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リューシャ編
18話
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「…!スカイ!あれって…」
「…やっと、本当の部屋みたいだね。」
先に見える扉を見てリリエは喜び、スカイも安堵したかのように(そう感じただけであり、本人は対して普段と変わらないが)そう言った。
「あの扉の先に、番人が…」
「…油断しないようにね。負けたら、俺たちは終わりなんだから」
「油断なんてするわけない。…スカイ、ここまでも助けたり戦ったりしてくれてありがとう。これからも、しばらく…よろしくね?」
「どうしたの?突然。」
「あ、いや…なんか、私スカイに頼ってばっかりでなにもできてないから申し訳なくて…」
そう苦笑するリリエ。
「…別にいいよ。それに、こんなところでそういうこと言ってフラグ立てないで。」
「へ?ふらぐ?」
リリエの返した言葉に反応せずにスカイは扉の前に立つ。
「…とにかく、あんまり無茶しないでよ。今回は俺と共闘になるんだから。」
「もちろん!」
リリエの返事を聞いた瞬間に、スカイは扉を凍らせる。そして凍った扉を思いきり蹴り飛ばした。扉は氷と共にキラキラと輝きながら砕けた。そして、扉の奥の部屋の中に立つ1人の人物。
「…まさか、無限迷路から抜け出してくるとはね…こちらも読みが甘かったかな?」
ワインレッドの髪の青年がそこに立っていた。
「読みが甘かった…?ってことは、あなたが無限迷路を出現させたの…?」
「そんなところだよ。でも、どうやって出てきたんだい?あれに迷い込んだものは2度と出てこれないとまで言われているというのに。」
「知りたかったら、自分で考えて。俺たち、ここで呑気に話してる暇なんてないんだよ。」
スカイの言葉に笑う青年。
「はははっ!冷たいなぁ。それに、俺がここをそう簡単に開けると思ってる?」
「…疎い。戦う気がないなら後ろの皇子や皇女のいる皇の間への扉を開けろ。」
スカイの言葉で、青年から笑みが消えた。
「へぇ。番人の俺が簡単にここを開けると思ってるんだね。俺が誰かちゃんと理解してる?」
そう笑う青年は怪しい笑みを浮かべる。
「…それくらい…」
「城の番人ですよね?どうしても通す気がないならこっちも強行手段に入ります。私たちだって、そう易々と通れるなんて思ってないですから。」
リリエはそう青年に言うと、ほんの微かに右手に風を纏わせた。
「…へぇ、風の属性魔法?」
「っ!」
不意打ちを仕掛けるつもりで、バレないように風を纏わせたつもりだったが、思った以上に簡単にバレてしまった。
「あ、隠してるつもりだった?ごめんね。俺、そういうの見分けるの得意だから。」
そう笑って言う青年にリリエは笑って言った。
「いえいえ、逆に見えるようにしたんですよ?私、不意打ちなんてもの好みませんから。」
リリエは先ほどの青年の言葉に少しイラッときたのか、逆に挑発に出たらしい。しかし青年はただ笑うだけで何も返さなかった。リリエは突然スカイの方を向くと、とても小さな声で問いかけた。
「…スカイ、どうするの?」
その言葉にスカイは少し黙ると、リリエに歩み寄っていき、耳元でささやくように言った。
「リリエは、あいつの視界を少しでもいいから悪くして。俺が氷で攻撃するから。」
リリエはそれを聞くと小さく頷き、風を纏ったままの右手を上に伸ばした。
「…こっちの姿が見えなくなればそれで良いよね?【レフテスト・サイクロン】」
するとリリエとその近くにいたスカイを中心として竜巻が起こる。
「!目眩まし…かな?」
そう青年が右手を出し、竜巻の方にかざしたその時、
青年の真後ろからスカイが氷を放った。
「【ヘニレフス・アシュレン】」
「?!」
しかし青年はあり得ないほどの反射神経で氷を避けた。
「!この距離の攻撃を…」
「…甘いね。」
そう言うと青年が左手を上にかざした。すると、青年の左手に無数の槍が召喚される。
「っ?!」
「俺が召喚出来るの、忘れてた?……だから甘いんだよ。この先には皇子や皇女、さらには王妃だっている。はっきり言って君たちに勝っていける確証はないね。」
その瞬間、リリエが呟くように言った。
「…敵のあなたに言われるようなことでもない。それくらい理解してる。こっちこそはっきり言わせてもらうけど余計なお世話。敵に分かりきっていることを言われる筋合いはない。」
リリエは俯いたままに言う。
「分かっているなら、どうして無駄あがきする?」
「…確証がないだけなら可能性はあるってこと。それに確証なんてあなたの中での経験上の問題。私たちの可能性に関わりはしない。」
「君たちの可能性云々の話じゃない。現実を見ろ。君たちにはこの先に進むという意志相応の実力が無いと言いたいんだ。」
青年の言葉にリリエは無言で右手を前に出すと、勢いよく横に振り払った。すると青年が召喚していた槍が全て吹き飛んだ。
「!槍が………っ?!」
ゆっくり顔を上げたリリエの目に恐ろしいほどの悪寒を感じる青年。
「実力?そんなものただの勝ち負けの基準でしかない。こっちは命を懸けるほどの覚悟で来ている。馬鹿にしないで。」
「…己の実力を理解していないなら、しっかり理解させてやらなければな。」
「…!待って、リリ…」
スカイの制止の言葉も聞こえなかったか、リリエは右手に風を強く纏わせた。
「…リリエ…?」
スカイはリリエの様子に明らかな違いを感じていた。
