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リューシャ編
17話
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部屋から出て数十分ほどたった頃、未だにリリエとスカイは廊下の奥を目指していた。
「…ねぇスカイ、いつになったら番人は出てくるの…?」
「さぁ。俺たちが疲れてフラフラになるところを狙ってくるんじゃないの?」
「…そうなのかな…でも、そうだとしても…こんなに廊下って長いものかな?」
″この長さ…ほんとに異常だ……嫌な予感がするけど…少し様子を見てみるしか…″
スカイは思考を巡らせる。
″だとしても、ここまで長いのはおかしい…もしこれがあれでなかったとすれば城の大きさを越えてる。ただ、これがあれのせいだと考えると全部つじつまが合う…まさか、本当に…?″
「スカイ?大丈夫?」
「え…?」
リリエの言葉に驚いたようなそぶりを見せるスカイ。
「なんか考え込んでたから…なにか分かったの?」
スカイは確実な確証が得られていないため少し言うかどうか迷ったが、リリエも知っていて損はないと考え、ゆっくりと口を開いた。
「……確証はないけど、……もしかしたら俺たちは今、無限迷路に入りこんでいるかも知れない。」
「無限迷路?」
頷くスカイ。
「無限迷路はその名の通り無限に同じ道をループさせられるんだ。…神の城には無限迷路を操作できる奴がいるって聞いたことがあったけど、まさか…ね」
その言葉にリリエは少し考えると呟いた。
「…無限迷路って、魔法もループするの?」
「さぁ。…なにする気?」
「気になるなら、見ててよ」
リリエは笑うと両手を前に出すと意識を集中させる。
「【ウィンド・レード】」
すると風がリリエに集まり、風は廊下の先へ流れていった。
「…これで、風が前から帰ってくれば…」
″風の誘導系の魔法…そんなものも使えるのか…″
そうスカイが心の中で感嘆していると、風が正面から戻ってきて、リリエの回りをしばらく渦巻くと、再び正面に風が流れていった。
「…!スカイ!行こう!」
リリエは急いで走り出す。それにスカイも後ろからついていく。しばらく走ると、ループしていた部屋に着き、風は部屋の左側へと流れていった。
「!これって…ただの壁、だよね…?」
そこには、普通に部屋の壁があるだけだった。
「ここに、何が…もしかしてここから出られるかもしれないってこと?」
「…そう考えるしかないね。試しに、壁になにか強めの魔法を放ってみれば?」
その言葉で、リリエは口元に怪しい笑みを浮かべた。
「じゃあ、頑張ってやってみようかな?」
「…頑張ってくれてもいいけど、ここで力を使いすぎて、番人との戦いのときとか、後々の戦いで響かないようにしといてよ」
その言葉を聞いて固まってしまうリリエ。
「そ、それは勿論ちゃんと考えてるよ…〔多分…〕」
「…最後の方に多分って言ってたことは聞いてなかったことにしておくから、早くやったら?」
その瞬間、気まずそうにスカイにリリエは言った。
「え、えーっと…す、スカイさん、私力の分配やばそうなんで代わりにここに攻撃してくれますかね…?」
「俺の場合氷だから脆くてこんな壁壊せるほどの力もないんだよ残念ながら。」
そう首を振るスカイ。
「いや絶対出来るよね!氷そんな脆くないですからね!」
「俺の氷は極度に脆いんだ」
「絶対嘘だ!て言うかスカイ氷の壁で短剣弾いてたでしょ!」
「…もういいから早く。ここで捕まったら俺たちは終わりだよ」
「あー!もう分かりました!分かりましたよ!やればいいんでしょ!やりますっ!」
リリエは渋々(?)右手を前に出した。
「【アルブレスタ・ウィンディア】!」
壁は想像以上に脆かったのかすぐ壊れ、壁の向こう側には異世界のような謎の空間が広がっていた。
「…これって、入ったらちゃんと元のところに戻れるよね…?」
「多分大丈夫。ほら行くよ」
「ちょっ…待っ…」
リリエの言葉も聞かず、スカイはリリエの手をしっかり握ると謎の空間へ迷いなく飛び込んだ。
「…っ…」
リリエは恐怖から目を固く閉じていた。するとふと声が上から聞こえた。
「リリエ。もう目、開けても大丈夫。ちゃんと戻れたよ。」
「ほんと…?」
そう目を開けると、そこには自分がお姫様抱っこされているような目線でスカイの顔が見えた。
「…ちょっと待って。」
「?なにが?」
そこでリリエは気づいた。お姫様抱っこされているような目線ではなく、今現在、確かにリリエがスカイにお姫様抱っこされていると言うことに。
「わ、私なんでスカイにお姫様抱っこされてるの?!」
「手を引いてるだけだったら心配だったから。」
「し、心配していただけるのはうれしい限りですけど、突然されてたらビックリするからね…?」
そう顔を真っ赤にしながらリリエは言った。
「…じゃあ、今度からリリエを抱くときにはなるべく言うようにするよ。」
「うん、なにかちょっと違う意味にとられてるような気がするけど気のせいだね!」
リリエはスカイに下ろしてもらうと、真っ赤にほてった顔を冷まさせるためにしばらく必死だった。
「…さぁ、また無限迷路に迷う前に番人のところに行こう。」
「う、うん!そうだねっ!」
リリエとスカイは廊下へ出て、奥へと進んでいった。(戻って立っていたのは、部屋の左側でした。)
「………!無限迷路から、脱出した…?…見た目に反して想像以上の実力……ただ、それで俺に敵うと思っているのか?」
そんな2人の後ろ姿を見て、ワインレッドの髪の青年は口元に微笑を浮かべて腕を組みながらそう言い、ゆらりと蜃気楼のように消えた。
「…ねぇスカイ、いつになったら番人は出てくるの…?」
「さぁ。俺たちが疲れてフラフラになるところを狙ってくるんじゃないの?」
「…そうなのかな…でも、そうだとしても…こんなに廊下って長いものかな?」
″この長さ…ほんとに異常だ……嫌な予感がするけど…少し様子を見てみるしか…″
スカイは思考を巡らせる。
″だとしても、ここまで長いのはおかしい…もしこれがあれでなかったとすれば城の大きさを越えてる。ただ、これがあれのせいだと考えると全部つじつまが合う…まさか、本当に…?″
「スカイ?大丈夫?」
「え…?」
リリエの言葉に驚いたようなそぶりを見せるスカイ。
「なんか考え込んでたから…なにか分かったの?」
スカイは確実な確証が得られていないため少し言うかどうか迷ったが、リリエも知っていて損はないと考え、ゆっくりと口を開いた。
「……確証はないけど、……もしかしたら俺たちは今、無限迷路に入りこんでいるかも知れない。」
「無限迷路?」
頷くスカイ。
「無限迷路はその名の通り無限に同じ道をループさせられるんだ。…神の城には無限迷路を操作できる奴がいるって聞いたことがあったけど、まさか…ね」
その言葉にリリエは少し考えると呟いた。
「…無限迷路って、魔法もループするの?」
「さぁ。…なにする気?」
「気になるなら、見ててよ」
リリエは笑うと両手を前に出すと意識を集中させる。
「【ウィンド・レード】」
すると風がリリエに集まり、風は廊下の先へ流れていった。
「…これで、風が前から帰ってくれば…」
″風の誘導系の魔法…そんなものも使えるのか…″
そうスカイが心の中で感嘆していると、風が正面から戻ってきて、リリエの回りをしばらく渦巻くと、再び正面に風が流れていった。
「…!スカイ!行こう!」
リリエは急いで走り出す。それにスカイも後ろからついていく。しばらく走ると、ループしていた部屋に着き、風は部屋の左側へと流れていった。
「!これって…ただの壁、だよね…?」
そこには、普通に部屋の壁があるだけだった。
「ここに、何が…もしかしてここから出られるかもしれないってこと?」
「…そう考えるしかないね。試しに、壁になにか強めの魔法を放ってみれば?」
その言葉で、リリエは口元に怪しい笑みを浮かべた。
「じゃあ、頑張ってやってみようかな?」
「…頑張ってくれてもいいけど、ここで力を使いすぎて、番人との戦いのときとか、後々の戦いで響かないようにしといてよ」
その言葉を聞いて固まってしまうリリエ。
「そ、それは勿論ちゃんと考えてるよ…〔多分…〕」
「…最後の方に多分って言ってたことは聞いてなかったことにしておくから、早くやったら?」
その瞬間、気まずそうにスカイにリリエは言った。
「え、えーっと…す、スカイさん、私力の分配やばそうなんで代わりにここに攻撃してくれますかね…?」
「俺の場合氷だから脆くてこんな壁壊せるほどの力もないんだよ残念ながら。」
そう首を振るスカイ。
「いや絶対出来るよね!氷そんな脆くないですからね!」
「俺の氷は極度に脆いんだ」
「絶対嘘だ!て言うかスカイ氷の壁で短剣弾いてたでしょ!」
「…もういいから早く。ここで捕まったら俺たちは終わりだよ」
「あー!もう分かりました!分かりましたよ!やればいいんでしょ!やりますっ!」
リリエは渋々(?)右手を前に出した。
「【アルブレスタ・ウィンディア】!」
壁は想像以上に脆かったのかすぐ壊れ、壁の向こう側には異世界のような謎の空間が広がっていた。
「…これって、入ったらちゃんと元のところに戻れるよね…?」
「多分大丈夫。ほら行くよ」
「ちょっ…待っ…」
リリエの言葉も聞かず、スカイはリリエの手をしっかり握ると謎の空間へ迷いなく飛び込んだ。
「…っ…」
リリエは恐怖から目を固く閉じていた。するとふと声が上から聞こえた。
「リリエ。もう目、開けても大丈夫。ちゃんと戻れたよ。」
「ほんと…?」
そう目を開けると、そこには自分がお姫様抱っこされているような目線でスカイの顔が見えた。
「…ちょっと待って。」
「?なにが?」
そこでリリエは気づいた。お姫様抱っこされているような目線ではなく、今現在、確かにリリエがスカイにお姫様抱っこされていると言うことに。
「わ、私なんでスカイにお姫様抱っこされてるの?!」
「手を引いてるだけだったら心配だったから。」
「し、心配していただけるのはうれしい限りですけど、突然されてたらビックリするからね…?」
そう顔を真っ赤にしながらリリエは言った。
「…じゃあ、今度からリリエを抱くときにはなるべく言うようにするよ。」
「うん、なにかちょっと違う意味にとられてるような気がするけど気のせいだね!」
リリエはスカイに下ろしてもらうと、真っ赤にほてった顔を冷まさせるためにしばらく必死だった。
「…さぁ、また無限迷路に迷う前に番人のところに行こう。」
「う、うん!そうだねっ!」
リリエとスカイは廊下へ出て、奥へと進んでいった。(戻って立っていたのは、部屋の左側でした。)
「………!無限迷路から、脱出した…?…見た目に反して想像以上の実力……ただ、それで俺に敵うと思っているのか?」
そんな2人の後ろ姿を見て、ワインレッドの髪の青年は口元に微笑を浮かべて腕を組みながらそう言い、ゆらりと蜃気楼のように消えた。
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