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リューシャ編
35話
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「はぁぁぁぁ…」
リリエは心底疲れたのか、その場に尻餅をついた。
「リリエ大丈夫?」
スカイのその言葉にリリエは笑って返す。
「そう言うスカイこそ大丈夫なの?」
スカイはそう返したリリエに言葉を返さず立ち上がると、出現させていた氷に手を伸ばし、呟いた。
「【アイシクル・リターン】」
その詠唱で、出現していた氷が全て弾け、細かい輝く粒子になると、粒子はスカイの伸ばした手に集まっていく。
「何してるの?スカイ。」
「何って、あの氷に溜めてた魔力を回収してるんだよ。疲れてても魔力が残ってたらある程度は動けるしね。…まぁ、これほんとはあのやられかけたときに、逆転するつもりで置いてたんだけど、誰かさんが割り込んできたから無駄になったからね。」
スカイのその言葉はリリエの心にぐさりと刺さる。
「う…ごめんなさい…」
「ま、上手いことリリエが倒してくれたから良かったんだけど。…でも、そういえばリリエ、土の魔法は使えないって言ってたよね?」
スカイのその言葉に、リリエは思い出したように言った。
「あ、それは…誤解?語弊?だったのかな…?」
「どういうこと?」
首をかしげてそう言うリリエをスカイは訝しげに見つめた。
「えっと…かなり短く要約するとその、私が魔法を覚えた本には、土の魔法がAcquire alreadyって書かれてて。正直、よくわからなかったんだけど覚えられないのかな?ってなって……だから、覚えられなくて使えないって思ってたんだけど」
「今回どうしてか使えたってことね。…でも、Acquire already?リリエは覚えてすらいなかったのにその文字が?」
「分からない…けど、それ以前になんで本が私の知らないことすらも知ってたのかが謎なんだけど…」
そう苦笑いするリリエにスカイは言った。
「リリエって、本当に魔法系の知識が皆無だよね。〔…他の知識も皆無なのかも知れないけど。〕」
「…魔法の知識無くてすいませんでしたね。後、最後に言った他の知識も皆無って言ったのも全部聞こえてますからね」
「まあ冗談だけど、魔法が記されている本はどれもそんなものが多いよ。開く者によって何の魔法を覚えているのか分かりやすくするために、そういう仕様になってるんだよ」
「…ふーん」
リリエは少し不機嫌そうに返した。スカイは出現させていた氷を魔力に変えて回収し終わると、扉の方へ進みながらリリエに言う。
「さて、行くよ。」
「え?ちょっと待ってよ!」
スカイを追いかけ、リリエは扉の先へ進んだ。
″…リリエが、今使っているのは、元素魔法じゃない気がする…それに極似した魔法の、地面の物質魔法のような気が……いや、まさかね…″
スカイはその信じられない考えを頭の中から振り払った。
″…そんなはずない。俺でも、見つけられなかったのに″
スカイとリリエは、白亜の城を進んで行った。
「…【クリエート・フラッシュ】」
その一言で真っ暗な部屋が光に満たされる。明るくなった部屋の入り口に佇む深緑の髪。言わずともわかるだろう、その佇む人物はルクト。ルクトは、部屋の壁に沿って置かれている棚から綺麗で小さな黄緑色の球を手に取り、ズボンのポケットに入れた。するとふとなにかに気づいたように呟いた。
「…そういえば、あの2人は今どこまで進んでるんだ?どこにいるのか分からないと行こうにも行けないんだけどな……あのスカイが、ちゃんと俺の渡してるやつを持ってるとも限らないけど、ダメもとで試してみるしかないか。」
ルクトはそう言うと家の外へ出た。そして手を広げ、掌を空に向ける。
「【マップレスト・シャイン】」
ルクトの開く掌から眩い光が放たれ、どこかの建物の道だけが書かれた、地図のようなものが出現した。
「ここは、白亜の城…?そんなところまで行ってるのかあの2人は。…まあリューシャが連れていかれるとは俺もリリエも、リューシャ自身も思ってなかっただろうし、本気で連れ戻す気なんだろうけど……、そこは心配するほどのことでもないか。」
ルクトはそう呟いて笑う。
「…まさかリューシャがあいつだったことには驚いたけど、それ以上に逆になついてたことに笑いが止まらないな。あの様子なら説得なんかするもしないも同じだな。」
それでしばらく微笑むと、ルクトは表情を引き締める。
「ただ、1つ気になるのは神の城も同じ話になるが白亜の城の敵が少ないこと…なにかがあるのか、わざとなのか…こればっかりは行ってみないと分からないな。」
ルクトは1人そう言うと辺りに人がいないことを確認した。
「さて…行くか。スカイの反応が楽しみだ。【レデスニータ・フラインド】」
ルクトは空に飛び上がると、空に浮かぶ巨大な雲に向かって飛んでいった。
スカイとリリエは相変わらず城の中を進んでいた。が、スカイがなにかにピクリと反応した。
「?スカイ?何かあった?」
「…いや、なんでもないよ。」
