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リューシャ編
20話
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「【レリアヒュー・フローズン】」
スカイがレステルトの上からつららを落とす。それをやはり無数の槍で砕くレステルト。
″…これがわざとなのか、本当に弱点なのか…しっかり見極めないと、ね…″
スカイは少しレステルトから距離をとると、じっとレステルトを見つめた。
「………」
「どうした?俺の一手がどうくるか見極めてたりする?」
そう笑うレステルトに内心舌打ちをするスカイ。
″…地味に勘の良い奴…″
「…一手を見極める?その作戦も良いのかもね。」
しゃがんで、地面に手をついた体勢でそう言うスカイ。取り繕った言葉だが、スカイは表情が全く崩れていないため、レステルトの方も悔しがっていた。
″くそ…なんなんだあいつ…片時も表情が崩れない…そのせいで真意が全く読めないじゃないか…″
そして、2人の間で再び巨大な氷と無数の槍がぶつかり合った。
戦う2人を少し離れたところから見るリリエは右手に火を纏わせて、誰にも見えないように後ろに隠していた。
「…もしあの弱点が事実なら、火は絶対にあいつに効くはず…」
リリエはしっかりと戦う2人を見つめ、火を強く燃やした。
″…チャンスは…スカイがあいつの気を引き付けて、私のことを一瞬でも忘れた時…絶対に成功させなきゃ…″
「【レグティスヌ・ルニテクタ】」
レステルトの横から氷が出現し、貫ぬこうとするがレステルトはひょいと氷をかわした。
「そんなもの?大見得を切った割には威力の無い攻撃だね。やっぱり、それほどの実力で先に進むなんて無理があるんじゃないのか?」
そうバカにしたような笑みをレステルトが浮かべたその時、レステルトの後ろから火が飛んできた。
「っ?!」
レステルトは間一髪で火を避けると辺りを見回した。
″…どこから…ここに火の属性魔法を操るものなんていなかったはず…″
「どこみてるのっ!」
リリエの声が聞こえ、その方を向くとリリエが右手に火を纏わせて立っていた。
「?!〔なぜ…?彼女は風の属性魔法を使っていたはず…そもそも属性魔法を2つも使いこなすなんて不可能だ…だが、あの攻撃は確かに俺を…〕」
呟いた言葉はリリエに聞こえており、リリエは言う。
「…なんで私がさっき風の属性魔法を使ってたはずなのに今火の属性魔法を使ってるのか不思議でならない…って顔にしっかり書いてるよ」
そう口元に笑みを浮かべるリリエ。その言葉にレステルトは少しして笑みを浮かべると、返した。
「……考えても分からないものは分からない。俺も経験がまだまだ浅いな。…だが、属性魔法をいくら2つも使いこなせようとどちらかは必ず魔法が不安定なはずだ。お前の攻撃、火と風の魔法を俺にぶつけてみろ。俺はその2つの攻撃でお前の弱点を見つけ出し、攻撃してやろう。」
″…怪しい…突然何…?″
そう思いながらも、リリエは笑みを浮かべ、頷いた。
「…臨むところ。【アルブレスタ・ウィンディア】!」
リリエはレステルトに突風を放った。突風に逃げもせずレステルトは正面から攻撃を受け、風が止んだときそこには軽い傷を数ヶ所負ったレステルトが立っていた。
「…これほどの威力…ねぇ…」
リリエはその姿を目視すると、あまりダメージが入っていないことも気にせず、間髪いれずに火を放つ。
「【フェンディクタ・フレイムス】!」
巨大な火の玉がレステルトを呑み込んだ。
「…っ!」
「!」
先の攻撃でまだ残っていた風と相まってか、強風が部屋を包み込んだ。強風がしばらくしてようやく止み、前をみやるとそこには片膝をついたレステルトがいた。外傷はあまりないようだったが、ダメージはそこそこあったらしく、軽く肩で息をしていた。
″なぜ…なぜ威力が変わらない…?ほとんど同じ威力の属性魔法を2つもなんて…ありえない…どうして…″
レステルトはリリエの方を見る。
「スカイ、風大丈夫だった?」
「うん大丈夫。」
そう返したスカイに安堵した笑みを返すリリエ。そんな2人にレステルトの声が聞こえた。
「なぜ…なぜ属性魔法を暴走もさせず…」
″…そういえば、私の考えてた作戦がすっかり崩れちゃったけど…多分、大丈夫だね″
そうリリエが思ったその時、レステルトが左手を前に出した。
「【ヴォアランス・クリムゾン】!」
すると炎を纏う槍が大量にリリエとスカイの方へ召喚され、放たれた。
「!」
スカイがそれに反応して魔法の体勢に入りかけたがとあることに気づき、魔法を放つことなく後ろを見た。すると右手を前に伸ばしたリリエが叫んだ。
「【エンデストラル・ウォーター】!」
するとリリエの伸ばした右手に空気中の水分が一気に集まり、向かってくる炎の槍の方へ勢いよく水が放たれた。水は炎の槍を包み込み、そのままレステルトの方へと向かっていった。
「!…くっ!」
しかしレステルトは水を上に飛び上がり軽々と避けた。が、その表情に余裕など一欠片も無かった。レステルトは地面に着地すると、こわごわと言った。
「…み、3つ目の属性魔法…聞いたことない…そんな者など…神話にも残っていないはず…規格外だ…なぜこんな者が…?!」
目を見開いて驚くレステルトにリリエは怒っているときとは少し違う感情の読めない目を向けていた。
「…規格外、か…」
スカイがレステルトの上からつららを落とす。それをやはり無数の槍で砕くレステルト。
″…これがわざとなのか、本当に弱点なのか…しっかり見極めないと、ね…″
スカイは少しレステルトから距離をとると、じっとレステルトを見つめた。
「………」
「どうした?俺の一手がどうくるか見極めてたりする?」
そう笑うレステルトに内心舌打ちをするスカイ。
″…地味に勘の良い奴…″
「…一手を見極める?その作戦も良いのかもね。」
しゃがんで、地面に手をついた体勢でそう言うスカイ。取り繕った言葉だが、スカイは表情が全く崩れていないため、レステルトの方も悔しがっていた。
″くそ…なんなんだあいつ…片時も表情が崩れない…そのせいで真意が全く読めないじゃないか…″
そして、2人の間で再び巨大な氷と無数の槍がぶつかり合った。
戦う2人を少し離れたところから見るリリエは右手に火を纏わせて、誰にも見えないように後ろに隠していた。
「…もしあの弱点が事実なら、火は絶対にあいつに効くはず…」
リリエはしっかりと戦う2人を見つめ、火を強く燃やした。
″…チャンスは…スカイがあいつの気を引き付けて、私のことを一瞬でも忘れた時…絶対に成功させなきゃ…″
「【レグティスヌ・ルニテクタ】」
レステルトの横から氷が出現し、貫ぬこうとするがレステルトはひょいと氷をかわした。
「そんなもの?大見得を切った割には威力の無い攻撃だね。やっぱり、それほどの実力で先に進むなんて無理があるんじゃないのか?」
そうバカにしたような笑みをレステルトが浮かべたその時、レステルトの後ろから火が飛んできた。
「っ?!」
レステルトは間一髪で火を避けると辺りを見回した。
″…どこから…ここに火の属性魔法を操るものなんていなかったはず…″
「どこみてるのっ!」
リリエの声が聞こえ、その方を向くとリリエが右手に火を纏わせて立っていた。
「?!〔なぜ…?彼女は風の属性魔法を使っていたはず…そもそも属性魔法を2つも使いこなすなんて不可能だ…だが、あの攻撃は確かに俺を…〕」
呟いた言葉はリリエに聞こえており、リリエは言う。
「…なんで私がさっき風の属性魔法を使ってたはずなのに今火の属性魔法を使ってるのか不思議でならない…って顔にしっかり書いてるよ」
そう口元に笑みを浮かべるリリエ。その言葉にレステルトは少しして笑みを浮かべると、返した。
「……考えても分からないものは分からない。俺も経験がまだまだ浅いな。…だが、属性魔法をいくら2つも使いこなせようとどちらかは必ず魔法が不安定なはずだ。お前の攻撃、火と風の魔法を俺にぶつけてみろ。俺はその2つの攻撃でお前の弱点を見つけ出し、攻撃してやろう。」
″…怪しい…突然何…?″
そう思いながらも、リリエは笑みを浮かべ、頷いた。
「…臨むところ。【アルブレスタ・ウィンディア】!」
リリエはレステルトに突風を放った。突風に逃げもせずレステルトは正面から攻撃を受け、風が止んだときそこには軽い傷を数ヶ所負ったレステルトが立っていた。
「…これほどの威力…ねぇ…」
リリエはその姿を目視すると、あまりダメージが入っていないことも気にせず、間髪いれずに火を放つ。
「【フェンディクタ・フレイムス】!」
巨大な火の玉がレステルトを呑み込んだ。
「…っ!」
「!」
先の攻撃でまだ残っていた風と相まってか、強風が部屋を包み込んだ。強風がしばらくしてようやく止み、前をみやるとそこには片膝をついたレステルトがいた。外傷はあまりないようだったが、ダメージはそこそこあったらしく、軽く肩で息をしていた。
″なぜ…なぜ威力が変わらない…?ほとんど同じ威力の属性魔法を2つもなんて…ありえない…どうして…″
レステルトはリリエの方を見る。
「スカイ、風大丈夫だった?」
「うん大丈夫。」
そう返したスカイに安堵した笑みを返すリリエ。そんな2人にレステルトの声が聞こえた。
「なぜ…なぜ属性魔法を暴走もさせず…」
″…そういえば、私の考えてた作戦がすっかり崩れちゃったけど…多分、大丈夫だね″
そうリリエが思ったその時、レステルトが左手を前に出した。
「【ヴォアランス・クリムゾン】!」
すると炎を纏う槍が大量にリリエとスカイの方へ召喚され、放たれた。
「!」
スカイがそれに反応して魔法の体勢に入りかけたがとあることに気づき、魔法を放つことなく後ろを見た。すると右手を前に伸ばしたリリエが叫んだ。
「【エンデストラル・ウォーター】!」
するとリリエの伸ばした右手に空気中の水分が一気に集まり、向かってくる炎の槍の方へ勢いよく水が放たれた。水は炎の槍を包み込み、そのままレステルトの方へと向かっていった。
「!…くっ!」
しかしレステルトは水を上に飛び上がり軽々と避けた。が、その表情に余裕など一欠片も無かった。レステルトは地面に着地すると、こわごわと言った。
「…み、3つ目の属性魔法…聞いたことない…そんな者など…神話にも残っていないはず…規格外だ…なぜこんな者が…?!」
目を見開いて驚くレステルトにリリエは怒っているときとは少し違う感情の読めない目を向けていた。
「…規格外、か…」
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