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第八十九話 罠?
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国境までは移動魔法で移動した。
ドワーフの国との国境には高い壁があり、数カ所設けられている関所から入国する。
ドワーフの国へ行く理由は、友好と武器の購入について話しをする為です。
どちらもこの先の人間の国との戦いを想定しての事です。
「あんたら四人で入国するのか?」
ドワーフの国への関所には、僕たち以外の入国者がいない。
僕は、今回同行者をフォリスさんと、ジュウドウ、シュラさんにした。
何故なのか、僕はアズサ姿で、フォリスさんはフォルス姿になっている。
敵を欺くならまず味方からとか言って、メイドさんに服を着せてもらいましたが、意味がわかりません。
ドワーフの入国管理の兵士がニヤニヤして、対応しているため何だか嫌な感じがした。
「うむ、入国の手続きは、終ったが本当に入国するのかね?」
別の年配の兵士が聞いて来た。
隊長さんだろうか。
「はい、お願いします」
「では、こちらへ」
奥の部屋へ案内されたが、そこには金属の檻の様な物があるだけだった。
「この関所には、ドワーフ国への出入り口は無い。この檻で転送する。中に入ってくれ」
僕たちは、言われるまま中に入った。
入り口をしっかり閉められた。
入り口の横に、少し大きめの鍵の様な箱がついている。
その箱の穴に上から、赤く光る棒を突き刺そうとする。
「ふふふ、この棒は後ろに魔石がセットされている。それをここに差し込むと、あんたらはわしの国へ、入国することになる。準備はいいかな?」
「はい」
僕が返事をすると、まわりの兵士達が、ひひひと、嫌な声を出して笑い出した。
「では、いくぞ」
ブオォォォーーーン
音と共に僕たちの体は関所の外の檻の中に出た。
すぐ後ろに、さっきの関所がある。
どうやら、ドワーフの国に入国出来た様だ。
ドワーフの国では、こんな技術があるのかと感心した。
ギ、ギ、ギィィィーー
「ぎゃあーはっはっはっはっはっーー」
関所の屋上から僕たちを見下ろし、ドワーフの兵士達が爆笑している。
僕たちの回りにはゴブリンが大量にいる。
十匹、二十匹ではない、数百匹はいる。
「あれはシルバーウルフですね」
狼型の上位モンスターもいます。
でもおかしいですね、ゴブリンとシルバーウルフは自然界では敵対関係です、一緒にいるというのは不自然です。
「あんた達、ほら、これを使え! 中に帰って来られる」
隊長さんが、足下にさっきの魔石のセットされた棒を投げてくれた。
「ありがとうございます」
そう返事をしながら僕たちは、棒を拾おうともせず、ゆっくり檻から外に出ようとします。
「や、やめろーー、わかるじゃろー。その棒を使って帰ってくるのじゃ――。そして、魔人の国に帰るのじゃー」
「ふ、ふっふっふっふっ」
関所の上で隊長も、見物に出て来た十五人程の、兵士達も表情が凍っている。
今度は僕たちが笑う番です。
ドワーフの国との国境には高い壁があり、数カ所設けられている関所から入国する。
ドワーフの国へ行く理由は、友好と武器の購入について話しをする為です。
どちらもこの先の人間の国との戦いを想定しての事です。
「あんたら四人で入国するのか?」
ドワーフの国への関所には、僕たち以外の入国者がいない。
僕は、今回同行者をフォリスさんと、ジュウドウ、シュラさんにした。
何故なのか、僕はアズサ姿で、フォリスさんはフォルス姿になっている。
敵を欺くならまず味方からとか言って、メイドさんに服を着せてもらいましたが、意味がわかりません。
ドワーフの入国管理の兵士がニヤニヤして、対応しているため何だか嫌な感じがした。
「うむ、入国の手続きは、終ったが本当に入国するのかね?」
別の年配の兵士が聞いて来た。
隊長さんだろうか。
「はい、お願いします」
「では、こちらへ」
奥の部屋へ案内されたが、そこには金属の檻の様な物があるだけだった。
「この関所には、ドワーフ国への出入り口は無い。この檻で転送する。中に入ってくれ」
僕たちは、言われるまま中に入った。
入り口をしっかり閉められた。
入り口の横に、少し大きめの鍵の様な箱がついている。
その箱の穴に上から、赤く光る棒を突き刺そうとする。
「ふふふ、この棒は後ろに魔石がセットされている。それをここに差し込むと、あんたらはわしの国へ、入国することになる。準備はいいかな?」
「はい」
僕が返事をすると、まわりの兵士達が、ひひひと、嫌な声を出して笑い出した。
「では、いくぞ」
ブオォォォーーーン
音と共に僕たちの体は関所の外の檻の中に出た。
すぐ後ろに、さっきの関所がある。
どうやら、ドワーフの国に入国出来た様だ。
ドワーフの国では、こんな技術があるのかと感心した。
ギ、ギ、ギィィィーー
「ぎゃあーはっはっはっはっはっーー」
関所の屋上から僕たちを見下ろし、ドワーフの兵士達が爆笑している。
僕たちの回りにはゴブリンが大量にいる。
十匹、二十匹ではない、数百匹はいる。
「あれはシルバーウルフですね」
狼型の上位モンスターもいます。
でもおかしいですね、ゴブリンとシルバーウルフは自然界では敵対関係です、一緒にいるというのは不自然です。
「あんた達、ほら、これを使え! 中に帰って来られる」
隊長さんが、足下にさっきの魔石のセットされた棒を投げてくれた。
「ありがとうございます」
そう返事をしながら僕たちは、棒を拾おうともせず、ゆっくり檻から外に出ようとします。
「や、やめろーー、わかるじゃろー。その棒を使って帰ってくるのじゃ――。そして、魔人の国に帰るのじゃー」
「ふ、ふっふっふっふっ」
関所の上で隊長も、見物に出て来た十五人程の、兵士達も表情が凍っている。
今度は僕たちが笑う番です。
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