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第百十四話 行く手を阻む壁
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「全軍、ふみつぶせーーーー!!!」
「うおおおおおおおーーーーー!!!!!」
王国軍が喚声を上げます。
その喚声は、大地を振るわすような大きさで、魔王軍を圧倒します。
オウブさんが魔王軍の中央で先頭を走ります。
敵の先頭の、王国騎士団一番隊隊長のヘルさんが、笑いながら騎馬で進んで来ます。
ヘルさんはすれ違いざまオウブさんの頭上に戟を打ち下ろしました。
オウブさんがそれを軽く払うと、戟が凄い勢いで回転しながら飛んで行きます。
その勢いが強すぎる為、ヘルさんの体も宙に浮きオウブさんの後ろに吹き飛ばされて地面にドスンと落ちました。
オウブさんに遅れまいとするスザク達は、落ちたヘルさんを無視して横を走り抜けます。
ヘルさんは、少し上体を起こしましたが、すぐに大の字に倒れ気を失ったようです。横に優しく騎馬が立ち、見守っています。
「クザン! 全てはスザクにかかっています。指揮を頼みますよ」
「はっ、我あるじ!!」
僕がクザンを呼んだのは影武者にする為だけでは無く、シュザクとスザクの指揮をしてもらう為です。
この戦いの勝敗は、全てスザクにかかっていると僕は考えています。
だからこその、クザンなのです。
スザクは現在七人の将軍の後ろを遅れないように、重い大盾を持って走っています。この大盾は、盾と言うより壁と行った方がいい代物です。
これを、七人の将軍の後ろに隙間無く立てて、どんどん押し出そうと考えています。隙間があっては、何にもなりません。
連携を取り、隙間無くグイグイ押す。
人間では考えられない作戦ですが。スザクだから出来ると信じています。
「うおおおおおおーーーー」
オウブさんが敵、歩兵隊にぶつかりました。
大刀付の棍を右へ、左へ振り回します。
その後ろにスザクが重く大きい盾で壁を作りました。
「うりゃああああああーーーーー」
今度はチョカイさんが、敵歩兵隊とぶつかります。
当然、その後ろにスザクが壁を作ります。
そしてオウブさんの後ろの壁と連結します。
同じように残り五人の後ろに壁が出来て、全て連結しました。
「クザン、いよいよです。スザクを前に押し出して下さい」
スザクの盾の幅は一メートルあります。それが横に並ぶと約四キロの長い壁になります。敵王国軍は十五万人の大軍が、四千弱の魔王軍を踏み潰そうと恐ろしい勢いで走り込んできます。
不意に現れた壁が王国軍の行く手をさえぎります。
それは、激流に突然現れたダムのように、兵士の行く手を閉ざし、壁の前で兵士が押しつぶされ、身動きが出来なくなります。
先頭がそんな状態とも知らず後ろは、どんどん前に押し出してきます。
「ぎゃあああああああーーーーー」
そんな、身動きの出来ない敵兵をものともせず、僕の配下の七大将軍は武器を振り回します。
あちこちで、武器を構えることも出来ずに、敵兵は切り刻まれます。
「お、押すなーーー!!」
「か、壁を何とかしろーーーー!!!」
部隊長でしょうか、指示をし始めました。
壁を必死で押す者が現れます。
何十人かで押しているようですが、さすがスザクです。びくともしません。
そんなことをしていて大丈夫でしょうか。
「ぎゃああああああーーーーー!!」
ほら、後ろから大将軍に切り刻まれました。
そして、大将軍の回りに敵兵がいなくなると、壁が押し上がります。
「やめろーーーー、身動きが取れない。さがれーーー。さがれーーー」
まだ、敵兵の全体の流れは前進です。
先頭だけが、後ろに下がろうとしても、混乱が広がるだけです。
「ぎゃあああああーーーーー!!!!」
