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序章(プロローグ)
第三話 『お悩み相談』
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化け物が高梨さんによって倒された後。
僕は彼女と一緒にグラウンドから移動し中庭のベンチに腰をかけていた。
「はいこれ」
「あ、ありがと」
ベンチで一息付くと、高梨さんは近くの自販機で買った飲み物を僕に手渡す。
そして彼女も薙刀をしまった袋を立てかけると僕の隣に腰をかける。
「えっと、びっくりした?」
「うん」
しばらくして話かけにくそうにしている彼女からの言葉に、正直に答える。
「そうだよね、アハハ」
彼女はそれでも困ったように苦笑いを浮かべ、また口を閉ざす。
なので今度はこっちから話を振って見ることにした。
「高梨さんは、いつもこんなことを?」
「えーとまぁ、そうだね、たまにかな」
「そうなんだ」
僕は静かにもらった飲み物に口をつける。
「あの同じクラスの天寺くんだよね? 今日はどうしてここに?」
「え、ああ、確かコンビニ近くで高梨さんを見かけて声をかけようとしたら
追いつけなくて、それでここに」
「…………マジ?」
「あ、えっと別にストーカーとかじゃないからね。たまたま見かけて気になった
だけで」
「あーもしかして噂の話?」
「あれ、知ってるの?」
「そりゃね。これでもうまく誤魔化せてると思ってたんだけどなー」
と彼女は冗談めいたように言いつつも、少し困ったように頭を掻く。
それもそうだろう。
援交や危ないバイトならいざ知らず、夜な夜な怪異と戦っているなんて、
それこそ奇怪な話。おいそれと他人には話せないだろうから。
「高梨さんは退魔師とかなの?」
「退魔とは少し違うかな。イメージ的には近いかもだけど、私は祓屋。
怪異を祓う専門家かな」
「祓屋……じゃあさっきの化物が怪異なんだね」
「ええ。あれは低級怪異と呼ばれる部類のやつで、罠を張って獲物を
誘き寄せるタイプ」
「低級って、もしかしてあれでも弱い方なの?」
「うーん。怪異に弱い強いって概念は基本的にないけど、危険度で言ったら
まだ低い方かな」
「そうなんだ」
僕は膝上に抱えた手を強く握る。
「怖かった?」
「かなり」
正直、僕は今までそういう非科学的な存在は否定的なタイプだった。
しかしこうして目の当たりにしてしまえば、認めざる負えない。
そして現実の彼らは、僕の情弱で漠然とした想像よりも遥かに怖い存在だった。
「そういえばまだお礼を言ってなかったね。ありがとう高梨さん。
君がいなかったら僕はアレに食べられていたと思う」
「気にしなくていいよ。これも私の仕事だから」
ただ君がいたのは予想外だったけどねと、彼女は続ける。
「ちなみに今日のことは、みんなには内緒ね?」
「大丈夫だよ。こんな話、誰に信じてもらえないだろうし。そもそも誰かに話す
つもりもないから」
「本当に?」
「勿論だよ。ただその代わりと言ってはなんだけど、よければ君に相談したい
ことがあるんだ」
「相談? もしかして怪異がらみ?」
「多分」
そして僕はこの摩訶不思議な状況の中、彼女に自身の身に起きている話をした。
いつからか黒い影が見えるようになったこと。
それと同時に自身の姿が鏡に映らなくなり、今では地面に映る影まで薄くなって
きていること。それらを事細かに説明する。
すると彼女はその話を仄めかすでもなく、終始神妙な面持ちで聴き続けた。
「――――と言う訳なんだけど、どう思う?」
「…………」
話を終えると彼女は閉口し、腕組みをしながら難しい顔を浮かべる。
「その話本当なんだよね?」
「うん」
「だよね。こんな話、即興じゃ思いつかないもんね」
すると高梨さんは「んー」と唸り声を上げたかと思うと思考を巡らせている
ように目を瞑る。
「だー、ダメだ。私じゃ全然わかんないや」
しかし彼女でも解決方法や原因がわからないらしく、すぐに根を上げた。
その姿に学校での彼女とのギャップを感じつつも、宗はあからさまに
肩を落とす。
「はー。そうだよね。ごめん変な話して」
すると高梨さんは少し沈黙したのち、僕の顔を覗き込み問いかける。
「ねぇ、天寺君、明日の放課後何か用事ある?」
「え? いや特にはないけど」
「そう。ならもう少しだけここで待ってて」
そういうと彼女はベンチから立ち上がると自身の携帯を取り出し何処かへと
電話をかけ始める。そうしてしばらくすると通話を終えた高梨さんが僕の元へと
戻ってくる。
「天寺君、なら明日の放課後、一緒に帰りましょ」
「どこかに行くの?」
「ええ。私の師匠に会わせてあげる」
