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第百五十七話 激突
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「あれは、何かの陣形でしょうか」
伊達が聞いて来た。
「恐らく陣形じゃ無いな。戦闘経験も無い、無理矢理連れてこられた男達が、恐怖で自然に固まってしまった感じがする」
「では、木田軍の圧勝でしょうか」
「それは、分からない。むしろ今回はそれを知る為の戦いだ。ボクシングで言えば、ジャブなのさ。相手の力量も分からないのにいきなり大振りのパンチを撃つ奴はいないだろ。まあ、柴田軍も何も無しでは来ていないだろうしな」
「鉄砲隊、前えーー!!」
言葉と共に、柴田軍の人混みから、機関銃を持った部隊が前に出た。
「前田隊、整列!!」
機関銃隊が整列すると、その後ろで、警察の機動隊のような装備をした部隊が、整列しだした。
「どけよ! お前ら、じゃまだーー!!」
前田隊が、周りにいる兵士を蹴ってどけている。
「ふむ、前面に機関銃隊が整列し、その間を機動部隊が整列したようですなー」
「うむ、恐らく、上杉軍は機関銃で壊滅したのだろう」
「撃てーー!!!!」
ガガガガガガーーーーーーー
機関銃が火を噴いた。
カンカン、コンコン
木田の歩兵隊に弾があたり、何かの音楽のように音が鳴り出した。
「うっ、うわあああああーーーー!!!!」
「な、何なんだあれは!!」
「誰だよ! あんなのは見せかけだけだと言ったのはーーー!!!」
「ほ、本物のロボだーー!!!」
「自衛隊は密かにあんな兵器を完成させていたのかーーー!!!」
敵の機関銃隊が、叫びだした。
弾切れの為か、銃撃が止まった。
数千発、いや数万発の弾丸が戦場に落ちているだろう。
木田軍と、真田軍に主力を出していた上杉軍の留守番隊は、この攻撃で全滅したのだろう。
「すげーー!!」
伊達が驚いている。
「うむ、すごいなー。あれほどの火力を用意しているとは。俺は、戦国時代のいくさを想定していたよ」
と、言っても信長の野望とか、ゲームでの戦闘シーンを想定していただけだ。
あれだけの銃撃があるなら、塹壕くらいは用意しないといけない。
「ち、違います。あの攻撃で、木田軍はノーダメージじゃないですか。それに驚いているのです」
「そ、そんなことか。それは銃撃、それだけじゃねえ10式戦車の砲撃をも想定して作っている。防げて当たり前だ」
「そ、そんなこと!? あたりまえ……」
「それより、レールガンとかレーザー砲とかはねえよなあ。持っていたら耐えられるかどうか」
「うわーーっ、もう弾丸が無いーー!!」
「うろたえるなーー!! 敵に銃撃は無い! 前田隊いくぞーーー!!」
一人の体のでかい美形の男が叫んだ。
実際、木田軍は、真田の進言で武装をしていない。
そこを看破したようだ。
「どけーー!!!」
うろたえる鉄砲隊を吹飛ばし、盾を持ち防弾装備を着用した部隊が、抜けてきた。
「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」
雄叫びを上げ、薄く広がった木田軍を一点突破するつもりだ。
狙いは、ここ、木田軍本陣だろう。
「させるなーー!!!」
中央を守るゲン軍が、前田隊の前面をふさごうと、守りを厚くした。
「ふふふ、両翼、真田隊と加藤隊を動かしますか。あの部隊は木田軍でも最強です」
真田隊も、尾張の加藤隊も隕石騒ぎから、ずっと殺し合いを繰り返し、それを勝ち残ってきた部隊だ。
その戦闘経験は、ゲン一家をも圧倒している。
そして、その真田隊も加藤隊も機動力重視の装備にしてある。
柴田軍はどの位耐えられるのだろうか。
「さ、最強……ゴクリ」
