36 / 101
第35章『遭遇』
しおりを挟む
第35章『遭遇』
中洲へは出たものの、翌朝には出撃を控えているという事も有りあまり長居はしなかった二人、二時間程経った頃には本部へと戻るいつもの道を歩いていた。
敦賀も学習したのか今回は本当にタカコに一滴も飲ませず、二人並んで夜の道を歩く。中洲へ出てタカコを背負わずに帰れたのは初めてだと考えながら、胡麻鯖の美味さに御満悦といった様子のタカコを見下ろした。
今日はもう戻ったらさっさと寝てしまおう、明日は早くから準備で忙しい、そんな言葉を交わしながら本部の門を潜り営舎へと向けて歩き出せば、不意に横に居たタカコが敦賀のシャツの袖をくいくいと引っ張り声を掛けてきた。
「近道しようぜ近道。普通の道通って行くと遠回りじゃん、誠ちゃんに近道教えてもらったのよ」
「そう大した距離でもねぇだろうが」
「良いじゃん、折角教えてもらったんだし一度位通ってみても。ほら、行こ」
話し掛けて来たものの敦賀の意見は最初から聞く気は無いのか、タカコは敦賀の袖を引っ張っていた手で今度は彼の手を掴みすたすたと歩き出す。敦賀もそんな彼女を見下ろしながら、そう激しく拒否する事でもないか、そう考えてタカコに手を引かれたまま彼女に従い歩き出した。
「こっちこっち……ってあれ、こんなの有ったっけ?」
「この向こうに倉庫を新設するから暫くの間潰す事になったぞ、ここ」
やがて二人が立ち止まったのは工事用の簡易壁の前。建物と建物の間の細い道を抜ければそこから営舎の裏口迄は直ぐなのだが、その細い道の出口に壁が設置され行き止まりとなっている。
「……どうしよう、通れないね」
「戻るしか無ぇな」
「うわー、近道しようと思ったら逆に時間食うとかマジで馬鹿だー」
「まぁ、てめぇらしくて良いんじゃねぇのか?」
「やかましい。はいはい、戻りましょ」
自分の提案で馬鹿を見たのが面白くないタカコ、若干不貞腐れた面持ちで来た道を戻り出す彼女に続いて敦賀も歩き出すが、表から聞こえて来た二つの声を耳にした瞬間、タカコの腕を掴み直ぐ脇の扉を開けその中にタカコを引き摺り込み、声の主に気付かれない様に扉をそっと閉めた。
「ちょ、何――」
「声出すな、気付かれる」
一m四方程にも満たない真っ暗な狭い空間、タカコの身体を抱き込んだ敦賀の右腕、低く小さなその声と共に大きな掌が彼女の口を塞ぐ。頭上から降って来る言葉に何が有ったのかとタカコが動きを止めれば、こちらへとやって来たのか大きくなって来た声に、その主が誰であるのか彼女も気付く事になった。
「……え、誠ちゃんと寛和?」
それに続けてこんな時間にこんなところで何を、そう呟いたタカコの耳に聞こえて来たのは直ぐ脇の壁に何かが押し付けられる音と口付けの濡れた音、そして福井の漏らしているであろう鼻から抜ける艶の有る声。
「えええええ!ちょ、何してんの!」
「そういう関係だからな、あの二人。明日出撃ともなればヒロも昂ぶるんだろうよ」
「何、二人の関係お前知ってたの?」
「積極的に知りてぇわけでもねぇが把握しとくのも仕事なんだよ、とにかくもう黙ってろ」
覗きの趣味は無いがこれでは動くに動けない、小声での遣り取りの最後に敦賀はそう言ってタカコを抱く腕に僅かに力を込める。動くな、気取られるなという意思表示だと解したタカコはそれに抗う事もせず、敦賀と同じ様に息と気配を殺し二人が立ち去るのを待つ事にした。
三宅が昂ぶっている、敦賀はそう言っていた気がするがまさか最後迄致す気ではあるまいな、さっさと立ち去ってくれという彼女の願いも虚しく外では行為に及び始めた様子。こちらの気配を殺せば殺す程に外の様子が手に取る様に伝わって来て、他人の行為を何故強制的に聞かされなければならないのか、そもそも近道を教えた本人がその道程で事に及ぶなと内心毒吐いた。
押し殺しているとは言え少しずつ大きくなる福井の喘ぎ、それに混じって聞こえて来る肌がぶつかる音と濡れた音、そして三宅の熱を持った低い声。それを黙って聞くしか出来ないタカコがやがて気付いたのは、外の様子ではなく自分を抱き締めている敦賀の身体の異変。
(……勃ってる……やばい、どうしようこれ)
腰の辺りに感じ始めた熱と硬さ、おいふざけるな何を盛っていると言おうかとも思ったが、直ぐに生理現象に無理な話だなとその言葉を飲み込んだ。敦賀も自分の身体の事だからどういう事になっているのかはよく分かっているのだろう、僅かに腰が引かれ距離が取られる。
結局外の二人が事の全てを終えその後の睦言を経て立ち去る迄の三十分程の間、ほぼ密着した状態でまんじりともせずいる羽目になり、やがて二人の気配が完全に消えた事を確認してそっと外へは出たものの、タカコはあまりの気まずさに敦賀の方を見る事も出来ずにいた。
「……戻るぞ、明日は早ぇ」
返事をする事も出来ずにいれば敦賀はそれを待たずに歩き出す。タカコは一瞬それに戸惑ったものの、ここにいてもしょうがないか、そう思い彼の後を歩き出す。
営舎に入り部屋の有る階へと辿り着けば、敦賀が自室の前で立ち止まりこちらを振り返る。廊下の明かりは既に常夜灯へと切り替えられ薄暗くその表情ははっきりとは窺えないが、それをはっきり見ようとも思わずタカコは彼の向こうに在る自らの部屋へと向かって歩き出した。
「お休み、明日は――」
適当な事を言ってさっさと引っ込もう、そう思い歩いていたタカコの腕を敦賀が突然掴み、自室の扉を開けてその中に彼女の身体を半ば無理矢理に引き摺り込む。
「つる――」
廊下に小さく響いたのはその言葉と、敦賀の部屋の扉が締まる音だけ。
中洲へは出たものの、翌朝には出撃を控えているという事も有りあまり長居はしなかった二人、二時間程経った頃には本部へと戻るいつもの道を歩いていた。
敦賀も学習したのか今回は本当にタカコに一滴も飲ませず、二人並んで夜の道を歩く。中洲へ出てタカコを背負わずに帰れたのは初めてだと考えながら、胡麻鯖の美味さに御満悦といった様子のタカコを見下ろした。
今日はもう戻ったらさっさと寝てしまおう、明日は早くから準備で忙しい、そんな言葉を交わしながら本部の門を潜り営舎へと向けて歩き出せば、不意に横に居たタカコが敦賀のシャツの袖をくいくいと引っ張り声を掛けてきた。
「近道しようぜ近道。普通の道通って行くと遠回りじゃん、誠ちゃんに近道教えてもらったのよ」
「そう大した距離でもねぇだろうが」
「良いじゃん、折角教えてもらったんだし一度位通ってみても。ほら、行こ」
話し掛けて来たものの敦賀の意見は最初から聞く気は無いのか、タカコは敦賀の袖を引っ張っていた手で今度は彼の手を掴みすたすたと歩き出す。敦賀もそんな彼女を見下ろしながら、そう激しく拒否する事でもないか、そう考えてタカコに手を引かれたまま彼女に従い歩き出した。
「こっちこっち……ってあれ、こんなの有ったっけ?」
「この向こうに倉庫を新設するから暫くの間潰す事になったぞ、ここ」
やがて二人が立ち止まったのは工事用の簡易壁の前。建物と建物の間の細い道を抜ければそこから営舎の裏口迄は直ぐなのだが、その細い道の出口に壁が設置され行き止まりとなっている。
「……どうしよう、通れないね」
「戻るしか無ぇな」
「うわー、近道しようと思ったら逆に時間食うとかマジで馬鹿だー」
「まぁ、てめぇらしくて良いんじゃねぇのか?」
「やかましい。はいはい、戻りましょ」
自分の提案で馬鹿を見たのが面白くないタカコ、若干不貞腐れた面持ちで来た道を戻り出す彼女に続いて敦賀も歩き出すが、表から聞こえて来た二つの声を耳にした瞬間、タカコの腕を掴み直ぐ脇の扉を開けその中にタカコを引き摺り込み、声の主に気付かれない様に扉をそっと閉めた。
「ちょ、何――」
「声出すな、気付かれる」
一m四方程にも満たない真っ暗な狭い空間、タカコの身体を抱き込んだ敦賀の右腕、低く小さなその声と共に大きな掌が彼女の口を塞ぐ。頭上から降って来る言葉に何が有ったのかとタカコが動きを止めれば、こちらへとやって来たのか大きくなって来た声に、その主が誰であるのか彼女も気付く事になった。
「……え、誠ちゃんと寛和?」
それに続けてこんな時間にこんなところで何を、そう呟いたタカコの耳に聞こえて来たのは直ぐ脇の壁に何かが押し付けられる音と口付けの濡れた音、そして福井の漏らしているであろう鼻から抜ける艶の有る声。
「えええええ!ちょ、何してんの!」
「そういう関係だからな、あの二人。明日出撃ともなればヒロも昂ぶるんだろうよ」
「何、二人の関係お前知ってたの?」
「積極的に知りてぇわけでもねぇが把握しとくのも仕事なんだよ、とにかくもう黙ってろ」
覗きの趣味は無いがこれでは動くに動けない、小声での遣り取りの最後に敦賀はそう言ってタカコを抱く腕に僅かに力を込める。動くな、気取られるなという意思表示だと解したタカコはそれに抗う事もせず、敦賀と同じ様に息と気配を殺し二人が立ち去るのを待つ事にした。
三宅が昂ぶっている、敦賀はそう言っていた気がするがまさか最後迄致す気ではあるまいな、さっさと立ち去ってくれという彼女の願いも虚しく外では行為に及び始めた様子。こちらの気配を殺せば殺す程に外の様子が手に取る様に伝わって来て、他人の行為を何故強制的に聞かされなければならないのか、そもそも近道を教えた本人がその道程で事に及ぶなと内心毒吐いた。
押し殺しているとは言え少しずつ大きくなる福井の喘ぎ、それに混じって聞こえて来る肌がぶつかる音と濡れた音、そして三宅の熱を持った低い声。それを黙って聞くしか出来ないタカコがやがて気付いたのは、外の様子ではなく自分を抱き締めている敦賀の身体の異変。
(……勃ってる……やばい、どうしようこれ)
腰の辺りに感じ始めた熱と硬さ、おいふざけるな何を盛っていると言おうかとも思ったが、直ぐに生理現象に無理な話だなとその言葉を飲み込んだ。敦賀も自分の身体の事だからどういう事になっているのかはよく分かっているのだろう、僅かに腰が引かれ距離が取られる。
結局外の二人が事の全てを終えその後の睦言を経て立ち去る迄の三十分程の間、ほぼ密着した状態でまんじりともせずいる羽目になり、やがて二人の気配が完全に消えた事を確認してそっと外へは出たものの、タカコはあまりの気まずさに敦賀の方を見る事も出来ずにいた。
「……戻るぞ、明日は早ぇ」
返事をする事も出来ずにいれば敦賀はそれを待たずに歩き出す。タカコは一瞬それに戸惑ったものの、ここにいてもしょうがないか、そう思い彼の後を歩き出す。
営舎に入り部屋の有る階へと辿り着けば、敦賀が自室の前で立ち止まりこちらを振り返る。廊下の明かりは既に常夜灯へと切り替えられ薄暗くその表情ははっきりとは窺えないが、それをはっきり見ようとも思わずタカコは彼の向こうに在る自らの部屋へと向かって歩き出した。
「お休み、明日は――」
適当な事を言ってさっさと引っ込もう、そう思い歩いていたタカコの腕を敦賀が突然掴み、自室の扉を開けてその中に彼女の身体を半ば無理矢理に引き摺り込む。
「つる――」
廊下に小さく響いたのはその言葉と、敦賀の部屋の扉が締まる音だけ。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる