底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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第百六話 ヘンテコダンス

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 北条が大声で笑うのを見て、連合軍の兵士達も皆、腹を抱えて笑い出した。

「うわあああーはっはっはーーー!!」

 今度は、城内の全員が、指をさし腹を抱えて笑い出した。
 指の先には、真田の重装歩兵が、滑稽なおどりを踊り出し、その動きが面白すぎて笑っているのだ。

 真田の重装歩兵の赤い鎧は、ゴーレムである。
 中の人の動きを先読みして動く事により、アシスト付き自転車のように力を入れなくても行動できる。
 いま、真田の歩兵隊の、腹を抱えて笑う動きは、鎧がどう先読みして良いのか分からず、先読みがバグってしまったのだ。体の揺れに対しての鎧の先読みの動きは、ヘンテコな頭のおかしい滑稽なおどりになっている。

 三百体の重装歩兵が、全員てんでバラバラの頭のおかしいヘンテコダンスを踊る様は、笑いのたがが外れた人達に、さらなる笑いの呼び水となっていた。

「うわあはっはっは!!」

 戸田の殿様がうっすら涙を浮かべて笑っている。

「くっくっくっ……」

 とうとう、笑いながら大粒の涙を流し出した。

「ふふふ、こんなに笑ったのは、隕石騒動以来初めてだ。北条殿感謝します」

「お、おう」

 ちょっとだけふざけたつもりが、こんな大事になり北条は少し慌てていた。

「北条殿、この後はどうなさるおつもりだ」

 伊藤が、北条に質問した。

「うむ、戸田殿聞いてくれ。あんたの事は全面的に信用したいのだが、さすがに、そうも行かないだろう」

「分かっております」

 戸田は、真面目な顔をして一礼した。

「我らの目的はあくまでも信濃平定だ。戸田殿は全軍で、真田の重装歩兵隊の後ろを守ってもらいたい。松本は、北条隊を駐留させる。もちろん住民の安全は保証する。もし、略奪や虐殺などをするような者がいれば、死罪だ。これは、厳正に執り行う。信用して欲しい」

「もちろんでございます」

「では、軍議を始めよう」

 こうして、真田、伊藤、北条の連合軍は、信濃攻略の第一歩を無事終える事が出来た。
 この後、柳川が松本城の仮城主となり、松本に入った。

「柳川様、大殿からの使者あずさ様が、甲斐にお見えになりました」

 そんな柳川のもとに、甲斐からの使者が来た。

「うむ、何と言っておられたのだ?」

「はっ、大殿が、尾張に大田家を旗揚げされたとの事、つきましては木田家の使者として遊びに来て欲しいとのことです」

「まさか、尾張まで平定したのか。こっちはやっと松本が終った所なのに! わかった、余裕が出来たらすぐに向う」

「はい、では失礼します」

 こうして、柳川は、大急ぎで松本の状況を把握して、数日の後に名古屋城に向った。
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