8 / 74
リューシャ編
7話
しおりを挟む
リレーニとフニカの話し合いの結果、リリエは理由なしに自分達には乗ってくれないと判断し、仕方なく細かいことは伏せたままで、話しても大丈夫だと思える限りのことをリレーニは話した。
「…ということは、私がリレーニ様に乗って、その場所までいかなくてはならないのですか?」
「そういうこと。だから、私はあなたの護衛のような形でそこまでついていきたいの。」
「…で、私がリレーニ様に乗ってそこまで行くってことなんですね?」
リリエの質問に頷くリレーニ。
「…リリエさん、もう一度確認してもいい?」
「はい?」
「…本当に、全種族を敵に回そうとも、リューシャさんを連れ戻しにいくのね?」
「はい!」
その迷いのない返事にリレーニは微笑むと、言った。
「…じゃあ、もう行きますか?準備などは…」
「大丈夫です。行きます。」
リレーニはリリエの決意の固まった、揺るがない目を見て、頷いた。そしてリレーニは目を閉じ、両手を胸にあてると詠唱を唱えた。
「【フォーデュラム・チェイン】」
すると、リレーニの体がまばゆい光に包まれ光が止んだとき、リレーニは灰色の竜となって、そこに立っていた。
「じゃあ、私も…」
そう、フニカも魔法を使おうとするが、それをリレーニは止めた。
「フニカ、あなたはまだ戻っちゃダメよ。竜が2匹も空を飛んでいたら、怪しまれてしまうから。」
「分かった。」
フニカが魔法の使用を止めたのを確認して、リレーニは微笑む。
「…じゃあ、リリエさん、フニカ。乗って。少しだけ、白亜の城にいくための説明をしたいけど、飛びながらの方が退屈しないと思うから。」
「はい。ありがとうございます。リレーニ様。」
リレーニに深いお辞儀をして、リリエはリレーニの背に乗る。ちなみに、リリエがお辞儀を深々としたとき、リレーニとフニカは顔を見合わせ苦笑いしていた。そしてリリエとフニカがちゃんと乗ったのを確認し、リレーニはふわりと飛び上がった。しばらく上へと飛ぶと、町や皇都が小さくなり、広大な景色となってリリエの目に入ってきた。
「…わ…」
その景色の広大さにビックリしているリリエにフニカが言う。
「景色いいでしょ。人の皆はこんな景色見れないんだよね…なんか、見せたくなっちゃうな…」
「…そう、ですね…」
どこか悲しみを含んだ目をしてリリエは景色を見ながらフニカに返した。
「あ、お姉さん…じゃなくて、リリエさん。私には敬語なんか使わなくて良いよ?母さんは皇女だからいいとしても。」
「そうで…そう?だったら、私のこともさんなんてつけなくてもいいよ。フニカ。」
「うん、分かったよリリエ!」
そう2人で笑い合っていると、リレーニが声をかけてきた。
「リリエさん、あの白亜の城へ行く過程の話をしても大丈夫?」
「あ、はい!大丈夫です!」
リリエの返事を聞いて、一呼吸置くとリレーニは白亜の城への過程を話しはじめた。
「…白亜の城、それが天の川のほとりに立っているのは知っているでしょ?」
「あ、はい。それは知ってます。」
その言葉にリレーニは頷き、話を続ける。
「でもね、白亜の城には決して、誰も直接はいけないの。…どうしても神の城を抜けて行かなくちゃ、白亜の城へは行けない。だから私たちも神の城の前まで送りたいのだけど…」
「神の城の前にはバカみたいにあり得ない人数の神が侵入者を拒むように立っていて、限られた者しか普通に入ることはできないの。だから、城の前にも私たちは行けない。」
「ということはつまり…」
リリエの言葉にリレーニは続けた
「残念だけど、神たちとの戦闘は避けられないってことなの。」
「そうなんですね。」
そう頷き、ふと前を見たとき、そこに白い雲のようなものが見えた。
「…あれは…?」
「あれが神の住む雲。やっぱり母さんだったらすぐついちゃうね。」
