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第359章『歌』
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第359章『歌』
敦賀が寝入ってから少しばかりの間、タカコは彼の体躯に抱き付いたままの体勢で身動ぎもしなかった。小一時間程も経った頃合いで腕を解きごそごそと動き出せば、そんな事は許さないとでも言わんばかりにタカコの身体に回された敦賀の腕に力が入り、起こした上半身を引き倒し今迄よりも深く抱え込む。まさか起きているのかと顔を見上げてみれば目の前には穏やかな寝顔、耳を擽る静かな寝息に思わず小さく笑えば、更に深く抱き締められ頬へと口付けられた。
「……本当に寝てるのかこいつは」
小さくそう呟いてみても返事は無い、どうやらもう身体に染み付いてしまっている様だなとまた笑い、今度はそろりそろり、と、かなり長い時間を掛けて少しずつ動き、布団と敦賀の腕から這い出して彼の横へと静かに座り込む。
期限は四日後、五月二十七日。その時が来たらきちんと敦賀と言葉を交わし約束をし、口付けを交わして暫しの別れを告げるつもりだった。そして本隊へと戻り、大和との同盟を進言し何としてもむそれを実現させ、その暁にはこの国へと、敦賀の傍へと戻って来ようと、そう思っていた。
けれど数時間前に聞いた副長の思い、立場的にも、そして親としても、彼にとって自分の存在は脅威であり排除対象なのだと、廊下で話を聞きながら、そして対面して話を聞きながら、嫌と言う程に思い知った。
少し考えれば分かる事だった筈なのだ、国を守る組織の中枢の要職に在る者として、他国から潜入した兵員を無条件に好意的に捉える理由は何処にも無い。そして、父親としても、我が子がそんな人間を選んだのだと知れば、反応は反対以外には無いだろう。
加えて自分には子を為す能力は無い。親としては我が子には平凡でも幸せな生活、結婚をして子を為しその成長を見守り、やがて老いた時にはその子等孫に囲まれて穏やかに暮らす、そんな人生を敦賀に対して副長も望んでいるのに違い無いのだ。そうなれば、何をどう見ても自分は敦賀の伴侶としては不適格、共に在る事を反対し、消えてくれと口にしたのは当然の事だろう。
寧ろ、し過ぎと言っても良い程に譲歩してくれたと見るべきだ、本来であれば拘束され中央に、京都に送られるでろあう自分に対し彼はそれをしなかった。自分達の前から消えてくれれば見なかった事にしても良い、そうしてくれるのであれば、敦賀や自分は勿論、高根や黒川やその他の関係者にいても見逃そうと、そこ迄言ってくれたのだから。
全ては我が子の、敦賀の為。不器用で他の世界で生きて行けるとは思えない我が子の為に、職務とその信念を曲げて迄あの言葉を口にしたのだという事はタカコにも分かっている。そんな彼に対して自分はそれを受諾したのだ、約束を違える事は、有ってはならない、あれは、絶対に果されるべきものだろう。
それを言ったところでこの駄々っ子は絶対に首を縦には振らない筈だ、父を責め憎み、そして、最後には結局全員が不幸になる。菓子や玩具を欲しがって地団太を踏んで駄々を捏ねる子供を諦めさせようとするのであれば、執着の対象を目の前から消してしまうしか無い。
目を覚ました時、この男はきっと怒るだろう。その怒りが父ではなく、優しい嘘を吐いたまま何も言わずに消えてしまう自分へと向けられれば良い。
『……敦賀、私、お前とずっと一緒にいたかった、本当だ。でも、それは無理みたいだ。だから、千日目を待たずに今日出て行く、お前の前から消える。同盟が締結されても、何年経ってももう帰って来ないよ、お前も待つ必要は無い、私の事なんか忘れろ……幸せになれ』
小さく呟いてゆっくりと寝台を降り、散らばった服や下着を拾い身に着ける。床に座って靴を履き立ち上がり振り返れば、そこには静かな寝息を立てて眠り続ける敦賀の姿、最後に口付けをと思い寝台の脇へと膝を突いて顔を寄せるが、起こしてしまったら、そう考えて静かに立ち上がり、音を立てずに歩き出す。そして、扉を開けてもう一度だけ振り返り、
『……傍に、いて』
と、哀しそうに笑ってタカコはそう言い、踵を返し連れ込み宿を一人後にした。
外に出れば夜明けはまだ遠く、吐く息が白くなると迄はいかずとも冷気が身体を包み込む。タカコはそんな夜道を一人歩きながら、空を見上げそこに瞬く星に目を細めながら静かに、静かに歌を口にした。
When the night has come
夜が訪れ
And the land is dark
あたりが闇に支配される時
And the moon is the only light we see
月明かりしか見えなくたって
No, I won't be afraid
僕は何も怖くない
Oh, I won't be afraid
怖がる必要なんてどこにも無いんだ
Just as long as you stand
ただ君がずっと
stand by me,
僕の傍にいてくれるなら
So, darling darling Stand by me
だから僕の傍にいて
Oh stand by me
僕の傍に
Oh stand
Stand by me
ねえ、僕の傍にいてよ
Stand by me
傍にいて欲しいんだ
If the sky that we look upon
僕等の頭上に広がる空が
Should tumble and fall
例えば崩れ落ちてきたって
Or the mountain Should crumble to the sea
それともそびえ立つ山が崩れ海ができたとしても
I won't cry, I won't cry
泣いたりなんてしないさ
No, I won't shed a tear
涙をこぼすことなんてないよ
Just as long as you stand
ただ君がずっと
stand by me
僕の傍にいてくれるなら
Darling darling
Stand by me
ねえダーリン、傍にいてよ
Oh stand by me
だから傍にいて欲しいんだよ
Oh stand now
たった今僕の傍に
Stand by me
隣にいて欲しいのは君なんだ
Stand by me..
僕の傍にいて
Darling darling
Stand by me
離れないで
Oh stand by me
ずっと傍にいて欲しい
Oh stand now
今この瞬間
Stand by me
隣にいて欲しいのは
Stand by me
傍にいて欲しいのは君なんだ
Whenever you're in trouble
君がもしトラブルに巻き込まれたら
Won't you stand by me,
ただ僕の傍にくればいい
Oh stand by me
ずっと傍に
Oh stand now
今この瞬間
Oh stand
ただ傍にいて支えてあげたいのは
Stand by me..
傍にいて欲しいのは君なんだ
昔、旧時代の史料を漁っていた夫が見つけて来た、古い古い映画。少年達が一夏の冒険へと出掛けるその映画の主題歌は愛を囁く歌とも友情の歌とも解釈する事が出来、何故かひどく心を揺さぶられ、自然と涙を流していた事をよく覚えている。自分だけではなく夫にとってもその歌はお気に入りとなり、二人きりの時にどちらからともなく口遊み、ぴったりと寄り添っていた、歌詞の中で何度も何度も出て来る、あの言葉の様に。
自分にとってはあの言葉が最大限の想いの表現、敦賀にその意味を教える事は結局無かったけれど、こうなってしまった今となってはそれで良かったと思うべきなのだろう。
自分から彼の手を離して姿を消すのに何と滑稽な事か、タカコはそんな事を考えながら口元を歪め自嘲の笑みを浮かべ、夜の中洲へと消えて行った。
――君がいれば僕は何も怖くない。だからダーリン、僕の、僕の傍にいて――
敦賀が寝入ってから少しばかりの間、タカコは彼の体躯に抱き付いたままの体勢で身動ぎもしなかった。小一時間程も経った頃合いで腕を解きごそごそと動き出せば、そんな事は許さないとでも言わんばかりにタカコの身体に回された敦賀の腕に力が入り、起こした上半身を引き倒し今迄よりも深く抱え込む。まさか起きているのかと顔を見上げてみれば目の前には穏やかな寝顔、耳を擽る静かな寝息に思わず小さく笑えば、更に深く抱き締められ頬へと口付けられた。
「……本当に寝てるのかこいつは」
小さくそう呟いてみても返事は無い、どうやらもう身体に染み付いてしまっている様だなとまた笑い、今度はそろりそろり、と、かなり長い時間を掛けて少しずつ動き、布団と敦賀の腕から這い出して彼の横へと静かに座り込む。
期限は四日後、五月二十七日。その時が来たらきちんと敦賀と言葉を交わし約束をし、口付けを交わして暫しの別れを告げるつもりだった。そして本隊へと戻り、大和との同盟を進言し何としてもむそれを実現させ、その暁にはこの国へと、敦賀の傍へと戻って来ようと、そう思っていた。
けれど数時間前に聞いた副長の思い、立場的にも、そして親としても、彼にとって自分の存在は脅威であり排除対象なのだと、廊下で話を聞きながら、そして対面して話を聞きながら、嫌と言う程に思い知った。
少し考えれば分かる事だった筈なのだ、国を守る組織の中枢の要職に在る者として、他国から潜入した兵員を無条件に好意的に捉える理由は何処にも無い。そして、父親としても、我が子がそんな人間を選んだのだと知れば、反応は反対以外には無いだろう。
加えて自分には子を為す能力は無い。親としては我が子には平凡でも幸せな生活、結婚をして子を為しその成長を見守り、やがて老いた時にはその子等孫に囲まれて穏やかに暮らす、そんな人生を敦賀に対して副長も望んでいるのに違い無いのだ。そうなれば、何をどう見ても自分は敦賀の伴侶としては不適格、共に在る事を反対し、消えてくれと口にしたのは当然の事だろう。
寧ろ、し過ぎと言っても良い程に譲歩してくれたと見るべきだ、本来であれば拘束され中央に、京都に送られるでろあう自分に対し彼はそれをしなかった。自分達の前から消えてくれれば見なかった事にしても良い、そうしてくれるのであれば、敦賀や自分は勿論、高根や黒川やその他の関係者にいても見逃そうと、そこ迄言ってくれたのだから。
全ては我が子の、敦賀の為。不器用で他の世界で生きて行けるとは思えない我が子の為に、職務とその信念を曲げて迄あの言葉を口にしたのだという事はタカコにも分かっている。そんな彼に対して自分はそれを受諾したのだ、約束を違える事は、有ってはならない、あれは、絶対に果されるべきものだろう。
それを言ったところでこの駄々っ子は絶対に首を縦には振らない筈だ、父を責め憎み、そして、最後には結局全員が不幸になる。菓子や玩具を欲しがって地団太を踏んで駄々を捏ねる子供を諦めさせようとするのであれば、執着の対象を目の前から消してしまうしか無い。
