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北と南の戦い
第三百六話 帯広戦
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「北海道というのは、すげーなー! 大地がまりいぜ。地球が球だと言われたら素直に信じられるぜ」
ゲン様が言いました。ゲン様は真っ黒な機動陸鎧、激豚君に乗っています。お尻に激豚の文字が浮き出ていてダサいです。
私達は帯広の街の東方、国道38号線の上空を移動しています。
外はまだ肌寒いのですが、私の黒い機動陸鎧の天影の中は快適です。大殿が忍者の様なシルエットにして作ってくれました。今は透明化して三人に追従しています。
部下の報告では、北海道国軍は解放軍の塹壕をそのまま流用して迎撃の準備を完了しているとの事です。
二十キロ北方に19式装輪自走155ミリりゅう弾砲を主力にした榴弾砲部隊が展開しているとの事、強力な攻撃が予想されます。
「雲が弧をえがいているように見えます。青空と真っ白な雲のコントラストが美しい! こんな気持ちのいい天気の日に戦争とは愚かな事です」
島津豊久様が言いました。豊久様は真っ赤な機動陸鎧の天夕改に乗っています。
先日、名古屋の中学生が、腕をちょん切ったと聞きました。
北海道国軍の攻撃に耐えられるのか心配です。
「豊久殿は意外と詩人のようですなあ」
伊達正宗様が言いました。
伊達様は緑の機動陸鎧天竜の伊達様専用鎧、独眼竜に乗っています。なぜか眼帯までしていますので、とてもわかりやすいです。
帯広の街を抜けると、いよいよ北海道国軍の姿が見えてきます。
緑の大地の所々に、土嚢が積まれて銃口が見えます。
戦車の姿も見えますね。弧のように配置されています。
北海道国軍は三万数千人、ゲン様の挑発に乗り大量の武器を持って来ているようです。
戦場は、誰もいないのかと思えるほど静かです。
「おうっ、なんだあれは! あのロボは羽も無いのに飛べるのか?」
スピーカーから声が聞こえました。
国軍大臣様の声です。
わざわざ前線まで来たのですね。
「き、きさまーー!! 汚いぞーー!! 二機で来ると言ったくせに三機いるじゃないかー!! 卑怯者めーー!!!!」
実際には四人いますけどね。
じゃなくて、それだけの大人数で来ていて、一人増えたぐらいで汚いって、まじですか? しんじられません!
「はあーーはっはっは!! いいじゃねえか一人くれー、まあ俺は見学するだけだ、攻撃されなきゃあ手は出さねえよ。約束通り戦うのは赤いのと緑だけだ」
「そ、そうか。そんならいいんだ。ひひひ」
大臣様が笑うと、ドローンが大量に三人の回りを飛びます。
まだ、こんな物が動かせるのですね。
北海道は、今は世界一の先進国かもしれません。
この調子では戦闘機まで飛んでくるかもしれません。
「大臣、準備完了しました」
「うむ、攻撃開始だ。馬鹿が一撃で死にくされ!!」
大臣の攻撃開始の合図で、三人の回りで爆発が起きました。
榴弾砲の攻撃でしょうか。ゲン様の激豚君にいきなり命中しました。
高い命中率ですね。
「おいおい、俺は見学と言ったはずだぜ」
「うるさいんだよ!! って、何だと!!?? 徹甲弾だぞ! なんで立っていられるんだーー!! くそう!! 全軍総攻撃だーー!!!!!!」
大臣の声で一斉に攻撃が始まりました。
さすがに何発か砲撃が同時に当たると、バランスを崩しているようですが、壊れる様子はありません。
激しい射撃と、爆発で三人の機動陸鎧の姿が見えなくなりました。
煙がうっとうしいのと、地面が掘られるため三人は、少しずつ歩いて前進しています。どうやら、豊久様の天夕改もなんともないみたいです。
って、この北海道国軍の攻撃でも壊れないのに、こんな物を中学生がどうやって壊したんですかーー!?
「あれを出せ!!」
大臣が奥の手を出すようです。
なにか、遠くで大きな音がします。
「す、すごい!! これだけの攻撃をうけてもなんともない」
豊久様が、感動しているみたいですね。
私も感動です。
もはや、連邦の白い奴よりすごい気がします。
「喜ぶのはまだ早いみたいだぜ」
ゲン様が空を指さしました。
隠してあった、攻撃ヘリ部隊が登場しました。
そして、西の空にジェット機の姿も見えます。
対地ミサイルとガトリング砲でもお見舞いするつもりでしょうか。
私は専門家じゃ無いのでわかりませんが、徹甲弾より威力が上なのでしょうか?
「これは、自衛隊の演習より、すげー攻撃なのでしょうなあ」
伊達様が、のんきにジェット機の来る方を見つめています。
せっかく煙をよけて出て来ているのに、すぐに煙にまかれてしまいます。
射程に入った為でしょうか、土嚢の後ろから機関銃の攻撃も始まりました。
ゴオオォォォという爆音と共にジェット機が来ます。
ドオンという音と共に機動陸鎧に爆発が起きました。
姿が煙の中に消えて見えなくなりました。
大丈夫でしょうか。
「ひゅぅーー!! すげー衝撃です!」
豊久様の声が聞こえます。
どうやら無事みたいです。
「なっ、何をしている!! どんどんうてーーーー!!!! どんどんぶちころせーーー!!!!!!」
大臣の怒鳴り声です。
すでに悲鳴のように聞こえます。
恐らく目一杯攻撃していると思いますよ。
ゲン様は激しい攻撃の中、慌てずゆっくり歩いています。
きっと、北海道国軍の弾薬を使い切らせるつもりなのでしょう。
ゲン様が言いました。ゲン様は真っ黒な機動陸鎧、激豚君に乗っています。お尻に激豚の文字が浮き出ていてダサいです。
私達は帯広の街の東方、国道38号線の上空を移動しています。
外はまだ肌寒いのですが、私の黒い機動陸鎧の天影の中は快適です。大殿が忍者の様なシルエットにして作ってくれました。今は透明化して三人に追従しています。
部下の報告では、北海道国軍は解放軍の塹壕をそのまま流用して迎撃の準備を完了しているとの事です。
二十キロ北方に19式装輪自走155ミリりゅう弾砲を主力にした榴弾砲部隊が展開しているとの事、強力な攻撃が予想されます。
「雲が弧をえがいているように見えます。青空と真っ白な雲のコントラストが美しい! こんな気持ちのいい天気の日に戦争とは愚かな事です」
島津豊久様が言いました。豊久様は真っ赤な機動陸鎧の天夕改に乗っています。
先日、名古屋の中学生が、腕をちょん切ったと聞きました。
北海道国軍の攻撃に耐えられるのか心配です。
「豊久殿は意外と詩人のようですなあ」
伊達正宗様が言いました。
伊達様は緑の機動陸鎧天竜の伊達様専用鎧、独眼竜に乗っています。なぜか眼帯までしていますので、とてもわかりやすいです。
帯広の街を抜けると、いよいよ北海道国軍の姿が見えてきます。
緑の大地の所々に、土嚢が積まれて銃口が見えます。
戦車の姿も見えますね。弧のように配置されています。
北海道国軍は三万数千人、ゲン様の挑発に乗り大量の武器を持って来ているようです。
戦場は、誰もいないのかと思えるほど静かです。
「おうっ、なんだあれは! あのロボは羽も無いのに飛べるのか?」
スピーカーから声が聞こえました。
国軍大臣様の声です。
わざわざ前線まで来たのですね。
「き、きさまーー!! 汚いぞーー!! 二機で来ると言ったくせに三機いるじゃないかー!! 卑怯者めーー!!!!」
実際には四人いますけどね。
じゃなくて、それだけの大人数で来ていて、一人増えたぐらいで汚いって、まじですか? しんじられません!
「はあーーはっはっは!! いいじゃねえか一人くれー、まあ俺は見学するだけだ、攻撃されなきゃあ手は出さねえよ。約束通り戦うのは赤いのと緑だけだ」
「そ、そうか。そんならいいんだ。ひひひ」
大臣様が笑うと、ドローンが大量に三人の回りを飛びます。
まだ、こんな物が動かせるのですね。
北海道は、今は世界一の先進国かもしれません。
この調子では戦闘機まで飛んでくるかもしれません。
「大臣、準備完了しました」
「うむ、攻撃開始だ。馬鹿が一撃で死にくされ!!」
大臣の攻撃開始の合図で、三人の回りで爆発が起きました。
榴弾砲の攻撃でしょうか。ゲン様の激豚君にいきなり命中しました。
高い命中率ですね。
「おいおい、俺は見学と言ったはずだぜ」
「うるさいんだよ!! って、何だと!!?? 徹甲弾だぞ! なんで立っていられるんだーー!! くそう!! 全軍総攻撃だーー!!!!!!」
大臣の声で一斉に攻撃が始まりました。
さすがに何発か砲撃が同時に当たると、バランスを崩しているようですが、壊れる様子はありません。
激しい射撃と、爆発で三人の機動陸鎧の姿が見えなくなりました。
煙がうっとうしいのと、地面が掘られるため三人は、少しずつ歩いて前進しています。どうやら、豊久様の天夕改もなんともないみたいです。
って、この北海道国軍の攻撃でも壊れないのに、こんな物を中学生がどうやって壊したんですかーー!?
「あれを出せ!!」
大臣が奥の手を出すようです。
なにか、遠くで大きな音がします。
「す、すごい!! これだけの攻撃をうけてもなんともない」
豊久様が、感動しているみたいですね。
私も感動です。
もはや、連邦の白い奴よりすごい気がします。
「喜ぶのはまだ早いみたいだぜ」
ゲン様が空を指さしました。
隠してあった、攻撃ヘリ部隊が登場しました。
そして、西の空にジェット機の姿も見えます。
対地ミサイルとガトリング砲でもお見舞いするつもりでしょうか。
私は専門家じゃ無いのでわかりませんが、徹甲弾より威力が上なのでしょうか?
「これは、自衛隊の演習より、すげー攻撃なのでしょうなあ」
伊達様が、のんきにジェット機の来る方を見つめています。
せっかく煙をよけて出て来ているのに、すぐに煙にまかれてしまいます。
射程に入った為でしょうか、土嚢の後ろから機関銃の攻撃も始まりました。
ゴオオォォォという爆音と共にジェット機が来ます。
ドオンという音と共に機動陸鎧に爆発が起きました。
姿が煙の中に消えて見えなくなりました。
大丈夫でしょうか。
「ひゅぅーー!! すげー衝撃です!」
豊久様の声が聞こえます。
どうやら無事みたいです。
「なっ、何をしている!! どんどんうてーーーー!!!! どんどんぶちころせーーー!!!!!!」
大臣の怒鳴り声です。
すでに悲鳴のように聞こえます。
恐らく目一杯攻撃していると思いますよ。
ゲン様は激しい攻撃の中、慌てずゆっくり歩いています。
きっと、北海道国軍の弾薬を使い切らせるつもりなのでしょう。
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