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第1章イラストレス 2
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「やっと来たな!村長に何したか知らねーけど、俺はお前を認めねーからな!」
玄関で仁王立ちするアザムがまたもこちらに剣を向けて言い放つ。
疲れているせいもあり、本気でキレそうな楓はそう言うならちょっとこっちへ来いとアザムを道場に連れてきた。
「今、訳の分からない事だらけで疲労困憊の俺はすこぶる機嫌が悪い!だからお前が何者でも構わないがほっといて欲しい。もしそれができなければ、相手になる!」
道場に掛けてあった木刀を手に持ちアザムと対峙する。楓の姿を見たアザムは物怖じせず自分の得物を構えた。
「そんな棒っ切れで俺に勝とうと思ってんのか!笑わせるな!後で泣きみてもしらねーぞ!」
アザムは慣れた手つきで今にも飛び掛ってきそうだが、楓の間合いには入ってこなかった。アザムはモンスターと命やり取りをするのだから当然だろう。
その二人のやり取りを見ていた少女がオロオロしていた。
楓はジリジリ距離を縮めもう少しでアザムの間合いに入ろうとしていた。
それをアザムも待っていたかのように飛び出す。
勝負は一瞬だった。飛び出したアザムの攻撃は後に下がった楓に避けられ空を切る。同時に素早く間合いを詰められた時にはアザムは地に顔を埋めた。
アザムは何が起こったのかわからないだろう。それほどに早い攻撃だった。
「アザム!大丈夫!」
駆け寄った少女の声に疲労が爆発した楓が少女にもたれかかるようにして倒れた。
小さい声でキャアという声を聞きながら眠りにつく。
「こいつ、結構やるぞ。危険だから今動かないうちにやっちまうか!」
「だからダメだってば!それよりもどこか怪我してないか確認が先です。」
二人が耳元で何やら騒いでいる。楓は重たい瞼を上げると
「あっ!起きた?大丈夫?」
少女が気付いて話しかけてきた。
俺は大丈夫だと言うと、アザムも謝ろう。ね?と言って謝らせていた。
少女はミルと名乗り、アザムとはつい最近モンスターに襲われたのを助けて貰いそのまま、この村に泊まっていた。
「ありがとう。ミルのおかげで少し動けるようになった。」
楓は上体を起こしながらミルに礼を言うと、アザムに帰ってくれと懇願する。
まだ剣を持って警戒していたアザムはミルにも睨まれている事を確認するとバツが悪そうに出ていった。
「さっきのが俺の本気だと思うなよ!強化魔法を使ってればお前なんか簡単なんだよ!」
「アザム!」
一言言って立ち去ろうとしたアザムにミルが名前を呼ぶとさらにバツが悪そうだったのは見ていて可愛そうだ。
そのやり取りを見ていた楓はアザムがいなくなりミルと二人きりなってしまった事に気付いた。
楓はミルに自室に連れて行ってもらえるように頼むとミルはそれを承諾してくれた。
アザムと戦った時にはオロオロしていたミルだが、肩を借りた時に華奢で顔立ちが良く可愛いと思った楓が「可愛い」とミルには聞こえないように小さく呟く。
自室につくと、ようやく一息付けられる喜びに身体は歓喜しミルを忘れ一目散に布団を目指した。
布団の上に寝転んだ時ミルがいた事を思い出し座り直し改めて礼を言う。
一瞬忘れされたミルは少し驚いていたが、笑みを浮かべながら大丈夫と手を振って部屋から出ていった。
楓も手を振り返しながら扉が閉まると今日の事を考えようとしたが疲労感に抗えずそのまま眠りについてしまう。
翌朝、時間軸は日本と変わらなかったのであろう、日が昇り始めた時には目が覚め、あれこれ考えるのは後にして普段通りランニングをする為外に出た。
普段なら10kmのコースは頭に入っているのだがここは異世界のイラストレス村なので、感覚を頼りに走り、道場に戻るといつものように素振りを開始し始めた。
素振りをして1時間過ぎぐらいか、道場の扉が開きミルが中に入ってきた。
ミルはこちらを見るなり驚きの表情をしていたが、素振りが終わるまでこちらには話しかけて来なかったので、そこから少し続けて朝の練習を終えた。
「楓さん、おはようございます。昨日はあんなに疲れていたのに、朝から剣の練習をして体調は大丈夫なんですか?」
ミルは心の底から心配そうに訪ねてくるので、これぐらいなら大丈夫と言ってタオルで汗を流す。
普段の行動ならここで朝食を取るところだが、ここに落とし穴があった。
ここは異世界で現代のライフラインは無い。つまり冷蔵庫の物はダメになり、炊飯器、レンジ等の家電製品も全て使えないときた。コンロに至ってはガスホースが途中から鋭利な刃物に切られたかのように綺麗に切れていた。
項垂れる楓を見たミルが、朝食まだでしたら一緒に食べませんか?と言ってきた。
「いや、でも俺は無一文ですよ?」
日本円が使えないのを昨日、村長に確認していた楓は自分で言ってて情けなくまた、恥ずかしくなり顔を染めた。