″リリエの…口調が、少し変わった…?″
スカイは心の中でそう呟いた。
「…やっと、本当の部屋みたいだね。」
先に見える扉を見てリリエは喜び、スカイも安堵したかのように(そう感じただけであり、本人は対して普段と変わらないが)そう言った。
「あの扉の先に、番人が…」
「…油断しないようにね。負けたら、俺たちは終わりなんだから」
「油断なんてするわけない。…スカイ、ここまでも助けたり戦ったりしてくれてありがとう。これからも、しばらく…よろしくね?」
「どうしたの?突然。」
「あ、いや…なんか、私スカイに頼ってばっかりでなにもできてないから申し訳なくて…」
そう苦笑するリリエ。
「…別にいいよ。それに、こんなところでそういうこと言ってフラグ立てないで。」
「へ?ふらぐ?」
リリエの返した言葉に反応せずにスカイは扉の前に立つ。
「…とにかく、あんまり無茶しないでよ。今回は俺と共闘になるんだから。」
「もちろん!」
リリエの返事を聞いた瞬間に、スカイは扉を凍らせる。そして凍った扉を思いきり蹴り飛ばした。扉は氷と共にキラキラと輝きながら砕けた。そして、扉の奥の部屋の中に立つ1人の人物。
「…まさか、無限迷路から抜け出してくるとはね…こちらも読みが甘かったかな?」
ワインレッドの髪の青年がそこに立っていた。
「読みが甘かった…?ってことは、あなたが無限迷路を出現させたの…?」
「そんなところだよ。でも、どうやって出てきたんだい?あれに迷い込んだものは2度と出てこれないとまで言われているというのに。」
「知りたかったら、自分で考えて。俺たち、ここで呑気に話してる暇なんてないんだよ。」
スカイの言葉に笑う青年。
「はははっ!冷たいなぁ。それに、俺がここをそう簡単に開けると思ってる?」
「…疎い。戦う気がないなら後ろの皇子や皇女のいる皇の間への扉を開けろ。」
スカイの言葉で、青年から笑みが消えた。
「へぇ。番人の俺が簡単にここを開けると思ってるんだね。俺が誰かちゃんと理解してる?」
そう笑う青年は怪しい笑みを浮かべる。
「…それくらい…」
「城の番人ですよね?どうしても通す気がないならこっちも強行手段に入ります。私たちだって、そう易々と通れるなんて思ってないですから。」
リリエはそう青年に言うと、ほんの微かに右手に風を纏わせた。
「…へぇ、風の属性魔法?」
「っ!」
不意打ちを仕掛けるつもりで、バレないように風を纏わせたつもりだったが、思った以上に簡単にバレてしまった。
「あ、隠してるつもりだった?ごめんね。俺、そういうの見分けるの得意だから。」
そう笑って言う青年にリリエは笑って言った。
「いえいえ、逆に見えるようにしたんですよ?私、不意打ちなんてもの好みませんから。」
リリエは先ほどの青年の言葉に少しイラッときたのか、逆に挑発に出たらしい。しかし青年はただ笑うだけで何も返さなかった。リリエは突然スカイの方を向くと、とても小さな声で問いかけた。
「…スカイ、どうするの?」
その言葉にスカイは少し黙ると、リリエに歩み寄っていき、耳元でささやくように言った。
「リリエは、あいつの視界を少しでもいいから悪くして。俺が氷で攻撃するから。」
リリエはそれを聞くと小さく頷き、風を纏ったままの右手を上に伸ばした。
「…こっちの姿が見えなくなればそれで良いよね?【レフテスト・サイクロン】」
するとリリエとその近くにいたスカイを中心として竜巻が起こる。
「!目眩まし…かな?」
そう青年が右手を出し、竜巻の方にかざしたその時、
青年の真後ろからスカイが氷を放った。
「【ヘニレフス・アシュレン】」
「?!」
しかし青年はあり得ないほどの反射神経で氷を避けた。
「!この距離の攻撃を…」
「…甘いね。」
そう言うと青年が左手を上にかざした。すると、青年の左手に無数の槍が召喚される。
「っ?!」
「俺が召喚出来るの、忘れてた?……だから甘いんだよ。この先には皇子や皇女、さらには王妃だっている。はっきり言って君たちに勝っていける確証はないね。」
その瞬間、リリエが呟くように言った。
「…敵のあなたに言われるようなことでもない。それくらい理解してる。こっちこそはっきり言わせてもらうけど余計なお世話。敵に分かりきっていることを言われる筋合いはない。」
リリエは俯いたままに言う。
「分かっているなら、どうして無駄あがきする?」
「…確証がないだけなら可能性はあるってこと。それに確証なんてあなたの中での経験上の問題。私たちの可能性に関わりはしない。」
「君たちの可能性云々の話じゃない。現実を見ろ。君たちにはこの先に進むという意志相応の実力が無いと言いたいんだ。」
青年の言葉にリリエは無言で右手を前に出すと、勢いよく横に振り払った。すると青年が召喚していた槍が全て吹き飛んだ。
「!槍が………っ?!」
ゆっくり顔を上げたリリエの目に恐ろしいほどの悪寒を感じる青年。
「実力?そんなものただの勝ち負けの基準でしかない。こっちは命を懸けるほどの覚悟で来ている。馬鹿にしないで。」
「…己の実力を理解していないなら、しっかり理解させてやらなければな。」
「…!待って、リリ…」
スカイの制止の言葉も聞こえなかったか、リリエは右手に風を強く纏わせた。
「…リリエ…?」
スカイはリリエの様子に明らかな違いを感じていた。
″リリエの…口調が、少し変わった…?″
スカイは心の中でそう呟いた。
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