目を覚ました時、この男はきっと怒るだろう。その怒りが父ではなく、優しい嘘を吐いたまま何も言わずに消えてしまう自分へと向けられれば良い。
『……敦賀、私、お前とずっと一緒にいたかった、本当だ。でも、それは無理みたいだ。だから、千日目を待たずに今日出て行く、お前の前から消える。同盟が締結されても、何年経ってももう帰って来ないよ、お前も待つ必要は無い、私の事なんか忘れろ……幸せになれ』
小さく呟いてゆっくりと寝台を降り、散らばった服や下着を拾い身に着ける。床に座って靴を履き立ち上がり振り返れば、そこには静かな寝息を立てて眠り続ける敦賀の姿、最後に口付けをと思い寝台の脇へと膝を突いて顔を寄せるが、起こしてしまったら、そう考えて静かに立ち上がり、音を立てずに歩き出す。そして、扉を開けてもう一度だけ振り返り、
『……傍に、いて』
と、哀しそうに笑ってタカコはそう言い、踵を返し連れ込み宿を一人後にした。
外に出れば夜明けはまだ遠く、吐く息が白くなると迄はいかずとも冷気が身体を包み込む。タカコはそんな夜道を一人歩きながら、空を見上げそこに瞬く星に目を細めながら静かに、静かに歌を口にした。
When the night has come
夜が訪れ
And the land is dark
あたりが闇に支配される時
And the moon is the only light we see
月明かりしか見えなくたって
No, I won't be afraid
僕は何も怖くない
Oh, I won't be afraid
怖がる必要なんてどこにも無いんだ
Just as long as you stand
ただ君がずっと
stand by me,
僕の傍にいてくれるなら
So, darling darling Stand by me
だから僕の傍にいて
Oh stand by me
僕の傍に
Oh stand
Stand by me
ねえ、僕の傍にいてよ
Stand by me
傍にいて欲しいんだ
If the sky that we look upon
僕等の頭上に広がる空が
Should tumble and fall
例えば崩れ落ちてきたって
Or the mountain Should crumble to the sea
それともそびえ立つ山が崩れ海ができたとしても
I won't cry, I won't cry
泣いたりなんてしないさ
No, I won't shed a tear
涙をこぼすことなんてないよ
Just as long as you stand
ただ君がずっと
stand by me
僕の傍にいてくれるなら
Darling darling
Stand by me
ねえダーリン、傍にいてよ
Oh stand by me
だから傍にいて欲しいんだよ
Oh stand now
たった今僕の傍に
Stand by me
隣にいて欲しいのは君なんだ
Stand by me..
僕の傍にいて
Darling darling
Stand by me
離れないで
Oh stand by me
ずっと傍にいて欲しい
Oh stand now
今この瞬間
Stand by me
隣にいて欲しいのは
Stand by me
傍にいて欲しいのは君なんだ
Whenever you're in trouble
君がもしトラブルに巻き込まれたら
Won't you stand by me,
ただ僕の傍にくればいい
Oh stand by me
ずっと傍に
Oh stand now
今この瞬間
Oh stand
ただ傍にいて支えてあげたいのは
Stand by me..
傍にいて欲しいのは君なんだ
昔、旧時代の史料を漁っていた夫が見つけて来た、古い古い映画。少年達が一夏の冒険へと出掛けるその映画の主題歌は愛を囁く歌とも友情の歌とも解釈する事が出来、何故かひどく心を揺さぶられ、自然と涙を流していた事をよく覚えている。自分だけではなく夫にとってもその歌はお気に入りとなり、二人きりの時にどちらからともなく口遊み、ぴったりと寄り添っていた、歌詞の中で何度も何度も出て来る、あの言葉の様に。
自分にとってはあの言葉が最大限の想いの表現、敦賀にその意味を教える事は結局無かったけれど、こうなってしまった今となってはそれで良かったと思うべきなのだろう。
自分から彼の手を離して姿を消すのに何と滑稽な事か、タカコはそんな事を考えながら口元を歪め自嘲の笑みを浮かべ、夜の中洲へと消えて行った。
――君がいれば僕は何も怖くない。だからダーリン、僕の、僕の傍にいて――
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