュブさんは、倒さなかったようです。優しいですね。
「オウブさん、敵の力量が分からない時は、むやみに突っ込まないでください」
そう言いながら、フォリスさんは甲冑の頭を外し、顔を出しました。
シュブさんに支えられながらオウブさんは、頭を掻いています。
「そして、兵士の皆さんは、勝てそうも無い敵にあった時は、全員逃げてください。命を大切にしてください」
フォリスさんは、さっき突撃しようとした兵士達に向って声をかけました。
僕は、さっきまで乗っていた岩を横に移動させた。
そして、フォリスさんに痛めつけられた子猫をつまみ上げた。
「治癒、回復」
「ニャーーー!! 許さないニャー!!」
暴れ出したので、ギュッと抱きしめてやった。
結構力があるようだが、僕の力にはあらがえ無いようだった。
動けないようにして、頭をワシワシ撫でてやった。
そして、胸から腹にかけて、なでなでしてやった。
猫はこうすると喜ぶはずだ……
犬だったかなーー?
「にゃはははは。やめるニャー。やめるニャー」
ばたばた、涙目で暴れる。
「やめちゃあダメなのかい、じゃあ……」
もっと、わしわししてやった。
フォリスさんが凄く驚いた顔をしている。
「にゃははははは……」
「あっ」
この子猫赤い顔をして、よだれを垂らして、目が半目になって、静かになった。はあはあ、言っているし。
取りあえず、この子猫を抱っこしたまま、岩の上に上がった。
「全員、魔王様の御前です。控えなさい」
フォリスさんが声を上げました。
「ひかえろーーー」
「ひかえろーーー」
兵士達が頭を下げていきます。
敵兵の中にも控える人がいますが、立ったままの人もいます。
「皆さんは、今日この時より、魔王正規軍を名乗ってください」
僕は立っている人を無視して声をかけました。
「うおおおおおおーーーーー」
歓声が上がりました。
「敵兵の皆さんは、我軍に合流するもよし、このまま帰ってもらっても、追い打ちはかけません、のんびりお帰りください」
とぼとぼ、大勢の兵士が移動を始めた。
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