「みんな、これくらいよ?フニカ。」
そう言うと、リレーニは雲の上へ降りた。リリエはひらりとリレーニから降りると、例をして笑っていった。
「ありがとうございました。リレーニ様、フニカ。」
「いいよ。いいんだけど…」
フニカが悲しそうな顔をする。
「どうしたの?フニカ?」
リリエの問いにフニカの代わりにリレーニが応える。
「…あの、白亜の城に入るためには、戦いは避けられないから、私たちも手伝いたいのだけど…手伝えなくて…」
リレーニの言葉に首を横に振るリリエ。
「いえいえ!全然送っていただけるだけで十分です。それに、私なんかのためにリレーニ様やフニカも巻き込むわけにはいきませんし。」
「ごめんなさいね。でも、頑張って連れ戻しに行くのよ。ここまで覚悟を決めてきたのだから。」
「はい!」
そのリレーニの言葉にリリエは迷うことなく返事をした。それから、リレーニとフニカが雲の下へ戻っていったのを見送って、ふと呟いた。
「…まさか気まぐれで行った森で竜の皇女様と姫君に会って、こんなところまで危険をおかしてまで連れてきてもらえるなんて…」
そして振り返り、少し遠くにそびえる神の城を見た。
″リューシャ、ごめんね。でも、絶対連れ戻すから…!″
そう心の中で呟いたがその時、声がリリエの頭の中に響いた。
『…本当に後悔はない?』
「…!誰?!」
『たった1人の友達の為だけに、全種族を敵に回すなんて、本当にあなたの選択はそれでいい?』
「…私の決めたこと。後悔なんてしてないし、する気もないよ。」
『ここは、人知未踏の場所。あなたの身になにが起こるかも全く分からない。』
「だから、後悔なんてしないって言ってるでしょ。」
リリエの言葉に少し開けて声は言った。
『そう。』
「…ねぇ、あなたは誰?何者なの?」
その問いに声は何も答えず、それから声は聞こえなくなった。
「…なにか気になるけど…とりあえず、リューシャを連れ戻しにいかなきゃ」
そう、リリエは神の城へ向かって歩き始めた。
「…ということは、私がリレーニ様に乗って、その場所までいかなくてはならないのですか?」
「そういうこと。だから、私はあなたの護衛のような形でそこまでついていきたいの。」
「…で、私がリレーニ様に乗ってそこまで行くってことなんですね?」
リリエの質問に頷くリレーニ。
「…リリエさん、もう一度確認してもいい?」
「はい?」
「…本当に、全種族を敵に回そうとも、リューシャさんを連れ戻しにいくのね?」
「はい!」
その迷いのない返事にリレーニは微笑むと、言った。
「…じゃあ、もう行きますか?準備などは…」
「大丈夫です。行きます。」
リレーニはリリエの決意の固まった、揺るがない目を見て、頷いた。そしてリレーニは目を閉じ、両手を胸にあてると詠唱を唱えた。
「【フォーデュラム・チェイン】」
すると、リレーニの体がまばゆい光に包まれ光が止んだとき、リレーニは灰色の竜となって、そこに立っていた。
「じゃあ、私も…」
そう、フニカも魔法を使おうとするが、それをリレーニは止めた。
「フニカ、あなたはまだ戻っちゃダメよ。竜が2匹も空を飛んでいたら、怪しまれてしまうから。」
「分かった。」
フニカが魔法の使用を止めたのを確認して、リレーニは微笑む。
「…じゃあ、リリエさん、フニカ。乗って。少しだけ、白亜の城にいくための説明をしたいけど、飛びながらの方が退屈しないと思うから。」
「はい。ありがとうございます。リレーニ様。」
リレーニに深いお辞儀をして、リリエはリレーニの背に乗る。ちなみに、リリエがお辞儀を深々としたとき、リレーニとフニカは顔を見合わせ苦笑いしていた。そしてリリエとフニカがちゃんと乗ったのを確認し、リレーニはふわりと飛び上がった。しばらく上へと飛ぶと、町や皇都が小さくなり、広大な景色となってリリエの目に入ってきた。
「…わ…」