「高梨さんの、師匠?」
「そう。天寺君も知ってるでしょ。この街の東にある京条寺、
そこの住職さんだよ」
僕は彼女と一緒にグラウンドから移動し中庭のベンチに腰をかけていた。
「はいこれ」
「あ、ありがと」
ベンチで一息付くと、高梨さんは近くの自販機で買った飲み物を僕に手渡す。
そして彼女も薙刀をしまった袋を立てかけると僕の隣に腰をかける。
「えっと、びっくりした?」
「うん」
しばらくして話かけにくそうにしている彼女からの言葉に、正直に答える。
「そうだよね、アハハ」
彼女はそれでも困ったように苦笑いを浮かべ、また口を閉ざす。
なので今度はこっちから話を振って見ることにした。
「高梨さんは、いつもこんなことを?」
「えーとまぁ、そうだね、たまにかな」
「そうなんだ」
僕は静かにもらった飲み物に口をつける。
「あの同じクラスの天寺くんだよね? 今日はどうしてここに?」
「え、ああ、確かコンビニ近くで高梨さんを見かけて声をかけようとしたら
追いつけなくて、それでここに」
「…………マジ?」
「あ、えっと別にストーカーとかじゃないからね。たまたま見かけて気になった
だけで」
「あーもしかして噂の話?」
「あれ、知ってるの?」
「そりゃね。これでもうまく誤魔化せてると思ってたんだけどなー」
と彼女は冗談めいたように言いつつも、少し困ったように頭を掻く。
それもそうだろう。
援交や危ないバイトならいざ知らず、夜な夜な怪異と戦っているなんて、
それこそ奇怪な話。おいそれと他人には話せないだろうから。
「高梨さんは退魔師とかなの?」
「退魔とは少し違うかな。イメージ的には近いかもだけど、私は祓屋。
怪異を祓う専門家かな」
「祓屋……じゃあさっきの化物が怪異なんだね」
「ええ。あれは低級怪異と呼ばれる部類のやつで、罠を張って獲物を
誘き寄せるタイプ」
「低級って、もしかしてあれでも弱い方なの?」
「うーん。怪異に弱い強いって概念は基本的にないけど、危険度で言ったら
まだ低い方かな」
「そうなんだ」
僕は膝上に抱えた手を強く握る。
「怖かった?」
「かなり」
正直、僕は今までそういう非科学的な存在は否定的なタイプだった。
しかしこうして目の当たりにしてしまえば、認めざる負えない。
そして現実の彼らは、僕の情弱で漠然とした想像よりも遥かに怖い存在だった。
「そういえばまだお礼を言ってなかったね。ありがとう高梨さん。
君がいなかったら僕はアレに食べられていたと思う」
「気にしなくていいよ。これも私の仕事だから」
ただ君がいたのは予想外だったけどねと、彼女は続ける。
「ちなみに今日のことは、みんなには内緒ね?」
「大丈夫だよ。こんな話、誰に信じてもらえないだろうし。そもそも誰かに話す
つもりもないから」
「本当に?」
「勿論だよ。ただその代わりと言ってはなんだけど、よければ君に相談したい
ことがあるんだ」
「相談? もしかして怪異がらみ?」
「多分」
そして僕はこの摩訶不思議な状況の中、彼女に自身の身に起きている話をした。
いつからか黒い影が見えるようになったこと。
それと同時に自身の姿が鏡に映らなくなり、今では地面に映る影まで薄くなって
きていること。それらを事細かに説明する。
すると彼女はその話を仄めかすでもなく、終始神妙な面持ちで聴き続けた。
「――――と言う訳なんだけど、どう思う?」
「…………」
話を終えると彼女は閉口し、腕組みをしながら難しい顔を浮かべる。
「その話本当なんだよね?」
「うん」
「だよね。こんな話、即興じゃ思いつかないもんね」
すると高梨さんは「んー」と唸り声を上げたかと思うと思考を巡らせている
ように目を瞑る。
「だー、ダメだ。私じゃ全然わかんないや」
しかし彼女でも解決方法や原因がわからないらしく、すぐに根を上げた。
その姿に学校での彼女とのギャップを感じつつも、宗はあからさまに
肩を落とす。
「はー。そうだよね。ごめん変な話して」
すると高梨さんは少し沈黙したのち、僕の顔を覗き込み問いかける。
「ねぇ、天寺君、明日の放課後何か用事ある?」
「え? いや特にはないけど」
「そう。ならもう少しだけここで待ってて」
そういうと彼女はベンチから立ち上がると自身の携帯を取り出し何処かへと
電話をかけ始める。そうしてしばらくすると通話を終えた高梨さんが僕の元へと
戻ってくる。
「天寺君、なら明日の放課後、一緒に帰りましょ」
「どこかに行くの?」
「ええ。私の師匠に会わせてあげる」
「高梨さんの、師匠?」
「そう。天寺君も知ってるでしょ。この街の東にある京条寺、
そこの住職さんだよ」
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