12 / 100
第212章『数列』
しおりを挟む
第212章『数列』
尋問の開始から一ヶ月、ほぼ全員から自白をとる事が出来たものの、海兵隊もタカコ達も確保へと向けて動き出す事は未だしていない。導き出された秘匿場所は七箇所、博多以外には春日、太宰府、筑紫野、博多とその南部一帯に点在する形となった秘匿場所、タカコはここ数日黒板に貼り付けた地図に赤い丸で付けたそれ等を睨みつけて過ごしている。
判明したのだから早く確保を、海兵隊からはそんな声が数多く上がっているものの、これが全てだとは思えないタカコはそれに首を縦に振る事は無く、それでも時間が無いという事は明白だった為に
「……分かった、しかし、後三日待ってくれ、三日で良いんだ。秘匿場所がこれだけとは思えない、残りがどれだけ有るのかは分からないが、一つでも多く見つけたいんだ、その為に時間をくれ、三日で良い」
と、何とかそう言って時間を確保し、今日でその最後の一日を使い果たす事となった。あれこれと可能性を考えてみたがどれも途中で破綻する、やはり分かっている分だけを急襲し確保し、それ以外は相手に回収されてしまったとしても勘定に入れない方が良いのか、相手の戦力をその分温存させてしまう事にはなるが、これ以上手を拱いていても現在判明している分迄取り戻させてしまう事になるだろう。
「……行動を決断すべき時、だな……」
地図を見上げ忌々し気に吐き捨てれば背後の扉が開かれ、誰だと振り返ってみればそこには敦賀の姿。焦れているだろうにタカコの主張を尊重してじっと待ってくれている彼を始めとした海兵隊の面々の為にも切り捨てを決断すべきだな、タカコはそんな事を考えつつ敦賀へと向き直った。
「時間切れ、だな……今日の夜にでも急襲を掛けよう、要領は我々が指導するよ」
「……そうか、分かった」
漸く作戦行動に出られるという安堵と、タカコの気持ちも分かるのか労わる気持ち、それ等が入り混じった様な複雑な表情を浮かべた敦賀がタカコへと歩み寄り、彼女の頭を無言でそっと撫でる。
「……何か法則が有るんじゃないかと思って探ったんだが……厳しいな、なかなか」
「……そうか、まぁ、それに固執して全てを失うワケにゃいかねぇ、今判明してる分だけでも押さえるしか無ぇな」
「……ああ、そうだな」
それでも、と、タカコは立ち上がり地図の前に立ち、何か見落としている事が無いかと点の全てとその下に書き込まれた住所等の情報に再度目を通す。何か、何かが引っ掛かっている、見落としている、それが何なのかと食い入る様に地図を見詰め、そこに書き込まれた文字列を口に出して読んでみる。
「……一……三……こっちは二……八……まさ、か……十三……それじゃあ……」
「?おい、どうした?」
突然何かに気付いたのかうわ言の様に呟くタカコ、どうかしたのかと訝しむ敦賀の言葉等聞こえていないかの様に赤いペンを手にし、地図に正方形を書き込み始めた。
「一、これが起点、次の一は無いけど、多分ここ……そうすると、二が重なって三も……五が多分ここ、そうすると、八も、十三も……そうか、そういう事か……!」
タカコの手によって書き込まれたのは末尾が一の住所に付けられた印を頂点の一つとした正方形、それを皮切りにその横に同じ大きさの正方形を一つ、次にはその下に正方形二つ分の長さを一片とした正方形、更にはその横に、と次々に段々と大きくなる正方形を書き加えて行く。そして、縮尺の誤差を考慮すればほぼ完璧に打たれた点の全てが何れかの正方形の頂点を形作っているのを確認すると、ぶるり、と、大きく身体を震わせた。
「分かった!分かったよ敦賀!」
双眸を見開き輝かせ、頬を高潮させる程に興奮して敦賀へと抱き付くタカコ、一体何の事なのかさっぱり分からない敦賀は抱き付いて来たタカコを反射的に抱き締め返し、取り敢えずは落ち着けと頭を撫でてみる。
「悪いが何が言いたいのかさっぱり分からん、何が分かったってんだ?」
「そうだ!こんな事してる場合じゃなかった!今日の夜一気に急襲掛けてカタを付けるぞ!リーサをこっちに呼び寄せないと!」
「いや、だから、俺には話がさっぱり――」
「海兵隊の人間も相当数借りるぞ、深夜に急襲するとしてももう時間が無い、忙しくなるぞ!」
「だから、急襲する、それは分かった、分かったんだが、その前提の何が分かったのかが俺にはさっぱり分からねぇ。先ずはそれを説明しやがれ」
「こんな事してる場合じゃねぇ!早く準備に入らないと!」
敦賀の言葉は全く耳に入っていないのか抱き締める腕を弾き飛ばし動き出すタカコ、黒板に貼られた地図を引き剥がし何処へ行くのか廊下へと向かって走り出す彼女の背に、痺れを切らした敦賀が声を張り上げた。
「だから!何が分かったんだ、おいタカコ!」
タカコ、と、名前を呼ばれてそれで漸く我に返ったのかタカコが振り返り、それでもわくわくして堪らないといった風情の笑顔を向ける。
「フィボナッチ数列だよ!法則はもう随分と前から目の前に有ったんだ!
笑顔でそう言って何処かへと走り去って行くタカコ、敦賀はその様子に頭を掻きながら大きく息を吐き、
「『ふぃぼなっちすうれつ』って……何なんだよそりゃ……俺に分かる言葉で話しやがれ」
そう言って彼女の後を追う。海兵隊の兵員を動かすという事であれば高根の承認が無くては始まらない、恐らくは彼の執務室へと行ったのだろう。どんな作戦になるのかは全く分からない、どれだけの兵員を動員する事になるのかも、どんな武器を使用する事になにるのかも。ここでこうしていても話は進まない、自分も高根のところに行き話に加わろうか、そんな事を考えつつ、敦賀もまたゆっくりと歩き出した。
尋問の開始から一ヶ月、ほぼ全員から自白をとる事が出来たものの、海兵隊もタカコ達も確保へと向けて動き出す事は未だしていない。導き出された秘匿場所は七箇所、博多以外には春日、太宰府、筑紫野、博多とその南部一帯に点在する形となった秘匿場所、タカコはここ数日黒板に貼り付けた地図に赤い丸で付けたそれ等を睨みつけて過ごしている。
判明したのだから早く確保を、海兵隊からはそんな声が数多く上がっているものの、これが全てだとは思えないタカコはそれに首を縦に振る事は無く、それでも時間が無いという事は明白だった為に
「……分かった、しかし、後三日待ってくれ、三日で良いんだ。秘匿場所がこれだけとは思えない、残りがどれだけ有るのかは分からないが、一つでも多く見つけたいんだ、その為に時間をくれ、三日で良い」
と、何とかそう言って時間を確保し、今日でその最後の一日を使い果たす事となった。あれこれと可能性を考えてみたがどれも途中で破綻する、やはり分かっている分だけを急襲し確保し、それ以外は相手に回収されてしまったとしても勘定に入れない方が良いのか、相手の戦力をその分温存させてしまう事にはなるが、これ以上手を拱いていても現在判明している分迄取り戻させてしまう事になるだろう。
「……行動を決断すべき時、だな……」
地図を見上げ忌々し気に吐き捨てれば背後の扉が開かれ、誰だと振り返ってみればそこには敦賀の姿。焦れているだろうにタカコの主張を尊重してじっと待ってくれている彼を始めとした海兵隊の面々の為にも切り捨てを決断すべきだな、タカコはそんな事を考えつつ敦賀へと向き直った。
「時間切れ、だな……今日の夜にでも急襲を掛けよう、要領は我々が指導するよ」
「……そうか、分かった」
漸く作戦行動に出られるという安堵と、タカコの気持ちも分かるのか労わる気持ち、それ等が入り混じった様な複雑な表情を浮かべた敦賀がタカコへと歩み寄り、彼女の頭を無言でそっと撫でる。
「……何か法則が有るんじゃないかと思って探ったんだが……厳しいな、なかなか」
「……そうか、まぁ、それに固執して全てを失うワケにゃいかねぇ、今判明してる分だけでも押さえるしか無ぇな」
「……ああ、そうだな」
それでも、と、タカコは立ち上がり地図の前に立ち、何か見落としている事が無いかと点の全てとその下に書き込まれた住所等の情報に再度目を通す。何か、何かが引っ掛かっている、見落としている、それが何なのかと食い入る様に地図を見詰め、そこに書き込まれた文字列を口に出して読んでみる。
「……一……三……こっちは二……八……まさ、か……十三……それじゃあ……」
「?おい、どうした?」
突然何かに気付いたのかうわ言の様に呟くタカコ、どうかしたのかと訝しむ敦賀の言葉等聞こえていないかの様に赤いペンを手にし、地図に正方形を書き込み始めた。
「一、これが起点、次の一は無いけど、多分ここ……そうすると、二が重なって三も……五が多分ここ、そうすると、八も、十三も……そうか、そういう事か……!」
タカコの手によって書き込まれたのは末尾が一の住所に付けられた印を頂点の一つとした正方形、それを皮切りにその横に同じ大きさの正方形を一つ、次にはその下に正方形二つ分の長さを一片とした正方形、更にはその横に、と次々に段々と大きくなる正方形を書き加えて行く。そして、縮尺の誤差を考慮すればほぼ完璧に打たれた点の全てが何れかの正方形の頂点を形作っているのを確認すると、ぶるり、と、大きく身体を震わせた。
「分かった!分かったよ敦賀!」
双眸を見開き輝かせ、頬を高潮させる程に興奮して敦賀へと抱き付くタカコ、一体何の事なのかさっぱり分からない敦賀は抱き付いて来たタカコを反射的に抱き締め返し、取り敢えずは落ち着けと頭を撫でてみる。
「悪いが何が言いたいのかさっぱり分からん、何が分かったってんだ?」
「そうだ!こんな事してる場合じゃなかった!今日の夜一気に急襲掛けてカタを付けるぞ!リーサをこっちに呼び寄せないと!」
「いや、だから、俺には話がさっぱり――」
「海兵隊の人間も相当数借りるぞ、深夜に急襲するとしてももう時間が無い、忙しくなるぞ!」
「だから、急襲する、それは分かった、分かったんだが、その前提の何が分かったのかが俺にはさっぱり分からねぇ。先ずはそれを説明しやがれ」
「こんな事してる場合じゃねぇ!早く準備に入らないと!」
敦賀の言葉は全く耳に入っていないのか抱き締める腕を弾き飛ばし動き出すタカコ、黒板に貼られた地図を引き剥がし何処へ行くのか廊下へと向かって走り出す彼女の背に、痺れを切らした敦賀が声を張り上げた。
「だから!何が分かったんだ、おいタカコ!」
タカコ、と、名前を呼ばれてそれで漸く我に返ったのかタカコが振り返り、それでもわくわくして堪らないといった風情の笑顔を向ける。
「フィボナッチ数列だよ!法則はもう随分と前から目の前に有ったんだ!
笑顔でそう言って何処かへと走り去って行くタカコ、敦賀はその様子に頭を掻きながら大きく息を吐き、
「『ふぃぼなっちすうれつ』って……何なんだよそりゃ……俺に分かる言葉で話しやがれ」
そう言って彼女の後を追う。海兵隊の兵員を動かすという事であれば高根の承認が無くては始まらない、恐らくは彼の執務室へと行ったのだろう。どんな作戦になるのかは全く分からない、どれだけの兵員を動員する事になるのかも、どんな武器を使用する事になにるのかも。ここでこうしていても話は進まない、自分も高根のところに行き話に加わろうか、そんな事を考えつつ、敦賀もまたゆっくりと歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる