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みーな

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混沌の泉編

61話

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「…っ?!まさか…サフェルか…?」



レスデオは青年にそう問いかける。青年はその問いかけに笑みを浮かべるとレスデオに頷いた。



「ああ、久しぶりになるけど、会いに来たんだ。お父さんが神の皇子になったって言うのを聞いたから」
「…?」



いくら親と言えど、皇子だからだろう。歓喜に浸りながら駆け寄る、何てことはしない。
 ただ、スカイは青年、サフェルの言葉に違和感を感じていた。現皇子、レスデオが皇子の座についたのは17年前だ。なのに今更それを理由にして会いに来るだろうか?と。



「サフェル、心配していたんだぞ?今までどこに…」



優しげな表情でサフェルに訊ねるレスデオ。彼は再会の喜びでだろう。サフェルの言葉の違和感に気づいていない。



「今、とても大切な約束があって。その約束のために会いに来れなくなってたんだ。…ごめんな、お父さん。」



サフェルはそう悲しげに言う。レスデオはそんなサフェルに微笑んで首を横に振る。



「謝らなくてもいい。ちゃんと帰ってきてくれただけで…」
「…お父さん。でも…自分は、約束を果たさないといけないんだ。…それでもいい?」



その問いかけに優しい笑みを向けて、無言でレスデオは頷く。それを見てサフェルは嬉しそうに笑うと、手を銃の形にしてレスデオに向けた。



「?サフェル…?」
「ごめんよ、お父さん。【インバイティション・デス】」
「っ!【アンディソベル・パーション】」



サフェルの向ける手の銃からは確かに何かが放たれた。それとほぼ同時にスカイがレスデオの前に飛び出し氷の壁を作り出した。
 スカイの反応が良かったのかレスデオに放たれた何かは氷の壁を貫通することなく防がれた。その何かは、太陽の光を浴びて輝く銃弾だった。



「っ、本当に銃弾だったとはね」
「防がれた…?君、何してくれたのかな。今、約束を果たそうとしたのに。」



驚いて、不満げにそう言うサフェルに、スカイは目付きを鋭くさせる。



「本人の許可も下りてないのによくそんなことができるよ」



スカイの鋭い目付きに全く臆すことなくサフェルは笑う。



「許可は下りていたよ。約束を果たしていいってお父さんは言ったじゃないか」



意味が違う、と言葉を返そうとしたが、サフェルがいつの間にか下ろしていた腕を再び上げたことによって、スカイは構える。
 レスデオの様子が気にはなるが今サフェルから目を離せばすかさず攻撃をされるだろう。
 そしてサフェルが再び銃弾を、スカイが生成したままの氷の壁に放とうとする。その瞬間、スカイの視界の右端がキラリと光る。それと同時にサフェルの銃の形に構える右腕が突然勢い良く弾かれた。



「?!誰…?」
「…何となく来てみれば、厄介なことに巻き込まれてるなぁ?スカイ。」



声の方向を向くと、そこにはルクトが立っている。



「っ?!お、皇子殿…」



スカイの後ろから、驚きを隠せないレスデオの声が聞こえる。



「珍しいな。こんなとこに神の皇子様がいるなんて。それもスカイ同様に厄介事に巻き込まれてるとはな」



口角を上げ笑うルクトにサフェルは静かに呟いた。



「…前、神の皇子…消息不明だと聞いていたはずだけど…?」



その言葉に何か返そうとしたルクトの背後から、スカイにとって聞き慣れた少女の(叫び)声が聞こえた。



「…待って、ルクト、前、神の皇子様だったの?!」
「そうだけど、今それを追及するのは保留な、リリエ。」



今は普通の竜を演じるリューシャを腕に抱くリリエの質問責めが始まりそうな予感を感じ取り、ルクトはリリエの質問責めを制止した。



「とりあえず。サフェル、だったよな?…もしお前がここで暴れる気なら僕はお前を止める。もちろん、手加減なんてしない。分かってるよな」



ルクトは右手に光を灯し、かつてリリエにかけた圧をサフェルにもかける。サフェルは銃の形に構えたままだった右手を素直に下ろす。



「さすがに、前皇子を相手にするのは無理だからね。止めておくよ。…お父さん、自分は、必ず約束を果たすからね」



サフェルはそうレスデオに笑みを向けると、ゆらりと消えてしまった。



「…皇子。唐突すぎる言葉だと思うが、あのサフェルって奴はお前の子どもじゃない。血も繋がっていないし、ましてや養子でもない。」



ルクトのその言葉にレスデオはそんなことはないという目でルクトを見つめる。



「本当だ。じゃあ聞くが、あいつの母親は誰なんだ。お前は妻なんていないし、シエルテとは皇子と皇女という立場上、なんの関係もないだろ。」



確かにそう言われればおかしい、とレスデオは今ようやく感じた。サフェルを実の息子だと言う割には母親が彼にはいないのだ。
 レスデオがその事を納得したのを感じたのかルクトは言葉を続けた。



「あいつは、他の世界の種族だ。」



ルクトのその続けた言葉をその場にいた誰もが(リューシャはノーカウントだが)理解できずに首をかしげた。
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