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第41章『前線指揮所』
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第41章『前線指揮所』
太刀を手に活骸と戦っていた黒川、その彼のもとに陸軍の増援が駆け付けたのは戦端が開かれてから小一時間程経過した頃の事、それと入れ替わりに後方に下がれば無事を安堵する声が掛かる。
「総監、ご無事で!」
「直ぐに駐屯地に戻って指揮を執って下さい!前線指揮所が設置されてます!」
「ああ、そうする……海兵隊のシミズは?あれは高根総司令から預かってるんだ、面倒を起こすわけにはいかん。そこ等辺にいる筈だ、今直ぐ探せ、連れて行く」
タカコの存在を失念していたわけではない、しかし自分の腕では次から次へと襲いかかって来る活骸を斬り伏せるのに精一杯、それでも彼女の存在を背後に感じはしていたのに、ある時を境にそれが突然途絶えたのだ。悲鳴も何も聞こえなかった、食われたわけではないのだろうが気が気ではない、彼女はこの大和の未来をより明るい方向に導く為の道標の一つ、決して喪うわけにはいかないのだ。
何よりも、高根と敦賀、この二人が彼女をどれだけ大切に扱っているか自分は知っている、その彼等に対して
『お前等が留守の間は陸軍が責任を持って預かるよ、任せてくれ』
とそう言い切ったのに何てざまだと大きく歯を軋らせる。
「見つけ次第連れて行きますから、今はとにかく一刻も早く指揮所に!もう全てが大混乱です!」
「総監!お願いします!」
彼等の言う事は正しい、自分の地位は西部方面旅団総監、この博多の治安を維持するのが役目の一つ。その自分が海兵一人に執着して責務を疎かにする事は出来ないし、陸軍の人間もそんな自分を見たとすれば不審にしか思わないだろう。万が一そこからタカコの素性が漏れ中央に知れる様な事になれば、それこそ取り返しがつかなくなる。
「……分かった、俺は自分の車で戻る」
断腸の思いでそう口にして車へと向かって歩き出す。彼女は強い、今はそれに懸けて無事を祈るしか無い。安全が確認されれば彼女は勿論高根や敦賀に殴られても文句は言うまい、だから、今は行かせてくれと心の中で侘び、黒川は博多駐屯地へと向けて戻って行った。
海兵隊の主力部隊が対馬区から戻ったのは活骸の本土侵攻から二時間程経ってから、第六防壁の建設資材を打ち捨てて全速で戻って来たものの、如何せん伝令が到達する迄に時間が掛かり過ぎていた。既に夕闇が濃くなる中本部に前線指揮所を設置し高根が陣頭指揮を執り始めたが、混乱が収束するにはまだまだ時間が掛かるのは明らかな状況だ。
「陸軍に出向いてる工兵部達はどうした、まだ戻ってねぇのか!」
「不明です!連絡は依然有りません!」
高根の苛立ちを含んだ声への返答に彼の望むものは無く、正門前に設置した天幕の下、そこに用意された椅子に大きな音を立てて座り込みながら高根は舌打ちをした。敦賀を制圧の為に途中で投下して来て良かった、タカコが行方不明という事になれば大荒れどころでは済まないだろう、もし彼女が無事なら現地で遭遇するかも知れない、ここで暴れられるよりはその方が余程ましというものだ。
タカコの実力は的確に把握し評価しているつもりだ、彼女は強い、滅多な事で死ぬ人間ではない、今はそれに一縷の望みを託すしか無いだろう。
高根が自分にそう言い聞かせ今はとにかく目の前の事態と責務に集中しよう、胸中でそう繰り返していた時、彼のその努力を全くの無駄と貸す様な報告が指揮所へと飛び込んで来た。
「陸軍の兵卒が……タカコを……?」
「は、はい、自分も応戦中でしたので詳しい状況は分かりかねますが、どう見ても平和的な空気ではありませんでした。陸軍の奴がタカコの背中にナイフか銃か押し付けて、それで何処かに連れて行くのを、自分は確かに見ました」
報告を持って来たのはタカコと同じ様に前回の出撃で負傷して残留となった北見、活骸の体液に塗れぼろぼろになった彼が何とか本部へと戻って来て、治療もそこそこに高根への目通りを願い出た。火急の事と聞いて治療班ごと指揮所へと連れて来させれば、その彼の口から飛び出したのは、高根の身体中の血を沸騰させそうな程の事態。
何故陸軍が、何故彼女を、何が目的なのか、頭に浮かんだのは親友である黒川の顔、お前は知っていたのかと内心で吐き捨てる。
彼が軍人としての彼女に甚く惹かれているのには気付いていた。自分とよく似た思考を持つ黒川、その彼がタカコを知れば、手元に置いておきたいと思うのは当然の流れだ。それでも、最初に手にしたのは高根であり、彼はこれ迄それを尊重する素振りを崩す様子は全く無かったのだ。
だから信じた、だから預けた、それなのにこんな最悪の時機で裏切った可能性、それに高根は机に一つ拳を叩き付け、地を這う様な低い声で脇にいる隊員に声を掛けた。
「……陸軍の前線指揮所に遣いを出せ、黒川はそこに居る筈だ。今直ぐここに来てタカコの身柄がどうなっているのか、陸軍の人間が彼女を拉致した様だがどういう事なのか説明しろ、そう伝えろ」
「しかし司令、あちらも今は――」
「掃討は遠からず混乱期を抜ける!総監様の下にゃ幾らでも人間がいるだろうが!早く行け!!」
普段荒げられる事等まず無い高根の声音、怒りに満ちたそれに周囲は身を竦ませ、命令とあらばと数人が動き出す。
事と次第によっては四十年近く続いて来た繋がりが途切れる事にもなりかねない、それでも、彼が裏切ったのであれば許す事は自分には出来ないだろう。ずっと必死で模索し続けて来た現状を打破する大きな力、やっと掴みかけたのにそれを取り上げる気か、内心でそう吐き捨て、歯を軋らせた。
「龍興よ……俺のこの想像、外してくれよ……?」
太刀を手に活骸と戦っていた黒川、その彼のもとに陸軍の増援が駆け付けたのは戦端が開かれてから小一時間程経過した頃の事、それと入れ替わりに後方に下がれば無事を安堵する声が掛かる。
「総監、ご無事で!」
「直ぐに駐屯地に戻って指揮を執って下さい!前線指揮所が設置されてます!」
「ああ、そうする……海兵隊のシミズは?あれは高根総司令から預かってるんだ、面倒を起こすわけにはいかん。そこ等辺にいる筈だ、今直ぐ探せ、連れて行く」
タカコの存在を失念していたわけではない、しかし自分の腕では次から次へと襲いかかって来る活骸を斬り伏せるのに精一杯、それでも彼女の存在を背後に感じはしていたのに、ある時を境にそれが突然途絶えたのだ。悲鳴も何も聞こえなかった、食われたわけではないのだろうが気が気ではない、彼女はこの大和の未来をより明るい方向に導く為の道標の一つ、決して喪うわけにはいかないのだ。
何よりも、高根と敦賀、この二人が彼女をどれだけ大切に扱っているか自分は知っている、その彼等に対して
『お前等が留守の間は陸軍が責任を持って預かるよ、任せてくれ』
とそう言い切ったのに何てざまだと大きく歯を軋らせる。
「見つけ次第連れて行きますから、今はとにかく一刻も早く指揮所に!もう全てが大混乱です!」
「総監!お願いします!」
彼等の言う事は正しい、自分の地位は西部方面旅団総監、この博多の治安を維持するのが役目の一つ。その自分が海兵一人に執着して責務を疎かにする事は出来ないし、陸軍の人間もそんな自分を見たとすれば不審にしか思わないだろう。万が一そこからタカコの素性が漏れ中央に知れる様な事になれば、それこそ取り返しがつかなくなる。
「……分かった、俺は自分の車で戻る」
断腸の思いでそう口にして車へと向かって歩き出す。彼女は強い、今はそれに懸けて無事を祈るしか無い。安全が確認されれば彼女は勿論高根や敦賀に殴られても文句は言うまい、だから、今は行かせてくれと心の中で侘び、黒川は博多駐屯地へと向けて戻って行った。
海兵隊の主力部隊が対馬区から戻ったのは活骸の本土侵攻から二時間程経ってから、第六防壁の建設資材を打ち捨てて全速で戻って来たものの、如何せん伝令が到達する迄に時間が掛かり過ぎていた。既に夕闇が濃くなる中本部に前線指揮所を設置し高根が陣頭指揮を執り始めたが、混乱が収束するにはまだまだ時間が掛かるのは明らかな状況だ。
「陸軍に出向いてる工兵部達はどうした、まだ戻ってねぇのか!」
「不明です!連絡は依然有りません!」
高根の苛立ちを含んだ声への返答に彼の望むものは無く、正門前に設置した天幕の下、そこに用意された椅子に大きな音を立てて座り込みながら高根は舌打ちをした。敦賀を制圧の為に途中で投下して来て良かった、タカコが行方不明という事になれば大荒れどころでは済まないだろう、もし彼女が無事なら現地で遭遇するかも知れない、ここで暴れられるよりはその方が余程ましというものだ。
タカコの実力は的確に把握し評価しているつもりだ、彼女は強い、滅多な事で死ぬ人間ではない、今はそれに一縷の望みを託すしか無いだろう。
高根が自分にそう言い聞かせ今はとにかく目の前の事態と責務に集中しよう、胸中でそう繰り返していた時、彼のその努力を全くの無駄と貸す様な報告が指揮所へと飛び込んで来た。
「陸軍の兵卒が……タカコを……?」
「は、はい、自分も応戦中でしたので詳しい状況は分かりかねますが、どう見ても平和的な空気ではありませんでした。陸軍の奴がタカコの背中にナイフか銃か押し付けて、それで何処かに連れて行くのを、自分は確かに見ました」
報告を持って来たのはタカコと同じ様に前回の出撃で負傷して残留となった北見、活骸の体液に塗れぼろぼろになった彼が何とか本部へと戻って来て、治療もそこそこに高根への目通りを願い出た。火急の事と聞いて治療班ごと指揮所へと連れて来させれば、その彼の口から飛び出したのは、高根の身体中の血を沸騰させそうな程の事態。
何故陸軍が、何故彼女を、何が目的なのか、頭に浮かんだのは親友である黒川の顔、お前は知っていたのかと内心で吐き捨てる。
彼が軍人としての彼女に甚く惹かれているのには気付いていた。自分とよく似た思考を持つ黒川、その彼がタカコを知れば、手元に置いておきたいと思うのは当然の流れだ。それでも、最初に手にしたのは高根であり、彼はこれ迄それを尊重する素振りを崩す様子は全く無かったのだ。
だから信じた、だから預けた、それなのにこんな最悪の時機で裏切った可能性、それに高根は机に一つ拳を叩き付け、地を這う様な低い声で脇にいる隊員に声を掛けた。
「……陸軍の前線指揮所に遣いを出せ、黒川はそこに居る筈だ。今直ぐここに来てタカコの身柄がどうなっているのか、陸軍の人間が彼女を拉致した様だがどういう事なのか説明しろ、そう伝えろ」
「しかし司令、あちらも今は――」
「掃討は遠からず混乱期を抜ける!総監様の下にゃ幾らでも人間がいるだろうが!早く行け!!」
普段荒げられる事等まず無い高根の声音、怒りに満ちたそれに周囲は身を竦ませ、命令とあらばと数人が動き出す。
事と次第によっては四十年近く続いて来た繋がりが途切れる事にもなりかねない、それでも、彼が裏切ったのであれば許す事は自分には出来ないだろう。ずっと必死で模索し続けて来た現状を打破する大きな力、やっと掴みかけたのにそれを取り上げる気か、内心でそう吐き捨て、歯を軋らせた。
「龍興よ……俺のこの想像、外してくれよ……?」
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