底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

文字の大きさ
306 / 428
北と南の戦い

第三百六話 帯広戦

しおりを挟む
「北海道というのは、すげーなー! 大地がまりいぜ。地球が球だと言われたら素直に信じられるぜ」

 ゲン様が言いました。ゲン様は真っ黒な機動陸鎧、激豚君に乗っています。お尻に激豚の文字が浮き出ていてダサいです。

 私達は帯広の街の東方、国道38号線の上空を移動しています。
 外はまだ肌寒いのですが、私の黒い機動陸鎧の天影の中は快適です。大殿が忍者の様なシルエットにして作ってくれました。今は透明化して三人に追従しています。

 部下の報告では、北海道国軍は解放軍の塹壕をそのまま流用して迎撃の準備を完了しているとの事です。
 二十キロ北方に19式装輪自走155ミリりゅう弾砲を主力にした榴弾砲部隊が展開しているとの事、強力な攻撃が予想されます。

「雲が弧をえがいているように見えます。青空と真っ白な雲のコントラストが美しい! こんな気持ちのいい天気の日に戦争とは愚かな事です」

 島津豊久様が言いました。豊久様は真っ赤な機動陸鎧の天夕改に乗っています。
 先日、名古屋の中学生が、腕をちょん切ったと聞きました。
 北海道国軍の攻撃に耐えられるのか心配です。

「豊久殿は意外と詩人のようですなあ」

 伊達正宗様が言いました。
 伊達様は緑の機動陸鎧天竜の伊達様専用鎧、独眼竜に乗っています。なぜか眼帯までしていますので、とてもわかりやすいです。

 帯広の街を抜けると、いよいよ北海道国軍の姿が見えてきます。
 緑の大地の所々に、土嚢が積まれて銃口が見えます。
 戦車の姿も見えますね。弧のように配置されています。
 北海道国軍は三万数千人、ゲン様の挑発に乗り大量の武器を持って来ているようです。
 戦場は、誰もいないのかと思えるほど静かです。

「おうっ、なんだあれは! あのロボは羽も無いのに飛べるのか?」

 スピーカーから声が聞こえました。
 国軍大臣様の声です。
 わざわざ前線まで来たのですね。

「き、きさまーー!! 汚いぞーー!! 二機で来ると言ったくせに三機いるじゃないかー!! 卑怯者めーー!!!!」

 実際には四人いますけどね。
 じゃなくて、それだけの大人数で来ていて、一人増えたぐらいで汚いって、まじですか? しんじられません!

「はあーーはっはっは!! いいじゃねえか一人くれー、まあ俺は見学するだけだ、攻撃されなきゃあ手は出さねえよ。約束通り戦うのは赤いのと緑だけだ」

「そ、そうか。そんならいいんだ。ひひひ」

 大臣様が笑うと、ドローンが大量に三人の回りを飛びます。
 まだ、こんな物が動かせるのですね。
 北海道は、今は世界一の先進国かもしれません。
 この調子では戦闘機まで飛んでくるかもしれません。

「大臣、準備完了しました」

「うむ、攻撃開始だ。馬鹿が一撃で死にくされ!!」

 大臣の攻撃開始の合図で、三人の回りで爆発が起きました。
 榴弾砲の攻撃でしょうか。ゲン様の激豚君にいきなり命中しました。
 高い命中率ですね。

「おいおい、俺は見学と言ったはずだぜ」

「うるさいんだよ!! って、何だと!!?? 徹甲弾だぞ! なんで立っていられるんだーー!! くそう!! 全軍総攻撃だーー!!!!!!」

 大臣の声で一斉に攻撃が始まりました。
 さすがに何発か砲撃が同時に当たると、バランスを崩しているようですが、壊れる様子はありません。
 激しい射撃と、爆発で三人の機動陸鎧の姿が見えなくなりました。
 煙がうっとうしいのと、地面が掘られるため三人は、少しずつ歩いて前進しています。どうやら、豊久様の天夕改もなんともないみたいです。
 って、この北海道国軍の攻撃でも壊れないのに、こんな物を中学生がどうやって壊したんですかーー!?

「あれを出せ!!」

 大臣が奥の手を出すようです。
 なにか、遠くで大きな音がします。

「す、すごい!! これだけの攻撃をうけてもなんともない」

 豊久様が、感動しているみたいですね。
 私も感動です。
 もはや、連邦の白い奴よりすごい気がします。

「喜ぶのはまだ早いみたいだぜ」

 ゲン様が空を指さしました。
 隠してあった、攻撃ヘリ部隊が登場しました。
 そして、西の空にジェット機の姿も見えます。
 対地ミサイルとガトリング砲でもお見舞いするつもりでしょうか。
 私は専門家じゃ無いのでわかりませんが、徹甲弾より威力が上なのでしょうか?

「これは、自衛隊の演習より、すげー攻撃なのでしょうなあ」

 伊達様が、のんきにジェット機の来る方を見つめています。
 せっかく煙をよけて出て来ているのに、すぐに煙にまかれてしまいます。
 射程に入った為でしょうか、土嚢の後ろから機関銃の攻撃も始まりました。
 ゴオオォォォという爆音と共にジェット機が来ます。
 ドオンという音と共に機動陸鎧に爆発が起きました。
 姿が煙の中に消えて見えなくなりました。
 大丈夫でしょうか。

「ひゅぅーー!! すげー衝撃です!」

 豊久様の声が聞こえます。
 どうやら無事みたいです。

「なっ、何をしている!! どんどんうてーーーー!!!! どんどんぶちころせーーー!!!!!!」

 大臣の怒鳴り声です。
 すでに悲鳴のように聞こえます。
 恐らく目一杯攻撃していると思いますよ。
 ゲン様は激しい攻撃の中、慌てずゆっくり歩いています。
 きっと、北海道国軍の弾薬を使い切らせるつもりなのでしょう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

処理中です...