伊達が、俺の言葉を聞いて、ツバを飲み込んだ。
「真田隊、加藤隊、敵柴田軍に突入せよ」
俺は、近くの大声担当に伝えた。
「真田隊、加藤隊、突撃ーーーーーー!!!!!」
その言葉が次々前線に送られていく。
ここから、見ていると中央を敵、前田隊が前進し、その前をふさぐようにゲン軍が集っている。
そして、両端の三百人ずつの真田隊と加藤隊が前に進み出す。
「すげー、これが戦争かーー」
「おいっ! これが戦争かーーって、どういうことだ」
「へへへっ、俺は全軍突撃しか、したことがありません」
伊達が、頭を掻いている。
こ、こいつ、よく生き残っていたよなー。
柴田軍と戦っていたら、とっくに全滅しているぞ。
中央の前田隊とゲン軍がぶつかった。
恐らく、前田隊が柴田軍最強の鉾なのだろう。
「突き破れーー、目標は敵本陣だーー」
「させるなーー!!」
「ぐわああああああーーーーーーー!!!」
ゲン軍は、突っ込んでくる、前田隊を殴り飛ばす。
殴られた者達が、数メートル吹飛ばされて動かなくなった。
分厚い防弾装備をつけているが、全身の骨が損傷しているのだろう。
「いけーーーー!!!」
そのゲン隊を抜けて出た者達が、本陣を目指すがその前には、ゲンとポンの天夕改が、待ち構えている。
「うわあああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!」
戦場に一際大きな悲鳴が上がった。
真田隊と、加藤隊が、柴田軍に突っ込んだのだ。
アニメで見た景色が見える。
大勢の人の固まりの中から人が数メートル宙に飛んでいる。
まるで、飛将呂布奉先が暴れているようだ。
ここから見ているとイワシの群れに二匹のサメが突っ込んだみたいになっている。
「くそがーーーーー!!!!!!」
中央では、ポンの赤い機動戦闘陸鎧天夕改に前田が捕まっていた。
「しずまれーーーーーー!!!!!!! しずまれーーーーーーー!!!!」
戦場に大きな声がこだました。
伊達が聞いて来た。
「恐らく陣形じゃ無いな。戦闘経験も無い、無理矢理連れてこられた男達が、恐怖で自然に固まってしまった感じがする」
「では、木田軍の圧勝でしょうか」
「それは、分からない。むしろ今回はそれを知る為の戦いだ。ボクシングで言えば、ジャブなのさ。相手の力量も分からないのにいきなり大振りのパンチを撃つ奴はいないだろ。まあ、柴田軍も何も無しでは来ていないだろうしな」
「鉄砲隊、前えーー!!」
言葉と共に、柴田軍の人混みから、機関銃を持った部隊が前に出た。
「前田隊、整列!!」
機関銃隊が整列すると、その後ろで、警察の機動隊のような装備をした部隊が、整列しだした。
「どけよ! お前ら、じゃまだーー!!」
前田隊が、周りにいる兵士を蹴ってどけている。
「ふむ、前面に機関銃隊が整列し、その間を機動部隊が整列したようですなー」
「うむ、恐らく、上杉軍は機関銃で壊滅したのだろう」
「撃てーー!!!!」
ガガガガガガーーーーーーー
機関銃が火を噴いた。
カンカン、コンコン
木田の歩兵隊に弾があたり、何かの音楽のように音が鳴り出した。
「うっ、うわあああああーーーー!!!!」
「な、何なんだあれは!!」
「誰だよ! あんなのは見せかけだけだと言ったのはーーー!!!」
「ほ、本物のロボだーー!!!」
「自衛隊は密かにあんな兵器を完成させていたのかーーー!!!」
敵の機関銃隊が、叫びだした。
弾切れの為か、銃撃が止まった。
数千発、いや数万発の弾丸が戦場に落ちているだろう。
木田軍と、真田軍に主力を出していた上杉軍の留守番隊は、この攻撃で全滅したのだろう。
「すげーー!!」
伊達が驚いている。
「うむ、すごいなー。あれほどの火力を用意しているとは。俺は、戦国時代のいくさを想定していたよ」
と、言っても信長の野望とか、ゲームでの戦闘シーンを想定していただけだ。
あれだけの銃撃があるなら、塹壕くらいは用意しないといけない。
「ち、違います。あの攻撃で、木田軍はノーダメージじゃないですか。それに驚いているのです」
「そ、そんなことか。それは銃撃、それだけじゃねえ10式戦車の砲撃をも想定して作っている。防げて当たり前だ」
「そ、そんなこと!? あたりまえ……」
「それより、レールガンとかレーザー砲とかはねえよなあ。持っていたら耐えられるかどうか」
「うわーーっ、もう弾丸が無いーー!!」
「うろたえるなーー!! 敵に銃撃は無い! 前田隊いくぞーーー!!」
一人の体のでかい美形の男が叫んだ。
実際、木田軍は、真田の進言で武装をしていない。
そこを看破したようだ。
「どけーー!!!」
うろたえる鉄砲隊を吹飛ばし、盾を持ち防弾装備を着用した部隊が、抜けてきた。
「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」
雄叫びを上げ、薄く広がった木田軍を一点突破するつもりだ。
狙いは、ここ、木田軍本陣だろう。
「させるなーー!!!」
中央を守るゲン軍が、前田隊の前面をふさごうと、守りを厚くした。
「ふふふ、両翼、真田隊と加藤隊を動かしますか。あの部隊は木田軍でも最強です」
真田隊も、尾張の加藤隊も隕石騒ぎから、ずっと殺し合いを繰り返し、それを勝ち残ってきた部隊だ。
その戦闘経験は、ゲン一家をも圧倒している。
そして、その真田隊も加藤隊も機動力重視の装備にしてある。
柴田軍はどの位耐えられるのだろうか。
「さ、最強……ゴクリ」
伊達が、俺の言葉を聞いて、ツバを飲み込んだ。
「真田隊、加藤隊、敵柴田軍に突入せよ」
俺は、近くの大声担当に伝えた。
「真田隊、加藤隊、突撃ーーーーーー!!!!!」
その言葉が次々前線に送られていく。
ここから、見ていると中央を敵、前田隊が前進し、その前をふさぐようにゲン軍が集っている。
そして、両端の三百人ずつの真田隊と加藤隊が前に進み出す。
「すげー、これが戦争かーー」
「おいっ! これが戦争かーーって、どういうことだ」
「へへへっ、俺は全軍突撃しか、したことがありません」
伊達が、頭を掻いている。
こ、こいつ、よく生き残っていたよなー。
柴田軍と戦っていたら、とっくに全滅しているぞ。
中央の前田隊とゲン軍がぶつかった。
恐らく、前田隊が柴田軍最強の鉾なのだろう。
「突き破れーー、目標は敵本陣だーー」
「させるなーー!!」
「ぐわああああああーーーーーーー!!!」
ゲン軍は、突っ込んでくる、前田隊を殴り飛ばす。
殴られた者達が、数メートル吹飛ばされて動かなくなった。
分厚い防弾装備をつけているが、全身の骨が損傷しているのだろう。
「いけーーーー!!!」
そのゲン隊を抜けて出た者達が、本陣を目指すがその前には、ゲンとポンの天夕改が、待ち構えている。
「うわあああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!」
戦場に一際大きな悲鳴が上がった。
真田隊と、加藤隊が、柴田軍に突っ込んだのだ。
アニメで見た景色が見える。
大勢の人の固まりの中から人が数メートル宙に飛んでいる。
まるで、飛将呂布奉先が暴れているようだ。
ここから見ているとイワシの群れに二匹のサメが突っ込んだみたいになっている。
「くそがーーーーー!!!!!!」
中央では、ポンの赤い機動戦闘陸鎧天夕改に前田が捕まっていた。
「しずまれーーーーーー!!!!!!! しずまれーーーーーーー!!!!」
戦場に大きな声がこだました。
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