断末魔の悲鳴が途切れません。
スザクの壁の後ろに無残な敵兵の体が大量に横たわっています。
「うおおおおおおおーーーーー!!!!!」
王国軍が喚声を上げます。
その喚声は、大地を振るわすような大きさで、魔王軍を圧倒します。
オウブさんが魔王軍の中央で先頭を走ります。
敵の先頭の、王国騎士団一番隊隊長のヘルさんが、笑いながら騎馬で進んで来ます。
ヘルさんはすれ違いざまオウブさんの頭上に戟を打ち下ろしました。
オウブさんがそれを軽く払うと、戟が凄い勢いで回転しながら飛んで行きます。
その勢いが強すぎる為、ヘルさんの体も宙に浮きオウブさんの後ろに吹き飛ばされて地面にドスンと落ちました。
オウブさんに遅れまいとするスザク達は、落ちたヘルさんを無視して横を走り抜けます。
ヘルさんは、少し上体を起こしましたが、すぐに大の字に倒れ気を失ったようです。横に優しく騎馬が立ち、見守っています。
「クザン! 全てはスザクにかかっています。指揮を頼みますよ」
「はっ、我あるじ!!」
僕がクザンを呼んだのは影武者にする為だけでは無く、シュザクとスザクの指揮をしてもらう為です。
この戦いの勝敗は、全てスザクにかかっていると僕は考えています。
だからこその、クザンなのです。
スザクは現在七人の将軍の後ろを遅れないように、重い大盾を持って走っています。この大盾は、盾と言うより壁と行った方がいい代物です。
これを、七人の将軍の後ろに隙間無く立てて、どんどん押し出そうと考えています。隙間があっては、何にもなりません。
連携を取り、隙間無くグイグイ押す。
人間では考えられない作戦ですが。スザクだから出来ると信じています。
「うおおおおおおーーーー」
オウブさんが敵、歩兵隊にぶつかりました。
大刀付の棍を右へ、左へ振り回します。
その後ろにスザクが重く大きい盾で壁を作りました。
「うりゃああああああーーーーー」
今度はチョカイさんが、敵歩兵隊とぶつかります。
当然、その後ろにスザクが壁を作ります。
そしてオウブさんの後ろの壁と連結します。
同じように残り五人の後ろに壁が出来て、全て連結しました。
「クザン、いよいよです。スザクを前に押し出して下さい」
スザクの盾の幅は一メートルあります。それが横に並ぶと約四キロの長い壁になります。敵王国軍は十五万人の大軍が、四千弱の魔王軍を踏み潰そうと恐ろしい勢いで走り込んできます。
不意に現れた壁が王国軍の行く手をさえぎります。
それは、激流に突然現れたダムのように、兵士の行く手を閉ざし、壁の前で兵士が押しつぶされ、身動きが出来なくなります。
先頭がそんな状態とも知らず後ろは、どんどん前に押し出してきます。
「ぎゃあああああああーーーーー」
そんな、身動きの出来ない敵兵をものともせず、僕の配下の七大将軍は武器を振り回します。
あちこちで、武器を構えることも出来ずに、敵兵は切り刻まれます。
「お、押すなーーー!!」
「か、壁を何とかしろーーーー!!!」
部隊長でしょうか、指示をし始めました。
壁を必死で押す者が現れます。
何十人かで押しているようですが、さすがスザクです。びくともしません。
そんなことをしていて大丈夫でしょうか。
「ぎゃああああああーーーーー!!」
ほら、後ろから大将軍に切り刻まれました。
そして、大将軍の回りに敵兵がいなくなると、壁が押し上がります。
「やめろーーーー、身動きが取れない。さがれーーー。さがれーーー」
まだ、敵兵の全体の流れは前進です。
先頭だけが、後ろに下がろうとしても、混乱が広がるだけです。
「ぎゃあああああーーーーー!!!!」
断末魔の悲鳴が途切れません。
スザクの壁の後ろに無残な敵兵の体が大量に横たわっています。
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