魔王

覧都

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第百八話 真打ち登場

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「アスラ様、オウブ主命を終え、ただいま戻りました」

オウブさんが僕の前に歩み出て臣下の礼を取ってくれました。
体が一回り大きくなって、筋肉も立派になっています。

「アスラ様、チョカイ戻りましてございます」

チョカイさんは、相変わらずですね。すでに涙ぐんでいます。
チョカイさんは、オウブさんより筋肉が立派になっています。
さて、オウブさんとどっちが強いのでしょう。

「アスラ様、リョウメイ主命を終え、ただいま戻りました」

リョウメイさんも体が一回り大きくなりましたが、顔の聡明さが上がっているように感じます。
智力が上がっているようですね。

「アスラ様、シジセイ主命を終え、ただいま戻りました」

シジセイさんは、りりしくなって顔の良さが余計に引き立っています。
もはや、笑顔一つで、女の人はいちころですね。

「アスラ様、ロホウ主命を終え、ただいま戻りましてございます」

ふふふ、ロホウさんも十分実力が上がっているようですね。
この人も、金髪碧眼の超美形ですね。
かっこよさも上がりまくっています。

「アスラ様、リコも戻りました」

リコさんも随分……、胸が大きくなっています。
実は、ロホウさんとリコさんは五人より前にレベル上げを命じていました。

「ニャーー!!」

あれ、アドはレベルが上がって……、何も変わっていません。幼児の姿のままです。
さては、サボっていたのかな。

「シャーーーー!!!」

アドが僕に向って飛びかかってきました。
あと少しというところで、フォリスさんにしっぽをつかまれて、びったんびったんされています。
まだまだ、フォリスさんには勝てないようです。

「ふふ、随分強くなっています」

フォリスさんのお墨付きは、貰えたようです。

「皆さん、ご苦労様でした。堅苦しいあいさつはこの位にして、食事でもしながら話しましょう」

僕はボロボロになっている、ファージさん達の目を見て言いました。
四時間後に、食堂で再会することにしました。

部屋を出た僕はメイドさんに囲まれました。

「あーちょっと、今日は真面目な会議ですから。アズサは無しですよ」

この人達は、まるで耳が無いように、うきうき用意をします。

「出来ました。美しいですよ」

出来ちゃいましたかー。
皆、真面目な席なのに、僕だけこんなにふざけていて大丈夫でしょうか。

「皆さん、お揃いです」

ドアの横のメイドさんが、にっこり笑顔になりました。
ドアが開きます。
全員正装でキリリとしています。
あのアドでさえ、ちゃんとしているのに、僕がこれでは……。
僕が入ると全員席を立ち、頭を下げてくれています。

「皆さん、おかけ下さい」

「か、かわいいーー!!」

リコさんが声を上げました。
あーそうか、僕がこの姿なら、皆リラックス出来るというわけですね。
全員に飲み物が配られると、僕の前にはホット紅茶が出ました。
少し喉が渇いているので、冷たい物の方がよかったのですが……。
ファージさんがワインをグイッと飲み干すと口を開いた。

「戦の話しをしても良いのか」

恐い顔です。

「はい」

返事をして全員の顔を見ると、男の魔人は全員恐ろしい顔をしています。
せっかく、僕がふざけた格好をしているのだから、もっと笑顔でいて欲しいのですが。

「ロウロ領、領都へ続く道は、細くて険しい。おまけに整備もされていない。そこに伏兵を置かれるとなすすべがない……」

こうして、ファージさんから敵国の情報を聞きながら食事をした。
そして、魔王軍の名誉挽回の為、僕とレベル上げを済ました、将軍達で再度戦に向うことを決定した。
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