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第八十五話 前哨戦
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翌朝、夜明けと共に街の防壁の上から、弓兵装備で弓兵に混じってアスラ魔王軍の様子を見ています。
アスラ魔王軍は旧魔王軍が、攻める気が無いとみて、ゆっくり朝食を取っているように見えます。
これは挑発も兼ねていますね。
旧魔王軍は、すでに溝の中に身を潜め、アスラ魔王軍の攻めて来るのを待ち構えています。
溝から飛び出して攻める気はまるでないようです。
やがて、食事の火が消えると、アスラ魔王軍はゆっくり街の正面に進軍してきました。
丁度、街の正面に小高い丘があり、そこに幕を張り本陣にしています。
本陣が出来上がると、その前にアスラ魔王軍が整列した。
一万ほどを後方の陣に残し、街の正面には六万の兵が一万ずつ六つに分かれて整列している。
それを受ける旧魔王軍は、街の防壁に弓隊を配置し、街の前の溝に兵士を配置し、予備兵が城に残っている。総勢は四万というところだろうか。
溝の中の兵士は五人で班を構成し、二人が大盾と剣を装備し、二人が長槍と弓を担当し残りの一人は、魔法攻撃をする準備をしている。
全兵士から、一言の話し声も聞こえず、風の音と、甲冑の金属音がカチャカチャ聞こえるだけだった。
「かかれーーーー!!!」
チョカイさんが静寂をやぶり号令をかけると、正方形の固まりが三つ走り出しました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!」
アスラ魔王軍からの雄叫びが上がります。
「射程だー、弓隊放てーーー!!!」
旧魔王軍総大将コウケンさんが防壁の上から声をかけると、溝から弓が放たれます。
アスラ魔王軍重装歩兵隊は、矢の雨に打たれながらも速度を落とさず突き進みます。
「弓隊打て――!!」
チョカイさんが弓隊に指示しました。
重装歩兵に隠れて走っている弓隊が、弓を射かけます。
旧魔王軍は、溝を掘り、掘った土を東側に盛り上げて積み上げています。
矢は溝に体を沈めて盾の下に体を隠すと、全くあたりません。
それに対して、アスラ魔王軍はまるで的です。
大勢の兵士がバタバタ倒れていきます。
倒れた兵士の体はその瞬間消えていきます。
恐らくシャドウの働きでしょう。
「つっこめーーー!!!」
チョカイさんが盾を矢で一杯にしながら、檄を飛ばした。
兵士は溝に到着すると次々飛び込みます。
でも飛び込んだ先も地獄でした。
槍隊が待ち構え、飛込む兵士を次々突き刺していきます。
魔法陣を完成させている兵士は、飛び込む兵士に次々魔法攻撃を打ち込みます。
「ぎゃあああーーーー」
至る所で悲鳴が上がります。
何人も即死している人がいるように見えます。
立てない兵士は次々姿を消しています。
シャドウ達は忙しいでしょう。よい仕事をしてくれているようです。
「大丈夫ですか?」
フォリスさんが僕の腕をつかみ、心配そうに声をかけてくれた。
僕は、はじめて自軍が苦戦する様子を見ている。
僕が無茶な命令をしたために、死者が大勢出ている。
「お嬢、顔色が悪い、城に戻った方がいい。女の子が見るもんじゃない」
ドワードさんがこんな状況なのに優しい。
僕は唇をギュッと結び、首を振った。
「私はこの戦いを見ないといけない気がします」
それしか言えなかった。
その言葉の後、体が震えだし、涙が出そうになっていた。
アスラ魔王軍は旧魔王軍が、攻める気が無いとみて、ゆっくり朝食を取っているように見えます。
これは挑発も兼ねていますね。
旧魔王軍は、すでに溝の中に身を潜め、アスラ魔王軍の攻めて来るのを待ち構えています。
溝から飛び出して攻める気はまるでないようです。
やがて、食事の火が消えると、アスラ魔王軍はゆっくり街の正面に進軍してきました。
丁度、街の正面に小高い丘があり、そこに幕を張り本陣にしています。
本陣が出来上がると、その前にアスラ魔王軍が整列した。
一万ほどを後方の陣に残し、街の正面には六万の兵が一万ずつ六つに分かれて整列している。
それを受ける旧魔王軍は、街の防壁に弓隊を配置し、街の前の溝に兵士を配置し、予備兵が城に残っている。総勢は四万というところだろうか。
溝の中の兵士は五人で班を構成し、二人が大盾と剣を装備し、二人が長槍と弓を担当し残りの一人は、魔法攻撃をする準備をしている。
全兵士から、一言の話し声も聞こえず、風の音と、甲冑の金属音がカチャカチャ聞こえるだけだった。
「かかれーーーー!!!」
チョカイさんが静寂をやぶり号令をかけると、正方形の固まりが三つ走り出しました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!」
アスラ魔王軍からの雄叫びが上がります。
「射程だー、弓隊放てーーー!!!」
旧魔王軍総大将コウケンさんが防壁の上から声をかけると、溝から弓が放たれます。
アスラ魔王軍重装歩兵隊は、矢の雨に打たれながらも速度を落とさず突き進みます。
「弓隊打て――!!」
チョカイさんが弓隊に指示しました。
重装歩兵に隠れて走っている弓隊が、弓を射かけます。
旧魔王軍は、溝を掘り、掘った土を東側に盛り上げて積み上げています。
矢は溝に体を沈めて盾の下に体を隠すと、全くあたりません。
それに対して、アスラ魔王軍はまるで的です。
大勢の兵士がバタバタ倒れていきます。
倒れた兵士の体はその瞬間消えていきます。
恐らくシャドウの働きでしょう。
「つっこめーーー!!!」
チョカイさんが盾を矢で一杯にしながら、檄を飛ばした。
兵士は溝に到着すると次々飛び込みます。
でも飛び込んだ先も地獄でした。
槍隊が待ち構え、飛込む兵士を次々突き刺していきます。
魔法陣を完成させている兵士は、飛び込む兵士に次々魔法攻撃を打ち込みます。
「ぎゃあああーーーー」
至る所で悲鳴が上がります。
何人も即死している人がいるように見えます。
立てない兵士は次々姿を消しています。
シャドウ達は忙しいでしょう。よい仕事をしてくれているようです。
「大丈夫ですか?」
フォリスさんが僕の腕をつかみ、心配そうに声をかけてくれた。
僕は、はじめて自軍が苦戦する様子を見ている。
僕が無茶な命令をしたために、死者が大勢出ている。
「お嬢、顔色が悪い、城に戻った方がいい。女の子が見るもんじゃない」
ドワードさんがこんな状況なのに優しい。
僕は唇をギュッと結び、首を振った。
「私はこの戦いを見ないといけない気がします」
それしか言えなかった。
その言葉の後、体が震えだし、涙が出そうになっていた。
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