″…この上ない嫌な予感がするんだけど…まさか、来るわけないよね…?″
スカイはそう心の中で呟いた。
リリエは心底疲れたのか、その場に尻餅をついた。
「リリエ大丈夫?」
スカイのその言葉にリリエは笑って返す。
「そう言うスカイこそ大丈夫なの?」
スカイはそう返したリリエに言葉を返さず立ち上がると、出現させていた氷に手を伸ばし、呟いた。
「【アイシクル・リターン】」
その詠唱で、出現していた氷が全て弾け、細かい輝く粒子になると、粒子はスカイの伸ばした手に集まっていく。
「何してるの?スカイ。」
「何って、あの氷に溜めてた魔力を回収してるんだよ。疲れてても魔力が残ってたらある程度は動けるしね。…まぁ、これほんとはあのやられかけたときに、逆転するつもりで置いてたんだけど、誰かさんが割り込んできたから無駄になったからね。」
スカイのその言葉はリリエの心にぐさりと刺さる。
「う…ごめんなさい…」
「ま、上手いことリリエが倒してくれたから良かったんだけど。…でも、そういえばリリエ、土の魔法は使えないって言ってたよね?」
スカイのその言葉に、リリエは思い出したように言った。
「あ、それは…誤解?語弊?だったのかな…?」
「どういうこと?」
首をかしげてそう言うリリエをスカイは訝しげに見つめた。
「えっと…かなり短く要約するとその、私が魔法を覚えた本には、土の魔法がAcquire alreadyって書かれてて。正直、よくわからなかったんだけど覚えられないのかな?ってなって……だから、覚えられなくて使えないって思ってたんだけど」
「今回どうしてか使えたってことね。…でも、Acquire already?リリエは覚えてすらいなかったのにその文字が?」
「分からない…けど、それ以前になんで本が私の知らないことすらも知ってたのかが謎なんだけど…」
そう苦笑いするリリエにスカイは言った。
「リリエって、本当に魔法系の知識が皆無だよね。〔…他の知識も皆無なのかも知れないけど。〕」
「…魔法の知識無くてすいませんでしたね。後、最後に言った他の知識も皆無って言ったのも全部聞こえてますからね」
「まあ冗談だけど、魔法が記されている本はどれもそんなものが多いよ。開く者によって何の魔法を覚えているのか分かりやすくするために、そういう仕様になってるんだよ」
「…ふーん」
リリエは少し不機嫌そうに返した。スカイは出現させていた氷を魔力に変えて回収し終わると、扉の方へ進みながらリリエに言う。
「さて、行くよ。」
「え?ちょっと待ってよ!」
スカイを追いかけ、リリエは扉の先へ進んだ。
″…リリエが、今使っているのは、元素魔法じゃない気がする…それに極似した魔法の、地面の物質魔法のような気が……いや、まさかね…″
スカイはその信じられない考えを頭の中から振り払った。
″…そんなはずない。俺でも、見つけられなかったのに″
スカイとリリエは、白亜の城を進んで行った。
「…【クリエート・フラッシュ】」
その一言で真っ暗な部屋が光に満たされる。明るくなった部屋の入り口に佇む深緑の髪。言わずともわかるだろう、その佇む人物はルクト。ルクトは、部屋の壁に沿って置かれている棚から綺麗で小さな黄緑色の球を手に取り、ズボンのポケットに入れた。するとふとなにかに気づいたように呟いた。
「…そういえば、あの2人は今どこまで進んでるんだ?どこにいるのか分からないと行こうにも行けないんだけどな……あのスカイが、ちゃんと俺の渡してるやつを持ってるとも限らないけど、ダメもとで試してみるしかないか。」
ルクトはそう言うと家の外へ出た。そして手を広げ、掌を空に向ける。
「【マップレスト・シャイン】」
ルクトの開く掌から眩い光が放たれ、どこかの建物の道だけが書かれた、地図のようなものが出現した。
「ここは、白亜の城…?そんなところまで行ってるのかあの2人は。…まあリューシャが連れていかれるとは俺もリリエも、リューシャ自身も思ってなかっただろうし、本気で連れ戻す気なんだろうけど……、そこは心配するほどのことでもないか。」
ルクトはそう呟いて笑う。
「…まさかリューシャがあいつだったことには驚いたけど、それ以上に逆になついてたことに笑いが止まらないな。あの様子なら説得なんかするもしないも同じだな。」
それでしばらく微笑むと、ルクトは表情を引き締める。
「ただ、1つ気になるのは神の城も同じ話になるが白亜の城の敵が少ないこと…なにかがあるのか、わざとなのか…こればっかりは行ってみないと分からないな。」
ルクトは1人そう言うと辺りに人がいないことを確認した。
「さて…行くか。スカイの反応が楽しみだ。【レデスニータ・フラインド】」
ルクトは空に飛び上がると、空に浮かぶ巨大な雲に向かって飛んでいった。
スカイとリリエは相変わらず城の中を進んでいた。が、スカイがなにかにピクリと反応した。
「?スカイ?何かあった?」
「…いや、なんでもないよ。」
″…この上ない嫌な予感がするんだけど…まさか、来るわけないよね…?″
スカイはそう心の中で呟いた。
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