底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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あずさと札幌ライフ

第三百九十五話 決着

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「ぐあああーーーー!!!!」
「うげぇぇぇーー!!」
「がはっ!!」
「ぎゃあぁぁーー!!」
「ぐがっ!!」

 五人のアンナメーダーマンが襲いかかる男達とぶつかった。
 一瞬で五人が倒れた。

「すごい、シューパー戦隊みたいです」

 ユキちゃんも日曜の朝は見ていたのだろうか、瞳をキラキラさせて見つめている。

「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!!」

 再びアンナメーダーマンの声が聞こえる。
 男達は、バタバタ倒れていく。

「なな、な、なんなんだ! なんなんだーー!! こいつらはよう!!」

 一番人相の悪い親分を除いて、うろたえている。
 人相の悪い親分こそが、この闇市をしきる親分だ。
 その表情は、だから言ったじゃねえか「こいつらは普通じゃねえ」ってよう。そんな表情をしている。

「くっ、くそう!! 野郎共、あの弱そうな豚を捕まえろ!! その回りの女共も捕まえろーー!! 人質だーー!!!! 人質を取るんだーー!!」

 背の高い親分が叫んだ。

「ひゃああぁぁはっはっはっーーーー!!!!!! 誰が弱いって! あの豚は俺よりつえぇーぞ!!!!」

 残虐大臣が動きを止めて腹を抱えて笑っている。
 敵の子分達が、すき有りと棒や刀で攻撃をする。
 だが、その攻撃は全部当たっているのだが、残虐大臣はダメージを受けることは無いようだ。

「な、なにーーっ!!」

 痛がる素振りの無い残虐大臣を見て、人相の悪い親分以外の親分達が驚きの声を上げた。
 人相の悪い親分だけは、それも知っていると笑っている。

「うぎゃああぁーーーーーーっっ!!!!!!」

 人質を取ろうと俺の方に走ってきた十人ほどの男達に駆け寄り、一瞬の動きで全員を弾き飛ばし、数十メートル先の親分衆の足元へ転がした。

「うおっ!」

 親分衆が足元に飛んできた子分をよけて、短い驚きの声を上げた。
 最後の一人を弾き飛ばしたところで、俺は目を閉じて少し腰を落とし、左手を腰にやり、右手を前に出して掌底を地面に垂直に立てたまま動きを止めた。

「きゃーー!!!! 八兵衛さん、かっこいいーー!!!!」

 ユキちゃんのお母さんとユキちゃんが手をパチパチして喜んでくれた。
 俺は、はしゃぐ母子を薄目を開けて見た。
 ユキちゃんのお母さんとユキちゃんが可愛い。
 残虐夫人とばあさん、ユキちゃんとユキちゃんのお母さんの元までゆっくり歩いて戻った。勝利の凱旋だ。
 驚いた事に、残虐夫人とばあさんまでが熱い視線を送ってくれる。

 ああっ、ばあさんは俺の治癒魔法でケガはとっくに治した。
 驚いた事に歯も生えてきて、しわが少し減って若返ったようにも見える。

「しゃあ、怪人になるです」

 子分達が全員倒されると、ユキちゃんが言った。

「なっ! なれるかーーっ!!!!」

 親分衆は怪人になる事も無く、チラチラパンツを見せるアンナメーダーマン四人に捕まった。
 四人の親分衆は俺の前に連れて来られた。

「ふふ、よかったなあ人質は無事だ。死刑はやめておいてやろう」

「くっ、くそぉーー!! てめーぶたぁーー!! てめーは、いったい何者だーー!!」

「ふふふ、俺は越後の商人十田家の使用人、八兵衛です」

「なっ、なっにぃー!! 使用人だと……」

「さて、親分さん達は、これからどうしますか?」

「なに?」

「闇市は、もうやらせる気はありません。全部俺がもらいます。北海道国の政府に助けを求めますか? それとも俺の下で働きますか? 何でも自由にしましょう。ただし、許すのは一度だけです。次に敵対したときは、死刑もあり得ることを覚悟してください。アンナメーダーマンさん、四人を解放してください」

「よ、よろしいのですか」

 響子さんが驚いている。

「ええ、解放してあげて下さい」

「くそーー!!!! おぼえていろよーー!!!! てめー達いつまで寝ているんだーー!!!! さっさと引き上げるぞーーーー!!!!」

 背の高い親分が叫ぶと倒れている子分達がヨロヨロと立ち上がり引き上げる。

「あんたは、行かないのか」

 一人、あの人相の悪い親分だけは平伏して行こうとしない。

「俺の名は、原田です。八兵衛さん、あんたに感服した……」

 そう言うと、口を閉じ平伏したまま動きを止めた。

「原田さん、続けて下さい」

「俺は、あんたの下で働きたい」

「ふふふっ、使用人の使用人ですよ。しかも、北海道国の政府から見たら裏切り者だ。つらい立場になりますが、よろしいのですか」

「……もう、腹を決めています」

「ふーーむ。だが、俺の下になると、日本の国のために滅私奉公となります。国民を救うつらい仕事になりますよ」

「そ、そんなことより、八兵衛さん、あんたは俺を許せるのか。今日まであんたの大事な国民をいじめてきたんだ。そんな俺を信じて働かせられるのか」

「もともと、俺もいい加減な男だった。人間は変われると思うよ。そこに疑いはない。いいだろう、原田お前を歓迎しよう」

「ははあぁぁぁーーーーーーっ!!!!」

 原田は大げさに額を地面に付けると平伏した。
 それを見ると、原田の子分達が駆け寄って来て、その後ろで平伏している。
 親分と同じように、地面に額を付けて平伏している。

「原田ーーーー!!!!」

「はっ!」

「いつまで、座って休憩しているつもりだ。闇市を始めるぞ!! 準備しねえか!! 日本国の大事な国民様が腹をすかせている。俺達がついていながら餓死なんぞさせたら、お天道様に顔むけができねえぞぉー。さっさと体をうごかしやあがれーー!!!!」

「はっ!! 野郎共ーー!! いつまで座っているつもりだーー!! 屋台の準備をしろーー!!!!」

「おおおおおーーーーーーーーっ!!!!!!!」

 原田と子分の大声が北海道の空に響いた。
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