ツムギ ツナグ

みーな

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リューシャ編

25話

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皇の間おうのまを出たリリエとスカイは、ずっと真っ直ぐ続く雲の道を歩いていた。


「…白亜はくあの城の中まで、誰も辿り着いた者はいないんだよね…私、ああやって見得を切ったはいいけど、本当に自信が無いんだけど…」


暗い顔をするリリエに優しく言うスカイ。


「大丈夫。俺がいるよ。1人で行くよりかは全然頑張れるでしょ?」
「まぁ、そうだけど…スカイは強いし、居てくれるだけでもすごい心強んだけど……私がスカイの足引っ張ってないかなーって…」


ネガティブ発言をするリリエに軽くため息をつくスカイ。


「はぁ…リリエってネガティブ発言と自分のことをあり得ないくらい過小評価するの好きだよね。」
「過小評価って、実際そうだよ?番人と戦ったとき、スカイが私を守ってくれて倒してくれたし、さっきの皇女おうじょ様と皇子おうじ様のときだって私は威圧に怯んでたのにスカイは堂々といつも通りにしてた。…でも…」


リリエの言葉の続きを遮って、スカイは言った。


「リリエは今のままでも充分役に立ってるよ。足を引っ張ってるなんてことはない。それに、ここまで来れたのも俺とリリエの2人だったから。俺でも、1人だったらここまでは来れてなかったと思う。…これも、リリエのお陰だよ。」


スカイはそういうとふわりと優しく、リリエの前で微笑んだ。


「…っ!?う、うん、ありがとう…」


初めてスカイが表情を見せたことに心から驚いたのか、頬が熱くなるのを感じてとっさにリリエは下を向いた。ただその時感じた、心がぎゅっと締め付けられるような大切でどこか懐かしく、少しもどかしい感覚の理由がその時のリリエにはどうしても分からなかった。


″…なんで、スカイがちょっと笑ったくらいで…″


「リリエ?大丈夫?」
「へっ?!う、うん!大丈夫だよっ!」


リリエはスカイに慌てるように返事をする。が、リリエは会話がなくなると気まずくなってしまうと謎の結論に至り、スカイに質問を投げかけた。


「お、皇子おうじ様は短い一本道だって言ってたけどどれくらいでつくのかな?」
「?さぁ?ていうか、リリエほんとに大丈夫?なにかあった?」


もう既に無感情で無表情のスカイに戻ったのを声で感じて、リリエはちらりとスカイの顔を見た。


「リリエ?」


スカイと目が合った。でも先ほどとは打って変わり何も感じなかった。否、少しだけまた心が締め付けられるような感覚に陥りかけたが、リリエはそれを無理矢理心の奥へ押し込んだ。


「うん、大丈夫だよスカイ。心配かけちゃったかな?」
「いや、まあ心配だけどリリエが大丈夫って言うなら…」
「ごめんね?ここからは気をもっと引き締めていかなくちゃ。今更足引っ張ってないかなんて気にしてられないね」


そう笑うリリエにスカイは心の中で呟いた。


″…リリエは、俺に頼ってくれて良いのに…それに、さっきなんでかあたふたしてたのだって…なんでもいいから相談してほしいって思うんだけどな…″


前を真っ直ぐ見据えるリリエを横目で見る。


″…でも、やっぱり今は難しいかな…″


「…!スカイ、もしかしてあれが白亜はくあの城かな?」
「?」


リリエがそう言い、見つめる先には皇子おうじ皇女おうじょのいる城より少し大きく太陽の光を浴びてより一層輝く真っ白な城、白亜はくあの城がそびえ立っていた。


「そうだね。あれが白亜はくあの城だよ」
「…あそこに…リューシャが…」
リリエの目にいろいろな感情が渦巻き始めたのにスカイは気付き、言った。
「でも、その前に皇子おうじが言ってたでしょ。ここから先に進めた者はいないって。俺たちはその、誰も行ったことのない先に行かなきゃならない。かなり強い相手が来るんだ。あまりそっちに気をとられてると危険だよ。」


その言葉にリリエはハッとし、スカイの方を見て頷いた。


「うん、そうだね。いまは目の前のことに集中しなきゃ…っ?!」


リリエは強いなにかを感じ取り、上空を見上げた。スカイもそのなにかを感じたか上を見上げる。そこにはポニーテールのオレンジの髪を風になびかせる女性が浮いていた。


「…っ!まさか…」
「また、身の程知らずがやって来たの?ついさっき皇子おうじが止めたというのに…」


女性はそう言いながらも笑みを浮かべており、ここまで来た者の末路を知っているからか楽しんでいるように見える。


「でも、最近は誰も来なくなっててね…私も退屈してたのよ。今回はどんな戦い方を見せて私の目を楽しませてくれるの?」
「あいにくだけど、俺たちはあんたと遊ぶためなんかにここまで来たわけじゃないから。」


女性はスカイの冷たい返しにも笑みを崩すことはない。


「あら。可愛らしい顔立ちをして冷たいことを言うのね。…一応名乗っておくと、私はミレア・リフスディ。草を操る物質魔法ぶっしつまほうを使うのよ。」


そういうミレアをスカイは睨み付ける。


「…わざわざ魔法を教えるなんて余裕があるんだね」
ミレアは睨みに怯むこともなく言う。
「それはそうでしょ?だって今まで来た者たちだって教えても私に互角にすら戦えなかったんだもの。」
「…俺たちが今までの者たちと同じようになると思ったら大間違いだから。そこ、よく覚えといて。」


スカイは横に立つリリエと視線を合わせるとリリエは頷き、2人は身構えた。
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