「そんなの私が払います。」
ミルは『しかし』と言う楓に困った時はお互い様です。と言うと楓の腕を掴んだ。
あまりの展開に楓は少し困りながらも諦めてミルの後を追う。
玄関で仁王立ちするアザムがまたもこちらに剣を向けて言い放つ。
疲れているせいもあり、本気でキレそうな楓はそう言うならちょっとこっちへ来いとアザムを道場に連れてきた。
「今、訳の分からない事だらけで疲労困憊の俺はすこぶる機嫌が悪い!だからお前が何者でも構わないがほっといて欲しい。もしそれができなければ、相手になる!」
道場に掛けてあった木刀を手に持ちアザムと対峙する。楓の姿を見たアザムは物怖じせず自分の得物を構えた。
「そんな棒っ切れで俺に勝とうと思ってんのか!笑わせるな!後で泣きみてもしらねーぞ!」
アザムは慣れた手つきで今にも飛び掛ってきそうだが、楓の間合いには入ってこなかった。アザムはモンスターと命やり取りをするのだから当然だろう。
その二人のやり取りを見ていた少女がオロオロしていた。
楓はジリジリ距離を縮めもう少しでアザムの間合いに入ろうとしていた。
それをアザムも待っていたかのように飛び出す。
勝負は一瞬だった。飛び出したアザムの攻撃は後に下がった楓に避けられ空を切る。同時に素早く間合いを詰められた時にはアザムは地に顔を埋めた。
アザムは何が起こったのかわからないだろう。それほどに早い攻撃だった。
「アザム!大丈夫!」
駆け寄った少女の声に疲労が爆発した楓が少女にもたれかかるようにして倒れた。
小さい声でキャアという声を聞きながら眠りにつく。
「こいつ、結構やるぞ。危険だから今動かないうちにやっちまうか!」
「だからダメだってば!それよりもどこか怪我してないか確認が先です。」
二人が耳元で何やら騒いでいる。楓は重たい瞼を上げると
「あっ!起きた?大丈夫?」
少女が気付いて話しかけてきた。
俺は大丈夫だと言うと、アザムも謝ろう。ね?と言って謝らせていた。
少女はミルと名乗り、アザムとはつい最近モンスターに襲われたのを助けて貰いそのまま、この村に泊まっていた。
「ありがとう。ミルのおかげで少し動けるようになった。」
楓は上体を起こしながらミルに礼を言うと、アザムに帰ってくれと懇願する。
まだ剣を持って警戒していたアザムはミルにも睨まれている事を確認するとバツが悪そうに出ていった。
「さっきのが俺の本気だと思うなよ!強化魔法を使ってればお前なんか簡単なんだよ!」
「アザム!」
一言言って立ち去ろうとしたアザムにミルが名前を呼ぶとさらにバツが悪そうだったのは見ていて可愛そうだ。
そのやり取りを見ていた楓はアザムがいなくなりミルと二人きりなってしまった事に気付いた。
楓はミルに自室に連れて行ってもらえるように頼むとミルはそれを承諾してくれた。
アザムと戦った時にはオロオロしていたミルだが、肩を借りた時に華奢で顔立ちが良く可愛いと思った楓が「可愛い」とミルには聞こえないように小さく呟く。
自室につくと、ようやく一息付けられる喜びに身体は歓喜しミルを忘れ一目散に布団を目指した。
布団の上に寝転んだ時ミルがいた事を思い出し座り直し改めて礼を言う。
一瞬忘れされたミルは少し驚いていたが、笑みを浮かべながら大丈夫と手を振って部屋から出ていった。
楓も手を振り返しながら扉が閉まると今日の事を考えようとしたが疲労感に抗えずそのまま眠りについてしまう。
翌朝、時間軸は日本と変わらなかったのであろう、日が昇り始めた時には目が覚め、あれこれ考えるのは後にして普段通りランニングをする為外に出た。
普段なら10kmのコースは頭に入っているのだがここは異世界のイラストレス村なので、感覚を頼りに走り、道場に戻るといつものように素振りを開始し始めた。
素振りをして1時間過ぎぐらいか、道場の扉が開きミルが中に入ってきた。
ミルはこちらを見るなり驚きの表情をしていたが、素振りが終わるまでこちらには話しかけて来なかったので、そこから少し続けて朝の練習を終えた。
「楓さん、おはようございます。昨日はあんなに疲れていたのに、朝から剣の練習をして体調は大丈夫なんですか?」
ミルは心の底から心配そうに訪ねてくるので、これぐらいなら大丈夫と言ってタオルで汗を流す。
普段の行動ならここで朝食を取るところだが、ここに落とし穴があった。
ここは異世界で現代のライフラインは無い。つまり冷蔵庫の物はダメになり、炊飯器、レンジ等の家電製品も全て使えないときた。コンロに至ってはガスホースが途中から鋭利な刃物に切られたかのように綺麗に切れていた。
項垂れる楓を見たミルが、朝食まだでしたら一緒に食べませんか?と言ってきた。
「いや、でも俺は無一文ですよ?」
日本円が使えないのを昨日、村長に確認していた楓は自分で言ってて情けなくまた、恥ずかしくなり顔を染めた。
「そんなの私が払います。」
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