底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

文字の大きさ
347 / 428
九州激闘編

第三百四十七話 勝負の行方

しおりを挟む
「うがあああああーーーーーー!!!!!!」

 島津軍の中で最初に敵軍とぶつかったのは、右翼の真田十勇士隊三好青海入道様です。
 この方は真田家主催の武術大会で優勝した、真田隊最強で最も体の大きい猛将です。
 大声を出し両手を開いて敵軍に突っ込むと、五人の敵兵に激突しました。

「うぎゃあああああーーーーーー!!!!!」

 赤池隊も走っていましたので、その激突のパワーはすさまじいものでした。
 吹飛んだのは、赤池隊の兵士です。
 敵兵五人は、吹飛ぶときに大勢の兵士を巻き込みながら飛んで行きます。

「おりゃあああああーーーーーー!!!!!! ちいぃ一番槍はのがしたかーーー!!!!」

 二番目に敵軍に飛び込んだのは左翼の安東常久様でした。
 安東様に飛ばされた兵士はすさまじいスピードで飛んで行きます。
 直撃を受けた兵士は全身から力がなくなり、くにゃくにゃしながら吹飛びます。

 いけません。恐らく即死ですね。
 安東常久様は、まだ加減がうまく出来ない……それともアドレナリンが出過ぎて、力が入りすぎているのでしょうか。
 ぶつかられた兵士は、高速で走るダンプの直撃を受けた位の衝撃でしょう。
 巻き込まれた兵士が何十人も倒れ、ピクリとも動きません。

「ぎゃああああああーーーーーーー!!!!!!!」

 次々、真田十勇士隊が敵軍に飛び込むと、敵兵は阿鼻叫喚の地獄絵図になりました。
 耳をふさぎたくなるような悲鳴が上がります。
 遅れて安東隊も、敵兵に次々突っ込みます。
 真田十勇士隊の比では無いほどの悲鳴が上がりました。
 いけません、犠牲者が増えています。

「なっ、なにーーっ!! な、な、ななななななんだーー!! これわああーーーーー!!!!!!」

 物見櫓から様子を見ていた相良様が、しゃがみ込んで驚いています。

「くそーーっ!! 赤池隊ー!!!! 前を開けよーーー!!!!」
「深水たーーい!!!! 前を、前をあけよーーーー!!!!」

 三好様と安東様が隊の中央あたりまで進んだ所で、赤池様と深水様が声を上げました。
 この声を聞くと、真田十勇士隊も安東隊も手を止めました。
 相良軍全軍が動きを止めると、右翼、左翼の中央がサーーッと丸く開いていきます。
 サークルの中央に一人ずつ将が進み出ます。
 そして、三好様と安東様がゆっくり、サークルの中央に進み出ます。

「俺の相手は、深水か!!」

 安東様がつまらなそうに言いました。

「ききき、貴様ー!! ぐろうする気かーー!!」

 深水様が怒りをあらわにしました。

「おぬし、名は何と言う?」

 赤池殿が、三好様に聞きました。

「わが名は、三好青海入道」

「な、なな、にゃにーー!!!! みみみ、三好青海入道ーー!!!!」

 赤池殿はなんだか興奮しています。
 まさか真田十勇士が好きなのでしょうか。

「ほ、ほ、ほんものだーー!! 本物はこんなにゴリラみたいな顔なのかー」

 いえいえ、そんなわけがありませんよ。
 おかしな人が多いですねえ。

「ちっ!」

 三好様が赤い顔をして舌打ちをしました。
 うれしがられて、まんざらでも無かったのに、ゴリラと言われて気分を害した。そんな感じでしょうか。

「いくぞーー!!!!」

 赤池様と深水様の声がそろいました。

「うぎゃあああーーーーーーーー!!!!!!」

 二人が吹飛ぶのも同じでした。
 あっという間です。実力不足ですね。
 安東様も、今度はうまく手加減が出来たみたいです。
 二人とも倒れてはいますが死ななかったようです。
 赤池殿と深水殿が武器を振りかぶった瞬間に、三好様も安東様も、目にも止まらぬ速さで移動すると掌底で吹飛ばしました。二人は何が起きたかもわからなかったでしょう。
 安東様と三好様は、倒れている二人の襟をつかみ、ズルズル自軍の方へ運びます。

「く、くそーーっ!! 全軍撤退だーー!!」

 相良様が物見櫓から駆け下りながら叫びます。

「桃井さん!!!!」

 島津義弘様が叫びました。

「ええっ!! 私ーーっ!!」

 急に私の名前を呼ばれて、思わず声を出してしまいました。

「くっ、くせ者ーー!! であえーー!! であえーー!!!!」

 相良様を守る守備隊が、守りを固め武器を構えました。
 私は透明化を解除しました。

「忍者だー! うぎゃあ」
「ぐあっ」
「げっ」
「ぐはっ」
「ぐわああああーーーー!!!!」

 私は最小限の敵に掌底を合せ、相良様に掌底を合せると相良様が一番大きな叫び声を出しました。
 そして、相良様の襟首をつかんで、中央の密集した敵兵の肩の上を、ぴょんぴょん飛び越え、島津義弘様の前まで走りました。

「はははは、今日一番のお手柄は桃井さんですなあ!!!!」

「はあぁーー!!!!」

 私はドサッと相良様を地面に落とすと、義弘様を見つめました。
 義弘様は少しバツがわるそうな顔をすると、大きく息を吸い込みました。

「相良晴広! 捕らえたりーー!!!!」

「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」

 島津軍から歓声が上がりました。
 この声を聞くと、相良軍はガックリひざをつきました。

 捕らえられた相楽様と赤池様、そして深水様は拘束具で拘束され、義弘様の前に座らされました。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...