妖怪のおまわりさん~悪い妖怪、捕まえます☆~

かしわぐら あきら(柏倉 あきら)

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1章 妖怪警察見習いに……?!

4話 気まずい教室

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――夜が明け、あっという間に学校に行く時間。

「ね……ねむい……。急がないと。いってきま~す」

「いってらっしゃい。気をつけて行っておいで」

おじいちゃんに見送られて、わたしは目をこすりながら小走りで家を出る。

「しっかりしなさい千晴。学校遅刻するわよ」

いつもは寝坊しないんだけど、昨日起こった事を考えていたら、
なかなか寝付けなくて、寝坊しちゃったよ。急いで、学校へ向かった。

わたしが登校しているのは、天竜市ある中学校、天竜中学校。小高い丘の上にあるの。
一学年10クラスもあって、このあたりにある学校で一番大きいんだ。
西館、東館って敷地内に校舎が二棟あるんだ。
わたしのクラス、1年B組の教室は東館の3階にあるの。

「ほんとについてきただね、ネネ。誰かに見つかったら大変だよ」

「どうせ、霊感のある人にしか見えないし、大丈夫よ。
それに昨日のこともあるし。ついていてあげるわ。
それよりも他の人にはわたしの声が聞こえてないから、
千晴が一人で話している様に見えているから気をつけてなさいね」

なんか、芦木場くんが帰った後、おじいちゃんとネネが話をしたみたい。
おじいちゃんがネネは戦えないけど、妖怪と出会ってしまった時にいないよりはマシだろうと、
いっしょに過ごすことになった。
また昨日の狂骨みたいのが出たらこわいし……
ひとりよりネネがいたほうが心強いな……。

そういえば、ネネと話す時は気をつけないと。
他の人から一人で何もないところに向かって話している変な人だと思われちゃう。

気がつけば、学校の朝のチャイムが鳴る5分前。
いけない!のんびり歩いてる時間ないんだった!急がなくちゃ!
わたしは校舎の階段をかけあがり、自分の教室にかけこんだ。

「ふう……。ギリギリセーフ。咲、おはよ~」

「おはよう千晴!無遅刻無欠席の千晴が時間ギリギリじゃん。めずらしいね!」

彼女は木崎 咲(きさき さき)。
明るくていつも元気なのが取り柄。
ショートカットが似合うボーイッシュな女の子。
運動神経抜群でサッカーのクラブチームの選手なんだ。
男女ともに人気の女の子なの。
アニメとかオカルト好きでわたしの親友でオタク仲間なの。

「二人ともおはよ~!あれ?安芸が俺と変わらない時間なのめずらしいじゃん」

わたしのうしろから教室入ってきたのは、
大西 正太朗(おおにし しょうたろう)。
よく女の子にちょっかいを出してくる、
ちょっとめんどくさいけどおもしろい男の子。

「そういえば、おれ、見ちゃったんだよ!安芸の家から芦木場が出てくるの!
お前らいつから付き合ってるんだよ!」

「はぁ?!大西!そ!そんなんじゃ!」

昨日、芦木場くんが帰るところを見られたの?!
全然そんなんじゃないのに!それに声が大きい!
クラスの子たちの視線がいたいよ!

キーンコーンカーンコーン!!

「みんな、席につけ!ホームルーム始めるぞ!」

私の声を打ち消すように、チャイムが鳴り、担任の杉山先生が入ってきた。
わたしは大西に弁解する時間すらなく、朝のホームルームが始まる。
先生の話している最中、後ろの方の席から

「ねぇ聞こえた?芦木場くんと安芸さんが??どういうこと?」

「ほんとに?信じられない」

とクラスの女の子たちの声がかすかに聞こえてくる。

うう~これは……非常にマズい状況だな……。気まずいよ…!
芦木場くんにも迷惑が掛かっちゃうよ!
休み時間になったら、ちゃんと違う大西に言わなくちゃ!

授業が終わり、休み時間になった。
わたしは大西のところに急いで行こうと、席を立とうとした時。

「安芸さん。ちょっといいかしら」

女の子に声をかけられた。振り返ると、
そこにはクラスメイトの自称、芦木場くんファンクラブ
会長、宝来 友里花(ほうらい ゆりか)さんと
その友達、白鳥 葉子(しらとり ようこ)さんがわたしを不機嫌そうな顔で立っていた。

宝来さんは強気で、いかにもお嬢様って感じの女の子。
白鳥さんはいつも宝来さんと一緒に行動している女の子。
今、からまれたらめんどくさい人たちに、声かけられちゃったな……。

「朝、大西くんが言っていたけど、どういう事か聞かせてくれるかしら?」

「ほんとだよね。あなたが芦木場くんと?友里花ちゃんを差し置いて、何なの?」

白鳥さんも宝来さんに続いて、問いただすように言いよってくる。
ふたりは、わたしが逃げられないように囲むように寄ってきた。

「えっと……。それは……」

どう答えたら良いんだろう?妖怪のことも芦木場くんが妖怪警察官であることも
言えるわけがない!なんていってごまかそう。
一緒にいたのは事実だしな……。
なにか話さないと、ずっと言い寄られるぞ……。

わたしがもんもんと言いよどんでいたら、

「おふたりさん!そんなに気になるなら、本人に聞いてみたら?」

「おれと安芸がどうとか聞こえたけと、どうかしたの?」

「「芦木場くん?!」」

咲が芦木場くん呼んできてくれたようで、
ふたりがわたしたちに会話に割って入ってきてくれた。

「どうせまた、大西が大きく話を盛って言っただけなんでしょ。ねえ芦木場くん」

「確かに、昨日安芸の家に行ったけど。
昔、お世話になっていた、安芸のおじいさんに用事があって、会いに行っただけだよ」

芦木場くんが教室の後ろ方にいた大西を見ながら大きな声でいうと、
びくっと、こちらのほうを見て、手を合わせて、
ごめんごめんと大きくジェスチャーをして大西が謝っている。

それを見た宝来さんと白鳥さんはお互いの顔を見合わせて、

「そういうことだったのね。大西くんがまた変なこと言ってただけなのね。
芦木場くん、誤解をしてごめんなさい」

「安芸さん、次からはちゃんと言ってよね」

と言って、ささっと逃げるようにさっていた。

芦木場くんには謝ってるけど、私に対しては全然、謝らた感じがしないな……。
面倒な人たちに目をつけられてしまったな……。
とにかく、ふたりが納得してくれたようで良かったよ!

「ありがとう、ふたりとも。宝来さんと白鳥さんの誤解が解けて良かった」

「これくらい、たいしたことないよ。別におれは……いや、なんでもない。じゃあまた」

「千晴、ホント災難だったね。私から大西にはガツンと言っておくからさ!
じゃあ、わたしも戻るね。バイバイ」

ふたりは自分の席の方に戻っていた。

芦木場くん、何か言いかけた気がするけど、気のせいだよね?
とにかく!今日の夜からお仕事のお手伝いだ!

気持ちを入れ替えてがんばらないとだね……!
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