その景色の広大さにビックリしているリリエにフニカが言う。
「景色いいでしょ。人の皆はこんな景色見れないんだよね…なんか、見せたくなっちゃうな…」
「…そう、ですね…」
どこか悲しみを含んだ目をしてリリエは景色を見ながらフニカに返した。
「あ、お姉さん…じゃなくて、リリエさん。私には敬語なんか使わなくて良いよ?母さんは皇女だからいいとしても。」
「そうで…そう?だったら、私のこともさんなんてつけなくてもいいよ。フニカ。」
「うん、分かったよリリエ!」
そう2人で笑い合っていると、リレーニが声をかけてきた。
「リリエさん、あの白亜の城へ行く過程の話をしても大丈夫?」
「あ、はい!大丈夫です!」
リリエの返事を聞いて、一呼吸置くとリレーニは白亜の城への過程を話しはじめた。
「…白亜の城、それが天の川のほとりに立っているのは知っているでしょ?」
「あ、はい。それは知ってます。」
その言葉にリレーニは頷き、話を続ける。
「でもね、白亜の城には決して、誰も直接はいけないの。…どうしても神の城を抜けて行かなくちゃ、白亜の城へは行けない。だから私たちも神の城の前まで送りたいのだけど…」
「神の城の前にはバカみたいにあり得ない人数の神が侵入者を拒むように立っていて、限られた者しか普通に入ることはできないの。だから、城の前にも私たちは行けない。」
「ということはつまり…」
リリエの言葉にリレーニは続けた
「残念だけど、神たちとの戦闘は避けられないってことなの。」
「そうなんですね。」
そう頷き、ふと前を見たとき、そこに白い雲のようなものが見えた。
「…あれは…?」
「あれが神の住む雲。やっぱり母さんだったらすぐついちゃうね。」
「みんな、これくらいよ?フニカ。」
そう言うと、リレーニは雲の上へ降りた。リリエはひらりとリレーニから降りると、例をして笑っていった。
「ありがとうございました。リレーニ様、フニカ。」
「いいよ。いいんだけど…」
フニカが悲しそうな顔をする。
「どうしたの?フニカ?」
リリエの問いにフニカの代わりにリレーニが応える。
「…あの、白亜の城に入るためには、戦いは避けられないから、私たちも手伝いたいのだけど…手伝えなくて…」
リレーニの言葉に首を横に振るリリエ。
「いえいえ!全然送っていただけるだけで十分です。それに、私なんかのためにリレーニ様やフニカも巻き込むわけにはいきませんし。」
「ごめんなさいね。でも、頑張って連れ戻しに行くのよ。ここまで覚悟を決めてきたのだから。」
「はい!」
そのリレーニの言葉にリリエは迷うことなく返事をした。それから、リレーニとフニカが雲の下へ戻っていったのを見送って、ふと呟いた。
「…まさか気まぐれで行った森で竜の皇女様と姫君に会って、こんなところまで危険をおかしてまで連れてきてもらえるなんて…」
そして振り返り、少し遠くにそびえる神の城を見た。
″リューシャ、ごめんね。でも、絶対連れ戻すから…!″
そう心の中で呟いたがその時、声がリリエの頭の中に響いた。
『…本当に後悔はない?』
「…!誰?!」
『たった1人の友達の為だけに、全種族を敵に回すなんて、本当にあなたの選択はそれでいい?』
「…私の決めたこと。後悔なんてしてないし、する気もないよ。」
『ここは、人知未踏の場所。あなたの身になにが起こるかも全く分からない。』
「だから、後悔なんてしないって言ってるでしょ。」
リリエの言葉に少し開けて声は言った。
『そう。』
「…ねぇ、あなたは誰?何者なの?」
その問いに声は何も答えず、それから声は聞こえなくなった。
「…なにか気になるけど…とりあえず、リューシャを連れ戻しにいかなきゃ」
そう、リリエは神の城へ向かって歩き始めた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる